E03324 Japan GAAP
文中の将来に関する事項は、当中間会計期間の末日現在において判断したものであります。
当中間会計期間(2025年4月1日~2025年9月30日)におけるわが国の経済は、雇用・所得環境の改善が継続するなかで、緩やかな回復基調を維持しております。一方で、米国の金融政策の転換に加え、通商政策の影響による景気の下振れリスクや中国経済の減速懸念が続いております。また、依然として続く物価上昇による個人消費への影響、ウクライナ・中東地域をめぐる地政学的リスク、金融市場の変動による資金調達環境の不安定化など、先行きに対する不透明感は払拭されておらず、引き続き慎重な経営判断が不可欠な状況が続いております。
当社が属する外食産業においては、社会経済活動の正常化が定着するなかでインバウンド需要の拡大が継続し、人流の回復が進んでおります。一方で、慢性的な人手不足による人件費の高騰や原材料価格の上昇が収益構造を圧迫する状況が続いており、価格改定による客単価の上昇は進んでいるものの、価格に敏感な顧客層の離反リスクもあるため、全面的な価格転嫁には慎重な判断が求められます。また、物価高による消費マインドの低下が外食需要の回復に影響を及ぼす可能性があるほか、猛暑などの異常気象の影響により、店舗の立地や業態によって来店動向に差が生じる状況となっており、今後も市場動向を慎重に見極めながら、柔軟な対応力が問われる局面が続くものと考えられます。
このような経営環境のなか、当社は2025年5月に「長期経営構想2035」を発表し、10年後のありたい姿として「多様な食の業態に携わり、永続企業・ブランドを築き、すべての人に笑顔や感動、幸せな時間をプロデュースする」ことを掲げております。その実現に向け、2025年度から2030年度までの5年間を「中期経営計画2030」と位置づけ、新業態の開発および物販事業の拡大を成長の柱としながら、既存のレストラン事業を安定的な収益基盤として活かし、ブランド価値の維持・向上を図っております。
当中間会計期間においては、2025年5月に公表いたしました中期経営計画の実現に向けて、既存事業の収益性向上とともに、人材育成への投資や新たな事業基盤の整備を着実に推進しております。同年4月には、中期経営計画の中核を担う子会社「株式会社UKAIzm corporation」を設立し、既存ブランドとは異なるターゲット層を想定した新業態の開発や食文化を軸としたブランドプロデュース事業を開始しており、社外との連携を通じて、当社の知見を活かした事業展開を進めております。同年5月には、人材育成において、社内教育制度「UKAI Academy」を開講し、鉄板焼の技術・接客・マインドを体系的に学ぶ鉄板コースを通じて、プロフェッショナル人材の早期育成に注力しております。また、同年5月には契約期間満了に伴い『東京 芝 とうふ屋うかい』の2026年3月末での閉店を発表し、同年8月には会社分割(簡易吸収分割)による文化事業『箱根ガラスの森』の承継を決定し、事業ポートフォリオの再構築を図っております。こうした経営環境のもと、当中間会計期間の業績は以下の通りとなりました。
売上高は、6,677百万円(前年同期比3.1%増)の増収となり、堅調に推移しました。利益面では、増収効果および原価率の改善により売上総利益が増加しましたが、譲渡資産の賃借に伴う賃借料の増加に加え、店舗退去に伴う原状回復費用の見積りを見直し、資産除去債務を追加計上したことにより減価償却費が増加し、営業利益は17百万円(前年同期比93.0%減)、経常利益は15百万円(同93.4%減)と大幅な減益となりました。また、『東京 芝 とうふ屋うかい』の契約期間満了に伴う閉店決定に関連した店舗閉鎖損失引当金239百万円に加え、将来的な収益性の見通しを踏まえた資産の見直しにより減損損失15百万円をいずれも特別損失として計上した結果、中間純利益は227百万円の損失(前年同期は93百万円の純利益)となりました。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。
〔レストラン事業部〕
社会経済活動の正常化が定着し、外食およびインバウンド需要が堅調に推移するなか、レストラン事業部では、「唯一無二のレストランであり続ける」という方針のもと、料理・サービスの質向上を目的とした施策を継続的に実施しております。各店舗では、ブランドの特色を活かした販促活動を展開し、来店機会の創出に努めるとともに、スタッフが一組一組のお客様に集中して対応する体制を整え、洗練された料理ときめ細やかなサービスの提供に努めております。
お客様の満足度向上を図る取り組みの一環として、一部店舗ではコースや価格の見直しを行い、客単価の上昇につながりました。加えて、空間の質や接客品質の維持・向上を目的として、2025年7月よりサービス料を改定しており、“うかいの時間”の価値を高める取り組みとして客単価の上昇にも寄与しております。さらに、2024年10月に実施した『あざみ野うかい亭』では、高付加価値化が進み、売上増に貢献したほか、来客数・客単価ともに伸長した店舗も見られました。一方で、2024年11月末に閉店した『うかい竹亭』の影響や一部店舗での来客数減少により減収要因も生じましたが、全体では客単価の上昇が下支えとなり、増収基調を維持しております。
