インヴァスト株式会社

上場廃止 (2024/04/25) 株式の併合 その他金融業証券スタンダード

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E35822 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

 当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、ウクライナ戦争の長期化に加えイスラエル・ハマス武力衝突という想定外の外部環境悪化はあったものの、米国経済が予想以上に堅調に推移したことや円安基調の定着で輸出が順調だったこと、インバウンド需要の顕著な増加が国内景気の下支え要因となりました。賃金上昇が物価高に追い付いていないことで個人消費関連は低調だったものの、デフレ脱却や日銀の金融政策正常化への期待も高く、設備投資の増加などが一層の景気回復につながるかが注目されます。

 外国為替市場では、10月に149円台で始まったドル円相場は、日銀の為替介入の可能性や中東情勢の緊迫化により円高に振れる場面もありましたが、150円を挟んだ小幅な値動きが継続しました。日銀の金融緩和策の修正が小幅だったことで円安が進み、151円台後半まで上昇する場面もありましたが、10月の米消費者物価指数が予想を下回り、早期の利下げ期待が高まったためドルが下落し、11月末には一時146円台後半まで下落しました。日銀が金融緩和策の維持を決定したものの、FOMCでFRBの利下げが前倒しされるとの見方が強まり、米長期金利の低下基調が続いたためドルの下落は12月も続き、当第3四半期連結累計期間末は141円台で取引を終える結果となりました。

 株式市場では、11月の米雇用統計が市場予想を下回ったことで、米長期金利の低下を受けて株式市場は上昇しましたが、円高への警戒もあり一進一退の展開でした。12月に入り、日米金利の低下と円高ドル安が進行し軟調な展開になりましたが、12月末には米国株の上昇と日銀の金融緩和政策の継続期待から日本株は値を戻しました。

 このような経済環境のもとで、当社グループにおける各セグメントの業績概況は以下のとおりであります。

 海外金融事業である豪州子会社(26 Degrees Global Markets Pty Ltd.)は、シドニー、キプロスに続き、4月にはロンドンに現地法人を設立した他、東京にもオフィスを構える等、営業拠点を拡大しました。

 これにより、24時間体制でのカスタマーサポートのサービス品質向上や、顧客との対面機会が増加し、効果的な営業活動が可能となったこと等から、取引が拡大しました。

 これらの結果、海外金融事業の純営業収益は26億16百万円(前年同期比134.7%)となり、セグメント利益は4億86百万円(同157.1%)となりました。

 一方、インヴァスト証券株式会社を中心とする国内金融事業は、注力サービスである「トライオート」において、12月に大幅リニューアルを実施し、新たな取引画面ツール、新通貨ペアの追加、新機能の追加により、顧客の取引活性化及び利便性の向上に取り組みました。しかしながら、任せるトレードAI「マイメイト」において、エージェント作成時の特徴量追加を行う等、顧客のトレード収益の改善を優先し、広告宣伝費の抑制状態が継続したこと等から、売上が伸び悩みました。

 なお、当社は10月にAI技術を活用したスマートフォン特化型アプリの開発を事業内容とする子会社(ファルク株式会社)を設立しております。

 これらの結果、国内金融事業の純営業収益は19億7百万円(前年同期比83.7%)となり、セグメント損失は84百万円(前年同期はセグメント利益19百万円)となりました。

 なお、国内金融事業の顧客口座数は524,613口座(前年同期比104.2%)となり、受入保証金残高は、750億63百万円(同89.1%)となりました。

 これらの結果、当社グループの当第3四半期連結累計期間の営業収益は、49億76百万円(前年同期比111.5%)、純営業収益は44億17百万円(同107.5%)となりました。

 販売費・一般管理費は全体で41億7百万円(同106.4%)となり、純営業収益から販売費・一般管理費を差し引いた営業利益は3億9百万円(同124.1%)、経常利益は3億29百万円(同144.0%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は1億90百万円(同179.0%)となりました。

 

なお、当第3四半期連結会計期間末の資産、負債及び純資産の状況は次のとおりであります。

 

 (資 産)

当第3四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末と比較して63億19百万円減少し1,159億58百万円となりました。流動資産は、67億95百万円減少し1,136億20百万円となりました。

流動資産の主な減少項目は、短期差入保証金の減少12億30百万円、預託金の減少3億48百万円、外為取引未収入金の減少50億98百万円であります。

また、固定資産は、前連結会計年度末と比較して4億75百万円増加し23億38百万円となりました。

 

(負 債)

当第3四半期連結会計期間末における負債合計は1,041億59百万円となり、前連結会計年度末と比較して63億84百万円減少しました。流動負債は、64億19百万円減少し1,038億67百万円となりました。

流動負債の主な増加項目は、短期借入金の増加5億円、未払法人税等の増加49百万円であり、主な減少項目は、受入保証金の減少62億44百万円、外為取引未払金の減少14億8百万円であります。

また、固定負債は、前連結会計年度末に比べ35百万円増加し2億81百万円となりました。

特別法上の準備金は、10百万円となりました。

 

(純資産)

当第3四半期連結会計期間末における純資産は117億99百万円となり、前連結会計年度末と比較して65百万円増加しました。主な増加要因は、親会社株主に帰属する四半期純利益1億90百万円の計上であり、主な減少要因はその他有価証券評価差額金の減少39百万円、配当金の支払いによる2億23百万円であります。

この結果、自己資本比率は10.2%(前連結会計年度末は9.6%)となりました。

 

(2) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、有価証券の評価、減価償却資産の償却、繰延税金資産の回収可能性、貸付金等の貸倒れ及び当該引当金、賞与等の会計処理については会計関連諸法規に則り、過去の実績や状況に応じ合理的な基準により見積り、判断しておりますが、不確実性が存在するため、見積った数値と実際の結果は異なる場合があります。

 

(3) 経営方針・経営戦略等

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等に重要な変更はありません。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(5) 財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針

当第3四半期連結累計期間において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はありません。

 

(6) 研究開発活動

該当事項はありません。

 

(7) 経営成績に重要な影響を与える要因

当社グループの主力サービスである外国為替証拠金取引は、外国為替市場や株式市場等の市況、その他国内外の経済環境等に大きく左右される傾向にあります。

 

(8) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社の運転資金は自己資金に加え、金融機関からの借入等で賄っており、今後の設備及び有価証券等への投資を考慮しても十分な流動性を有していると考えております。