売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E02066 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績の状況

 当社グループの当第3四半期連結累計期間の経営成績は、売上高は81,101百万円(前年同四半期比3.9%増)、売上総利益は31,633百万円(前年同四半期比7.7%増)、営業利益は9,258百万円(前年同四半期比0.9%増)、経常利益は9,636百万円(前年同四半期比8.2%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は6,696百万円(前年同四半期比5.7%増)となりました。

 売上高は、周辺機器やTV・AV関連、一部のパソコン関連を中心に引き続き厳しい競争環境や需要低迷の影響を受けましたが、モバイルバッテリーや高速充電に対応したAC充電器が新商品の投入など戦略的な拡販により大きく伸長し、またiPhone新機種関連商品の販売も好調に推移しました。加えて、監視カメラを中心としたセキュリティ関連事業の立ち上がり効果と、M&Aによるテスコム電機グループ及びgroxi㈱(以下、groxi社)の新規連結効果により、売上高全体は前年同四半期比で増加しました。

 売上総利益は、海外から製品を米ドルで仕入れする弊社にとっては、円安の進行が円換算額の原価上昇に影響を与えましたが、前年度から取り組んでいる値上げ等の価格改定や、リベートの管理徹底などの利益重視の取り組みにより、前年同四半期より増加し、結果として売上総利益率も改善しました。

 営業利益は、テスコム電機グループ及びgroxi社の新規連結による人件費や管理費の増加に加え、人への投資強化の一環として給与のベースアップ等により人件費が上昇したこと、またM&A費用の発生や、コロナ禍からの経済活動の正常化に伴う旅費交通費等の管理費増加などにより、販売費及び一般管理費が増加しましたが、売上総利益の良化により、全体では前年同四半期に比べて微増となりました。

 経常利益は、営業利益段階での増益に加え、受取利息の増加及び前年同四半期の急激な円安進行で生じた為替差損が当第3四半期連結累計期間では減少し、全体では前年同四半期に比べて増益となりました。

 なお、今後のグループでの成長軌道への回帰を確固たるものとするため、現在、戦略的な新商品開発の加速を目指し、当社開発体制の立て直しを中心とした改革を進めると共に、円安に耐え得る収益改善施策にも引き続き取り組んでおります。また、M&Aでは、2023年6月30日に当社の求めるネットワークの設計・構築・保守・運用といった機能を一社完結で出来るgroxi社を子会社化しました。加えて、2023年7月6日には、当社グループの家電事業の成長を加速させることを目的とし、ヘアドライヤーやヘアアイロンをはじめとした美容家電製品の主要プレーヤーとしての市場での認知を確立しているテスコム電機グループを子会社化しております。各社が持つ成長ポテンシャルとエレコムグループの強みを掛け合わせる取り組みを進めており、また更なる企業価値向上のためのM&Aなども継続して検討しております。

 

 品目別の概況は、次のとおりであります。なお、当社グループはパソコン及びデジタル機器関連製品の開発・製造・販売の単一セグメントであるため、商品区分である品目別で概況を記載しております。

 

(パソコン関連)

 パソコン本体の需要が低調に推移したこともあり、PCケーブル類やUSBハブ等の販売は落ち込みましたが、ゲーミングキーボードなど、EC販路でキーボードが好調に推移し、また電源タップの価格改定効果や法人向けPCフィルターの案件により、販売が伸長しました。

 これらの結果、パソコン関連に係る当第3四半期連結累計期間の売上高は、22,261百万円(前年同四半期比1.3%増)となりました。

(スマートフォン・タブレット関連)

 モバイルバッテリーが量販店を中心に、また高速充電に対応したAC充電器がEC販路を中心に、新商品の投入など戦略的な拡販により大きく伸長しました。加えて、新型iPhoneの発売により、Type-Cケーブルやスマートフォンのケースやフィルムを中心としたアクセサリ類の販売が好調に推移しました。

 これらの結果、スマートフォン・タブレット関連に係る当第3四半期連結累計期間の売上高は、16,545百万円(前年同四半期比11.5%増)となりました。

 

(TV・AV関連)

