売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E02467 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)財政状態及び経営成績の状況

 ①経営成績の状況

 当第3四半期連結累計期間におけるエンターテイメント業界は、国内家庭用ゲーム市場においては、ソフト市場はパッケージ販売が減少しつつも、ダウンロード販売の伸長により堅調に推移いたしました。また、ハード市場は、PlayStation®5の品薄解消による販売増やNintendo SwitchTMの人気継続により非常に好調に推移し、市場全体の成長を牽引いたしました。モバイルゲーム市場においては、市場が安定期を迎えほぼ横ばいで推移する中、海外企業によるタイトルが成長し存在感を見せるなど、依然厳しい競争環境が続いています。アミューズメント市場においては、プライズ(景品)ゲームが引き続き好調に推移したことに加え、一部ではメダルゲームの回復が見られるなど、市場規模の拡大基調が続きました。音楽映像市場においては、パッケージ市場は縮小傾向が続きましたが、コロナ禍を経て生活に定着した動画配信市場は、競争が激化しつつも依然高水準で推移いたしました。ライブエンターテイメント市場においては、コロナ禍の影響から脱し、観客動員が回復傾向にあります。

 このような状況下、当社グループは、多彩なエンターテイメントコンテンツをあらゆる事業領域において様々なデバイス向けに展開する「マルチコンテンツ・マルチユース・マルチデバイス」戦略を基軸とした総合エンターテイメント企業として、強力なIPの確立に向けたブランディング戦略・アライアンス戦略・グローバル戦略を積極的に推進し、話題性の高いコンテンツの提供とサービスの強化に取り組んでまいりました。

 この結果、当第3四半期連結累計期間(2023年4月1日~2023年12月31日)の経営成績は、売上高21,760百万円(前年同期比18.2%増)、営業利益1,390百万円(前年同期比56.2%減)、経常利益1,746百万円(前年同期比50.2%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益1,174百万円(前年同期比51.3%減)となりました。

 

 セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

 

a.デジタルコンテンツ事業

 当事業のコンシューマ部門においては、国内で2023年9月に発売した完全新作RPG『FREDERICA』の北米・欧州・Steam®版を同年10月3日より順次発売いたしました。また、Nintendo SwitchTM向け完全新作ファッション&コミュニケーションゲーム『ファッションドリーマー』を、2023年11月2日に国内・アジアで、同3日に北米・欧州で発売する等、複数の新作ゲームソフトを国内外で発売いたしました。

 しかしながら、第1四半期に発売した『LOOP8』の販売不振に加え、これらの新作タイトルの販売が想定を大幅に下回る推移となり、開発費を回収することができず損失を計上いたしました。

 オンライン部門においては、前年同期にリリースした『ドルフィンウェーブ』が、開始時の大幅な業績貢献に対する反動減があったものの、引き続き堅調に推移いたしました。また、『剣と魔法のログレス いにしえの女神』や『シノビマスター 閃乱カグラ NEW LINK』、『ブラウザ三国志』といった長期運営タイトルにおいては、経年により売上が減少したものの堅実に収益貢献いたしました。

 この結果、当事業の売上高は12,137百万円(前年同期比18.2%増)、セグメント損失は300百万円(前年同期はセグメント利益1,635百万円)となりました。

 

b.アミューズメント事業

 当事業においては、主力であるキッズアミューズメントマシン『ポケモンメザスタ』において、「ゴージャススター3弾」を2023年11月22日より稼動開始いたしました。第2四半期に引き続き、イベントへの出展や、他社とコラボレーションした「タグ」の配布キャンペーン等、マーケティング・プロモーション施策を積極的に実施し、非常に好調に推移いたしました。また、海外展開中の『ポケモンガオーレ』についても好調が継続し、大きく業績貢献いたしました。中国本土において2023年9月26日より稼動開始した、人気作品『NARUTO-ナルト-』を活用した新作アミューズメントマシン『火影忍者 斗牌世界』については、順調に稼動台数を拡大いたしました。

 この結果、当事業の売上高は6,602百万円(前年同期比9.2%増)、セグメント利益は2,512百万円(前年同期比7.9%増)となりました。

 

c.音楽映像事業

 当事業においては、「プリキュア」シリーズ20周年施策の一つであるオリジナルTVアニメ 『キボウノチカラ~オトナプリキュア'23~』を2023年10月から12月に放送したほか、『ひろがるスカイ!プリキュア』のライブコンサートや、シリーズ初となる舞台化作品で男子プリキュアが活躍する「『Dancing☆Starプリキュア』The Stage」を同年10月から11月にかけて公演いたしました。

 また、「ミュージカル『新テニスの王子様』」や「舞台『刀剣乱舞』」、「ミュージカル『青春-AOHARU-鉄道』」等のシリーズ作品の新作公演を実施し好評を博したほか、『映画刀剣乱舞-黎明-』等のパッケージ商品化を行いました。

 舞台公演関連の補助金等の縮小により利益率は低下したものの、コロナ禍からの回復によりチケットやグッズの販売環境が改善し、前年同期比で増収増益となりました。

 この結果、当事業の売上高は3,019百万円(前年同期比43.8%増)、セグメント利益は436百万円(前年同期比10.6%増)となりました。

 

②財政状態の分析

 当社グループの当第3四半期連結会計期間末における財政状態は、資産36,101百万円(前連結会計年度末比345百万円減)、負債7,233百万円(前連結会計年度末比13百万円増)、純資産28,868百万円(前連結会計年度末比358百万円減)となりました。

 

(流動資産)

 当第3四半期連結会計期間末における流動資産は、現金及び預金の減少等により28,317百万円となり、前連結会計年度末に比べ142百万円減少いたしました。

 

(固定資産)

 当第3四半期連結会計期間末における固定資産は、投資有価証券の一部を流動資産へ振替えたことによる減少等により7,784百万円となり、前連結会計年度末に比べ202百万円減少いたしました。

 

(流動負債)

 当第3四半期連結会計期間末における流動負債は、買掛金、未払金の増加等により6,998百万円となり、前連結会計年度末に比べ117百万円増加いたしました。

 

(固定負債)

 当第3四半期連結会計期間末における固定負債は、役員株式給付引当金の減少等により234百万円となり、前連結会計年度末に比べ104百万円減少いたしました。

 

(純資産)

 当第3四半期連結会計期間末における純資産は、親会社株主に帰属する四半期純利益1,174百万円を計上したものの、前連結会計年度の配当により利益剰余金が減少したことで28,868百万円となり、前連結会計年度末に比べ358百万円減少いたしました。

 

(2) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(3)経営方針・経営戦略等

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

 当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、デジタルコンテンツ事業340百万円、アミューズメント事業41百万円、音楽映像事業0百万円、総額は381百万円となりました。

 なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。