売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E01850 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績の状況

 当企業集団は、当期より「中期経営計画2026」をスタートさせております。

 当第3四半期連結累計期間においては、日本国内や米国の景気は引き続き回復基調となりました。一方で地政学リスクの高まり、原材料やエネルギー価格の上昇、中国経済の先行き懸念などにより、依然として先行き不透明な状況が続いております。

 当企業集団では、電子部品等原材料の調達状況に一部長期化等の課題が残るものの、徐々に改善の動きが見られました。引き続き、販売チャネルとの連携強化、調達方法の多様化及び生産ラインの効率向上等に注力しました。

 品目別では、陸上業務用無線通信機器は、経済活動の正常化が進んだことに加え、危機管理意識の高まりからセキュリティ用途需要の増加等により大幅な増収となりました。また、アマチュア用無線通信機器は、引き続き旺盛な需要に支えられ、海上用無線通信機器についても、電子部品等原材料の調達状況に改善の動きが見られ、それぞれ増収となりました。

 なお、地域別の状況については、下表の通りであります。

 

<参考>地域別売上高

 

前第3四半期連結累計期間

(自2022年4月1日

  至2022年12月31日)

当第3四半期連結累計期間

(自2023年4月1日

  至2023年12月31日)

増減率

(%)

金額

(百万円)

構成比

(%)

金額

(百万円)

構成比

(%)

国内

7,927

31.6

7,805

28.3

△1.5

 

北米

8,528

34.0

9,234

33.5

8.3

欧州(EMEA)

4,111

16.4

4,861

17.6

18.2

アジア・オセアニア

3,514

13.9

4,400

16.0

25.2

その他(含む中南米)

1,025

4.1

1,276

4.6

24.5

海外計

17,180

68.4

19,773

71.7

15.1

合計

25,108

100.0

27,578

100.0

9.8

 

 

 これらの結果、売上高は275億7千8百万円(前年同期比9.8%増)、売上総利益は120億8千1百万円(前年同期比16.2%増)となりました。人件費の増加、広告宣伝活動の強化、のれん償却費の発生などにより、販売費及び一般管理費は8億9百万円増加して92億2千7百万円となりましたが、増収により営業利益は28億5千4百万円(前年同期比44.0%増)、為替差益3億8百万円を計上したことにより経常利益は35億7百万円(前年同期比51.1%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は25億7千7百万円(前年同期比49.0%増)となりました。なお、第3四半期連結累計期間として売上高は過去最高となりました。

 また、当該期間に適用した米ドル及びユーロの平均為替レートはそれぞれ142.11円及び152.93円であり、前年同期に比べ対米ドルでは5.5%、対ユーロでは9.8%の円安水準で推移しました。

 

売上高(百万円)

営業利益(百万円)

経常利益(百万円)

親会社株主に帰属する四半期純利益

(百万円)

当四半期連結累計期間(2023年12月期)

27,578

2,854

3,507

2,577

前四半期連結累計期間(2022年12月期)

25,108

1,981

2,321

1,729

増減率

9.8%

44.0%

51.1%

49.0%

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

(セグメント業績については、12ページ(セグメント情報等)にある当企業集団の報告セグメントである所在地別セグメントで記載しており、前記「地域別売上高」とは異なります。)

①日本[当社、和歌山アイコム㈱、アイコム情報機器㈱、㈱マクロテクノス]

 《国内市場》

 陸上業務用無線通信機器は、経済活動の回復に伴うレンタル用需要の増加があり、前年同期と比べ増収となりましたが、前期の官庁向け航空用無線通信機器の大型入札案件の反動減の影響により、当市場全体としては減収となりました。

 《海外市場》

 欧州地域での旺盛な需要に支えられた陸上業務用無線通信機器及び電子部品等原材料の調達状況に改善の動きが見られた海上用無線通信機器が増収となり、アジア地域でも、経済活動が活発化しており、主要国で需要が回復し増収となりました。

 これらの結果、本セグメントの外部顧客に対する売上高は139億6千2百万円(前年同期比8.5%増)となり、利益面では、増収及び利益率の低下要因であった前期の官庁向け航空用無線通信機器の大型入札案件の反動が、人件費の増加などによる販売費及び一般管理費の増加を上回り営業利益は29億4千9百万円(前年同期比80.5%増)となりました。

②北米[Icom America,Inc.、ICOM CANADA HOLDINGS INC.、ICOM DO BRASIL RADIOCOMUNICACAO LTDA.、ICOM CENTRAL AMERICA,S.DE R.L.DE C.V.]

