E25386 Japan GAAP
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当企業グループ(当社及び連結子会
社)が判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間における世界経済は、インフレの高進、金融引締めの加速等により鈍化し、前年度のGDP成長率より下回る、先行き不透明な状況が続いております。
この状況下、当企業グループの業績は、半導体不足が緩和傾向となり、国内メーカー中心に回復し、海外メーカーにおいても一定量の需要を確保したことで、自動車関連の売上高は増加しました。また、当第3四半期連結会計期間においてやや販売が鈍化しましたが、医療関連の売上高も増加となりました。
しかしながら、その他用途の売上高は、メーカー側の在庫過多状況が続き、中国を中心に景気の後退が要因として販売が減少し、前年同四半期を下回りました。営業利益においても、売上高減少、研究開発費の増加によって、前年同四半期を下回りました。
この結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は16,994百万円(前年同四半期比4.1%減)、営業利益は2,712百万円(前年同四半期比5.9%減)、経常利益は2,924百万円(前年同四半期比13.0%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は1,675百万円(前年同四半期比34.6%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(注)前連結会計年度末より、従来「中国」としていた報告セグメントの名称を「中華圏」に変更していま
す。当該変更は名称変更のみであり、セグメント情報に与える影響はありません。
①日本
自動車関連の売上高は、国内メーカー向けの回復により、前年同四半期に比べ増加いたしました。しかしながら他の用途は、メーカー側の在庫過多状況が継続したことにより、前年同四半期に比べ減少いたしました。
セグメント利益は、売上高の減少や海外子会社からの仕入金額が為替の影響を受けたことで収益性が低下し、前年同四半期を大きく下回りました。これらの結果、売上高3,766百万円(前年同四半期比10.0%減)、セグメント損失183百万円(前年同四半期はセグメント利益256百万円)となりました。
②中華圏
自動車関連の売上高は、一部の日系メーカー向けが、日本から中国へ生産移管されたことに伴い、前年同四半期に比べ増加しましたが、OA機器、産業機器及び家電関連は、メーカーの在庫調整や景気の減速等によって販売が減少し、売上高全体で前年同四半期を下回りました。セグメント利益は、自動車関連の売上高増加、生産工場で適切な生産コントロールを行えたことにより、前年同四半期を上回りました。これらの結果、売上高6,246百万円(前年同四半期比4.8%減)、セグメント利益1,205百万円(前年同四半期比6.9%増)となりました。
③その他アジア
自動車関連の売上高は増加いたしましたが、家電・産業機器関連の減少により、売上高全体は、前年同四半期を下回りました。セグメント利益は、売上高の減少や一部自動車関連の価格調整により収益性が低下し、前年同四半期を下回りました。これらの結果、売上高4,178百万円(前年同四半期比6.3%減)、セグメント利益977百万円(前年同四半期比2.0%減)となりました。
④北米
医療関連の売上高は、血糖値測定器向け及びカテーテル向けの販売が増加し、自動車関連の売上高も、バッ
テリー冷却装置向け、インバーター向けが増加いたしました。セグメント利益は、主に医療関連の売上高増加
が寄与したことで、前年同四半期を上回りました。これらの結果、売上高2,803百万円(前年同四半期比10.9%
増)、セグメント利益709百万円(前年同四半期比8.9%増)となりました。
当第3四半期連結会計期間末日における財政状態は、総資産が前連結会計年度末と比べ、1,513百万円増加し、27,508百万円となりました。各資産・負債の主な増減要因は、次のとおりであります。
①流動資産
流動資産は、前連結会計年度末と比べ1,362百万円増加し、20,988百万円となりました。
これは、主に現金及び預金の増加によるものであります。
②固定資産
固定資産は、前連結会計年度末と比べ151百万円増加し、6,520百万円となりました。
これは、主に有形固定資産の増加によるものであります。
③流動負債
流動負債は、前連結会計年度末と比べ392百万円減少し、4,322百万円となりました。
これは、主にその他(未払費用及び未払金)、短期借入金及び未払法人税等の減少によるものであります。
④固定負債
固定負債は、前連結会計年度末と比べ702百万円増加し、3,037百万円となりました。
これは、主に長期借入金の増加によるものであります。
⑤純資産
純資産は、前連結会計年度末と比べ1,204百万円増加し、20,148百万円となりました。
