売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E02062 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

  文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 (1)経営成績の状況

 当第1四半期連結累計期間におけるわが国の経済環境は、行動制限や水際対策の緩和等の影響によりインバウンド需要が回復し経済活動の正常化が進んだ一方、円安等の影響による資源価格の高騰、物価上昇への懸念やウクライナ紛争や中東情勢、中国経済の停滞等の不安定な世界情勢により先行きの不透明感が継続しております。

 このような環境の下で、当社グループは2024年を目標年次とする中期経営戦略「5G&Beyond-NE」を進めております。近年のコロナ禍に代表される大きな事業環境の変化に対応し、新しい成長ユースケースを定義して2022年度からの3年間を新たな中期経営戦略「5G&Beyond-NE(NewEra)」として策定し、戦略5ゴールを発展させ、それらを通じて営業利益の3倍増を目指しております。

 当第1四半期連結累計期間の売上高は、LSI事業では、中国市場等の海外市場において需要の回復傾向がみられた一方で、国内市場においては引き続き顧客の在庫調整等の影響により低調に推移し、全体として前期比41%の減少となりました。AIOT事業では、自動販売機、エレベータ遠隔監視用途向け等の通信モジュール製品の出荷は順調に推移しましたが、一部の大口顧客向けの出荷が当期は第2四半期以降に予定されているため、前期比では19%の減少となりました。これらの結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は、9億17百万円(前期比34.2%減)となり、売上総利益は4億71百万円(前期比33.7%減)となりました。販売費および一般管理費については、中期経営戦略「5G&Beyond-NE」目標の達成に向けた戦略的な研究開発投資(2億50百万円、前期比0.0%増)を行った結果、販売費および一般管理費全体として、5億62百万円(前期比6.8%減)となりました。

 これらの結果、当第1四半期連結累計期間の営業損失は91百万円(前期は営業利益1億6百万円)、減価償却費およびのれん償却費等を考慮しない営業利益(EBITDA※)はマイナス69百万円(前期はEBITDA 1億57百万円)となりました。また、前期末比で為替が円安に進行した影響により為替差益1億26百万円を計上する等した結果、経常利益は42百万円(前期比63.6%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は13百万円(前期比82.2%減)となりました。

 また、当社グループは生成AI等の活用が急速に進展する中、経済活動の一層の生産性の向上に貢献するため、AIOT事業の一環としてNVIDIA製GPUを含めた計算資源を搭載するデーターサーバーを提供するデーターサーバー事業を開始することといたしました。世界市場において開発製造、提供している華勤技術股份有限公司(本社:中国上海市)と業務提携契約を締結し、日本市場および日系企業を対象に排他的独占販売権を有する合弁会社、ザイン・ハイパーデータ株式会社を設立することといたしました。現在、新会社の設立に向けた外為法等の関連法規に基づく所要の手続きを実施しており、当第2四半期連結会計期間中に設立予定となっております。

※ EBITDA(Earnings before Interest, Taxes, Depreciation and Amortization)

  当社グループでは簡易的に営業利益に減価償却費、のれん償却費を加えて算出しております。

 

(セグメント別の状況)

 当社グループは、LSI事業とAIOT事業を軸として事業活動を推進しており、これらを事業セグメント区分としております。

(単位:百万円)

 

 

2024年12月期

第1四半期

2023年12月期

第1四半期

増減率(%)

LSI事業

売上高

561

951

△41.0

営業利益

△98

77

EBITDA

△76

94

AIOT事業

売上高

356

442

△19.4

営業利益

6

29

△78.6

EBITDA

7

62

△88.4

合計

売上高

917

1,394

△34.2

営業利益

△91

106

EBITDA

△69

157

※セグメント間の取引を相殺消去後の金額で記載しております。

 

(LSI事業)

 当第1四半期連結累計期間のLSI事業の売上高は、中国市場等の海外市場の一部において需要の回復傾向がみられたものの、日本市場を中心に前期より引き続き顧客の在庫調整等の影響を受けて低調に推移し、前期比41%の減少となりました。

 産業機器市場向けビジネスは、LSI事業の売上全体の72%を占めております。主に国内市場のOA機器およびアミューズメント機器向けの製品出荷とも顧客の在庫調整等の影響が解消されず、全体で前期比45%の減少となりました。

 車載機器市場向けビジネスは、LSI事業の売上全体の16%を占めております。中国や台湾市場において需要回復の傾向がみられ、EVパネル向け新製品等の出荷が増加した一方、国内及び米国市場においては低調に推移したため、全体として前期比47%の減少となりました。

