売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS




E01850 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績の状況

 当社グループでは、コアビジネスの強化、新たなビジネスモデルへの挑戦、100年企業を目指したサステナブル経営を事業戦略とする「中期経営計画2026」(2024年3月期~2026年3月期)に取り組んでおり、その最終年度を迎えました。

 当中間連結会計期間の世界経済は、米政権による相互関税政策の発表を機に、先行きへの不透明感が急速に広がりました。米政権の関税政策が各国経済に及ぼす影響に加え、ウクライナ紛争の長期化、中東情勢の急速な緊迫化による地政学リスクの高まり等、世界経済の先行きに対する懸念が一層強まる状況にあります。

 当社グループがターゲットとする無線通信機器市場は、北米では関税の転嫁による商品価格の上昇や米国内企業の雇用減速や政府の閉鎖等により、購買意欲が低下し、公共事業における無線通信機器の需要は減退しました。また、電子部品等原材料の調達難の解消に伴う一時的な余剰在庫は徐々に解消しつつありますが、未だ需要の本格的な回復には至っておりません。欧州においては、米政権による相互関税政策の影響による先行きの不透明感から、無線通信機器の買い控えが続いています。アジアでは、中国は、政府の景気刺激策に伴う消費の下支えにより需要は維持されましたが、その他の地域では、消費が低迷し無線通信機器市場は厳しい環境が続きました。

 国内市場では、堅調な民間の設備投資を背景に業務用無線通信機器の需要は底堅く推移しました。しかしながら、アマチュア用無線通信機器は物価高に伴う個人の節約志向の高まりや新製品発売前の買い控えにより低調な推移となりました。

 このような経済環境のなか、国内市場ではハイブリッド無線機の売上が堅調に推移し、ストックビジネスの伸長を図れたことに加え、消防や教育機関向け案件獲得により売上げを伸ばし、増収となりました。一方、海外市場では、為替が想定よりも円高で推移したことに加え、需要の低迷から減収となり、当社グループ全体の売上高は、前年同期を下回りました。

 品目別では、海上用無線通信機器及び航空用無線通信機器は案件獲得などもあり、売上を維持しましたが、陸上業務用無線通信機器は、BCP対策としての需要拡大はあるものの、海外市場において、米政権の関税政策による先行きの不透明感から各企業とも設備投資を控えており、減収となりました。また、アマチュア用無線通信機器は、製品が一巡したことに加え、新製品発売前の買い控えもあり減収となりました。

 なお、地域別の状況については、下表の通りであります。

 

<参考>地域別売上高

 

前中間連結会計期間

(自2024年4月1日

  至2024年9月30日)

当中間連結会計期間

(自2025年4月1日

  至2025年9月30日)

増減率

(%)

金額

(百万円)

構成比

(%)

金額

(百万円)

構成比

(%)

国内

5,351

29.9

6,068

35.7

13.4

 

北米

5,514

30.8

5,023

29.5

△8.9

欧州(EMEA)

3,066

17.1

2,741

16.1

△10.6

アジア・オセアニア

3,153

17.6

2,445

14.4

△22.5

その他(含む中南米)

812

4.6

733

4.3

△9.6

海外計

12,546

70.1

10,943

64.3

△12.8

合計

17,898

100.0

17,012

100.0

△5.0

 

 

 当中間連結会計期間における売上高は、170億1千2百万円(前年同期比5.0%減)となり、売上総利益は73億1百万円(前年同期比8.8%減)となりました。販売費及び一般管理費は、人件費の増加などにより、2億5千万円増加して66億4千7百万円となり、営業利益は6億5千3百万円(前年同期比59.3%減)となりました。営業外損益は、為替差益の増加などにより4億9千3百万円増加して3億5千2百万円の利益となり、経常利益は、10億6百万円(前年同期比31.4%減)、特別損失に訴訟和解金4億円を計上したことにより税金等調整前中間純利益は6億6百万円(前年同期比59.0%減)、親会社株主に帰属する中間純利益は4億3千2百万円(前年同期比58.9%減)となりました。

