売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E03332 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当第3四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績の状況

① 売上高

 売上高は、前年同四半期比9.4%減少し、429億3千万円となりました。主な減少要因は、半導体市況の減速により半導体製造装置業界向けの販売量の低下で売上高が減少したほか、景気の先行き不透明感などから工作機械業界向けを中心に各種設備投資関連の需要減少およびOA機器業界向けの売上高が減少したことによるものです。

 当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、長期化する地政学的リスクを背景とする原材料・エネルギー価格の高止まりや円安に伴う物価高など経済的不安定要因が多く、海外経済が停滞するなど景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。

 当社グループ業績に影響が大きい半導体製造装置業界につきましては、中長期的にはIoTやDX、生成AI市場の拡大、電気自動車の推進などによる半導体需要の拡大が予想されているものの、足元ではスマートフォンやパソコンなどのモバイル機器、サーバー等のIT機器向けの需要減速に伴い、半導体メーカーの在庫調整、生産調整局面が依然続いていることから、装置需要についても引き続き低調に推移しております。

 その他、航空・宇宙業界については、民間機需要のコロナ禍からの回復、防衛関連を中心に官需向けも好調に推移しておりますが、工作機械業界につきましては、各国の金利上昇や中国景気の低迷、内需についても半導体製造装置関連および自動車関連などを中心に設備投資が先延ばしされている影響もあり、需要回復が遅延しております。

 このような状況のなか、三重県伊賀市に新拠点(伊賀倉庫)を設置し、加工サービスの強化を図るとともに、成長領域として捉えている航空・宇宙業界および自動車業界を中心に新規顧客の開拓に積極的に取り組んだほか、図面加工品や環境に配慮したエコシリーズの新規商品導入や拡販等に注力いたしました。

 また、24時間365日見積り・注文可能なWEBサイト「白銅ネットサービス」においては、ユーザー登録不要で見積りサービスが利用可能となり、法人のみならず個人ユーザーにも利用窓口を拡大いたしました。また、WEBサイトから金属3Dプリンター造形品および図面加工の即時見積り・注文を可能にしたほか、3DCADファイルのアップロードにより即時に自動で材料の大きさを計算する材料取りアシスト機能を追加するなど「白銅ネットサービス」の機能向上を図りました。同時に、取扱アイテム数を2023年3月末の50,900アイテムから2023年12月末には84,100アイテムへ拡充するなど利便性の更なる向上に努めました。

 

 さらに前連結会計年度で子会社化したWest Coast Aluminum & Stainless, LLCにおけるアメリカ合衆国での市場開拓や新規事業の準備など、新たな海外事業の拡大にも積極的に取り組んでまいりました。

 

 連結子会社の状況につきましては、上海白銅精密材料有限公司は国内および輸出の需要低迷により、また株式会社AQRは半導体製造装置業界の継続的な低迷の影響等により、両社の売上高は前年同四半期を下回りました。一方でHakudo(Thailand)Co., Ltd.の売上高は、タイにおける自動車業界の回復を主因に前年同四半期を上回って好調に推移しております。

 

 以上、顧客満足度の向上および事業領域拡大等の施策を着実に実行いたしましたが、半導体市況の低迷の継続等が大きく影響し、売上高は、前年同四半期比で減少しました。

 

② 営業利益

 営業利益は、前年同四半期比40.4%減少し、18億8千5百万円となりました。

 営業利益の減少要因は、半導体製造装置業界の低迷等による販売量の減少ならびに運賃や電気料金をはじめとする各種コストの上昇、原材料市況の影響による棚卸資産影響額差益の減少などです。なお、前年同四半期の棚卸資産影響額は4億5千1百万円の差益でしたが、当第3四半期連結累計期間の棚卸資産影響額は5千7百万円の差益となり、3億9千4百万円の減少となりました。

 棚卸資産影響額を除いた営業利益は、前年同四半期比で32.7%減少し、18億2千8百万円となりました。

 

③ 経常利益

 経常利益は、ベトナムの出資会社であるOristar Corporationからの配当金9千7百万円、Hakudo USA Inc.の円建て親子間借入金の為替差益8千2百万円、米国孫会社であるWest Coast Aluminum & Stainless, LLCの債務免除益6千9百万円などの営業外収益の計上があったものの、営業利益の減少により前年同四半期比34.7%減少し、22億1百万円となりました。

 

 以上の結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年同四半期比33.9%減少し、15億1千2百万円となりました。

 

 セグメントごとの経営成績は次のとおりとなります。

当第3四半期連結累計期間(自 2023年4月1日 至 2023年12月31日)

セグメント

売上高

営業利益

又は

営業損失(△)

経常利益

又は

経常損失(△)

親会社株主に帰属する

四半期純利益

又は

親会社株主に帰属する

四半期純損失(△)

日本

37,482百万円

1,917百万円

2,068百万円

1,398百万円

北米

3,470百万円

△ 108百万円

34百万円

34百万円

中国

965百万円

△ 32百万円

△ 12百万円

△ 9百万円

その他

1,012百万円

110百万円

111百万円

88百万円

 

 

④ 当社を取り巻く環境

 原材料市況は、電気銅建値がトン当たり2023年3月末の123万円から2023年12月末には128万円に上昇し、アルミニウム地金(日本経済新聞月別平均値)もトン当たり2023年3月末の36万9千円から2023年12月末には38万円に上昇しました。

 一方、ステンレス鋼板(鉄鋼新聞月別中心値)はトン当たり2023年3月末の68万円から2023年12月末には61万円に下落しました。

 

(2)財政状態に関する説明

(資産)

 当第3四半期連結会計期間末の資産合計は、401億2千万円と、対前連結会計年度末比で30億2千8百万円減少しました。

 流動資産は、303億7千7百万円と、対前連結会計年度末比で34億5千2百万円減少しました。減少額内訳は、受取手形及び売掛金14億7千1百万円、商品及び製品13億7百万円、現金及び預金7億8千3百万円、未収消費税を主とする流動資産その他1億1千2百万円等です。増加額内訳は、電子記録債権2億3千5百万円です。

 固定資産は、97億4千3百万円と、対前連結会計年度末比で4億2千3百万円増加しました。増加額内訳は、有形固定資産2億6千6百万円等です。

 

(負債)

 流動負債は、180億3千万円と、対前連結会計年度末比で37億3千8百万円減少しました。減少額内訳は、電子記録債務18億5千1百万円、支払手形及び買掛金12億8千4百万円、未払法人税等4億7千9百万円、1年内返済予定の長期借入金3億5千万円、賞与引当金2億8千9百万円等です。増加額内訳は、未払消費税を主とする流動負債その他6億円等です。

 固定負債は、1億3千3百万円と、対前連結会計年度末比で1千7百万円減少しました。

 

(純資産)

 純資産は、219億5千6百万円と、対前連結会計年度末比で7億2千7百万円増加しました。増加額内訳は、利益剰余金5億3千6百万円、為替換算調整勘定1億5千6百万円等です。

 自己資本比率は、前連結会計年度末の49.1%から54.7%となりました。

 

(3)経営方針・経営戦略等

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(4)事業上及び財務上の対処すべき課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

 該当事項はありません。