株式会社コロワイド

ブランドなど:ステーキ宮徳兵衛かっぱ寿司いろはにほへと牛角温野菜土間土間かまどかフレッシュネスバーガー
小売業飲食店プライムTOPIX Mid400

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E03321 IFRS


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
 

(1)財政状態及び経営成績の状況

① 財政状態

 当第3四半期連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ2億70百万円減少し、2,615億89百万円となりました。これは主に有形固定資産が61億5百万円、営業債権及びその他の債権が17億84百万円、使用権資産が13億72百万円増加したものの、現金及び現金同等物が73億88百万円、繰延税金資産が14億87百万円、その他の金融資産7億48百万円減少したことによるものです。

 負債合計は、前連結会計年度末に比べ34億65百万円減少し、2,076億94百万円となりました。これは主に営業債務及びその他の債務が15億86百万円、その他の流動負債が11億13百万円増加したものの、社債及び借入金が43億16百万円、引当金が22億44百万円減少したことによるものです。

 資本合計は、前連結会計年度末に比べ31億95百万円増加し、538億96百万円となりました。これは主に利益剰余金が20億10百万円増加したことによるものです。

 

② 経営成績

 当第3四半期連結累計期間における我が国経済は、社会経済活動の正常化が進み、外需の伸びやインバウンド客の大幅な増加等もあって、景気回復への動きが緩やかに見られました。しかしながら、円安傾向の継続や資源価格の高止まりによる物価上昇から消費者心理の冷え込みが危惧されており、先行きは不透明な状況が続いております。世界経済についても、米欧のインフレや中国経済の停滞、ウクライナ戦争や中東情勢等の地政学的リスクにより、景気減速に対する懸念が根強く残っております。

 外食産業については、経済活動の正常化に伴う需要の回復に加えて、各社による価格改定の効果もあり、トップラインは緩やかに持ち直しつつあります。数年振りに行動制限がない忘年会シーズンを迎えた居酒屋業態では、減少していた法人宴会も回復が見られました。しかしながら、ディナーのピークタイム後から深夜帯にかけて利用客が減少する等、コロナ禍を経て生活様式の変化に伴う新たな消費環境への対応が求められております。また慢性的な人手不足や人件費の上昇、高騰が続く原材料価格にも悩まされており、依然として厳しい経営環境が続いております。

 このような状況の中、当社グループは業績のV字回復を目指すと共に、中長期的な企業価値の向上を展望し、中期経営計画「COLOWIDE Vision 2030」に基づいた事業推進に努めております。

 新店投資については、業態・立地バランスの見直しとコロナ禍期間における直営店純減分の回復を主眼として積極的に出店活動に取組んだ結果、当第3四半期連結会計期間末におけるレストラン店舗比率は90%となりました。国内では、牛角及びその派生業態、大戸屋ごはん処といったレストラン業態を郊外・ロードサイド中心に配置しております。海外では特にアジア各国の集客力が高いショッピングモールを主要立地として、牛角及びその派生業態を中心に増店を重ねており、期初計画に準じた出店ペースとなっております。

 また中長期的にブランド力及び店舗業績を維持する為、経年劣化した店舗の改装も推進しております。例えばかっぱ寿司では、フルオーダー化を進めることで利便性を高めると共に、生産性の向上や商品廃棄率の低減を目指しております。牛角及びしゃぶしゃぶ温野菜では、時代の変化に合わせた明るい内外装と効率性の向上をテーマとしており、配膳ロボットやスマホオーダー、セルフレジ等の活用も強化しております。

 営業施策については、年末にかけてグループ各社で高付加価値食材を活用したメニューを展開し、体験価値と客単価の向上に努めました。例えば大戸屋ごはん処では、毎年ご好評頂いている「生さんまの炭火焼き」や「大粒牡蠣フライ」等、季節の食材を活用したメニューにより来店動機を高め集客に繋げました。またフレッシュネスバーガーでは、「神戸牛バーガー」を販売致しました。加えて適切なQSCAの水準を保つ為、営業人員の確保及び教育に注力し、料理の提供時間の短縮等にも継続的に取組んでおります。