これは、主に利益剰余金の増加によるものであります。
なお、自己資本比率は73.2%となり、1株当たり純資産額は、1,849円12銭となりました。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況
の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当企業グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題につい
て重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における研究開発活動の金額は、694百万円であります。なお、当社グループの
中期経営計画では、技術開発力の強化を目的にグローバル開発拠点の拡大を進めており、今後その重要性が高まることから、当連結会計年度より、研究開発活動の金額集計単位を当社グループ全体(前連結会計年度迄は当社のみ集計)の金額としております。
また、当第3四半期連結累計期間における主な研究成果には、下記のものがあります。
極薄ガラス基板薄膜サー ミスタセンサ(FT-R)の 開発 |
超極薄のガラス基板上に薄膜サーミスタ膜を形成したセンサを開発しました。 製品厚み 0.07mm(今後 0.03mm まで対応予定)を実現することにより、狭小部への挿入も可能となり、既存品よりも高速かつ精密にセンシング可能。採用したガラス基板は、リサイクル可能であり、環境負荷が少ない。 開発したセンサは、例えば電気自動車のバッテリー、モーター等の性能を最大限に引き出し、エネルギーロスを削減するといったことが期待されます。 |
ワイドレンジサーミスタ の開発 |
超低温環境で使用可能なセンサ構成材と封入技術を実現したことにより、 -200℃から+200℃(400℃の幅広い温度範囲)まで対応可能なワイドレンジサーミスタを開発しました。 対象となる超低温の領域は、例えば医療分野においては、コロナウイルス感染症で求められたmRNAワクチンや、再生医療等製品の保管で必要とされております。 また、食品業界においても超低温冷凍技術の重要性が高まっており、美味しさの維持やフードロスの削減にも貢献することが期待されています。 |
HABiTs(流体モニタリングセンサ) |
非侵襲で血液の流れ、方向、温度が検出できるため、血管の状態(流動性等)や熱中症などの疾病の判断に役立てられるセンサを開発しました。また、ウェアラブルな利用も可能であり、様々な事象にも応用展開が期待されるセンサです。 |
(6)従業員数
当第3四半期連結累計期間において、前連結会計年度末に比べ38人増加し、当第3四半期連結会計期間の末
日現在の従業員数は3,535人であります。
セグメントごとに示しますと、日本210人、中華圏1,226人、その他アジア2,093人、北米6人であります。
なお、従業員数は当企業グループから当企業グループ外への出向者を除き、当企業グループ外から当企業グ
ループへの出向者を含む就業人員数であります。また、臨時従業員(契約社員・パート・アルバイト)及び派遣社員を除いております。
(7)主要な設備
当第3四半期連結累計期間において、重要な設備の新設は、次のとおりであります。
なお、重要な設備の除却等は、経常的な設備の更新のための除却等を除き、計画はありません。
会社名 事業所名 |
所在地 |
セグメント の名称 |
設備の内容 |
投資予定金額 |
資金調達方法 |
着手及び 完了予定年月 |
完成後の 増加能力 |
||
総額 (百万円) |
既支払額 (百万円) |
着手 |
完了 |
||||||
SEMITEC株式会社 千葉工場 |
千葉市 花見川区 |
日本 |
テーピング装置 |
30 |
- |
自己資金 |
2023.7 |
2024.4 |
生産能力の向上 900万個/月 |
SEMITEC株式会社 千葉工場 |
千葉市 花見川区 |
日本 |
スパッタ装置 |
219 |
- |
自己資金 |
2023.9 |
2024.11 |
生産能力の向上 1,200万個/月 |
SEMITEC株式会社 千葉工場 |
千葉市 花見川区 |
日本 |
薄膜センサ インフラ工事 |
98 |
- |
自己資金 |
2023.11 |
2024.7 |
生産環境整備 |
SEMITEC株式会社 千葉工場 |
千葉市 花見川区 |
日本 |
純水製造装置 |
24 |
- |
自己資金 |
2023.12 |
2024.7 |
老朽化設備の更新 純水製造能力の向上 |
SEMITEC株式会社 千葉工場 |
千葉市 花見川区 |
日本 |
評価分析装置 |
10 |
- |
自己資金 |
2023.12 |
2024.3 |
老朽化設備の更新 評価分析能力の向上 |
SEMITEC株式会社 千葉工場 |
千葉市 花見川区 |
日本 |
スパッタ装置 |
113 |
- |
自己資金 |
2023.12 |
2025.5 |
生産能力の向上 1,200万個/月 |