売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E01856 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

(1)経営成績の状況

 当第3四半期連結累計期間における世界経済は、インフレの長期化及び欧米諸国での政策金利の引き上げ、それに伴う大幅な為替変動に加え、中国経済の成長鈍化、地政学リスクの高まり等により、世界経済の先行きに不透明感が増し、不安定な状況が継続しています。

 エレクトロニクス業界におきましては、スマートフォンやPC等の需要低迷が長引いており、需要の減少に伴い、半導体メーカーにおいては、在庫調整や設備投資を抑制する動きがみられました。現在、半導体関連の需要を中心に調整局面に入っておりますが、AI活用をテーマとした新たな投資による社会のデジタル化推進を背景に、一部の半導体で需要が増加傾向にあります。

 このような情勢の中で当社グループは、新型コロナウイルス感染症によるお客様の面談等の制限が緩和されたことで、訪問営業による拡販活動を増やしております。

 新製品につきましては、単相ワイド入力ファン付き大電力AC-DC電源「FETA3000BC」並びに世界各国の電圧に対応した三相ワイド入力伝導放熱タイプ大電力AC-DC電源「HCA3500TF」を市場投入いたしました。また、好評をいただいていた「PBAシリーズ」の後継製品として、「PDAシリーズ」3モデルを市場投入いたしました。加えて、小型高効率AC-DC電源「TECS/TEPSシリーズ」4モデル及び三相4線式ノイズフィルタ「YACシリーズ」4モデルを市場投入しております。

 海外市場向けには、医療用電気機器向けの国際安全規格「IEC60601-1」に対応した標準サイズ2×3インチAC-DC電源「UMAシリーズ」2モデルを市場投入いたしました。

 当第3四半期連結累計期間の経営成績につきましては、部品材料の調達状況が改善してきたことを受け、受注残の解消に向けた増産対応を継続した結果、売上高は315億21百万円(前年同期比24.7%増)となりました。利益面においては、増産対応に伴い材料費、外注加工費に加え、人件費及び経費の増加があったものの、売上高の大幅な増加と変動費比率の低下による収益力の上昇、為替による影響等により、経常利益は67億23百万円(同87.0%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は46億57百万円(同83.9%増)となりました。

 

 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

①日本生産販売事業

 日本国内では、過年度の先行手配による受注急増の反動により、今年度においては受注調整が継続しておりますが、受注残の解消に向けた増産対応により、売上高については堅調に推移しました。

 営業活動につきましては、販売店との情報共有強化を図り、お客様とのウェブ面談は継続しておりますが、訪問営業による拡販活動を増やしております。

 この結果、外部顧客への売上高は196億80百万円(前年同期比26.1%増)、セグメント利益は43億2百万円(同57.4%増)となりました。

 

②北米販売事業

 米国では、前年の下半期以降、需要の調整局面が継続しており、受注は低調に推移しました。一方で、売上高については受注残の解消に向けた増産対応により、好調に推移しました。

 営業活動につきましては、ファクトリーレップとの連携を図りつつ、拡販活動に注力してまいりました。新製品につきましては、動画を用いてプロモーション強化に取り組んでまいりました。

 この結果、外部顧客への売上高は30億48百万円(前年同期比65.0%増)、セグメント利益は5億34百万円(同313.1%増)となりました。

 

 

③ヨーロッパ生産販売事業

 ヨーロッパにおいては、景気の不透明感による先行手配需要の調整があり、受注については低調に推移しました。売上高については、前期から継続して増産対応に取り組み、好調に推移しましたが、第3四半期に入り、景気低迷により顧客から納期延伸の要請が出てきました。

 営業活動につきましては、テレワークでの拡販活動に加え、訪問営業による拡販活動を増やしております。

 この結果、外部顧客への売上高は58億83百万円(前年同期比8.1%増)、セグメント利益は2億45百万円(前年同期比23.6%増)となりました。

 

④アジア販売事業

 アジアにおいては、中国景気の低迷の中、需要の調整局面が継続しており、受注は低調に推移しました。一方で、受注残の解消に向けた増産対応により、売上高は堅調に推移しました。

 営業活動につきましては、前期から引き続き、新規開拓、新製品拡販のためのウェブマーケティングに注力しております。

 この結果、外部顧客への売上高は29億8百万円(前年同期比22.4%増)、セグメント利益は1億77百万円(同34.8%増)となりました。

 

⑤中国生産事業

 中国生産事業においては、新製品の「PDA15F/30F/50F」3モデル、「WMA100F」1モデルの生産体制整備を完了し、1月から生産を開始しております。新製品の受注増加に対応すべく、既存製品を含め、生産ラインと人員の生産性向上に取り組んでおります。

 この結果、セグメント間の内部売上高は27億58百万円(前年同期比46.9%増)、セグメント利益は6億57百万円(同124.0%増)となりました。

 

(2)財政状態

(資産)

 当第3四半期連結会計期間末における流動資産は395億81百万円となり、前連結会計年度末に比べ33億67百万円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が10億47百万円、受取手形及び売掛金が5億24百万円、棚卸資産が13億76百万円、その他が4億3百万円増加したことによるものであります。

 固定資産は126億91百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億38百万円増加いたしました。これは主に、ソフトウエア仮勘定等の無形固定資産が91百万円、投資有価証券が1億2百万円増加したことによるものであります。

 この結果、資産合計は522億73百万円となり、前連結会計年度末に比べ36億5百万円増加いたしました。

(負債)

 当第3四半期連結会計期間末における流動負債は47億51百万円となり、前連結会計年度末に比べ6億55百万円減少いたしました。これは主に、買掛金が1億84百万円増加した一方で、未払法人税等が5億74百万円、賞与引当金が2億52百万円減少したことによるものであります。

 固定負債は12億71百万円となり、前連結会計年度末に比べ3億24百万円増加いたしました。これは主に、繰延税金負債が3億22百万円増加したことによるものであります。

 この結果、負債合計は60億23百万円となり、前連結会計年度末に比べ3億30百万円減少いたしました。

(純資産)

 当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は462億49百万円となり、前連結会計年度末に比べ39億36百万円増加いたしました。これは、株主資本が32億58百万円、その他の包括利益累計額が6億36百万円増加したことによるものであります。株主資本の増加は、親会社株主に帰属する四半期純利益46億57百万円を計上した一方で、剰余金の配当14億59百万円があったこと等によるものであります。その他の包括利益累計額の増加は、その他有価証券評価差額金が1億14百万円、為替換算調整勘定が5億24百万円増加したこと等によるものであります。

 この結果、自己資本比率は88.2%(前連結会計年度末は86.7%)となりました。

 

(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(4)経営方針・経営戦略等

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(6)研究開発活動

当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、2億55百万円であります。

なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。