売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E35563 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 経営成績の状況

株式会社ステムセル研究所は「あたらしい命に、新しい医療の選択肢を。」をコーポレートスローガンに日本全国の産婦人科施設へ構築した強固なネットワークを活用し、再生医療・細胞治療を目的とした「さい帯血」や「さい帯」等の周産期組織由来の細胞バンク事業及びそれらの細胞等を利用した新たな治療法、再生医療等製品の開発を行っております。そしてこの事業基盤をベースに、再生医療をはじめ不妊治療・出産・子育て等フェムテック領域での事業開発及び投資等によるサスティナブルな成長と社会への貢献を目指しております。

 

(事業の概況について)

 当第3四半期累計期間におきましては、コロナ禍中に制限されていた当社の主要なマーケティングチャネルである医療機関(産科施設)におけるスピーチやPR等のリアルマーケティングが大きく回復し、オンライン広告、SNS等のデジタルマーケティングと相乗効果を発揮し、過去最高の保管検体数を計上、当社が中期的に目標としている出生数に対する保管率3%(達成時の想定売上高約60億円、営業利益約18億円)に向け、順調に推移しております。2021年4月より開始した、日本初の「さい帯保管サービス」も順調に伸びており、昨年6月には「さい帯」よりご家族向けに培養上清液を作成する「ファミリー培養上清作成サービス」を開始し、保管意義の更なる向上に努めております。

 豊富な自己資金と当社独自のネットワークにより得られる情報をベースとした事業投資分野では、2020年12月に出資した、iPS細胞由来心筋細胞シートの開発を推進する、クオリプス株式会社(東京都中央区、代表取締役社長草薙尊之)が、昨年6月に東京証券取引所グロース市場へ上場(証券コード:4894)し、株価も順調に推移しております。また、2021年1月に資本業務提携した、卵子凍結保管サービスを行う株式会社グレイスグループ(東京都渋谷区、代表取締役CEO勝見祐幸)においては、昨年9月に東京都が「卵子凍結に係る費用への助成」を開始した事により知名度が大幅に向上しております。そして昨年8月には新たに最先端の3Dプリンティング技術を用いて「赤ちゃんの頭のかたちのゆがみ」を矯正するヘルメットの開発、製造、販売を行い、早期の株式上場を目指している株式会社ジャパン・メディカル・カンパニー(東京都中央区、代表取締役CEO 大野秀晃)と資本業務提携を行う等、M&Aを含めた新規案件開発に注力いたしております。

 

(研究開発活動について)

  「さい帯血」を用いた再生医療分野につきましては、国内では高知大学医学部附属病院小児科において脳性麻痺児に対する臨床研究が順調に進んでおります。

 大阪公立大学大学院医学研究科発達小児医学教室を中心としたグループでは低酸素性虚血性脳症(HIE)児に対する臨床研究も引き続き進められております。また、同グループとは昨年6月に「自閉症スペクトラム障害に対する自家臍帯血有核細胞を用いた治療法の開発」を開始する事を決定し公表、2024年の臨床研究開始に向け準備を進めています。

 米国においては、FDA認可のもとデューク大学で進められている脳性麻痺児等へのさい帯血投与プログラムへ、当社でさい帯血を保管されている方々が参加されるケースが増加しており、その結果も良好です。「さい帯」を用いた研究開発につきましては、大阪大学大学院医学系研究科スポーツ医学教室と設立した「運動器スポーツバイオメカニクス学講座」において、新たな半月板治療法の開発を推進しております。

また、東京大学医科学研究所セルプロセッシング・輸血部及び東京大学医学部附属病院ティッシュ・エンジニアリング部との小児形態異常等の先天性疾患に対する治療法の開発も、引き続き推進しております。

 

これらの活動の結果、当第3四半期累計期間における売上高は1,884,907千円(前年同期比19.4%増)、営業利益は356,235千円(同36.2%増)、経常利益は358,401千円(同36.1%増)、四半期純利益は254,981千円(同48.0%増)と、それぞれの項目で過去最高となっております。

なお、当社は、単一セグメントのため、セグメントごとの記載を省略しております。

 

(2) 財政状態の状況

(資産)

 当第3四半期会計期間末における資産合計は6,296,186千円となり、前事業年度末に比べ484,570千円増加いたしました。流動資産は4,337,634千円となり、前事業年度末に比べ207,828千円減少いたしました。これは主に、投資有価証券の取得及び長期預金への預入等により現金及び預金が629,068千円減少した一方、売上の増加及び分割払いを積極的に活用したことに伴い売掛金が414,447千円増加したことによるものであります。固定資産は1,958,552千円となり、前事業年度末に比べ692,399千円増加いたしました。これは主に、投資有価証券の取得及び長期預金への預入等により投資その他の資産が657,561千円増加したことによるものであります。

 

(負債)

 当第3四半期会計期間末における負債合計は3,707,266千円となり、前事業年度末に比べ194,239千円増加いたしました。流動負債は3,622,847千円となり、前事業年度末に比べ191,275千円増加いたしました。これは主に、未払金が60,834千円減少した一方、前受金が250,577千円増加したことによるものであります。固定負債は84,418千円となり、前事業年度末に比べ2,964千円増加いたしました。これは主に、役員退職慰労引当金3,819千円増加したことによるものであります。

 

(純資産)

 当第3四半期会計期間末における純資産合計は2,588,919千円となり、前事業年度末に比べ290,331千円増加いたしました。これは主に、四半期純利益の計上により利益剰余金が増加したことによるものであります。

 

(3) 経営方針・経営戦略等

当第3四半期累計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期累計期間において、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(5) 研究開発活動

当第3四半期累計期間の研究開発費の総額は8,369千円であります。

なお、当第3四半期累計期間において当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(6) 主要な設備

該当事項はありません。