 陸上業務用無線通信機器は、引き続き旺盛な需要があり増収となりました。為替レートも対米ドルで前年同期に比べ5.5%の円安水準となり、本セグメントの外部顧客に対する売上高は105億7千9百万円(前年同期比10.5%増)となりました。

 利益面では、円安の影響及び人件費の増加などにより販売費及び一般管理費が増加しましたが、営業利益は5億5千1百万円(前年同期比6.8%増)となりました。

③ヨーロッパ[Icom(Europe)GmbH、Icom Spain, S.L.]

 陸上業務用無線通信機器は、堅調な需要に支えられたことや衛星無線トランシーバーが好調だったことで増収となりました。為替レートも対ユーロで前年同期に比べ9.8%の円安水準となり、本セグメントの外部顧客に対する売上高は18億7千5百万円(前年同期比19.8%増)となりました。

 利益面では、増収により営業利益は1億9千5百万円(前年同期比27.7%増)となりました。

④アジア・オセアニア[Icom(Australia)Pty.,Ltd.、PURECOM CO.,LTD、ICOM ASIA CO.,LTD]

 主力市場となるオーストラリアにおいて、アマチュア用無線通信機器及び陸上業務用無線通信機器が増収となりました。これにより、本セグメントの外部顧客に対する売上高は11億6千1百万円(前年同期比5.9%増)となりました。

 利益面では、増収により営業利益は9千4百万円(前年同期比27.9%増)となりました。

 

(2)財政状態の状況

(資産)

 総資産は前連結会計年度末比31億8千2百万円増加し、703億4千6百万円となりました。

 主な内訳は、棚卸資産(合計)の増加17億5千7百万円、投資有価証券の増加14億6千7百万円、有形固定資産の増加8億9千4百万円、有価証券の増加6億円、投資その他の資産のその他の増加1億3千5百万円及び流動資産のその他の増加1億3千4百万円の増加要因と、現金及び預金の減少11億5千4百万円及び受取手形及び売掛金の減少6億2千2百万円の減少要因によるものであります。

 なお、投資その他の資産のその他の増加1億3千5百万円の主な内訳は、長期貸付金の増加3億5千4百万円及び退職給付に係る資産の増加1億4千3百万円の増加要因と、繰延税金資産の減少3億2千万円の減少要因によるものであります。

 また、流動資産のその他の増加1億3千4百万円の主な内訳は、未収消費税等の増加1億1千5百万円の増加要因によるものであります。

 

(負債)

 負債合計は前連結会計年度末比2千3百万円増加し、67億3千6百万円となりました。

 主な内訳は、流動負債のその他の増加1億4千万円及び固定負債のその他の増加8千2百万円の増加要因と、賞与引当金の減少2億1千8百万円の減少要因によるものであります。

 なお、流動負債のその他の増加1億4千万円の主な内訳は、未払費用の増加9千万円の増加要因によるものであります。

 また、固定負債のその他の増加8千2百万円の主な内訳は、繰延税金負債の増加2千6百万円の増加要因によるものであります。

 

(純資産)

 純資産合計は前連結会計年度末比31億5千9百万円増加し、636億1千万円となりました。

 主な内訳は、親会社株主に帰属する四半期純利益による増加25億7千7百万円、その他有価証券評価差額金の増加9億8千6百万円及び為替換算調整勘定の増加6億2千6百万円の増加要因と、剰余金の配当による減少10億3千3百万円の減少要因によるものであります。

 以上の結果、自己資本比率は90.0%から90.4%に上昇いたしました。

 

(3)経営方針、経営環境及び優先的に対処すべき課題等

 当第3四半期連結累計期間において、重要な変更はありません。

 

(4)研究開発活動

 当第3四半期連結累計期間における当企業集団全体の研究開発活動の金額は、29億1千8百万円であります。

 なお、当第3四半期連結累計期間において、当企業集団の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(5)生産、受注及び販売の実績

 当第3四半期連結累計期間において、生産、受注及び販売の実績に著しい変動はありません。