 また、当該期間に適用した米ドル及びユーロの平均為替レートはそれぞれ146.42円及び165.35円であり、前年同期に比べ対米ドルでは4.7%、対ユーロでは0.6%の円高水準で推移しました。

 

売上高(百万円)

営業利益(百万円)

経常利益(百万円)

親会社株主に帰属する中間純利益

(百万円)

当中間連結会計期間(2025年9月期)

17,012

653

1,006

432

前中間連結会計期間(2024年9月期)

17,898

1,607

1,466

1,050

増減率

△5.0%

△59.3%

△31.4%

△58.9%

 

セグメントの業績は、次のとおりであります。

(セグメント業績については、当社グループの報告セグメントである所在地別セグメントで記載しており、前記「地域別売上高」とは異なります。)

①日本[当社、和歌山アイコム㈱、アイコム情報機器㈱、㈱マクロテクノス、㈱コムフォース]

≪国内市場≫(日本国内より国内市場への売上高)

 陸上業務用無線通信機器において、ボリュームゾーンとなる特定小電力型無線機に加え、IP無線機は市場での価格攻勢の影響により販売が苦戦しておりますが、経済活動の回復に伴う設備投資の増加によりハイブリッド無線機の需要増でストックビジネスが堅調に推移したこと、消防や教育機関向け案件を獲得できたことで増収となりました。

≪海外市場≫(日本国内より海外市場への売上高)

 アジア地域での経済低迷により前期まで堅調に推移してきた拡販対象モデルの売上が低調に終わったこと、欧州地域での経済減速の影響を受け、売上が軟調に推移したことで減収となりました。

 これらの結果、本セグメントの外部顧客に対する売上高は92億2千2百万円(前年同期比2.6%減)となりました。

 利益面では、海外市場向け売上の減少と内部売上高の減少及び円高の影響により営業利益は1億3千4百万円(前年同期比89.0%減)となりました。

②北米[Icom America, Inc.、ICOM CANADA HOLDINGS INC.、ICOM DO BRASIL RADIOCOMUNICACAO LTDA.、ICOM CENTRAL AMERICA,S.DE R.L.DE C.V.]

 アマチュア用無線通信機器、海上用無線通信機器及び航空用無線通信機器は、比較的安定した販売があり、前年並みの売上となりましたが、陸上業務用無線通信機器では、バックオーダーが前期に解消したことによる一時的な余剰在庫に加え、政府の予算凍結による業務の停止、関税政策による国内産業への影響などもあり減収となり、地域全体では、減収となりました。

 これらの結果、本セグメントの外部顧客に対する売上高は57億6千8百万円(前年同期比8.6%減)となりました。

 利益面では、減収及び円高の影響により、3千9百万円の営業損失(前年同期は1億5千5百万円の営業利益)となりました。

③ヨーロッパ[Icom(Europe)GmbH、Icom Spain, S.L.]

 海上用無線通信機器は、休暇シーズンの需要により売上を積み上げ前年並みの実績となりました。航空用無線通信機器は、堅調な需要に加え、案件獲得により増収となりました。一方、アマチュア用無線通信機器は、主力製品が一巡したことに加え、新製品発売前の買い控えにより減収となりました。また、陸上業務用無線通信機器は、案件獲得、衛星通信機器の伸長がありましたが、経済活動の減速による需要減の影響により、減収となりました。

 これらの結果、本セグメントの外部顧客に対する売上高は12億5千8百万円(前年同期比2.6%減)となりました。

 利益面では、減収により営業利益は8千5百万円(前年同期比15.4%減)となりました。

 

④アジア・オセアニア[Icom(Australia)Pty.,Ltd.、PURECOM CO.,LTD.、ICOM ASIA CO.,LTD.]

