売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E01768 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の分類移行により、社会・経済活動の正常化が進み、緩やかな回復傾向となりました。一方、ウクライナ情勢を始めとする不安定な国際情勢に起因した原燃料価格の高騰や円安基調が続いており、先行き不透明な状況が続いています。

このような状況の中、当社グループでは2022年5月に公表した中期経営計画「REBORN」で「第1層 徹底した固定費削減」、「第2層 事業の選択と集中及びアライアンスによる成長戦略推進」、「第3層 M&Aによる成長戦略推進」を掲げ、実現に向けた抜本的な構造改革を推進しています。

当第3四半期会計期間においては、「M&Aによる成長戦略推進」の一環として、昨年12月にあいホールディングス株式会社との資本業務提携契約の締結及び同社を引受先とする第三者割当増資を実施しました。これらを通じて当社はあいホールディングス株式会社の持分法適用会社となり、安定した経営基盤と協業によるシナジー創出を原動力として、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に努めていきます。今後、あいホールディングス株式会社との協力体制の構築を進めるとともに、第三者割当増資による調達資金の一部を原資として、あいホールディングス株式会社及びそのグループ会社からの受託生産の拡大や同社の100%子会社であるグラフテック株式会社の主要計測事業譲受けの検討開始等、両社の事業で親和性があり、当社の中期経営計画とも合致した各種施策を強力に推進していく予定です。

また、「電子計測事業の成長戦略推進」のため、昨年11月の取締役会においてドイツのプローブメーカー企業であるHeimann Industries AGによる第三者割当増資を引き受け、資本参加することを決議しました。米国にも事業拠点を有し、高機能プローブの開発に定評のある同社への出資により、今後成長が期待されるパワーエレクトロニクス関連商材のラインナップ強化と海外展開の加速を確実に実行していきます。

さらに、昨年12月の取締役会において、これまで本部制を敷いていた社内体制を見直し、2024年4月1日付けで社内カンパニー制を導入することを決議しました。各カンパニー及びコーポレート部門等の各組織における責任と権限を明確にし、「意思決定のスピードアップ」、「各カンパニーの収益性の可視化」及び「開発・販売が一体となった顧客満足度向上」を実行可能な組織とすることにより、中期経営計画で掲げる各施策をより一層推進していきます。

当第3四半期連結累計期間の売上収益は14,992百万円(前年同期比8.0%減)、営業損失は964百万円(前年同期は922百万円の営業損失)、経常損失は979百万円(前年同期は852百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失は62百万円(前年同期は845百万円の親会社株主に帰属する四半期純損失)となりました。

セグメントごとの状況は次のとおりです。

(情報通信事業)

情報通信事業においては、主にコンタクトセンター向けクラウドソリューションの売上収益がサービスの進展に伴う需要増加により堅調に推移しましたが、連結子会社の株式譲渡による影響に加え、ビジネスホンの販売が軟調に推移する市場環境の中、販売店の在庫調整及びオフィス向けネットワーク関連機器の多様化による商談の長期化やリプレース需要の減少、受託生産関連での新規案件の延伸等により売上収益がそれぞれ減少したため、事業全体の売上収益は10,770百万円(前年同期比14.8%減)、セグメント損益は主に売上収益の減少及び外注委託工事の増加や棚卸評価損の増加により、176百万円の利益(前年同期比64.2%減)となりました。

(印刷システム事業)

印刷システム事業においては、主に国内消耗品の需要が昨年9月からの価格改定を前に増加したことや印刷関連商材の大型案件を受注したことにより、売上収益は1,310百万円(前年同期比19.0%増)、セグメント損益は売上収益の増加及び前連結会計年度に事業再編に伴い商品及び製品ラインナップの整理を実施したことで棚卸評価損が減少したことにより、17百万円の損失(前年同期は192百万円の損失)となりました。

(電子計測事業)

電子計測事業においては、主に電子部品で前連結会計年度に増加した需要の反動により減少しましたが、環境保全意識の高まりを背景としたパワーエレクトロニクス関連製品の需要増加により、事業全体の売上収益は2,273百万円(前年同期比6.5%増)、セグメント損益は販売構成品の変動に伴う売上原価率の良化により、163百万円の利益(前年同期は35百万円の損失)となりました。

(不動産事業)

不動産事業においては、主に昨年3月に連結子会社とした匿名組合が賃貸マンション3物件に係る固定資産(信託受益権)を取得し稼働を開始したことに伴い、売上収益は637百万円(前年同期比57.2%増)、セグメント損益は主に賃貸オフィスの稼働率改善及び新規に取得した賃貸マンションもほぼ満床稼働していることに伴い、226百万円の利益(前年同期比101.4%増)となりました。

 

(2) 財政状態の状況

当第3四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ10,203百万円増加し、45,507百万円となりました。

流動資産は、主に売掛金が1,248百万円減少しましたが、第三者割当増資の実施により現金及び預金が2,762百万円増加、さらに仕掛品が146百万円、電子記録債権が121百万円それぞれ増加したため、前連結会計年度末に比べ1,856百万円増加し、18,721百万円となりました。

固定資産は、主に匿名組合が固定資産(信託受益権)を取得したことにより土地が5,085百万円、建物及び構築物が3,111百万円増加したため、前連結会計年度末に比べ8,347百万円増加し、26,785百万円となりました。

当第3四半期連結会計期間末における負債は、前連結会計年度末に比べ5,094百万円増加し、16,246百万円となりました。

流動負債は、主に支払手形及び買掛金が437百万円、賞与引当金が304百万円それぞれ減少したため、前連結会計年度末に比べ1,055百万円減少し、3,073百万円となりました。

固定負債は、主に匿名組合で固定資産(信託受益権)取得に伴う借入れにより長期借入金が5,992百万円増加したため、前連結会計年度末に比べ6,150百万円増加し、13,172百万円となりました。

当第3四半期連結会計期間末における純資産は、主に在外連結子会社であるIwatsu (Malaysia) Sdn. Bhd.の株式譲渡により為替換算調整勘定が124百万円減少しましたが、第三者割当増資により資本金が1,857百万円、資本剰余金が1,857百万円、匿名組合の子会社化により非支配株主持分が1,375百万円それぞれ増加したことにより、前連結会計年度末に比べ5,108百万円増加し、29,261百万円となりました。

 

(3) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は1,094百万円です。