売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E02004 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

a 経営成績

 当第3四半期連結累計期間における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症に対する各種行動制限の解除に伴い、経済活動の正常化が進み、景気は緩やかな回復基調が続いております。しかしながら、ウクライナ情勢の長期化に伴う資源・エネルギー価格や原材料の高騰、更に円安による物価上昇に加え、中国経済の停滞、中東地域をめぐる情勢及び世界的な金融引き締めの影響などによる海外景気の減速懸念等、依然として先行き不透明な状況が続いております。

 一方、当社グループが属する電気計測器業界においては、世界各国でのカーボンニュートラル、SDGs達成に向けた取り組み等により、自動車関連市場、電池関連市場など、グローバルで需要の回復が進んでおりますが、半導体関連市場においては、半導体メモリ等の世界的な需要減速に伴い、在庫調整や設備投資が延期されるなどの動きが見られました。

 このような状況の中、当社グループは、好調に推移した受注環境の下、グローバル需要を捉えるべく、重点市場である航空宇宙、電池、自動車のCASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)、サーバー・ICT(情報通信技術)関連市場へ顧客ニーズに合わせたソリューション提案営業を積極的に展開し、新製品である双方向大容量直流電源PXBシリーズを中心に展示会への出展やWebを活用した販売促進活動等を進めるなど売上拡大に努めるとともに、原価低減にも努力を重ねてまいりました。

 この結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は、86億4千6百万円(前年同四半期比2.4%増)となりました。

 損益面におきましては、売上高が増加したこと、並びに依然として原材料の長納期化や円安の影響はあるものの、納期対応のための部品調達コストや設備投資需要の変動に伴う海外製品の仕入が減少したこと、売上増加に伴い人件費等固定費の回収が進んだことなどにより、営業利益11億8千1百万円(前年同四半期比22.9%増)、経常利益12億5千4百万円(前年同四半期比27.1%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益8億2千4百万円(前年同四半期比24.0%増)となりました。

 

当社グループは、電気計測器等の製造、販売を行っているものであり、セグメントは単一であります。したがいまして、セグメントごとに経営成績の状況は開示しておりません。

 

 なお、当社グループにおける営業品目の製品群別売上の概況は、次のとおりであります。

 

 

《電子計測器群》

電子計測器群では、航空機器用電子機器の測定器は、動きが見られ、好調に推移いたしました。安全関連試験機器は、EV(電気自動車)用バッテリの耐電圧・絶縁抵抗試験器として電池関連市場並びにパワー半導体関連市場向けに動きがみられましたが、中国における電池関連市場の設備投資が抑制されたことにより、低調に推移いたしました。

以上の結果、売上高は19億1百万円(前年同四半期比12.4%減)となりました。

 

《電源機器群》

電源機器群では、直流電源は、宇宙産業市場や車載関連市場及びエネルギー関連市場への評価試験や製造設備用として、新製品の拡販効果等もあり、好調に推移いたしました。交流電源は、車載関連市場及びエネルギー関連市場への評価試験や製造設備用として好調に推移いたしました。電子負荷装置は、電子部品関連市場、EV関連市場及びエネルギー関連市場への評価試験用として動きが見られました。

以上の結果、売上高は63億8千7百万円(前年同四半期比7.5%増)となりました。

 

修理・校正サービス等

修理・校正サービス等につきましては、特記すべき事項はありません。

当該修理・校正サービス等の売上高は、3億5千8百万円(前年同四半期比7.0%増)となりました。

 

上記に含まれる海外市場の売上の概況は以下のとおりであります。

 

《海外市場》

米国では、IT(情報技術)関連市場及び半導体関連市場において設備投資抑制の動きがみられるものの、宇宙産業市場及び車載関連市場への直流電源並びにグリーンエネルギー政策により需要が拡大しているエネルギー関連市場への交流電源や電子負荷装置がそれぞれ好調に推移いたしました。

欧州では、空調機器関連市場への交流電源に動きがありましたが、低調に推移いたしました。

アジアにおいては、中国では、電池関連市場や車載関連市場の設備投資抑制により低調に推移いたしました。一方、韓国では、車載関連市場への直流電源や電子負荷装置が好調に推移し、東南アジアでは、車載関連市場などの設備投資抑制の動きが見られ、低調に推移いたしました。

以上の結果、海外売上高は41億2千5百万円(前年同四半期比9.7%減)となりました。

 

b 財政状態

当第3四半期連結会計期間における総資産は、好調な受注環境の中で安定した生産活動等により商品及び製品並びに仕掛品が増加したものの、受取手形及び売掛金の減少並びに未収還付法人税等の還付による減少等により、前連結会計年度末に比べ1億4千8百万円減少し、153億3千6百万円となりました。

負債は、支払手形及び買掛金の減少並びに未払法人税等の納税及び役員賞与の支給による役員賞与引当金が減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ7億6千2百万円減少し、26億5千万円となりました。

純資産は、配当の実施により剰余金が減少したものの、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上及び投資有価証券の期末時価の上昇によるその他有価証券評価差額金の増加等により、前連結会計年度末に比べ6億1千3百万円増加し、126億8千5百万円となりました。

 

(2) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載については重要な変更はありません。

 

 

(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)については、当第3四半期連結累計期間において変更ありません。

 

(4) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は9億1千4百万円であります。

また、当第3四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。