株式会社幸楽苑ホールディングス

ブランドなど:幸楽苑
小売業飲食店プライムTOPIX Small 2

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E03293 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績の分析

当第3四半期連結累計期間(2023年4月1日から2023年12月31日まで)における我が国の経済環境は、新型コロナウイルス感染症の感染法上分類が5類に移行したことによる経済活動の正常化を背景に、個人消費の回復や外国人観光客の増加をはじめとする観光需要増加により景気は緩やかに回復しております。一方で、ロシア・ウクライナ情勢の長期化、イスラエル・パレスチナ問題など不安定な国際情勢や、日米金利差による円安の常態化によりエネルギー価格や原材料価格の高騰に伴う物価上昇の長期化による個人消費の冷え込みが懸念されるなど、先行き不透明な状況が続いております。

外食産業におきましては、外出を伴う各種催事の復活など経済活動の正常化による人流回復に伴い来店客数は回復傾向にあります。しかしながら、長期化する原材料費、光熱費、物流費の高止まり、人手不足による人件費関連コストの上昇など、事業を取り巻く環境は依然として厳しい状況が続いております。

このような環境の中、当社グループでは経営方針として「原点回帰」を掲げ、「外食の原点である魅力のある商品作りとメニューの絞り込み」「全店舗のQSC立て直し」「安全安心な食事環境の提供」を重点課題として取り組んでまいりました。

10月にグランドメニュー改定を実施し、一部商品の値下げを実施しました。また、これまで一部の麺類とギョーザ又はチャーハンのセットメニューを提供してまいりましたが、10月より全ての麺類とギョーザ又はチャーハンをセットメニューとすることでお客様の選択の幅を広げる取り組みを行いました。SNSなどを活用したデジタルマーケティング強化により、値下げや福袋販売予約が話題となりテレビ番組、ネットニュース等のメディアで取り上げられる機会が増加しました。これらの取り組みにより当第3四半期連結会計期間における売上高及び客数は前年比増加となりました。

以上の結果、当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高は19,910百万円(前年同期比3.5%増)、営業損失202百万円(前年同期は営業損失1,119百万円)、経常損失220百万円(前年同期は経常損失803百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は87百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失1,633百万円)となりました。

また、当第3四半期連結会計期間末のグループ店舗数は、404店舗(前年同期比29店舗減)となりました。

 

セグメントの業績は次のとおりであり、金額については、セグメント間の内部売上高又は振替高を含んで表示しております。

 

①  ラーメン事業

ラーメン事業においては、10月にグランドメニュー改定を行い定番メニューのプライスライン絞り込み及びセットメニュー強化を進めるとともに、「野菜たんめん」の野菜比率見直し、「月見らーめん」「ガリバタ醤油らーめん」「スタミナらーめん」「ジャージャー麺」「ごま味噌らーめん」「もつらーめん」「ざるらーめん」「ゆず塩らーめん」合計8種類の期間限定商品を随時投入しました。11月には元旦以降に販売する福袋の予約受付を行いましたが、販売予定全数が予約で完売となるなどお客様に好評をいただきました。

店舗展開は、採算性を重視し不採算店舗の撤退を行いました。その結果、店舗数は、直営店364店舗(前年同期比22店舗減)となり、業態別には「幸楽苑」358店舗、「幸楽苑 since1954+幸楽苑のからあげ家」6店舗となりました。

この結果、ラーメン事業の売上高は18,015百万円(前年同期比4.4%増)となりました。

②  その他の事業

その他の事業は、フランチャイズ事業(ラーメン業態のフランチャイズ展開)、その他外食事業(洋和食業態の店舗展開)を行っております。

フランチャイズ事業は、店舗数は19店舗(国内12店舗、海外7店舗)となりました。その他外食事業は、「焼肉ライク」直営店8店舗、「焼肉食堂まんぷく」直営店1店舗、「からやま」直営店7店舗、「赤から」直営店4店舗、「餃子の味よし」1店舗となりました。

この結果、その他の事業の売上高は1,894百万円(前年同期比3.9%減)となりました。

 

(2) 財政状態の分析

(資産)

流動資産は、前連結会計年度末に比べて805百万円増加し、3,215百万円となりました。これは、現金及び預金が570百万円、売掛金が128百万円増加したことなどによります。

固定資産は、前連結会計年度末に比べて1,146百万円減少し、7,241百万円となりました。これは、建物及び構築物が446百万円、土地が293百万円、リース資産が241百万円、投資その他の資産「その他」に含まれる保険積立金が114百万円減少したことなどによります。

この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて340百万円減少し、10,456百万円となりました。

(負債)

流動負債は、前連結会計年度末に比べて397百万円減少し、6,183百万円となりました。これは、買掛金が217百万円、未払費用が121百万円増加し、1年内返済予定の長期借入金が589百万円減少したことなどによります。

固定負債は、前連結会計年度末に比べて523百万円減少し、2,826百万円となりました。これは、長期借入金が196百万円、固定負債「その他」に含まれるリース債務が178百万円減少したことなどによります。

この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて920百万円減少し、9,010百万円となりました。

(純資産)

純資産合計は、前連結会計年度末に比べ580百万円増加し、1,446百万円となりました。これは、資本金が340百万円、資本剰余金が340百万円増加したことなどによります。

 

(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループ(当社及び連結子会社)が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について、重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等は次のとおりであります。

当社グループは、2021年5月27日開催の取締役会において、「当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針」(以下、「会社の支配に関する基本方針」という。)に基づき、当社グループの企業価値及び株主共同の利益の確保・向上の観点から、買収防衛策の内容一部変更及び継続を目的とした「当社株式等の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)」(以下、「本対応策」という。)の継続について決議し、2021年6月18日開催の当社第51期定時株主総会における承認を得て継続しております。

