売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E02871 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において、当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

 

(1)経営成績等の状況

①経営成績の状況

 当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症が5類感染症移行後、日常生活も正常化に向けた動きが進み、個人消費の回復や企業の設備投資、インバウンド需要の拡大により景気は緩やかな回復基調となりました。一方でウクライナ情勢の長期化に伴うエネルギー価格の高騰や円安の影響による物価の上昇、世界的な金融引き締めによる景気後退懸念、労働人口の減少による人手不足問題など先行きは不透明な状況が続いております。

 花き業界においては、消費者の節約志向が強く花と緑の購入頻度は減少傾向にありましたが、SDGsへの関心の高まりで若い世代を中心に日常的に花と緑のある生活を楽しむ人が新たに増える傾向もあり、花と緑の購入に対する価値観に変化が見られました。

 花きの供給面においては生産・輸送コストの高騰で国内生産量は減少傾向が続いており、輸入品も為替の影響で入荷量は増えづらい状況が続いております。また生産者が出荷先を消費力の高い首都圏に集約する傾向も続いております。

 このような状況の中、当社グループはサプライチェーン全体の最適化に向けて生産者、流通業者、小売業者と協力して花と緑を日本全国に安定して供給することに取り組んでまいりました。

 

このような結果、当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高3,174,933千円(前年同四半期比2.3%減)、営業利益174,517千円(前年同四半期比34.1%減)、経常利益229,727千円(前年同四半期比20.6%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益160,394千円(前年同四半期比18.9%減)となりました。

 

 なお、当社グループは花き卸売事業単一セグメントであるため、セグメント別の記載は行っておりません。

 

②財政状態の分析

 当第3四半期連結会計期間末における資産合計は9,486,960千円となりました。

 流動資産は前連結会計年度末に比べ793,217千円増加し4,968,810千円、固定資産は前連結会計年度末に比べ116,724千円減少し4,518,149千円となりました。

 流動資産の主な内訳は売掛金2,450,967千円、現金及び預金2,234,944千円、固定資産の主な内訳は建物及び構築物2,501,802千円です。

 当第3四半期連結会計期間末における負債合計は4,468,395千円となりました。

 流動負債は前連結会計年度末に比べ751,617千円増加し2,982,563千円、固定負債は前連結会計年度末に比べ159,203千円減少し1,485,831千円となりました。

 流動負債の主な内訳は受託販売未払金2,333,210千円、固定負債の主な内訳は退職給付に係る負債522,407千円、長期借入金474,634千円です。

 純資産は前連結会計年度末に比べ84,079千円増加し5,018,564千円となりました。これは剰余金の配当76,315千円、親会社株主に帰属する四半期純利益160,394千円の計上によるものです。

 

③キャッシュ・フローの状況

 当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較して571,594千円増加し2,335,516千円となりました。

 当第3四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は939,984千円(前年同四半期は808,095千円の増加)となりました。主な増加要因は仕入債務の増加868,863千円、税金等調整前四半期純利益229,727千円、減価償却費195,652千円であり、主な減少要因は売上債権の増加192,518千円によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は76,760千円(前年同四半期は104,958千円の使用)となりました。主な減少要因は有形固定資産の取得による支出70,888千円、無形固定資産の取得による支出30,892千円であり、主な増加要因は貸付金の回収による収入33,170千円によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は291,630千円(前年同四半期は299,341千円の使用)となりました。主な減少要因は長期借入金の返済による支出206,252千円、配当金の支払額76,084千円によるものです。

 

(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の重要な会計方針及び見積りの記載について重要な変更はありません。

 なお新型コロナウイルス感染症は経済、社会活動に広範囲な影響を与える事象であり、当社グループに及ぼす影響や今後の広がり方、収束時期を合理的に予測することは困難であります。

 当社グループは現時点で入手可能な情報を踏まえ、2024年3月期の一定の期間にわたり当該影響が継続するものと仮定し、繰延税金資産の回収可能性等の会計上の見積りを行っておりますが、将来の不確実性が当社グループが行った会計上の見積りや結果に影響を与える可能性があります。

 

(3)経営方針・経営戦略等

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

 該当事項はありません。

 

(6)経営成績に重要な影響を与える要因

 当社グループの経営成績に重要な影響を与える主な要因として、天候と生産コスト上昇や生産者の高齢化による生産減による影響があります。

 花きの商品価値は供給・需要双方で天候の影響を受けます。天候により需給バランスが崩れ取引量や取引価格に影響する場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 また、原油高により暖房費や資材費、物流費といった生産コストが上昇すると、生産農家の経営が圧迫され、花きの生産量を減少させる要因となり得ます。

 これらに対し当社グループは、需給双方への情報発信を強化し安定的均衡を図るとともに、中央中核市場である大田花きを中心とした集散機能を発揮し、コストを抑えた効率的な物流に取り組みます。

 

(7)資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当社グループの資金状況は、営業活動によって939,984千円の資金を得て、投資活動によって76,760千円、財務活動によって291,630千円の資金を使用しました。当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比較して571,594千円増加し2,335,516千円となりました。

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品仕入資金、販売費及び一般管理費の営業費用であり、また、当社グループの事業の特性上、回収、支払サイトが他業種に比べて短く、流動性は極めて高くなっております。