売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E02320 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間(2023年4月1日から2023年12月31日まで)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴い経済活動の正常化が進み、緩やかな回復の動きが見られました。しかし、長期化するウクライナ情勢に加え、中東情勢が緊迫化するなどの地政学的リスクの影響により、原油等をはじめとするエネルギー資源や原材料価格の高騰及び為替相場の円安基調の継続による物価高の影響が続いており、依然として先行き不透明な状況が続いております。

このような経営環境下におきまして、売上高につきましては、分析機器事業と自動認識事業は、堅調に推移し前年同期を上回りましたが、半導体事業は出荷調整の影響のため前年同期を下回りました。
  この結果、当第3四半期連結累計期間の売上高につきましては、26,314百万円(前年同期比 4.9%減)となりました。損益につきましては、営業利益 4,031百万円(前年同期比 7.0%減)、経常利益 4,260百万円(前年同期比 10.0%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益 2,288百万円(前年同期比 3.5%減)となりました。

 

セグメント別の業績につきましては、次のとおりであります。

 

(分析機器事業)

分析機器事業の売上高は、これまでに引き続き第3四半期終了時点でも前年同期比で増収になりました。

国内売上高につきましては、消耗品が食品、化学工業、環境分析、受託分析など、多くの分野で増収となりました。特に液体クロマトグラフ用充填カラム、液体クロマトグラフ用部品、ガスクロマトグラフ用部品、標準試薬、アフターサービス関連が好調でした。装置に関しましては、製薬、環境分析、水質分析の各分野における質量分析計関連製品が好調でした。また、カーボンニュートラル関連をはじめとして化学工業などの幅広い分野において好調なガスクロマトグラフの特注システム製品の売上も貢献し増収となりました。円安の影響で輸入製品の価格は高騰しておりますが、販売価格に転嫁できているため、利益率も前年同期並みの水準を維持できております。

海外売上高につきましては、世界情勢が不安定であったものの、製薬分野を中心に消耗品の需要は堅調な状況が続いており、当事業でも液体クロマトグラフ用カラム等の消耗品の売上はアジア、欧州、中南米、アフリカの各地域で好調でした。OEM製品の売上も引き続き堅調に推移しており、海外売上高も増収となりました。
  この結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は 12,560百万円(前年同期比 8.3%増)、営業利益は 1,311百万円(前年同期比 16.4%増)となりました。

 

 

(半導体事業)

半導体業界におきましては、パソコンやスマートフォン向け需要の落ち込みに伴いメモリーを中心に在庫が滞留しており、価格低下とともに生産調整が続く状況となりました。一方で、生成AI分野におけるデータセンター向けサーバー需要の急激な高まりに加え、国内外における先端半導体製造工場の新設や増設といった、今後を見据えた積極的な設備投資が相次いで計画・実行されており、半導体市場は引き続き着実な拡大が見込まれる状況となっております。

以上のような環境の中、当事業では、今後に向けた新規需要の掘り起こし、国内の増産体制構築のための準備、その他の業務改善活動を推進しながら、効率的な生産活動を展開してまいります。また、足元の受注高及び売上高は回復基調にあり、出荷調整の動きはまだありますが、受注残高は引き続き高水準を持続しております。
  この結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は 12,514百万円(前年同期比 16.8%減)、営業利益は 2,654百万円(前年同期比 16.5%減)となりました。

 

(自動認識事業)

自動認識事業におきましては、電子部品の調達が復調傾向にあり、金融関連装置、住居関連施設、医療関連装置、特にバイタルチェックシステム装置へのモジュール製品及び完成系製品が堅調に出荷できたことから売上高が前年同期を上回りました。

製品分類毎の売上高は「機器組込製品」、「完成系製品」、「自動認識用その他」全てのセグメントにおいて前年同期を上回りました。
 この結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は 1,240百万円(前年同期比 19.5%増)、営業利益は 65百万円(前年同期比 180.7%増)となりました。

 

(2) 財政状態の状況

 (資産の状況)

当第3四半期連結会計期間末の流動資産は現金及び預金の増加に加えて原材料及び貯蔵品等の棚卸資産が増加した一方、売掛金等の売上債権が減少したことなどにより 31,437百万円(前連結会計年度末に比べ 1,399百万円の増加)となりました。固定資産は投資その他の資産のその他が増加したことなどにより 21,772百万円(前連結会計年度末に比べ 799百万円の増加)となりました。その結果、資産合計では 53,210百万円(前連結会計年度末に比べ 2,198百万円の増加)となりました。

 

(負債の状況)

当第3四半期連結会計期間末の流動負債は短期借入金が増加した一方、未払法人税等及び賞与引当金が減少したことなどにより 9,605百万円(前連結会計年度末に比べ 709百万円の減少)となりました。固定負債はその他が増加した一方、長期借入金が減少したことなどにより 5,037百万円(前連結会計年度末に比べ 81百万円の減少)となりました。その結果、負債合計では 14,642百万円(前連結会計年度末に比べ 790百万円の減少)となりました。

 

(純資産の状況)

当第3四半期連結会計期間末の純資産合計は利益剰余金及びその他有価証券評価差額金、為替換算調整勘定の増加などにより 38,567百万円(前連結会計年度末に比べ 2,988百万円の増加)となりました。自己資本比率は 60.6%となりました。

 

(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(4) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間における研究開発活動の金額は717百万円であります。
 なお、当第3四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。