E02054 Japan GAAP
文中の将来に関する事項は、当四半期報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
当第1四半期連結累計期間(2024年1月1日~2024年3月31日)は、地政学的リスクの高まりとそれにともなう原材料費の高騰、欧米の金融引き締めなどに起因する円安傾向が継続するなど、不透明な状況が継続した一方で、設備投資需要は堅調に推移しました。このような状況下、当社グループは、従来のサイン(広告・看板)市場向け低溶剤プリンターに依存するビジネスモデルからの変革に取り組んでおります。
当第1四半期の経営成績は、売上高は前年同期比6.6%増の135億21百万円となりました。売上原価率は、高利益率製品の販売数量の減少および新製品への切り替えにともなう旧機種の値引きなどにより、前年同期に比べて0.5ポイント上昇しました。販売費及び一般管理費は、人件費や研究開発費、手数料などの増加により前年同期を上回りました。これにより、営業利益は前年同期比59.9%減の5億15百万円、経常利益は前年同期比64.8%減の4億80百万円となりました。また、親会社株主に帰属する四半期純利益は、当社において退職給付制度を確定拠出年金に移行したことによる退職給付制度改定益6億6百万円を当第1四半期に特別利益として計上したことから、前年同期比28.5%減の6億70百万円となりました。
当第1四半期連結累計期間における主要通貨の為替レート(2024年1月~2024年3月の平均レート)は、148.61円/米ドル(前年同期132.32円)、161.36円/ユーロ(前年同期142.13円)でした。
当社および連結子会社の事業は、コンピュータ周辺機器の製造販売であり、区別すべき事業セグメントが存在しないため、単一セグメントとなっております。
市場別売上高
品目別売上高
[Visual Communication(VC)]
VCは、低溶剤プリンター(VC-Solvent:ブイシーソルベント)およびUVやテキスタイルプリンターなどの非溶剤系プリンター(VC-Other:ブイシーアザー)で構成され、インクの多様化とソリューション拡充により新市場の開拓と顧客基盤の強化による収益確保を目指しております。当第1四半期は、サイン(広告・看板)製作需要が旺盛な新興国向けの地域限定ブランド「DGXPRESS(ディージーエクスプレス)」に低溶剤プリンターのエントリーモデル「ER-641」を加えて、ラインナップの強化に取り組みました。VC-Solvent では、低溶剤インクの販売が好調だった一方、ハードウエアの販売が前年同期を下回りました。VC-Otherでは、新製品のロールタイプUVプリンターおよびサプライのインクが売上に貢献しました。これらの結果、VCの売上高は66億27百万円(前年同期比106.2%)と前年同期を上回りました。
[Digital Fabrication(DF)]
DFは、近年急拡大する1人ひとりの顧客ニーズに合わせたパーソナライズ需要や、ニッチなニーズに応えるためのカスタマイズ需要などに対応する製品群を、小規模事業者やインターネット通販事業者、小売事業者などに向けて提案することで、新たな市場・用途の創出を目指しております。当第1四半期は、さまざまな立体物にダイレクト印刷ができるフラットベッド型UVプリンター「VersaOBJECT(バーサオブジェクト)」シリーズの新製品として、1月に「MO-240」を発売しました。また、コンパクトで使いやすく、導入しやすい価格帯の卓上型製品群「VersaSTUDIO(バーサスタジオ)」に、さまざまな形状や材質のアイテムに高精細なダイレクト印刷が可能なUVプリンター「BD-8」と、DTF(Direct To Film)転写方式のアパレル向け小型プリンター「BY-20」の2機種を追加、発売しました。また、昨年10月に株式取得をしたリトアニアの子会社DG DIMENSEで開発、製造した、エンボス表現によるユニークな壁紙をはじめインテリア装飾の製作を可能にする「Dimensor S(ダイメンサーエス)」の販売とサポートのグローバル展開を開始しました。これらの結果、「VersaOBJECT COシリーズ」のほか、卓上型低溶剤プリンター「BNシリーズ」、小型カッティングマシン「GS2-24」の販売が増加したこともあり、DFの売上高は27億92百万円(前年同期比113.3%)と前年同期を上回りました。
[Dental]
Dentalは、デンタル(歯科医療)市場向けに歯科補綴物製作フローのデジタル化を促進するデンタル加工機を提案しています。当第1四半期は、欧米を中心に高生産モデル「DWX-53DC」の販売が進んだ一方、売上構成比が大きいスタンダードモデル「DWX-52D」は発売から5年経過し、競争力の低下により前年同期と比べ売上は低迷しました。また、価格競争力を高めた新興国向け専用モデル「DWX-52Di」はブラジルを含む中南米では販売を伸ばしたものの、アジアと中東地域では販売が減少しました。これらの結果、Dentalの売上高は17億85百万円(前年同期比93.2%)と前年同期を下回りました。
