売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E03240 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日において判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

当第3四半期累計期間(2023年9月1日~2024年5月31日)におけるわが国経済は、コロナ禍の収束により社会経済活動の正常化が進み、個人消費やインバウンド需要の回復が見られたものの、エネルギー価格や原材料価格の高騰、円安の常態化による物価上昇や不安定な海外情勢の長期化等、依然として先行きの不透明な状況が続いております。

このような状況の中、当社は、利益重視への抜本的な転換を図り、経営上の重要課題の克服に向け策定した2024年8月期を初年度とする3ヵ年の中期経営計画(2023年10月11日付公表)のもと、価値訴求への本格的シフトによる売上総利益率の改善と成長チャネルへの戦略的投資による売上総利益の伸長を営業戦略に掲げ、プロパー消化率の向上、戦略店舗の収益力強化、自社ECの強化を重点施策とし、持続的成長のための事業基盤の構築を図ってまいりました。

取組み内容といたしましては、有力NB(ナショナルブランド)との戦略的パートナーシップの強化や新たなブランドホルダーとの取引開始、PB(プライベートブランド)を主要ターゲット層のニーズに沿ったブランド・テイストに絞り込むなど、ジーニングカジュアルの再強化に向け商品構成の見直しを進めてまいりました。また、期初発注数量を抑制し、期中の売れ行きや市場変化に対応した柔軟な期中仕入体制の実現や、在庫分析クラウドシステムを導入し、売れ筋商品の在庫管理の精緻化に努めるなど、在庫適正化への取組みを推し進めることで、プロパー消化率の向上や売上総利益率の改善に取り組んでまいりました。

また、成長ポテンシャルが高い店舗を中心に、NBのショップインショップ導入やブランドコーナー化の推進など、魅力的な店内環境の構築に向けた投資や、インフルエンサーによる店内イベント実施など集客力向上に向けた個別販促活動の他、商圏属性や顧客属性にもとづいた店舗限定商品の展開を行うなど、店舗ごとの品揃えの最適化に向けた取組みを実施してまいりました。ECビジネスにおきましては、顧客への情報発信の充実やオンライン接客の質的向上への取組み、ジーンズソムリエ(注釈参照)によるジーンズ選びに関する悩みをオンライン上で解決する相談サービスの提供など、店舗スタッフの強みを活かしたOMO(Online Merges with Offline:ECサイトと実店舗の融合)を推進し、オンライン・リアル店舗の両方で充実した顧客体験を提供できる環境を整え、EC関与売上の成長に向けた取組みを進めてまいりました。

(注釈)ジーンズソムリエ

ジーンズに関するプロフェッショナルを育成するために誕生した「ジーンズソムリエ資格認定制度」

の合格者。当社には183名(2024年5月末日現在)と多数のジーンズソムリエが在籍。

 

店舗展開におきましては、1店舗の出店(おのだサンパーク店(山口県山陽小野田市))と19店舗の退店により、当第3四半期会計期間末店舗数は355店舗となりました。

サステナビリティへの取組みといたしましては、不要になったジーンズを回収し、新しいデニム製品の原料とするリサイクル活動である「つなごう藍い糸プロジェクト」の第4弾を2024年3月に実施し、多数のジーンズを回収いたしました。また、各地域で開催したジーンズの端切れを再利用するワークショップには多くのお客様にご参加いただき、ジーンズを中核アイテムとして販売する企業として、循環型社会の形成に貢献する取組みを継続して行い、多くのお客様から共感と好評をいただきました。

この結果、当四半期会計期間の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a.財政状態の分析

資産

当第3四半期会計期間末の資産合計は、前事業年度末に比べて5,440百万円減少し、21,561百万円となりました。

流動資産は、前事業年度末に比べて4,002百万円減少し、11,771百万円となりました。これは主に現金及び預金が1,458百万円、商品が2,582百万円それぞれ減少したことによるものであります。

固定資産は、前事業年度末に比べて1,438百万円減少し、9,790百万円となりました。これは有形固定資産が746百万円、投資その他の資産が717百万円それぞれ減少し、無形固定資産が26百万円増加したことによるものであります。

負債

当第3四半期会計期間末の負債合計は、前事業年度末に比べて2,803百万円減少し、11,631百万円となりました。

流動負債は、前事業年度末に比べて1,345百万円減少し、9,531百万円となりました。これは主に短期借入金が790百万円、電子記録債務が358百万円それぞれ減少し、買掛金が151百万円増加したことによるものであります。

固定負債は、前事業年度末に比べて1,458百万円減少し、2,100百万円となりました。これは主に長期借入金が1,341百万円減少したことによるものであります。

純資産

当第3四半期会計期間末の純資産合計は、前事業年度末に比べて2,636百万円減少し、9,930百万円となりました。これは主に利益剰余金の減少によるものであり、自己資本比率は45.8%となりました。

 

b.経営成績の状況

経営成績につきましては、新規仕入れの抑制や、過年度から持ち越していた店頭在庫の消化を加速度的に実施したことにより、在庫適正化は計画通り進捗することができました。しかしながら、天候不順による秋冬のシーズン商品の需要減少や、前年踏襲型のPB商品の販売不振も重なり売上が低調に推移し、在庫消化に向けた値引き幅が拡大したにより粗利率が大きく低下し、期初計画を下回る減収減益となりました。また、商品構成の見直しや価値訴求への本格的シフト等の過渡期の中、若年層のお客様の離反による影響や、前年と比較し価格プロモーションを大幅に縮小したことによる影響が想定以上に大きく、集客に苦戦し売上は低調に推移しました。加えて、成長チャネルとして強化に取り組んだECビジネスにおきましても、売れ筋商品の在庫欠品や外部モールの苦戦が響き、店舗受け取りを含むEC関与売上高は前年同期を下回る結果となり、取組みの効果が十分に得られない結果となりました。

以上の結果、当第3四半期累計期間の売上高は前年同四半期比17.3%減の30,366百万円となりました。

部門別売上高といたしましては、ボトムス部門10,904百万円(前年同四半期比8.5%減)、カットソー・ニット部門9,704百万円(前年同四半期比22.8%減)、シャツ・アウター部門4,972百万円(前年同四半期比21.8%減)となりました。

利益面におきましては、引き続き販売費及び一般管理費の抑制に努めたものの、在庫適正化への取組みとして大幅な在庫圧縮を実施する中で、天候不順によるシーズン商品の消化率低迷等により値引き幅が拡大したことで利益率が低下し、営業損失2,143百万円(前年同四半期は営業利益314百万円)、経常損失2,176百万円(前年同四半期は経常利益222百万円)となりました。

最終損益につきましては、投資有価証券売却益や店舗の水災被害に関連する受取保険金等、特別利益を228百万円計上し、退店及び固定資産の譲渡の決定、並びに店舗の収益性の低下に伴う減損損失等、特別損失を448百万円計上したことにより、四半期純損失は2,538百万円(前年同四半期は302百万円の四半期純損失)となりました。

 

(2)経営方針・経営戦略等

当第3四半期累計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(3)事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期累計期間において、当社の事業上及び財務上の対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(4)研究開発活動

該当事項はありません。

 

(5)主要な設備

該当事項はありません。