 グループインフラ整備の一環として物流の「2024年問題」への対応も進めており、配送拠点の集約による効率化と配送頻度の最適化を計画通りに実施致しました。また多様な配送ニーズに対応する為にヤマト運輸と提携・開始した新たな物流スキームについては、給食事業において運用拠点数を着実に増やしております。

 サステナビリティへの取組みにも引続き注力しており、一例を挙げると地球環境への貢献の為、当社グループが保有する全10工場において「食品リサイクル率100%」を達成致しました。この活動の中では、これまで焼却処理されてきた食品残渣を全量メタン発酵処理し、バイオガス発電に活用することによりCO2排出量の削減や再生可能エネルギー創出への取組みも行っております。

 また持続的な食材調達の為、㈱コロワイドMDの工場が保有する大豆ミート製造ラインの稼働率の向上に努めており、かっぱ寿司やステーキ宮、しゃぶしゃぶ温野菜、フレッシュネスバーガーで商品化をしております。更に、にぎりの徳兵衛では、アセロラの搾りかす粉末を配合した餌で育てた「アセロラ真鯛」(商標登録第6574413号)による寿司を販売する等、サステナブルかつ付加価値の高い食材を活用したメニュー開発を行っております。

 店舗の出退店については、直営レストラン業態を77店舗及び直営居酒屋業態を12店舗、合計89店舗を出店する一方、直営レストラン業態を33店舗、直営居酒屋業態を17店舗、合計50店舗を閉店しております。その結果、当第3四半期連結会計期間末の店舗数は直営1,402店舗、FCを含めた総店舗数は2,615店舗となりました。

 以上の取組みを進めて参りました結果、当第3四半期連結累計期間の連結業績については、売上収益が1,792億5百万円、事業利益が63億27百万円、IFRS営業利益が71億18百万円、四半期利益が39億12百万円、親会社の所有者に帰属する四半期利益が29億62百万円となりました。

(注)事業利益 = 「売上収益 - 売上原価 - 販売費及び一般管理費」により計算しております。

事業利益は、IFRSで定義されている指標ではありません。

 

 セグメントの業績は、次の通りであります。

a. ㈱コロワイドMD

 ㈱コロワイドMDは、各種食料品の商品開発・調達・製造・物流のマーチャンダイジング全般を行っております。

 当第3四半期連結累計期間の業績につきましては、売上収益は639億50百万円(前年同四半期576億28百万円)、事業利益は16億17百万円(前年同四半期17億52百万円)、営業利益は14億13百万円(前年同四半期15億46百万円)となりました。

 

b. ㈱アトム

 ㈱アトムは、「ステーキ宮」・「にぎりの徳兵衛」・「寧々家」等のレストラン業態及び居酒屋業態の直営飲

食店の運営及びフランチャイズ事業の運営を行っております。

 当第3四半期連結累計期間の業績につきましては、売上収益は275億32百万円(前年同四半期258億63百万円)、事業利益は52百万円(前年同四半期事業損失2億76百万円)、営業損失は2億22百万円(前年同四半期4億2百万円)となりました。

 尚、店舗政策につきましては3店舗(直営3店舗)を新規出店し、16店舗(直営16店舗)の閉鎖を行い、当第3四半期連結会計期間末の店舗数は342店舗(直営332店舗、FC10店舗)となっております。

 

c. ㈱レインズインターナショナル

 ㈱レインズインターナショナルは、「牛角」・「温野菜」・「土間土間」・「かまどか」・「手作り居酒屋

甘太郎」・「北の味紀行と地酒 北海道」・「FRESHNESS BURGER」等、国内及び海外においてレストラン業態

及び居酒屋業態の直営飲食店の運営の他、フランチャイズ加盟店の募集、加盟店の経営指導、商品の企画販売及

び食材等の供給を行っております。

 当第3四半期連結累計期間の業績につきましては、売上収益は739億14百万円(前年同四半期640億51百万円)、事業利益は47億56百万円(前年同四半期13億36百万円)、営業利益は51億54百万円(前年同四半期6億68百万円)となりました。

