E02123 Japan GAAP
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当中間連結会計期間の世界経済は、一部地域で減速の兆しが見られるものの、総じてゆるやかな成長を維持しています。米国の関税政策や地政学的リスクが依然として懸念材料ではあるものの、インフレ率の安定化や主要国による金融政策の転換が進み、景気の下振れリスクはやや緩和されつつあります。各国の財政拡大や消費回復の動きも見られ、先行きに対する悲観的な見方は後退しています。国内経済についても、依然として不確実性は残るものの、個人消費の持ち直しや堅調な企業業績などにより、ゆるやかに回復しております。
当社グループの舶用推進システム事業と関連性の高い造船業界では、日米協力が進む流れが出来つつあります。また、当面船台は4年先まで埋まっており、国内造船所は十分な手持ち工事量を確保しております。物流システム事業についても、米国での優位性は引き続き維持しており、アジア地域や国内における新設、増設、老朽化更新などの需要も堅調で、主力事業の受注環境は当面良好と認識しております。
米国の政策に対する各国の対応、金利・為替の急激な変動等には注意は必要ですが、それぞれのリスクに対しては、有利子負債を適正な水準に維持することや為替予約等を通じて適切に対応しております。
このような不確実かつ変化の激しい外部環境の下、当社グループは持続的な成長を実現するため、3年後の姿を固定するのではなく常に更新し続け、成長し続ける姿を描くローリング式中期経営計画を採用し、2024年度の決算実績も踏まえ3年後となる2027年度までの機能戦略(財務・人材)、事業戦略をローリングした「三井E&S Rolling Vision 2025」を2025年5月に策定しました。本計画では、2030年に目指す姿へ向けて中核事業のさらなる成長と新規事業の拡大への事業投資を進めるとともに、適正な配当政策による株主還元を行い、株主資本コストと負債コストのバランスを意識し企業価値向上に努めてまいります。
舶用推進システム事業では、グリーン戦略に基づいたアンモニア焚きエンジンなどの二元燃料エンジンの開発・製造を強化するとともに、関連する周辺機器ビジネスを拡大し、舶用推進システムサプライヤーとして海上物流分野で脱炭素社会の実現に持続的に貢献してまいります。この一環として、川崎重工業株式会社と共同で液化アンモニアを舶用燃料として使用可能なLPG/アンモニア運搬船の基本設計承認(AiP)を一般財団法人日本海事協会より取得いたしました。これにより、アンモニア焚きエンジンの実用化に向けた技術的信頼性が高まりました。
物流システム事業では、2025年4月にクレーン輸送船「YAMATO」の引渡しを受け、自社で保有することにより、海上輸送能力を強化しました。これにより、世界市場への展開に向けた基盤を整え、今後の生産能力拡大に向けた投資も進めております。加えて、横浜港で水素燃料電池荷役機械の実証を開始し、環境対応技術の開発を推進しております。受注が好調な東南アジア向けに続き、米国ロングビーチ港向けに岸壁用コンテナクレーン(三井パセコポーテーナ)2基を受注するなど、海外展開も着実に進んでおります。こうした取り組みを通じて、国内外の顧客のコンテナターミナル事業に、より大きく貢献してまいります。
成長事業推進事業では、デジタル技術を活用した保守・メンテナンス分野の強化を進めております。具体的には、船体の汚れを管理する新サービス「FALCONs(Fouling Advanced Lifecycle Control Service)」の開発、港湾クレーンや各種プラントなど様々な施設の点検・保守をドローンで行うサービス、港湾ターミナルの運営効率を高めるソリューションの提供を展開しております。
また、当社は2025年7月18日に株式会社 日本格付研究所(JCR)より、長期発行体格付について、前回から2ノッチ引上げとなる格付BBB+を取得いたしました。
当中間連結会計期間の受注高は、前年同期と比べて246億74百万円減少(△14.5%)の1,459億78百万円となりました。売上高は、舶用推進システム事業において二元燃料エンジンが増加したことや物流システム事業において大型工事が順調に進捗したことなどにより、前年同期と比べて205億6百万円増加(+14.1%)の1,655億48百万円となりました。営業利益は、売上高の増加に加えて、舶用推進システム事業及び物流システム事業の損益が改善したことなどにより、前年同期と比べて105億85百万円増加(+114.9%)の198億1百万円となりました。経常利益は、営業利益の増加などにより前年同期と比べて94億24百万円増加(+70.8%)の227億34百万円、親会社株主に帰属する中間純利益は、関係会社株式売却益が減少したことなどにより、前年同期と比べて147億54百万円減少(△45.7%)の175億31百万円となりました。