 主力市場となるオーストラリアにおいて、アマチュア用無線通信機器、海上用無線通信機器及び航空用無線通信機器は、物価高騰の影響を受け厳しい市場環境にありましたが、各種イベントへの積極参加やプロモーション活動により増収となりました。しかし、陸上業務用無線通信機器は、経済低迷によりCB機の需要が落ち込み減収となりました。

 これらの結果、本セグメントの外部顧客に対する売上高は7億6千2百万円(前年同期比8.2%減)となりました。

 利益面では、減収及び販売費及び一般管理費が増加したことにより営業利益は5千万円(前年同期比29.9%減)となりました。

 

(2)財政状態の状況

(資産)

 総資産は前連結会計年度末比15億9千3百万円増加し、754億8千2百万円となりました。

 主な内訳は、投資有価証券の増加12億5千2百万円、投資その他の資産のその他の増加3億1百万円、流動資産のその他の増加2億6千3百万円及び有形固定資産の増加1億9百万円の増加要因と、受取手形及び売掛金の減少1億4千2百万円、棚卸資産(合計)の減少1億2千7百万円及び現金及び預金の減少9千1百万円の減少要因によるものであります。

 なお、投資その他の資産のその他の増加3億1百万円の主な内訳は、長期前払費用の増加1億4千2百万円及び退職給付に係る資産の増加1億1千8百万円の増加要因によるものであります。

 また、流動資産のその他の増加2億6千3百万円の主な内訳は、未収消費税等の増加1億5千6百万円及び前払費用の増加6千2百万円の増加要因によるものであります。

(負債)

 負債合計は前連結会計年度末比13億1千万円増加し、78億3千9百万円となりました。

 主な内訳は、買掛金の増加6億8千1百万円、流動負債のその他の増加4億1千3百万円及び固定負債のその他の増加3億6百万円の増加要因によるものであります。

 なお、流動負債のその他の増加4億1千3百万円の主な内訳は、未払金の増加4億9千2百万円の増加要因によるものであります。

 また、固定負債のその他の増加3億6百万円の主な内訳は、繰延税金負債の増加3億4千8百万円の増加要因によるものであります。

(純資産)

 純資産合計は前連結会計年度末比2億8千3百万円増加し、676億4千3百万円となりました。

 主な内訳は、その他有価証券評価差額金の増加4億5千5百万円、親会社株主に帰属する中間純利益による増加4億3千2百万円及び為替換算調整勘定の増加2億5千5百万円の増加要因と、剰余金の配当による減少8億3千2百万円の減少要因によるものであります。

 以上の結果、自己資本比率は91.2%から89.6%に低下いたしました。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

 当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、前中間連結会計期間末に比べ19億5千4百万円減少し、228億3千6百万円となりました。当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動により増加したキャッシュ・フローは、15億6千9百万円(前年同期は6億5千6百万円の増加)となりました。主な増加要因は、仕入債務の増加6億7千9百万円、税金等調整前中間純利益6億6百万円、減価償却費の計上4億2千2百万円、訴訟和解金4億円、売上債権の減少1億5千8百万円及び棚卸資産の減少1億5千3百万円、一方で主な減少要因は、営業活動その他による減少4億9千1百万円、受取利息及び受取配当金2億4千8百万円及び法人税等の支払額6千9百万円であります。

 なお、営業活動その他による減少4億9千1百万円の主な内訳は、未収消費税等の増加1億5千6百万円、退職給付に係る資産の増加1億1千8百万円、賞与引当金の減少9千2百万円及び前払費用の増加6千1百万円の減少要因によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動により減少したキャッシュ・フローは、23億6千3百万円(前年同期は4億5千6百万円の減少)となりました。主な減少要因は、預入期間3ヶ月超定期預金の増加13億6千8百万円、投資有価証券の取得による支出6億9千7百万円、有形固定資産の取得による支出4億5千7百万円及び投資活動その他による減少1億8千万円、一方で主な増加要因は、利息及び配当金の受取額2億4千3百万円及び有価証券の売却及び償還による収入1億円であります。

 なお、投資活動その他による減少1億8千万円の主な内訳は、長期前払費用の増加1億4千2百万円の減少要因によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動により減少したキャッシュ・フローは、8億3千2百万円(前年同期は10億3千3百万円の減少)となりました。主な内訳は、配当金の支払額8億3千2百万円であります。

 

(4)経営方針、経営環境及び優先的に対処すべき課題等

 当中間連結会計期間において、重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

 当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、22億4百万円であります。

 なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(6)生産、受注及び販売の実績

 当中間連結会計期間において、生産、受注及び販売の実績に著しい変動はありません。