以上の結果、レストラン事業部の売上高は、5,306百万円(前年同期比2.1%増)と増収となりました。
〔物販事業部〕
物販事業部では、主力の製菓部門において、2024年9月に開業した新店『アトリエうかい グランスタ東京』が引き続き好調に推移し、売上への貢献が拡大しております。一方で、2024年8月末に『アトリエうかい たまプラーザ』が閉店した影響に加え、新店の開業より顧客が分散したこと等で、既存店の一部では売り上げが弱含みで推移する場面もありましたが、新店の寄与や催事出店の増加をはじめとする外販の拡大がこれらを補い、製菓部門全体としては増収基調を維持しております。
食物販部門については、オンライン販売および催事出店を継続して展開しておりますが、催事出店の機会が限定的であったこと等により、前年同期比では減収となりました。
以上の結果、物販事業部の売上高は、818百万円(前年同期比8.5%増)と増収となりました。
〔文化事業部〕
文化事業部では、『箱根ガラスの森』にて、2025年4月19日から7月13日までの会期にて、2025年初夏所蔵作品展「19世紀のヴェネチアン・グラス ─しなやかな造形─」を、また同年7月18日からは2025年特別企画展「軌跡のきらめき ~神秘の光彩、ガラスと貝細工~」を開催いたしました。これらの作品展を柱に、季節の移ろいに合わせクリスタルガラスの展示替えや様々な企画を展開し、多くのお客様にご来館いただけるよう、細やかなプロモーション活動や旅行会社をはじめとする企業への営業の強化を進めてまいりました。これらの営業施策の効果による安定した集客に加え、訪日外客数の伸長を背景に外国人観光客の取り込みも堅調に推移し、来館者数は前年同期比で伸長いたしました。
以上の結果、文化事業部の売上高は、552百万円(前年同期比4.7%増)と増収となりました。
当中間会計期間末における資産、負債及び純資産の状態は以下のとおりであります。
(資産)
当中間会計期間末における総資産は、前事業年度末に比べ638百万円減少し、10,262百万円(前事業年度比5.9%減)となりました。主な要因は、資金運用により有価証券が1,000百万円増加した一方で、現金及び預金が1,491百万円、売掛金が143百万円、有形固定資産が119百万円それぞれ減少したこと等によるものであります。
(負債)
当中間会計期間末における負債は、前事業年度末に比べ356百万円減少し、5,775百万円(前事業年度比5.8%減)となりました。主な要因は、店舗閉鎖損失引当金が209百万円、流動負債および固定負債に含まれる資産除去債務の純増加額186百万円がそれぞれ増加した一方で、取引金融機関からの借入金の総額が270百万円、その他流動負債が435百万円それぞれ減少したこと等によるものであります。
(純資産)
当中間会計期間末における純資産は、前事業年度末に比べ282百万円減少し、4,486百万円(前事業年度比5.9%減)となりました。譲渡制限付株式報酬としての新株式発行に伴い資本剰余金が19百万円増加したのに対し、配当金の支払いおよび中間純損失の計上により利益剰余金が312百万円減少したこと等によるものであります。
当中間会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ1,791百万円減少し3,622百万円となりました。
当中間会計期間におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は、295百万円(前年同期は484百万円の収入)となりました。主な要因は、減価償却費452百万円、店舗閉鎖損失引当金の増加額209百万円、売上債権の減少額143百万円等による資金増加に対し、税引前中間純損失242百万円、未払消費税等の減少216百万円、法人税等の支払額119百万円等の支出があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、1,540百万円(前年同期は97百万円の支出)となりました。主な要因は、定期預金の預入1,300百万円、既存設備の更新等による有形固定資産の取得167百万円等の支出があったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は、546百万円(前年同期は412百万円の支出)となりました。主な要因は、長期借入金の返済120百万円、短期借入金の減少150百万円、預り保証金の減少187百万円、配当金の支払83百万円等の支出があったことによるものであります。
当中間会計期間において、当社が対処すべき課題について重要な変更はありません。
該当事項はありません。