売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E38118 


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)財政状態および経営成績等の状況

 

 当社グループ(当社および連結子会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 経営成績の状況

 

 当第3四半期連結累計期間(2023年1月1日~2023年9月30日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染法上の5類への移行に伴う人流回復や国内外の入国制限の緩和などによる経済活動の制限の緩和が進んだことなど、経済活動正常化に向けた動きが加速しました。一方で、ドル高による輸入インフレは継続し、国内の企業向けサービス価格の上昇が続くなど、経済の先行きについては依然として予測が難しい状況が続いています。

 

 このような状況の下、当社グループのセグメントのひとつであるMRO(Maintenance, Repair & Operations)事業に関する工具、消耗品、安全用品、修繕部品、文房具などの間接材の市場では、製造業の堅調維持、オフィスや商業施設への人の流れの回帰などが寄与し、安定した成長を持続することができました。もう一つのセグメントであるFM(Facility Management)事業に関する国内商業施設向けサービス市場では、小型商業店舗の改装案件が一巡したものの、アフターコロナの人流回復やインバウンド需要の回復を見込んだビジネスホテルなどの大型改装案件が急回復し、ドラッグストア向けの改装案件も増加するなどの要因で、売上は拡大しました。

 

 以上のような環境の下、当社グループの当第3四半期連結累計期間における売上高は37,336百万円(前年同期比17.7%増)、営業利益は802百万円(前年同期比5.8%増)、経常利益は793百万円(前年同期比11.6%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は561百万円(前年同期比12.8%増)となりました。

 

 各セグメントの業績は、次のとおりであります。

 

<MRO事業>

 

 間接材購買のためのシステム提供と物品販売を行うMRO事業においては、主要顧客群である製造業の堅調維持による工場の高稼働維持や顧客グループ会社の需要の取り込みが進み、さらに新規顧客との取引が開始するなど、安定した成長を持続しました。サービス業の事業所向けでは、オフィスや商業施設への人の回帰傾向を受けて事業所用消耗品の売上が増加しました。親会社を経由する中小事業所向けの卸販売に関しては、新型コロナ感染症対策商品の減少や市場での価格競争の激化により、大企業向けと比べて売上は伸び悩みました。また、同事業では新規顧客向けのITシステム関連費用が大きく増加しました。これらの結果、MRO事業の売上高は27,478百万円(前年同期比15.5%増)、セグメント利益は426百万円(前年同期比5.6%減)となりました。

 

<FM事業>

 

 商業施設向けにサービスの提供を行うFM事業においては、多店舗展開のコンビニエンスストアやファストフード店などの小型店舗の改装案件が、一部で前年比減の傾向となったものの、アフターコロナの人流回復やインバウンド需要の回復を見込んだビジネスホテル等の大型改装案件が急回復し、ドラッグストア向けの改装案件も増加するなど、売上構成の変化を伴いながら、総売上は拡大しました。この結果、FM事業の売上高は9,800百万円(前年同期比23.9%増)、セグメント利益は315百万円(前年同期比17.5%増)となりました。

 

<その他>

 

 その他事業は、当社の子会社であるATC株式会社のソフトウエア事業が中心であり、当社のMRO事業向けの内販事業と同社が高度なノウハウを持つMDM(Master Data Management)関連の外販事業の双方が好調で、売上高(外販売上)は58百万円(前年同期比98.0%増)、セグメント利益は60百万円(前年同期比58.8%増)となりました。

 

② 財政状態の状況

 

(資産)

 当第3四半期連結会計期間末における流動資産は12,959百万円となり、前連結会計年度末に比べ47百万円増加しました。売掛金及び契約資産が200百万円、未成工事支出金が27百万円、前払金が24百万円、現金及び預金が23百万円増加し、棚卸資産が209百万円、未収入金が29百万円減少したことが主な要因です。固定資産は2,355百万円となり、前連結会計年度末に比べ17百万円減少しました。無形固定資産が64百万円増加し、有形固定資産が37百万円、投資その他の資産が43百万円減少したことが主な要因です。

 これらの結果、総資産は、15,314百万円となり、前連結会計年度末に比べ30百万円増加しました。

 

(負債)

 当第3四半期連結会計期間末における流動負債は10,188百万円となり、前連結会計年度末に比べ389百万円減少しました。これは未払消費税等が73百万円、契約負債が38百万円増加した一方で、買掛金が233百万円、未払法人税等が144百万円、1年内返済予定の長期借入金が84百万円、未払金が35百万円、賞与引当金が27百万円減少したことが主な要因です。固定負債は72百万円となり、前連結会計年度末に比べ39百万円減少しました。これは主に長期借入金が39百万円減少したことによるものです。

 これらの結果、負債合計は、10,260百万円となり、前連結会計年度末に比べ429百万円減少しました。

 

(純資産)

 当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は5,054百万円となり、前連結会計年度末に比べ460百万円増加しました。親会社株主に帰属する四半期純利益561百万円、新株予約権行使による資本金20百万円、資本剰余金20百万円の増加、剰余金の配当141百万円による減少が主な要因です。

 これらの結果、自己資本比率は33.0%(前連結会計年度末は30.1%)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

 

 当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は3,920百万円となり、前連結会計年度末に比べ23百万円増加いたしました。なお、当第3四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、805百万円の収入超過(前年同期は525百万円の支出超過)となりました。その主な要因は、税金等調整前四半期純利益793百万円、減価償却費456百万円、棚卸資産の減少額181百万円、未払消費税等の増加73百万円の収入要因があった一方、売上債権の増加額199百万円、仕入債務の減少額233百万円、法人税等の支払額366百万円、賞与引当金の減少額27百万円の支出要因があったこと等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、539百万円の支出超過(前年同期比7.9%増)となりました。その主な要因は、有形固定資産の取得による支出57百万円、当社グループの内製ソフトウエア開発増加に伴う無形固定資産の取得による支出481百万円があったこと等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、242百万円の支出超過(前年同期比53.9%減)となりました。その主な要因は、株式の発行による収入39百万円の収入要因があった一方、長期借入金の返済による支出124百万円、配当金の支払額141百万円の支出要因があったこと等によるものであります。

 

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(4)研究開発活動

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループのソフトウエア開発活動の状況について重要な変更はありません。