 グループ会社DXアンテナ㈱の販売が首都圏の新築物件を中心とした電気通信工事により伸長しましたが、ヘッドセットマイクやAVケーブル関連の需要が落ち込み、TV・AV関連に係る当第3四半期連結累計期間の売上高は、12,273百万円(前年同四半期比4.5%減)となりました。

(周辺機器)

 ネットワーク機器、ストレージ機器ともに引き続き厳しい競争環境が継続し、減販となりました。一方でメモリ関連は、半導体関連の需要減速等により産業機器向けストレージを中心に大きく販売が落ち込みましたが、価格改定等の取り組みにより利益は改善しております。また、セキュリティ関連事業は大きく拡大しました。

 これらの結果、周辺機器に係る当第3四半期連結累計期間の売上高は、20,937百万円(前年同四半期比7.6%減)となりました。

(その他)

 法人向けカスタムPCの販売は落ち込みましたが、テスコム電機グループとgroxi社の新規連結効果により販売が大きく伸長し、その他に係る当第3四半期連結累計期間の売上高は、9,084百万円(前年同四半期比59.2%増)となりました。

 

(2) 財政状態の状況

 当第3四半期連結会計期間末の総資産は、以下の要因により前連結会計年度末に比べ4,320百万円増加し、111,167百万円となりました。

<増加要因>

 受取手形及び売掛金:M&A(groxi社及びテスコム電機グループの子会社化)、及び回収の一時的な期ずれ等により増加しました。

 商品及び製品:M&A、及び需要動向を踏まえた仕入により増加しました。

 預け金:自己株式取得のために増加しました。

 固定資産:M&Aにより増加しました。

<減少要因>

 現金及び預金:主に、M&A及び自己株式の取得(預け金の増加を含む)により、減少しました。

 有価証券:債券の一部売却により減少しました。

 

 負債は3,568百万円増加し、29,210百万円となりました。これは主にM&A及び仕入に伴う買掛金の増加によるものです。

 

 純資産は752百万円増加し、81,957百万円となりました。これは主に、自己株式の取得による株主資本の減少影響はありましたが、利益剰余金の増加に加え、円安の進行によるその他の包括利益累計額の増加によるものです。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

 なお、当第3四半期連結累計期間におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、以下の通りです。

 営業活動の結果増加した資金は3,969百万円(前年同四半期は1,570百万円の資金の増加)となりました。主な要因は、法人税等の支払額3,595百万円、売上債権の増加額2,537百万円、未払金の減少等によるその他減少額1,495百万円といった資金減少項目があった一方で、税金等調整前四半期純利益9,777百万円、減価償却費2,072百万円といった資金増加項目があったことによるものです。

 投資活動の結果減少した資金は2,574百万円(前年同四半期は6,001百万円の資金の減少)となりました。主な要因は、有価証券の売却による収入6,877百万円があった一方で、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出5,161百万円と、有価証券取得による支出2,540百万円、及び有形固定資産の取得による支出1,904百万円があったことによるものです。

 財務活動の結果減少した資金は8,162百万円(前年同四半期は3,255百万円の資金の減少)となりました。主な要因は、配当金の支払額3,522百万円と、自己株式の取得による支出3,802百万円と自己株式の取得のための預け金の増加1,197百万円といった資金減少項目によるものです。

以上の結果、当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は前連結会計年度末に比べ6,053百万円減少し、35,200百万円となりました。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(5) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 前連結会計年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(6) 研究開発活動

 当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、2,854百万円であります。

 なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(7) 従業員数

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループの従業員数は前連結会計年度末に比べ378名増加し、1,911名となりました。これは主に、groxi社及びテスコム電機グループを子会社化したことによるものです。

(注)従業員数は、当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含む

   就業人員であり、臨時雇用者(契約社員、アルバイト・パート、派遣社員)を含みません。

 

(8) 生産、受注及び販売の実績

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループの生産、受注及び販売の実績に著しい変動はありません。

 

(9) 主要な設備

当第3四半期連結累計期間において、当社グループの主要な設備に著しい変動はありません。また、設備の新設除却等の計画に著しい変更はありません。