売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E01587 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

 

(1) 経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間(2023年3月1日~2023年11月30日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが「5類」に変更され、行動制限が緩和されたことにより、社会経済活動の正常化が進み個人消費や設備投資、輸出等に持ち直しが見られるなど景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。一方、世界的な金融引締めに伴う影響や円安の進行、原材料・資源価格の高騰、ロシアのウクライナ侵攻の長期化、イスラエル・パレスチナの紛争の激化、中国経済の先行き懸念等、わが国経済を取り巻く世界情勢は依然として予断を許さない状況となっております。

このような状況の下、当社は、2023年3月20日に創業100周年を迎え、これを節目に新たなステージを目指し、当社グループの技術と知識で持続可能な豊かな社会の実現に貢献すべく、社会の抱える様々な課題との関わりを常に意識し、5期連続で経常黒字を達成した前連結会計年度に引き続き、グループ一丸となって持続的な成長と企業価値の向上に取り組んでおります。

当社グループの主力事業は当社創業以来の試験機事業であり、これとあわせて「ゆるみ止め製品」のエンジニアリング事業を展開し、強固な収益基盤を確立していくことに注力しております。この二つのコア事業は産業の基盤と社会インフラの「安全・安心」を支える事業であり、社会に必要不可欠な製品・商品・サービスを提供する企業グループとして今後も成長していくために、顧客満足度の向上を目指して製品の品質・サービスの向上に取り組むとともに、コア事業の発展が期待できる他社との業務提携や事業シナジー効果が期待できる分野への進出も検討してまいります。この点、当社は、2023年4月21日に試験機事業のさらなる磨き上げを目的として、CAEソフトウェアの開発およびその受託解析・開発業務を行っている㈱先端力学シミュレーション研究所と業務提携契約を締結し、新たな収益機会の創出や事業の開発について定期的に会合を行い、同社との協働による引合いの獲得にもつなげるとともに、さらなる提携効果の実現を目指しております。

また、当社は、2023年3月30日付で㈱東京証券取引所より、当社株式について特設注意市場銘柄の指定を受けたことから、上場維持とステークホルダーの皆様からの信頼回復に向けてガバナンス・内部管理体制の整備・強化を進めるべく、2023年8月28日付で「改善計画・状況報告書」を策定・公表し、役職員一丸となって改善に取り組んでおります。

当第3四半期連結累計期間は、試験機事業につきましては、前連結会計年度の後半以降、製品受注が比較的順調に推移したことから、標準的な試験機を中心に売上高は堅調に推移し、一部のオーダーメイドの試験機で原価率の悪化があったものの、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた前年同期と比べ売上高・利益ともに増加いたしました。また、エンジニアリング事業につきましては、公共工事や都市開発関係を中心にゆるみ止め製品の販売は堅調に推移し、とりわけエネルギー関係の工事案件の需要が伸びたことから、売上高・利益ともに前年同期を上回ることができました。

また、当社は金融庁より、商事事業での不適正な会計処理により過年度の有価証券報告書等を訂正したことに対して、2023年6月27日付で12,000千円の課徴金納付命令を受けましたが、当該課徴金については前連結会計年度において訂正関連費用引当金として30,000千円を計上しておりましたので、その差額を特別利益に計上するとともに、2023年5月から11月末までに、前連結会計年度において貸倒引当金に計上した商事事業の販売先に対する未回収債権のうち112,922千円の回収がありましたので、当該回収金額を貸倒引当金戻入額として特別利益に計上いたしました。

以上の結果、当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高2,377,275千円(前年同比11.4%増)、経常利益124,997千円(前年同期比86.9%増)となりました。また、親会社株主に帰属する四半期純利益は160,995千円(前年同期は632,447千円の親会社株主に帰属する四半期純損失)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

 

①試験機事業

試験機事業では、新型コロナウイルス感染症の影響が徐々に収まっていく中で、国内企業の景況感は上向きになり設備投資意欲にも持ち直しの動きが見られ、自動車、鉄鋼、産業機械関係などからの受注・引き合いが増加いたしました。また、海外渡航制限の緩和により、中国や韓国などの海外の企業からの製品受注にも回復の動きが見られました。一方、一部の調達品の納期が長期化しているため、売上時期には影響が生じております。また、部品・原材料等の仕入れ価格の高騰の影響は大きく、販売価格への転嫁を進めているものの、一部の製品やサービスで利益が圧迫されるとともに、開発要素のあるオーダーメイド製品については原価率の悪化により利益の確保に苦戦いたしましたが、全体としては売上高・利益ともに前年同期を上回ることができました。

以上の結果、試験機事業の売上高は1,999,601千円(前年同期比9.2%増)、営業利益は315,308千円(前年同期比50.2%増)となりました。

 

②エンジニアリング事業

エンジニアリング事業では、主力のゆるみ止めナット・スプリングについて、引き続き高速道路や橋梁、エネルギー関係等の社会インフラ向けや国内建設市場向けに製品の浸透と市場シェアの拡大に努めた結果、公共工事や都市開発関係で使用するゆるみ止め製品の販売は堅調に推移し、エネルギー関係の工事案件の需要が伸びたことを主因に、売上高・営業利益ともに前年同期を大幅に上回ることができました。

以上の結果、エンジニアリング事業の売上高は377,948千円(前年同期比25.0%増)、営業利益は86,549千円(前年同期比113.8%増)となりました。

 

(2) 財政状態の分析

当第3四半期連結会計期間末における総資産は3,647,623千円となり、前連結会計年度末に比べ195,724千円増加いたしました。

流動資産は2,670,431千円となり、前連結会計年度末に比べ343,984千円増加いたしました。これは主に現金及び預金の増加162,020千円、受取手形及び売掛金の減少323,788千円、電子記録債権の増加121,108千円、仕掛品の増加130,482千円によるものであります。

固定資産は977,192千円となり、前連結会計年度末に比べ148,260千円減少いたしました。これは主に建物及び構築物の減少26,870千円、土地の減少111,430千円によるものであります。

流動負債は1,275,411千円となり、前連結会計年度末に比べ14,321千円減少いたしました。これは主に支払手形及び買掛金の減少67,008千円、短期借入金の増加113,336千円、未払金の減少120,406千円、未払費用の増加69,785千円、訂正関連費用引当金の減少50,950千円によるものであります。

固定負債は772,688千円となり、前連結会計年度末に比べ49,010千円増加いたしました。これは主に長期借入金の増加47,941千円によるものであります。

純資産は1,599,523千円となり、前連結会計年度末に比べ161,034千円増加いたしました。これは主に利益剰余金の増加160,995千円によるものであります。

 

(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対応すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

 

(4) 主要な設備

新設、休止、大規模改修、除却、売却等について、当第3四半期連結累計期間に著しい変動があった設備(前連結会計年度末に計画中であった設備も含む)は、次のとおりであります。

 

売却

会社名

事業所名
(所在地)

セグメントの名称

設備の内容

帳簿価額(千円)

売却年月

建物

及び構築物

土地

(面積㎡)

合計

提出会社

本店・本社
(神奈川県
相模原市南区)

土地・建物

21,830

71,299

(174.56)

93,129

2023年
7月

 

 

(5) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、14,975千円であります。

なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。