売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E02097 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

(1)財政状態及び経営成績の状況

① 経営成績の状況

当第1四半期連結累計期間におけるわが国の経済状況は、中東情勢の緊迫による原油価格の上昇や中国経済の停滞、物価上昇に伴う実質賃金のマイナスの影響はあったものの、半導体及び生成AI関連の成長領域における旺盛な設備投資意欲や円安を背景としたインバウンド需要の増加により、緩やかな回復基調で推移いたしました。

当社グループが属する電子基板(※1)業界は、EV及び先進運転支援システム向け高機能製品の需要は堅調を維持したものの、産業機器関連では顧客の在庫調整が想定以上に長期化していることや中国経済の停滞により設備投資需要が低迷していること、ICT(情報通信技術)関連向け製品の需要が低迷していることから、低調に推移いたしました。

このような経済環境の下、電子基板事業及び産機システム事業において販売は減少したものの、テストシステム事業及び鏡面研磨機(※2)事業において販売が増加したことから、売上高は増加いたしました。

これらの結果、連結売上高は865百万円(前年同四半期比7.0%増)と、前年同四半期連結累計期間に比べ56百万円の増収となりました。

損益については、産機システム事業の売上高が減少したことに伴う影響はあったものの、テストシステム事業及び鏡面研磨機事業において売上高が増加したこと並びに電子基板事業の売上総利益率が上昇したことにより営業利益1百万円(前年同四半期は73百万円の営業損失)、経常利益3百万円(同62百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する四半期純利益6百万円(同44百万円の親会社株主に帰属する四半期純損失)となりました。

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

(電子基板事業)

民生品及び産業機器向け製品の在庫調整が長期化している影響等により、その他セットメーカー(※3)及びディスプレイメーカー向け等のFPC(※4)の販売が減少したことから売上高は減少いたしました。損益については、売上高減少に伴う影響はあったものの、原価構造の改善や仕入販売製品の減少による売上総利益率の上昇に伴う影響により増益となりました。

その結果、売上高572百万円(前年同四半期比7.9%減)、セグメント利益102百万円(同3.9%増)となりました。

(テストシステム事業)

パッケージ基板及びセラミックス基板向け外観検査機(※5)並びにFPC向け通電検査機(※6)の販売が増加したことから、売上高は増加いたしました。損益については、売上高の増加及び利益率の高い製品の販売による売上総利益率の上昇に伴う影響により黒字転換いたしました。

その結果、売上高175百万円(前年同四半期比274.8%増)、セグメント利益18百万円(前年同四半期は55百万円のセグメント損失)となりました。

(鏡面研磨機事業)

リチウムイオン電池用フィルム加工向けの研磨機や研磨に使用する消耗品の販売が増加したことから、売上高は増加いたしました。損益については、売上高増加に伴う影響により黒字転換いたしました。

その結果、売上高102百万円(前年同四半期比102.9%増)、セグメント利益8百万円(前年同四半期は0百万円のセグメント損失)となりました。

(産機システム事業)

大型パッケージ基板の自動検査ライン等の販売があった前年同四半期の反動減により、売上高は減少いたしました。損益については、売上高減少に伴う影響により損失が拡大いたしました。

その結果、売上高15百万円(前年同四半期比82.3%減)、セグメント損失13百万円(前年同四半期は4百万円のセグメント損失)となりました。

 

※1 電子基板

電子部品を表面に固定し当該部品間を配線で接続するために必要な導体パターンを、絶縁基板の表面のみ又は表面及びその内部に形成した板状又はフィルム状の部品であるプリント配線板と、プリント配線板に電子部品を実装したモジュール基板の総称。前者は材質によりリジッド板、FPC等に区分される。

※2 鏡面研磨機

素材表面の凹凸を砥石等で磨きこむことにより、素材表面を鏡のように加工する機器。

※3 セットメーカー

最終製品を供給する民生エレクトロニクスメーカー等の総称。

※4 FPC

Flexible Printed Circuit(フレキシブルプリント配線板)の略。プリント配線板の一種であり、ポリイミド等の屈曲率が高く薄い絶縁材料を支持体とした、柔軟に曲がる基板。

※5 外観検査機

プリント配線板やプリント配線板に部品を実装したプリント回路板等の外観状況を光学的に把握し、コンピュータを用いた画像処理によって良否を判断する検査を行う機器。

※6 通電検査機

プリント配線板及び半導体パッケージ向け基板の配線が設計のとおり接続されており、断線や短絡がないことを電気を通して確認する検査を行う機器。

 

② 財政状態の状況

(資産)

流動資産は、前連結会計年度末に比べ186百万円増加し、2,721百万円となりました。これは主として、売上債権並びに現金及び預金が増加したことによるものであります。

固定資産は、前連結会計年度末に比べ116百万円増加し、2,159百万円となりました。これは主として、有形固定資産の取得及び固定資産のその他に含まれる投資有価証券の時価が上昇したことにより増加したものであります。

(負債)

流動負債は、前連結会計年度末に比べ218百万円増加し、1,070百万円となりました。これは主として、短期借入金が増加したこと及び夏季の賞与引当金を計上したことによるものであります。

固定負債は、前連結会計年度末に比べ51百万円増加し、1,238百万円となりました。これは主として、長期未払金が増加したことによるものであります。

(純資産)

純資産は、前連結会計年度末に比べ32百万円増加し、2,572百万円となりました。これは主として、投資有価証券の時価が上昇したことによりその他有価証券評価差額金が増加したことによるものであります。

 

(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

前連結会計年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(3)経営方針・経営戦略等

当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(5)研究開発活動

当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は13百万円であります。

なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況について重要な変更はありません。

 

(6)資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、運転資金需要のうち主なものは材料仕入、外注費及び人件費等の営業費用であり、運転資金及び設備資金等を自己資金にて賄うことを基本としておりますが、資金の安定及び効率的な調達を行うため、金融機関からの借入れ及び割賦契約による調達を行っております。また、取引銀行6行と当座貸越契約を締結しており、今後も資金の流動性に留意しつつ機動的な資金調達を行ってまいります。

なお、財務状況については、自己資本比率52.1%であり、健全な状態を確保しているものと認識しております。また、流動比率254.3%であり、十分な流動性を確保しているものと認識しております。