E02481 Japan GAAP
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間における国内外の経済環境は、新型コロナウイルス感染症による行動制限等が緩和され社会経済活動が活性化する一方で、社会情勢の変化、原材料価格や燃料価格の上昇、為替の変動等による影響で、先行きについては不透明な状況が継続しました。
このような環境の中、バンダイナムコグループは2022年4月からグループの最上位概念となる「パーパス“Fun for All into the Future”」と新ロゴマークの導入を行うとともに、3カ年の中期計画をスタートしました。中期計画においては、「パーパス“Fun for All into the Future”」のもと、バンダイナムコグループが中長期で目指す姿に向け、世界中のIPファン、あらゆるパートナー、グループ社員、そして社会と常に向き合い、広く、深く、複雑につながる存在を目指し「Connect with Fans」を中期ビジョンに掲げ、重点戦略として「IP軸戦略」「人材戦略」「サステナビリティ」を推進しています。重点戦略の推進を通じ、IP(Intellectual Property:キャラクター等の知的財産)の世界観や特性を活かし、最適なタイミングで、最適な商品・サービスとして提供することでIP価値の最大化をはかる「IP軸戦略」をさらに進化させていきます。また、「IP軸戦略」のグローバル展開を強化し、ALL BANDAI NAMCOでの一体感と総合力を高め、持続的な成長を目指してまいります。
当第3四半期連結累計期間につきましては、IP軸戦略を核に各地域や事業を横断・連携しALL BANDAI NAMCOで一体となった取組みを強化しました。グループ全体では、ハイターゲット層(大人層)向け商品やカード商材、カプセルトイ等が人気となったトイホビー事業等が業績に貢献しました。デジタル事業においては、今期投入したオンラインゲームの新作タイトル等に関わる評価損に加え、次期中期計画を見据えタイトル編成の見直しを行ったことによる処分損を計上しました。
この結果、当第3四半期連結累計期間の経営成績は、売上高772,035百万円(前年同期比3.9%増)、営業利益78,282百万円(前年同期比26.3%減)、経常利益89,630百万円(前年同期比23.4%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益60,398百万円(前年同期比28.5%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
①デジタル事業
デジタル事業では、ネットワークコンテンツにおいて、「DRAGON BALL」シリーズや「ONE PIECE」等の主力アプリタイトルがユーザーに向けた継続的な施策により国内外で安定的に推移する一方、オンラインゲームの新作タイトルが計画を大幅に下回りました。家庭用ゲームにおいては、ワールドワイド向けの新作タイトル「ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON」が人気となりました。家庭用ゲーム全体では、既存タイトルについては「ELDEN RING」のリピート販売が大きく貢献した前年同期とのプロダクトミックスの違いが業績に影響しました。
なお、デジタル事業においては、今期投入したオンラインゲームの新作タイトル等に関わる評価損に加え、次期中期計画を見据えタイトル編成の見直しを行ったことによる処分損を計上しました。今後は、バランスの取れた最適なタイトルポートフォリオの構築、開発体制の精査を行うとともに、クオリティを重視した開発を強化してまいります。
この結果、デジタル事業における売上高は263,012百万円(前年同期比8.9%減)、セグメント利益は1,615百万円(前年同期比96.5%減)となりました。
②トイホビー事業
トイホビー事業では、原材料価格や燃料価格上昇の影響を受けたものの、好調カテゴリーの商品ラインナップやグローバル展開の拡大、生産体制の強化、リアルイベントや店舗によるタッチポイント拡大等をはかったことにより、引き続き好調に推移しました。具体的には、「ガンダムシリーズ」のプラモデルやコレクターズフィギュア、キャラクターくじ等のハイターゲット層向けの商品が、販売・マーケティングや商品ラインナップの強化等により好調に推移しました。また、「ONE PIECE」のトレーディングカードゲーム等のカード商材、カプセルトイ、菓子・食品等が商品ラインナップやターゲット層、顧客とのタッチポイントの強化等により業績に貢献しました。
この結果、トイホビー事業における売上高は390,212百万円(前年同期比13.1%増)、セグメント利益は69,717百万円(前年同期比31.7%増)となりました。
③IPプロデュース事業
IPプロデュース事業では、映像制作においてTVアニメーションや劇場作品等複数の新作作品の制作を行いました。中でも「機動戦士ガンダム 水星の魔女」は、新規ファン層を獲得し、グループの商品・サービス販売の好調につながりました。また、「ガンダムシリーズ」や「ラブライブ!シリーズ」、「アイドリッシュセブン」、「転生したらスライムだった件」、「ブルーロック」等のライセンスビジネスや映像配信等が安定的に推移したほか、「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA」がインバウンド需要等を取り込み好調に推移しました。
この結果、IPプロデュース事業における売上高は55,585百万円(前年同期比1.0%増)、セグメント利益は6,801百万円(前年同期比7.1%増)となりました。
④アミューズメント事業
アミューズメント事業では、国内アミューズメント施設の既存店売上高が前年同期比で102.4%となりました。また、「バンダイナムコ Cross Store」や「ガシャポンのデパート」のようなグループの商品・サービスと連携したバンダイナムコならではの施設展開が好調に推移しました。業務用ゲームにおいては、新製品「機動戦士ガンダム エクストリームバーサス2 オーバーブースト」や人気シリーズのアップデートキットの販売が好調に推移しました。また、燃料価格の上昇等の外部環境の変化も踏まえ、引き続き効率化に取り組みました。
この結果、アミューズメント事業における売上高は88,310百万円(前年同期比17.0%増)、セグメント利益は7,560百万円(前年同期比9.0%増)となりました。
⑤その他事業
その他事業では、グループ各社へ向けた物流事業、その他管理業務等を行っている会社から構成されており、これらのグループサポート関連業務における効率的な運営に取り組んでおります。
その他事業における売上高は24,571百万円(前年同期比4.4%増)、セグメント利益は1,268百万円(前年同期比11.2%増)となりました。
財政状態は次のとおりであります。
当第3四半期連結会計期間末における総資産につきましては、前連結会計年度末に比べ33,065百万円増加し959,423百万円となりました。これは主に現金及び預金が51,819百万円減少したものの、受取手形、売掛金及び契約資産が39,863百万円、有形固定資産が11,073百万円、投資有価証券が31,337百万円増加したことによるものです。
負債につきましては、前連結会計年度末に比べ14,496百万円減少し259,727百万円となりました。これは主に支払手形及び買掛金が3,258百万円、未払法人税等が10,229百万円減少したことによるものです。
純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ47,562百万円増加し699,695百万円となりました。これは主に利益剰余金が14,399百万円、その他有価証券評価差額金が20,670百万円、為替換算調整勘定が11,435百万円増加したことによるものです。
この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の70.4%から72.9%となりました。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は24,322百万円であります。また、このほかに、開発部門で発生したゲームコンテンツに係る支出額を仕掛品、売上原価等で計上しております。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(7)従業員数
当第3四半期連結累計期間において、従業員数に著しい増減はありません。
(8)生産、受注及び販売の実績
当第3四半期連結累計期間において、生産、受注及び販売の実績に著しい変動はありません。
(9)主要な設備
当第3四半期連結累計期間において、主要な設備に著しい変動及び主要な設備の前連結会計年度末における計画から著しい変更はありません。