売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E01929 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間における当社グループの事業環境は、ロシア・ウクライナ情勢の長期化の影響によるエネルギー・原材料価格の上昇、欧米でのインフレ進行に伴う政策金利の引き上げの継続、中国での不動産開発投資に始まる内外需要の低迷による景気の減速など世界的な不況感が継続しており、先行き不透明な状況が続いています。

このような環境のもと、半導体・電子デバイス・プリント基板市場においては、世界的にスマートフォンなどの最終需要に回復の兆しが見え始めているものの、足元で関連する設備投資の抑制や稼働の低調が継続しています。また、関連する最先端ICパッケージ基板の需要においても、最終製品の需要低迷が続いており、一時的な設備投資の抑制が発生するなど、引き続き注視が必要な状況です。一方で、5Gの実用化やIoT・AI活用が進展し、関連する需要の中長期での拡大が期待されます。フラットパネルディスプレイ市場においては、巣ごもり需要が一巡し、液晶パネルメーカー各社の稼働の低調が継続しています。映像関連市場においては、世界全域でコロナ禍からの正常化に向けた経済活動再開により映画館の稼働の回復が進みました。また、一般映像機器市場においても、イベント等の回復に伴い、堅調な市況が継続しています。

当第3四半期連結累計期間の平均為替レートは、米ドルが前第3四半期連結累計期間に比べ、7円円安の143円となりました。

その結果、当第3四半期連結累計期間における売上高は1,325億1千万円(前年同期比3.2%増)、営業利益は102億6百万円(前年同期比24.5%減)、経常利益は126億1千5百万円(前年同期比30.1%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は86億9千1百万円(前年同期比28.0%減)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

なお、第1四半期連結会計期間より報告セグメントを変更しており、前年同期の比較及び分析は、変更後の区分に基づいて記載しております。

 

(Industrial Process事業)

[露光用ランプ]

パソコンやスマートフォンなどの最終需要の減速に伴い、半導体や電子デバイス向けで稼働調整が継続しています。また、液晶パネル向けにおいても、巣ごもり需要の一巡によりパネルメーカー各社で生産調整が継続したことで販売が減少し、減収となりました。

 

[OA用ランプ]

需要は堅調であるものの、前期のセットメーカーでの部材不足緩和による需要増加の反動により、ランプの販売が減少し、減収となりました。

 

[光学機器用ランプ]

液晶パネルメーカー各社の生産調整が継続しているため、主に液晶パネル向け光源の販売が減少し、減収となりました。

 

[光学装置(露光装置)]

5Gの実用化やIoT・AIの進展に伴うデータセンター向けサーバー需要等の高まりは継続しているものの、足元でサーバーやパソコンの市況悪化に伴う設備投資の抑制が発生したため、関連する最先端ICパッケージ基板向け投影露光装置及びパッケージ・プリント基板向け直描式露光装置の販売が減少し、減収となりました。

 

[光学装置(その他)]

主に、巣ごもり需要の一巡により、液晶パネル向けの設備投資が減速したことにより、関連する装置の販売が減少し、減収となりました。

 

なお、減収に加え、光学装置を中心とした将来に向けた戦略投資(R&D等)を拡大しており、また、光学装置を中心に付加価値の高い製品の販売が減少したことで利益率が低下し、減益となりました。

 

以上の結果、Industrial Process事業の売上高は603億6千5百万円(前年同期比9.5%減)、セグメント利益は80億3千5百万円(前年同期比46.6%減)を計上いたしました。

 

(Visual Imaging事業)

[プロジェクター用ランプ]

シネマプロジェクター用クセノンランプにおいて、コロナ禍からの回復により稼働改善が進んだものの、中国経済の悪化影響を受け販売が減少しました。また、一般映像向けプロジェクター用ランプにおいて、固体光源化が進んだ影響により販売が減少し、減収となりました。

 

[映像装置(シネマ)]

前期に発生した部材不足の解消が進み、映画館におけるプロジェクターの置き換え需要を取り込んだことでデジタルシネマプロジェクターの販売が増加しました。また、為替の円安効果もあり、増収となりました。

 

[映像装置(一般映像)]

イベント等の需要が堅調に推移したほか、第2四半期連結会計期間における大型案件の検収や、為替の円安効果もあり、増収となりました。

 

なお、増収に加え、将来に向けた人財投資等の戦略投資が増加したものの、映像関連機器において前期に発生した部材コスト高騰の影響緩和による原価率の改善が進んだことで利益率の改善が進み、増益となりました。

 

以上の結果、Visual Imaging事業の売上高は592億7千6百万円(前年同期比19.4%増)、セグメント利益は45億9千7百万円(前年同期比70.3%増)を計上いたしました。

 

(Life Science事業)

主に環境衛生向け光源の販売が減少し、減収となりました。一方、前期において棚卸資産評価損を計上しており、また、環境衛生向け事業の戦略見直しによる投資抑制を行ったことから、増益となりました。

 

以上の結果、Life Science事業の売上高は40億1千7百万円(前年同期比0.6%減)、セグメント損失は16億7千6百万円(前年同期はセグメント損失39億8千3百万円)を計上いたしました。

 

(Photonics Solution事業)

研究開発用途で顕微鏡向けレーザーモジュール販売が増加し、増収となりました。一方で、開発費や人財投資といった戦略投資の増加により減益となりました。

 

以上の結果、Photonics Solution事業の売上高は79億3千9百万円(前年同期比18.0%増)、セグメント損失は8億4千5百万円(前年同期はセグメント損失1億1千2百万円)を計上いたしました。

 

(その他事業)

客先製造ラインの稼働低下に伴い、点灯装置の販売が減少しました。

 

以上の結果、売上高は9億6千7百万円(前年同期比24.9%減)、セグメント利益は5千3百万円(前年同期はセグメント損失1億6千7百万円)を計上いたしました。

 

(2)財政状態の状況

(資産)

当第3四半期連結会計期間末における総資産は、3,418億9千4百万円となり、前連結会計年度末に比べ182億7千2百万円増加いたしました。主な増加要因は、一部光学装置の売上時期後倒しによる棚卸資産の増加及び保有投資有価証券の含み益の増加による投資有価証券の増加であります。一方、主な減少要因は、配当支払、納税及び自己株式購入等による現金及び預金の減少であります。

 

(負債)

当第3四半期連結会計期間末における負債は、1,040億7千8百万円となり、前連結会計年度末に比べ245億6千1百万円増加いたしました。主な増加要因は、配当支払や自己株式購入等の資金需要による長期借入金の増加、保有投資有価証券の含み益に対する繰延税金負債の増加及び光学装置等の販売に伴う契約負債の増加であります。

 

(純資産)

当第3四半期連結会計期間末における純資産は、2,378億1千6百万円となり、前連結会計年度末に比べ62億8千8百万円減少いたしました。主な増加要因は、当第3四半期連結会計期間末にかけて円安が進行したことによる為替換算調整勘定の増加、保有投資有価証券の含み益の増加によるその他有価証券評価差額金の増加及び親会社株主に帰属する四半期純利益を計上したことによる利益剰余金の増加であります。一方、主な減少要因は、自己株式の増加及び配当支払による利益剰余金の減少であります。

 

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(4)研究開発活動

当第3四半期連結累計期間における当社グループの研究開発活動の金額は、94億4千3百万円であります。

なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。