[Service, Software & Others(SSO)]
サービスパーツやその他のサービス売上が増加したことから、SSOの売上高は23億15百万円(前年同期比112.1%)と前年同期を上回りました。
地域別売上高は、以下の通りであります。
地域別売上高
[日 本]
VCは、UVプリンターなど非溶剤プリンターとサプライのインクの販売が増加しました。DFは、3次元切削加工機および卓上型低溶剤プリンター「BNシリーズ」の販売が増加しました。Dentalは、スタンダードモデル「DWX-52D」の販売が減少しました。これらの結果、日本の売上高は12億21百万円(前年同期比107.9%)となり、前年同期を上回りました。
[北 米]
VCは、サイン市場向け低溶剤プリンターの販売が前年同期を下回りましたが、UVプリンターおよびUVインクの販売は増加しました。DFはフラットベッド型UVプリンター「COシリーズ」や卓上型低溶剤プリンター「BNシリーズ」の販売が好調に推移しました。Dentalは、スタンダードモデル「DWX-52D」が低調だったものの、高生産モデル「DWX-53DC」の販売が進んだことから、販売は前年同期を上回りました。これらの結果、為替の円安効果もあり、北米の売上高は46億27百万円(前年同期比105.4%)となりました。
[欧 州]
VCは、サイン市場向けの低溶剤プリンターおよび前期に発売したUVプリンター「MGシリーズ」「LGシリーズ」とサプライのUVインクの販売が増収に寄与しました。DFは、卓上型低溶剤プリンター「BNシリーズ」の販売が増加しました。Dentalは、高生産モデル「DWX-53DC」の販売が進んだ一方、スタンダードモデル「DWX-52D」が低調だったことから、販売は前年同期をやや下回りました。これらの結果、為替の円安効果もあり、欧州の売上高は49億51百万円(前年同期比110.4%)となりました。
[アジア]
中国ではデンタル加工機が低調となった一方、「DGXPRESS」の低溶剤プリンターおよびUVインクの販売が増加しました。インドではデンタル加工機が低調に推移しましたが、「DGXPRESS」のUVプリンターが好調でした。これらの結果、アジアの売上高は7億86百万円(前年同期比106.9%)となり、前年同期を上回りました。
[その他]
ブラジルでは、「DGXPRESS」ブランドの低溶剤プリンターおよびUVプリンター、デンタル加工機の「DWX-52Di」の販売が好調に推移し、新興国向けモデルの販売が進みました。オーストラリアではロールタイプUVプリンターと卓上型UVプリンターの販売が増加したものの、デンタル加工機の販売は低調に推移しました。ブラジルを除く中南米地域は前年同期を上回ったものの、南北アフリカ地域は、前年同期を下回りました。これらの結果、その他の売上高は19億35百万円(前年同期比99.5%)となりました。
[資産の部]
当第1四半期末の総資産は、前連結会計年度末と比べ10億79百万円増加し、553億63百万円(前連結会計年度末比102.0%)となりました。流動資産では、現金及び預金が7億93百万円減少した一方で、受取手形及び売掛金が5億96百万円、棚卸資産が10億43百万円それぞれ増加いたしました。固定資産では、特に大きな変動はありませんでした。
[負債の部]
当第1四半期末の負債は、前連結会計年度末と比べ1億25百万円減少し、172億96百万円(前連結会計年度末比99.3%)となりました。流動負債では、賞与引当金が2億29百万円、その他流動負債が3億73百万円それぞれ増加し、未払法人税等が2億70百万円減少いたしました。固定負債では、長期未払金が1億23百万円増加した一方で、長期借入金が1億50百万円、役員株式給付引当金が1億48百万円、退職給付に係る負債が5億15百万円それぞれ減少いたしました。
[純資産の部]
当第1四半期末の純資産は、前連結会計年度末と比べ12億5百万円増加し、380億67百万円(前連結会計年度末比103.3%)となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益の計上により利益剰余金が6億70百万円増加したことに加え、円安の影響等により為替換算調整勘定が6億52百万円増加いたしました。
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等について、重要な変更はありません。
当社グループにおける研究開発活動は、主に当社及び連結子会社のDGSHAPE株式会社で行っており、当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は897百万円であります。
当第1四半期連結累計期間において、連結会社及び当社の従業員数に著しい増減はありません。
当社は、セル生産方式によるフレキシブルな生産体制をとっており、生産状況は変動いたします。当第1四半期連結累計期間における生産実績は以下の通りであります。なお、受注及び販売実績の著しい変動はありません。
生産実績
(注)生産金額は当社の標準販売価格を基準に算出しております。
当第1四半期連結累計期間において、主要な設備に著しい変動はありません。