E01772 IFRS
文中の将来に関する事項は、本半期報告書提出日(2025年11月7日)現在において判断したものです。
(1) 経営成績
当中間連結会計期間の世界経済は、金融緩和やインフレの沈静化等を背景に底堅さが見られたものの、緩やかな減速傾向にありました。米国では、関税引き上げ等による下押し影響がある中でも、底堅い個人消費が景気を下支えしました。また、欧州では、関税引き上げ前の駆け込み輸出が下支えし、景気は緩やかに持ち直しつつあり、日本では、個人消費の持ち直しや底堅い設備投資を背景に、景気は回復基調になりました。一方、中国では、不動産市況の低迷や設備投資の弱含み等を背景に、景気は減速しました。先行きについては、各国の通商政策や金融政策による影響が懸念材料であり、世界経済は、引き続き緩やかな減速が続くと見込まれます。
このような経営環境のもと、2025年度はグループ経営改革に集中し、構造的・本質的課題を解決して経営基盤を固めることに注力しています。具体的には、「リーンな本社・間接部門」「課題事業の施策実行」「ソリューション領域への注力」の3つを軸に、固定費構造改革による収益改善を推進し、事業ポートフォリオマネジメントを加速しています。
当中間連結会計期間においては、パナソニック コネクト㈱ の子会社であるBlue Yonder Holding, Inc.が、お客様が使用するデジタル環境の変化に伴い、生成AIベースのエージェントを導入した計画系のSaaSソリューション群(コグニティブ ソリューション)を5月に発表しました。また、パナソニック エナジー㈱は、将来的に年間約32GWhの生産能力を目指す米国カンザス州の車載電池工場で、7月に量産開始しました。
当中間連結会計期間の連結売上高は3兆8,205億円(前年同期比10%減)となりました。コネクト・インダストリー・エナジーの販売増はありましたが、オートモーティブ事業の非連結化の影響などにより、全体としては減収となりました。
営業利益は1,650億円(前年同期比24%減)、税引前利益は1,779億円(前年同期比29%減)、親会社の所有者に帰属する中間純利益は1,424億円(前年同期比25%減)と、それぞれ減益となりました。上述の販売増による増販益はありましたが、インフレなどによる固定費の増加や、車載電池事業の悪化によるエナジーの減益、オートモーティブの非連結化の影響などにより、減益となりました。
(2) セグメントの経営成績
当中間連結会計期間のセグメントの経営成績は、次のとおりです。
なお、2025年4月1日付で、一部の事業をセグメント間で移管しており、前中間連結会計期間のセグメント情報については、当中間連結会計期間の形態に合わせて組み替えて算出しています。
(a) くらし事業
売上高は、1兆6,930億円(前年同期比2%減)となりました。電材が国内を中心に増収となったほか、欧州のヒートポンプ式温水給湯暖房機(A2W)の市況回復などはありましたが、海外でのルームエアコンの需要低迷や、他セグメント商材の販売減などに加え、為替換算の影響もあり、減収となりました。
営業利益については、国内のシェアアップや調理機器の体質改善などがあった家電、国内の増販が寄与した電材、欧州のA2Wの回復が継続している空調などの増益により、前年同期に比べ増益の636億円(前年同期比28%増)となりました。
(b) コネクト
売上高は、6,300億円(前年同期比3%増)となりました。ICT需要を捉えたプロセスオートメーションや、モバイルソリューションズ、現場ソリューションなどの販売増により、増収となりました。
営業利益は、ブルーヨンダーでの戦略投資の増加はありましたが、プロセスオートメーションやモバイルソリューションズ等の増販益によりカバーし、前年同期に比べ増益の289億円(前年同期比18%増)となりました。
(c) インダストリー
売上高は、5,735億円(前年同期比5%増)となりました。生成AIサーバ向けなどの情報通信関連製品(コンデンサ、多層基板材料)の需要拡大により増収となりました。
営業利益は、増販益に加え、価格改定や合理化等により、前年同期に比べ増益の463億円(前年同期比50%増)となりました。
(d) エナジー
売上高は、4,469億円(前年同期比4%増)となりました。データセンター向けの蓄電システムが好調な産業・民生向けは増収となりましたが、車載電池は、北米工場での販売量は拡大も、国内工場の販売減や原材料価格の低下見合いの価格改定などもあり、減収となりました。
営業利益は、産業・民生はデータセンター向け蓄電システムの増販により増益となりましたが、車載電池では米国関税影響に加え、カンザス・和歌山工場の立ち上げ費用、国内工場の減販損などにより減益となり、全体でも前年同期に比べ減益の331億円(前年同期比39%減)となりました。
(e) その他(報告セグメントに含まれない事業)
その他の事業は、売上高は8,152億円(前年同期比1%増)、営業利益は前年同期に比べ減益の228億円(前年同期比39%減)となりました。
(3) 財政状態
当中間連結会計期間末の連結総資産は、9兆5,507億円となり、前連結会計年度末に比べ2,075億円増加しました。これは、有形固定資産の増加などによるものです。負債は、4兆5,612億円となり、前連結会計年度末に比べ928億円増加しました。これは、社債残高の増加などによるものです。
親会社の所有者に帰属する持分は、4兆8,072億円となり、前連結会計年度末に比べ1,128億円増加しました。これは、親会社の所有者に帰属する中間純利益の計上や、在外営業活動体の換算差額の増加によるものです。また、親会社の所有者に帰属する持分に非支配持分を加味した資本合計は、4兆9,895億円となりました。
(4) キャッシュ・フロー
当中間連結会計期間の営業活動により増加したキャッシュ・フローは、2,984億円(前年同期は4,576億円の増加)となりました。前年同期差の主な要因は、営業債務の増減が良化した一方で、前中間連結会計期間に米国IRA補助金の第三者への権利売却による資金化があったことなどによるものです。投資活動により減少したキャッシュ・フローは、3,991億円(前年同期は4,958億円の減少)となりました。前年同期差の主な要因は、前中間連結会計期間にOne Network Enterprises, Inc.の買収に係る支出があったことなどによるものです。この結果、フリーキャッシュ・フロー(営業活動及び投資活動によるキャッシュ・フローの合計)は、マイナス1,007億円(前年同期差625億円の悪化)となりました。
財務活動により減少したキャッシュ・フローは、525億円(前年同期は1,219億円の減少)となりました。前年同期差の主な要因は、前中間連結会計期間に社債の償還があったことなどによるものです。
これらに為替変動の影響等を加味した結果、当中間連結会計期間末の現金及び現金同等物の残高は、7,106億円(前連結会計年度末差1,370億円の減少)となりました。
(5) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定に重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動
当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発費は、2,082億円(前年同期比18%減)です。当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(7) 設備投資
当中間連結会計期間におけるグループ全体の設備投資は、3,075億円(前年同期比15%減)です。
(8) 減価償却費(有形固定資産)
当中間連結会計期間におけるグループ全体の減価償却費は、1,101億円(前年同期比2%増)です。
(9) 従業員数
当中間連結会計期間末の従業員数(就業人員数)は、207,105人(前連結会計年度末差443人減)です。
(10) 株式会社の支配に関する基本方針
当中間連結会計期間において、株式会社の支配に関する基本方針について重要な変更はありません。
(11) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。