売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E02466 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間(2023年1月1日~2023年9月30日)における経済環境は、国内においては新型コロナウイルス感染症に伴う各種制限が撤廃され、外国人観光客や行動制限のないイベントの増加等もみられ、社会経済活動は概ねコロナ禍以前に回復しました。反面、国内外において、ロシアのウクライナ侵攻の長期化に伴う資源・エネルギー価格の高騰による物価の高止まりや世界的な金融引き締めに伴う為替変動等が、各国の景気に影響を及ぼし消費活動が停滞する等、先行き不透明な状況が継続しております。

このような環境の下、当社グループにおきましては、国内では訪日客の増加や消費者の購買マインドの回復により市場は堅調に推移しましたが、海外では、新興国の伸長はあるものの、物価の高騰を受け、先進国の主要マーケットの需要は弱含みで推移いたしました。また、為替につきましては、米ドル及びユーロに対する円安がそれぞれ進みました。

 

この結果、当期間の連結売上高は882億51百万円(前年同期比104.9%)となりました。国内外別では、国内市場における連結売上高は198億14百万円(前年同期比109.1%)、海外市場における連結売上高は684億37百万円(前年同期比103.8%)となりました。中期経営計画に基づく事業別実績では、筆記具事業における連結売上高は800億59百万円(前年同期比104.7%)、非筆記具事業における連結売上高は81億92百万円(前年同期比107.4%)となりました。

また、損益につきましては連結営業利益が148億26百万円(前年同期比94.2%)、連結経常利益が173億5百万円(前年同期比95.7%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は119億88百万円(前年同期比95.1%)となりました。

(参考URL 当社中期経営計画 https://www.pilot.co.jp/company/ir/management/plan.html)

 

 

各セグメント別の状況は以下のとおりです。

なお、セグメント利益については、セグメント間取引消去前の金額で記載しております。

また、第1四半期連結会計期間より、管理体制の変更に伴い報告セグメントの区分方法を見直し、従来「アジア」の区分に含めていた連結子会社であるPilot Pen Australia Pty.Ltd.を「欧州」の区分に含めております。前年同四半期連結累計期間との比較・分析は、変更後の区分に基づいております。

 

(日本セグメント)

ステイショナリー用品事業においては、日本では、インバウンドやノベルティ需要の回復が進み、販売ターゲットを絞った限定商品やアパレルやコスメブランド等とのコラボ商品が話題を集めました。また、当期当社グループとなった、手帳・ノート類等のデザインステイショナリーの企画・製造を行う株式会社マークスグループ・ホールディングスの売上も貢献しました。輸出においては、フィリピン等のアセアン諸国やインドを中心に売上が伸長しました。

玩具事業においては、主力商品である「メルちゃん」シリーズや「おふろのおもちゃ」シリーズが、物価高騰による玩具業界全般の伸び悩みもあり、減収となりました。

産業資材・その他事業においては、産業資材事業の主力のセラミックス製品が半導体市況を受けて苦戦しましたが、その他事業でマークス商品が売上に貢献しました。

利益面では、連結子会社向けの売上高減少と生産数量減少による原価率の上昇に加え、将来成長のための積極的な広告投資や人材投資を実施したことに伴う販管費等の増加により、減益となりました。

以上の結果、当セグメントにおける外部顧客に対する売上高は272億26百万円(前年同期比113.3%)、セグメント利益は96億10百万円(前年同期比58.5%)となりました。

また、当セグメントにおける主要な事業の売上高につきましては、ステイショナリー用品事業は227億99百万円(前年同期比115.0%)となり、玩具事業は22億44百万円(前年同期比85.9%)、産業資材・その他事業は21億82百万円(前年同期比137.2%)となりました。なお、ステイショナリー用品事業の内訳は、筆記具が202億37百万円(前年同期比113.9%)、文具・その他が25億62百万円(前年同期比124.3%)となりました。

 

(米州セグメント)

米州地域につきましては、米国市場においてゲルインキボールペン市場でトップシェアを維持している「G-2(ジーツー)」や「フリクション」シリーズの販売が堅調に推移し、ブラジル市場においてはホワイトボード用マーカー「Vボードマスター」を中心に伸長が続いています。さらに、円安の影響もあり増収となりましたが、物価高騰による労務費や広告費等の販管費の増加のため、減益となりました。

以上の結果、当セグメントにおける外部顧客に対する売上高は270億22百万円(前年同期比110.3%)、セグメント利益は6億28百万円(前年同期比78.1%)となりました。

 

(欧州セグメント)

欧州地域につきましては、「フリクション」シリーズを中心に展開しておりますが、物価高騰を受けて低調な市況が続いているため、円安の影響はありましたが、減収となりました。また、労務費等の販管費増加もあり、減益となりました。

以上の結果、当セグメントにおける外部顧客に対する売上高は190億51百万円(前年同期比94.2%)、セグメント利益は16億22百万円(前年同期比86.0%)となりました。

 

(アジアセグメント)

アジア地域につきましては、日本製の細書きの筆記具の需要が高く、ゲルインキボールペン「P-500」や「ジュース」シリーズ等を中心に展開しています。中国において、市場の回復に時間がかかっていることから、その他の国において概ね好調に推移したにもかかわらず、減収減益となりました。

以上の結果、当セグメントにおける外部顧客に対する売上高は149億52百万円(前年同期比97.4%)、セグメント利益は7億49百万円(前年同期比79.4%)となりました。

 

 

(2) 財政状態の状況

当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末比96億39百万円増加し、1,661億82百万円となりました。

流動資産は、44億77百万円増加1,110億83百万円となり、固定資産は、51億62百万円増加550億98百万円となりました。

流動資産につきましては、「受取手形及び売掛金」が18億89百万円、棚卸資産(「商品及び製品」、「仕掛品」、「原材料及び貯蔵品」)が45億33百万円それぞれ増加した一方、「現金及び預金」が21億23百万円減少したことによるものです。

負債は、前連結会計年度末比34億23百万円減少し、351億29百万円となりました。

流動負債は、43億78百万円減少324億13百万円となり、固定負債は、9億55百万円増加27億15百万円となりました。

流動負債につきましては、「賞与引当金」が10億42百万円、「その他」が22億24百万円それぞれ増加した一方、「支払手形及び買掛金」が23億75百万円、「短期借入金」が22億21百万円、「未払法人税等」が36億15百万円それぞれ減少したことによるものです。

純資産は、前連結会計年度末比130億63百万円増加し、1,310億53百万円となりました。これにつきましては、「利益剰余金」が80億42百万円、「為替換算調整勘定」が38億4百万円それぞれ増加したことによるものです。

 

(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(4) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は14億89百万円であります。