売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E01920 IFRS


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1)経営成績の分析

当第3四半期連結累計期間の国際的な経済情勢を見ますと、各国の金融引き締めによりインフレ率の上昇は鈍化傾向にある一方で、中国経済の低迷などにより世界経済の足踏みは続いています。また、ロシアによるウクライナ侵攻や中東地域の情勢不安が一層の物価上昇、景気後退を招く可能性もあり、依然として先行き不透明な状況が続いています。

当第3四半期連結累計期間の当社グループの連結業績は、各国の金融引き締めによる住宅需要の低迷及び建築・建設市場への投資抑制の影響を受け、多くの地域で販売が減少し、売上収益は前年同期比5.1%減の550,614 百万円となりました。利益面においては、為替の影響などにより原価率が改善したことから、営業利益は前年同期比76.9%増の48,049 百万円(営業利益率 8.7%)となりました。税引前四半期利益は前年同期比77.3%増の46,113 百万円(税引前四半期利益率8.4%)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は129.5%増の32,637 百万円(親会社の所有者に帰属する四半期利益率5.9%)となりました。

 

地域別の売上収益については、次の通りです。
 なお、地域別売上収益は、それぞれの市場における売上収益を示しており、セグメント情報の売上収益(出荷元基準)とは異なります。

国内では、引き続き需要環境は厳しいものの、秋口まで続いた猛暑が落ち着くにつれ屋外での作業時間が増え、園芸用機器の需要が増加したことから、前年同期比1.0%増の91,697百万円となりました。
 欧州では、高インフレ、金融引き締めに終わりが見え始めているものの、依然高金利の影響から各国で建築市場が低迷しており、低調な需要状況が続いていることから、前年同期比0.7%減の261,298百万円となりました。
 北米では、金融引き締めは緩和の兆しを見せ始めているものの、建築市場および投資意欲の改善は未だ見られず、ホームセンター向けを中心に販売が減少し、前年同期比20.8%減の73,190百万円となりました。
 アジアでは、中国をはじめとした各国での不動産市場の不振が続き、総じて工具需要が低調に推移したことから、前年同期比18.4%減の34,450百万円となりました。
 中南米では、需要環境は厳しいものの、各国において注力している40Vmax シリーズの拡販に努め、前年同期比0.8%増の37,137百万円となりました。
 オセアニアでは、追加の金融引き締めにより個人消費が冷え込み、大手顧客での在庫削減の動きが継続していることから当社の販売が減少し、前年同期比6.4%減の41,370百万円となりました。
 中近東・アフリカでは、国によって濃淡はあるものの、総じて建設・建築需要は堅調に推移しており、前年同期比6.0%増の11,472百万円となりました。

 

(2)地域別セグメントの業績

セグメント情報は当社及び連結子会社の所在地に基づき決定されます。

 

日本セグメント

当第3四半期連結累計期間の日本セグメントの売上収益は、前年同期比32.7%減の234,062百万円となりました。このうち、外部収益は、前年同期比4.5%減の104,660百万円(連結売上収益の19.0%)となりました。

当第3四半期連結累計期間の日本セグメントの営業利益は、原価率の改善及び費用の減少などにより前年同期比257.9%増の20,478百万円となりました。

 

欧州セグメント

当第3四半期連結累計期間の欧州セグメントの売上収益は、前年同期比1.0%減の271,544百万円となりました。このうち、外部収益は、前年同期比0.4%減の263,655百万円(連結売上収益の47.9%)となりました。

当第3四半期連結累計期間の欧州セグメントの営業利益は、原価率の悪化及び費用の増加などにより前年同期比0.5%減の10,007百万円となりました。

 

北米セグメント

当第3四半期連結累計期間の北米セグメントの売上収益は、前年同期比19.6%減の78,179百万円となりました。このうち、外部収益は、前年同期比20.4%減の75,165百万円(連結売上収益の13.7%)となりました。

当第3四半期連結累計期間の北米セグメントの営業損失は、原価率の悪化及び費用の増加などにより前年同期比141.6%増の3,404百万円となりました。

 

アジアセグメント

当第3四半期連結累計期間のアジアセグメントの売上収益は、前年同期比34.8%減の183,046百万円となりました。このうち、外部収益は、前年同期7.8%減の24,953百万円(連結売上収益の4.5%)となりました。

当第3四半期連結累計期間のアジアセグメントの営業利益は、原価率の悪化及び費用の増加などにより前年同期比57.9%減の12,400百万円となりました。

 

その他の地域セグメント

当第3四半期連結累計期間のその他の地域セグメントの売上収益は、前年同期比2.7%減の82,408百万円となりました。このうち、外部収益は、前年同期比2.5%減の82,181百万円(連結売上収益の14.9%)となりました。

当第3四半期連結累計期間のその他の地域セグメントの営業利益は、原価率の改善などにより前年同期比22.5%増の3,772百万円となりました。

 

 

(3)財政状態の分析

資産合計は、前連結会計年度末に比べ102,151百万円減少し、997,200百万円となりました。主な要因は、棚卸資産の減少によるものです。

負債合計は、前連結会計年度末に比べ158,585百万円減少し、165,067百万円となりました。主な要因は、借入金の減少によるものです。

資本合計は、前連結会計年度末に比べ56,434百万円増加し、832,133百万円となりました。主な要因は、その他の資本構成要素に含まれる在外営業活動体の換算差額の変動によるものです。

 

(4)キャッシュ・フローの状況

営業活動の結果得られた資金は、棚卸資産の減少が多かったことなどにより190,747百万円となりました(前年同期は797百万円の支出)。

投資活動の結果使用した資金は、固定資産の取得が減少したことなどにより前年同期に比べ6,933百万円減少し、23,389百万円となりました。

財務活動の結果使用した資金は、短期借入金の返済などにより184,702百万円となりました(前年同期は104,503百万円の収入)。

上記活動の結果及び為替レートの変動による影響により、当第3四半期連結会計期間末の当社グループの現金及び現金同等物は、前連結会計年度末の162,720百万円から11,080百万円減少して151,640百万円となりました。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について、重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(6)研究開発活動

当第3四半期連結累計期間の研究開発支出(無形資産に計上された開発費を含む)は前年同期比836百万円減の10,608百万円となりました。なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。