 民生機器市場向けビジネスは、LSI事業の売上全体の12%を占めております。前期に策定した次世代高速インターフェース標準技術「V-by-One®HS plus Standard」の提供を進め、前期比56%の増加となりました。

 これらの結果、LSI事業全体の売上高は5億61百万円(前期比41.0%減)、売上総利益は3億77百万円(前期比32.3%減)となりました。

 当第1四半期連結累計期間においては、中期経営戦略「5G&Beyond-NE」目標の達成に向けた戦略的な研究開発および次期中期経営戦略を含む中長期的な成長に向けた新規技術開発等を積極的に実施しました。EVパネル向け高速インターフェースV-by-One®HS新製品のラインアップ拡充、高速データ伝送用リドライバ技術の開発、新規電源製品の開発、5Gを遥かに超える次世代高速無線通信技術の開発等を行い、これらの活動により、当第1四半期連結累計期間において研究開発費2億42百万円を計上しました。

 これらの結果、LSI事業の当第1四半期連結累計期間における営業損失は98百万円(前期は営業利益77百万円)、EBITDAはマイナス76百万円(前期は94百万円)となりました。

 

(AIOT事業)

 当第1四半期連結累計期間のAIOT事業の売上高は、自動販売機・エレベータ等の遠隔監視、自動体外式除細動器(AED)等向けの製品出荷が順調に推移した一方、一部の大口顧客向けの製品出荷が第2四半期連結会計期間以降に予定されていること等の影響により、前期比19%の減少となりました。これらの結果、AIOT事業の売上高は3億56百万円(前期比19.4%減)、売上総利益は93百万円(前期比38.7%減)となりました。

 当第1四半期連結累計期間においては、AI・IoTを活用する新ニーズの拡大や第5世代移動通信(5G)による新しいアプリケーション市場の拡大を見据えたAI・IoTソリューションの開発に取り組み、エッジAI処理用モジュール製品の開発、通信型ドライブレコーダの開発、音声通話機能付きゲートウェイ新製品の開発、スマートIoTルーターの開発等を行い、全体として研究開発費7百万円を計上しました。なお、同事業のM&A取得に伴うのれんの償却は2023年度で完了しております。

 これらの結果、AIOT事業の当第1四半期連結累計期間における営業利益は6百万円(前期比78.6%減)、EBITDAは7百万円(前期比88.4%減)となりました。

※「V-by-One」はザインエレクトロニクス株式会社の登録商標です。

 

 (2)財政状態の状況

 当第1四半期連結会計期間末における資産合計は、棚卸資産やその他流動資産が増加した一方、現金及び預金および売掛金等の減少により、前連結会計年度末と比較して1億49百万円の減少となりました。また、負債合計は、未払法人税等が減少した一方、買掛金および賞与引当金等の増加により41百万円の増加となりました。純資産合計は、親会社株主に帰属する四半期純利益を計上した一方、前期配当金の支払いおよび自己株式の取得等により1億90百万円の減少となりました。

 

 (3)キャッシュ・フローの状況

 当第1四半期連結累計期間における営業活動によるキャッシュ・フローにつきましては、税金等調整前四半期純利益を19百万円計上し、売上債権が3億67百万円減少した一方、その他の流動資産が1億13百万円増加したことおよび為替差益を1億8百万円計上し、法人税等を37百万円支払ったことにより1億40百万円のプラスとなりました。(前年同期は5億19百万円のプラス)

 投資活動によるキャッシュ・フローにつきましては、固定資産の取得による支出42百万円等により42百万円のマイナスとなりました。(前年同期は19百万円のプラス)

 財務活動によるキャッシュ・フローにつきましては、ストックオプションの行使による収入44百万円があった一方、配当金の支払1億63百万円および自己株式の取得による支出84百万円により2億4百万円のマイナスとなりました。(前年同期は1億62百万円のマイナス)

 これらの結果により、現金及び現金同等物は全体として15百万円減少し、当第1四半期連結会計期間末残高は73億62百万円となりました。当社グループとしては、機動的な研究開発リソースの確保やM&Aの機会に迅速に対応できるよう内部留保を厚くする方針であり、資金運用に関しても流動性を重視した運用を行うこととしております。

 

 (4)事業上及び財務上の対処すべき課題

 当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

 (5)研究開発活動

 当第1四半期連結累計期間における研究開発費の金額は2億50百万円であります。

 なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動に重要な変更はありません。