 尚、店舗政策につきましては101店舗(FC25店舗・直営76店舗)を新規出店し、FCレストラン業態26店舗とFC居酒屋業態2店舗を直営化しました。一方、99店舗(FC82店舗・直営17店舗)の閉鎖を行い、直営レストラン業態を2店舗をFC化しました。その結果、当第3四半期連結会計期間末の店舗数は1,521店舗(FC942店舗・直営579店舗)となっております。

 

d. カッパ・クリエイト㈱

 カッパ・クリエイト㈱は、「かっぱ寿司」等のレストラン業態の直営飲食店の運営の他、寿司・調理パンな

どのデリカ事業を行っております。

 当第3四半期連結累計期間の業績につきましては、売上収益は541億49百万円(前年同四半期525億91百万円)、事業利益は10億27百万円(前年同四半期事業損失11億61百万円)、営業利益は10億99百万円(前年同四半期営業損失11億70百万円)となりました。

 尚、店舗政策につきましては9店舗の閉鎖を行い、当第3四半期連結会計期間末の直営店舗数は296店舗となっております。

 

e. ㈱大戸屋ホールディングス

 ㈱大戸屋ホールディングスは、「大戸屋ごはん処」等、国内及び海外においてレストラン業態の直営飲食店

の運営の他、フランチャイズ加盟店の募集、加盟店の経営指導、商品の企画販売及び食材等の供給を行っており

ます。

 当第3四半期連結累計期間の業績につきましては、売上収益は206億47百万円(前年同四半期174億92百万円)、事業利益は9億46百万円(前年同四半期事業損失1億76百万円)、営業利益は9億23百万円(前年同四半期営業損失1億17百万円)となりました。

 尚、店舗政策につきましては、13店舗(FC4店舗・直営9店舗)を新規出店し、FCレストラン業態4店舗を直営化しました。一方、18店舗(FC12店舗・直営6店舗)の閉鎖を行いました。その結果、当第3四半期連結会計期間末の店舗数は417店舗(FC261店舗・直営156店舗)となっております。

 

f. その他

 その他は、ワールドピーコム㈱におけるITシステムの企画・運用・保守、コールセンター事務、㈱シルスマリアにおける生菓子、焼き菓子、チョコレート(生チョコ他)の製造・販売、㈱ココットにおける事務処理業務、㈱ダブリューピィージャパンにおける飲食店運営、㈱ベイ・フードファクトリーにおける飲食店運営及びFC事業運営、㈱ダイニングエールにおける給食事業運営、㈱フューチャーリンクにおけるFC事業運営及び㈱コロワイドサポートセンターにおける労務関連業務となっております。尚、ワールドピーコム㈱における外食事業向けセルフ・オーダー・トータル・システム事業は、第1四半期連結会計期間に、㈱impact・eへ事業譲渡しております。

 当第3四半期連結累計期間の業績につきましては、売上収益は54億38百万円(前年同四半期59億52百万円)、事業損失は3億36百万円(前年同四半期3億92百万円)営業利益は2億59百万円(前年同四半期営業損失4億63百万円)となりました。

(注)セグメントにつきましては、「要約四半期連結財務諸表注記 5.セグメント情報」をご参照下さい。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は、営業活動によるキャッシュ・フローが212億61百万円、投資活動によるキャッシュ・フローが△108億48百万円、財務活動によるキャッシュ・フローが△180億79百万円、現金及び現金同等物に係る換算差額が2億79百万円となりました結果、前連結会計年度末に比べ73億88百万円減少し、426億78百万円となりました。

 営業活動によるキャッシュ・フローは、主に税引前四半期利益、減価償却費及び償却費によるものであります。

 投資活動によるキャッシュ・フローは、主に有形固定資産の取得による支出によるものであります。

 財務活動によるキャッシュ・フローは、主にリース負債の返済による支出、社債の償還による支出によるものであります。

 

(3)経営方針・経営戦略等

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(4)事業上及び財務上の対処すべき課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

 該当事項はありません。