売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E02024 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

  文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

(1)財政状態及び経営成績の状況

①経営成績

 当第3四半期連結累計期間における経営環境については、米国景気は良好な雇用・所得環境を背景に個人消費が堅調ですが、製造業の調整、設備投資低迷が継続しております。米国金利については徐々に抑制されるよう方向転換が見られました。欧州も米国と同様、ユーロ圏を中心に景気の下押しを避けるよう利上げの打ち止めを表明しております。日本は緩やかな景気回復が続く一方、燃料を中心に輸入品などの価格高騰も継続しております。また、年始の能登半島地震発生は北陸地方の経済活動に懸念をもたらしております。中国は政府による金融緩和や財政支出等の効果もあり下支えされていますが、世界的な財需要の低迷などのあおりを受け、輸出の伸び悩みが続くなど、比較的厳しい経済状況が続いております。

 為替相場は、対米ドルレートは春以降円安方向に転じて以降、一進一退ありながらも円安が続いております。

 当社グループの属するエレクトロニクス産業では、半導体産業の需要調整局面が続き、半導体製造装置の需要も高水準であった前年度と比較して需要が低迷しております。一方、パワー半導体の市場は比較的堅調に推移しております。

 このような事業環境のなか、当社グループの半導体等装置関連事業では、製造装置向けの真空部品や受託加工、及び半導体製造プロセス向けの各種マテリアル製品(石英製品・セラミックス製品・シリコンパーツ等)などは欧米顧客向けの売上が伸び悩むなか、中国顧客向け(半導体装置向けや太陽光パネル向けなど)売上が下支えをしました。製品分野ではCVD-SiC製品や石英坩堝が他事業をカバーしました。

 電子デバイス事業では、サーモモジュールの事業の伸び悩みをパワー半導体用基板による産業機器向け及びEV(電気自動車)向けの販売がカバーする状況が続いております。

 なお、営業利益は、減価償却費負担増や販売費及び一般管理費の増加もあり前年同期比で減少しました。経常利益は当第3四半期累計期間の為替差益1,829百万円の発生が利益を押し上げたものの、前年同期に発生した為替差益6,979百万円との比較では大きく減少しました。

  この結果、当第3四半期連結累計期間における売上高は168,266百万円(前年同期比8.1%増)、営業利益は20,926百万円(前年同期比21.8%減)、経常利益は23,266百万円(前年同期比34.1%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は13,464百万円(前年同期比43.3%減)となりました。

 

  当第3四半期連結累計期間のセグメントの経営成績は、以下のとおりです。

 

(半導体等装置関連事業)

 当該事業の主な製品は、真空シール及び各種製造装置向け金属加工製品、石英製品、セラミックス製品、CVD-SiC製品、シリコンパーツ、装置部品洗浄、石英坩堝などです。

 当社の真空シールおよび各種製造装置向け金属加工製品や半導体製造プロセスに使用されるマテリアル製品(石英製品・セラミックス製品・シリコンパーツ等)、部品洗浄サービスは、半導体の在庫調整局面にあり、設備投資需要の停滞及び設備稼働率の低下の影響で売上が減少しました。中国ローカルの装置メーカー向けの売上を維持し、欧米メーカーの売上減少をカバーしております。一方、石英坩堝は太陽光パネル製造メーカー向けの売上が引き続き伸びました。マテリアル製品のうち受注残を持つCVD-SiC製品も売上増を継続しました。

 この結果、当該事業の売上高は97,494百万円(前年同期比1.7%減)、営業利益は13,163百万円(前年同期比27.5%減)となりました。

 

(電子デバイス事業)

 当該事業の主な製品は、サーモモジュール、パワー半導体用基板、磁性流体、センサなどです。

 サーモモジュールは、PCR検査装置を中心に医療関係向けの出荷が減少したことが主要因で売上減となりました。一方、パワー半導体用基板は、産業機械向けを中心にDCB基板の販売が好調であったこと、加えて中国のEV車向けを中心にAMB基板が引き続き伸びたこともあり、全体でも大きく売上を伸ばしました。また、センサは前第2四半期連結会計期間より株式会社大泉製作所を連結化したため、対前年同期比では連結化していなかった期間との比較で売上等が増加しております。

 この結果、当該事業の売上高は50,370百万円(前年同期比32.0%増)、営業利益は8,711百万円(前年同期比1.9%増)となりました。

 

(その他)

 「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、ソーブレード、工作機械、太陽電池用シリコン製品等の事業を含んでおります。

 工作機械は前年同期比で出荷が減少しました。また、ソーブレードには前第2四半期連結会計期間より連結化した東洋刃物株式会社の売上、利益が、前第3四半期連結会計期間より含み、対前年同期比では連結化していなかった期間との比較で売上等が増加しております。

 この結果、当該事業の売上高は20,401百万円(前年同期比11.0%増)、営業損失は22百万円(前年同期は営業利益668百万円)となりました。

 

②財政状態

<資産>

 当第3四半期連結会計期間末の資産は、前連結会計年度末と比べ98,028百万円増加し、508,676百万円となりました。これは主に現金及び預金23,054百万円、受取手形、売掛金及び契約資産8,731百万円、有形固定資産49,130百万円の増加によるものであります。

<負債>

 当第3四半期連結会計期間末の負債は、前連結会計年度末と比べ65,435百万円増加し、226,427百万円となりました。これは主に支払手形及び買掛金2,109百万円の減少があった一方、転換社債型新株予約権付社債25,000百万円、長期借入金(1年内返済予定を含む)40,547百万円の増加によるものであります。

<純資産>

 当第3四半期連結会計期間末の純資産は、前連結会計年度末と比べ32,592百万円増加し、282,249百万円となりました。これは主に利益剰余金8,534百万円、為替換算調整勘定15,968百万円、非支配株主持分6,819百万円の増加によるものであります。

 

(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(3)経営方針・経営戦略等

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について重要な変更はありません。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(6)研究開発活動

 当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、7,983百万円であります。

 なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(7)資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当社グループの運転資金、設備資金等に必要な資金は、営業キャッシュ・フローから得られる資金のほか、主として銀行等の金融機関からの借入金、社債、リースなどで賄っており、加えて、子会社への第三者割当増資により資金調達する場合もあります

 当第3四半期連結会計期間末の有利子負債(リース債務を除く)は、前連結会計年度末と比べ61,970百万円増加し、128,690百万円となりました。

 有利子負債から現金及び預金を控除したネット有利子負債は、前連結会計年度末と比べ38,915百万円増加し、2,519百万円となりました。

 当社グループは、構築した事業基盤に基づき安定的なキャッシュ・フロー創出力を有することから、金融機関等から、必要な運転資金、設備資金を安定的に確保しております。また、当第3四半期連結会計期間末では、現金及び預金126,170百万円のほか、取引銀行とコミットメントライン契約を締結しており、資金の流動性を確保できているものと認識しております。