①  会社の支配に関する基本方針の概要

当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方としては、当社の企業理念、当社の企業価値の源泉、当社のステークホルダーの方々との信頼関係を理解し、当社の企業価値及び株主共同の利益を中長期的に確保・向上させる者でなければならない、と考えております。

 

②  会社の支配に関する基本方針の実現に資する取組みの概要

当社では、当社の企業価値及び株主共同の利益を向上させるため、中期経営計画の達成に向けてグループ全社を挙げて取り組んでおります。

この中期経営計画の骨子は、次のとおりであります。

イ  既存店舗の利益改善と新幸楽苑モデルの開発

ロ  新幸楽苑モデルの海外展開と新業態のグループ化

ハ  新工場の建設に伴う外販事業の拡大

ニ  財務体質の強化

ホ  コーポレートガバナンス重視経営

また、長期数値目標値として、経常利益率10%、自己資本利益率(ROE)10%以上、自己資本比率50%以上の実現と継続を掲げ、経営効率の改善に努めてまいります。

③  本対応策の概要

イ  本対応策の対象となる当社株式の買付

本対応策の対象となる当社株式の買付とは、特定株主グループの保有割合が20%以上となる当社株式等の買付行為、又は既に20%以上を所有する特定株主グループによる当社株式等の買増行為(以下、「大規模買付行為」といい、大規模買付行為を行うものを「大規模買付者」という。)とします。

ロ  大規模買付ルールの概要

大規模買付者は、まず当社取締役会宛に、日本語で記載された「意向表明書」を提出していただき、当社はこの意向表明書の受領後、大規模買付者から当社取締役会に対して、当社の株主の皆様の判断及び当社取締役会としての意見形成のために必要かつ十分な日本語で記載された情報(以下、「大規模買付情報」という。)の提出を求めます。

当社取締役会は、大規模買付者が当社取締役会に対し大規模買付情報の提供を完了した後、当社取締役会による評価、検討、交渉、意見形成、代替案立案のための期間を設定し、当社取締役会は独立委員会による勧告を受ける他、適宜必要に応じて外部専門家の助言を受けながら提供された大規模買付情報を十分に評価・検討し、当社取締役会としての意見を慎重にとりまとめ、開示します。

ハ  大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合

大規模買付行為に対する対抗措置は講じません。

ただし、当該大規模買付行為が当社の企業価値及び株主共同の利益を著しく損なうと判断される場合には、当社取締役会は例外的に当社株主の皆様の利益を守るために適切と判断する対抗措置を講じることがあります。

ニ  大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しない場合

当社取締役会は、当社の企業価値及び株主共同の利益を守ることを目的として、新株予約権の無償割当等、会社法その他の法令により認められる措置(以下、「対抗措置」という。)を講じ、大規模買付行為に対抗する場合があります。

④  対抗措置の合理性及び公平性を担保するための制度及び手続

イ  独立委員会の設置

当社取締役会による恣意的な判断がなされることを防止し、その判断の客観性及び合理性を担保するために、独立委員会規程を定め、独立委員会を設置しております。

ロ  対抗措置発動の手続

対抗措置をとる場合には、独立委員会は、大規模買付情報の内容等を十分勘案した上で対抗措置の内容及びその発動の是非について当社取締役会に対して勧告を行うものとします。

ハ  対抗措置発動の停止等について

対抗措置の発動が適切ではないと当社取締役会が判断した場合には、あらためて独立委員会に諮問し、対抗措置の発動の停止又は変更などを行うことがあります。

⑤  本対応策の有効期間

本対応策の有効期間は、2024年6月に開催予定の定時株主総会終結時までであります。

 

⑥  本対応策に対する当社取締役会の判断及びその理由

イ  本対応策が会社の支配に関する基本方針に沿うものであること

当社の財務・事業方針の決定を支配する者の在り方は、当社の実態を正確に理解し、当社の企業価値及び株主共同の利益を中長期的に確保・向上させる者でなければならないという観点から、本対応策は、大規模買付者が当社の支配者として相応しい者であるか否かを判別するためのシステムとして構築しました。本対応策により、当社取締役会は、大規模買付者は、当社の正確な実態を理解しているか、当社の経営資源をどのように有効利用する方針なのか、これまでの当社とステークホルダーの関係にどのような配慮をしているか、これらを踏まえ当該大規模買付提案が当社の企業価値及び株主共同の利益の確保・向上につながることになるのか等を検討することで当社の支配者として相応しいか否かの判別をし、そのプロセス及び結果を投資家の皆様に開示いたします。

ロ  本対応策が当社の株主の皆様の共同の利益を損なうものではないこと

本対応策は、当社の企業価値及び株主の皆様の共同の利益を確保し向上させることを目的に作成したものです。当社の支配者として相応しくないと判断される大規模買付者への対抗措置として現時点で想定しております新株予約権の無償割当も、当該大規模買付者以外の株主の皆様の利益を損なわないよう配慮して設計しております。

ハ  本対応策が当社取締役の地位の維持を目的とするものではないこと

買収防衛策を導入することは、得てして取締役(会)の保身と受取られる可能性のある意思決定事項であることは承知しております。そのため、このような疑義を生じさせないため、本対応策の効力発生は株主総会での承認を条件としておりますし、本対応策の継続又は廃止に関しましても株主総会の決定に従います。さらに、当社の支配者として相応しくないと判断される大規模買付者への対抗措置の発動プロセスにも取締役会の恣意性を排除するために外部者により構成する独立委員会のシステムを導入しております。

 

(4) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は21百万円であります。