報告セグメント別の状況は次のとおりです。なお、当中間連結会計期間より報告セグメントの区分を変更しており、前年同期との比較は変更後の報告セグメントの区分に基づき記載しております。詳細は「第4 経理の状況 1 中間連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりです。
(成長事業推進)
受注高は、産業機械製品や陸用ディーゼル発電装置が順調に推移したことなどにより、前年同期と比べて21億28百万円増加(+11.9%)の200億6百万円となりました。売上高及び営業利益は、産業機械製品の増加などにより、それぞれ、前年同期と比べて26億73百万円増加(+17.6%)の179億5百万円、12億23百万円増加(+72.8%)の29億5百万円となりました。
(舶用推進システム)
受注高は、前年度に大型エンジンの複数基を一括受注したことなどにより、前年同期と比べて266億30百万円減少(△29.8%)の627億72百万円となりました。売上高は、二元燃料エンジンが増加したことなどにより、前年同期と比べて77億70百万円増加(+11.5%)の751億47百万円となり、営業利益は、売上高の増加に加えて、アフターサービス事業が好調に推移したことなどにより、前年同期と比べて47億20百万円増加(+111.2%)の89億65百万円となりました。
(物流システム)
受注高は、前年同期に大型案件の受注があったことなどにより、前年同期と比べて39億5百万円減少(△10.6%)の328億20百万円となりました。売上高は、大型工事の順調な進捗などにより、前年同期と比べて42億40百万円増加(+15.8%)の310億77百万円となり、営業利益は、売上高の増加や大型工事の採算改善などにより、前年同期と比べて43億14百万円増加(+179.9%)の67億12百万円となりました。
(周辺サービス)
受注高は、大口工事の受注が増加したことなどにより、前年同期と比べて37億32百万円増加(+14.1%)の302億81百万円となりました。売上高は、主に海外子会社において増加したことにより、前年同期と比べて72億62百万円増加(+21.3%)の413億17百万円となり、営業利益は、売上高の増加などにより、前年同期と比べて11億68百万円増加(+240.7%)の16億54百万円となりました。
(2)財政状態の状況
当中間連結会計期間末の資産は、前連結会計年度末と比べて52億38百万円増加の4,544億51百万円となりました。これは、受取手形、売掛金及び契約資産が126億円減少した一方、現金及び預金が95億27百万円、仕掛品が61億46百万円、投資有価証券が71億52百万円それぞれ増加したことなどによります。
負債は、前連結会計年度末と比べて159億2百万円減少の2,591億56百万円となりました。これは、契約負債が88億67百万円増加した一方、短期借入金が106億94百万円、流動負債その他が68億97百万円、長期借入金が41億97百万円それぞれ減少したことなどによります。
純資産は、親会社株主に帰属する中間純利益の計上、その他有価証券評価差額金の増加などにより、前連結会計年度末と比べて211億40百万円増加の1,952億95百万円となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて96億41百万円増加して430億17百万円となりました。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における営業活動による資金の収入は、251億88百万円(前年同期は41億18百万円の収入)となりました。これは主として、棚卸資産の増加、その他の負債の減少及び法人税等の支払などによる支出があった一方、税金等調整前中間純利益の計上、売上債権及び契約資産の減少並びに契約負債の増加などによる収入があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における投資活動による資金の収入は、22億67百万円(前年同期は661億99百万円の収入)となりました。これは主として、有形及び無形固定資産の取得などによる支出があった一方、関係会社株式の売却などによる収入があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における財務活動による資金の支出は、176億83百万円(前年同期は674億68百万円の支出)となりました。これは主として、短期借入金及び長期借入金の返済並びに配当金の支払などによる支出があったことによるものであります。
(4)経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当中間連結会計期間における当社グループ全体の研究開発活動の金額は7億47百万円であります。
なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。