売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E02466 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績の状況

当第1四半期連結累計期間(2024年1月1日~2024年3月31日)における経済環境は、国内においては、コロナ禍後の個人消費の緩やかな回復やインバウンド需要の拡大が見られる一方、海外においては、物価高騰は沈静化しつつありますが、各国の金融引き締め政策は継続しており、また長期化するウクライナ情勢や中東情勢の緊迫化の地政学リスクの影響等により、世界経済の先行きは依然不透明な状況が続いております。

このような環境の下、当社グループにおきましては、国内では、筆記具市場は堅調に推移しました。海外では、米ドルやユーロ、中国元に対する円安は追い風となりましたが、前期より引き続き先進国の主要マーケットの需要は低調に推移しました。また、『2030年ビジョン』に向けて持続的な成長を実現するために、未来に向けた投資を拡大していることから、労務費や減価償却費等の費用は増加しました。

この結果、当期間の連結売上高は287億99百万円(前年同期比105.1%)となりました。国内外別では、国内市場における連結売上高は74億13百万円(前年同期比110.4%)、海外市場における連結売上高は213億85百万円(前年同期比103.3%)となりました。中期経営計画に基づく事業別実績では、筆記具事業における連結売上高は258億89百万円(前年同期比103.2%)、非筆記具事業における連結売上高は29億9百万円(前年同期比125.4%)となりました。

また、損益につきましては連結営業利益が29億80百万円(前年同期比60.9%)、連結経常利益が41億14百万円(前年同期比78.3%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は27億円(前年同期比74.6%)となりました。

(参考URL 当社中期経営計画 https://www.pilot.co.jp/company/ir/management/plan.html)

 

各セグメント別の状況は以下のとおりです。

なお、各地域セグメント利益については、セグメント間取引消去前の金額で記載しております。

 

(日本セグメント)

ステイショナリー用品事業においては、国内販売ではインバウンドやノベルティ関連が、引き続き人気を集めました。店頭では昨年末に発売した「フリクションWaai(ワーイ)」が新たなターゲット層である若年層に販売好調であり、また「ジュース  クラシックカラー/くすみカラー」といった既存商品の新色追加も好評を得ました。その他、新学期に合わせ、「フリクションシナジーノック」の発売や、「アクロボール」のデザインアップデートを行い市場の活性化に努めました。今後の市場定着が期待されます。さらに、前期より当社グループとなった、手帳・ノート類等のデザインステイショナリーの企画・製造を行うマークス社の売上も貢献しました。一方、輸出においては、フィリピン等のアセアン諸国への売上が減少しました。

玩具事業においては、主力商品である「メルちゃん」シリーズや「おふろのおもちゃ」シリーズが好調に推移し、売上は増加しました。

産業資材・その他事業においては、産業資材事業の主力のセラミックス製品は半導体市況回復の兆しはあるものの、受注回復までには至らず、減収となりましたが、その他事業でマークス商品が売上に貢献しました。

セグメント利益は、労務費や広告費等の販管費は増加しましたが、子会社化したマークス社及び円安の影響により増益となりました。

 

以上の結果、当セグメントにおける外部顧客に対する売上高は94億91百万円(前年同期比104.9%)、セグメント利益は43億22百万円(前年同期比117.4%)となりました。

また、当セグメントにおける主要な事業の売上高につきましては、ステイショナリー用品事業は80億45百万円(前年同期比102.8%)となり、玩具事業は6億77百万円(前年同期比115.5%)、産業資材・その他事業は7億68百万円(前年同期比121.1%)となりました。なお、ステイショナリー用品事業の内訳は、筆記具が70億6百万円(前年同期比98.9%)、文具・その他が10億38百万円(前年同期比139.8%)となりました。

 

(米州セグメント)

米州地域につきましては、米国市場において、量販店の在庫コントロールを受けながらも、主力製品である「G-2(ジーツー)」は引き続きゲルインキボールペン市場でトップシェアを維持し、またブラジル市場においては、ホワイトボード用マーカー「Vボードマスター」を中心に伸長した結果、円安の影響も加わり、セグメント全体の売上は増収となりました。セグメント利益は、労務費や広告費等の販管費増加により減益となりました。

以上の結果、当セグメントにおける外部顧客に対する売上高は82億97百万円(前年同期比102.8%)、セグメント利益は1億24百万円(前年同期比35.8%)となりました。

 

(欧州セグメント)

欧州地域につきましては、市況の完全な復調には時間がかかっておりますが、欧州市場での主力製品である「フリクション」シリーズ等の売上が回復してきたこと、また円安の影響から売上は増収となりました。しかしながら、セグメント利益は、労務費や広告費等の販管費増加により減益となりました。

以上の結果、当セグメントにおける外部顧客に対する売上高は59億87百万円(前年同期比111.2%)、セグメント利益は2億86百万円(前年同期比97.2%)となりました。

 

(アジアセグメント)

アジア地域につきましては、中国において景気低調が継続したことに加え、その他の国においても主力製品のゲルインキボールペンの売上は減少しましたが、円安の影響からセグメント全体は増収となりました。セグメント利益は、労務費や広告費等の販管費増加により減益となりました。

以上の結果、当セグメントにおける外部顧客に対する売上高は50億21百万円(前年同期比102.4%)、セグメント利益は1億67百万円(前年同期比55.4%)となりました。

 

以上、各地域セグメント利益の合計は49億円(前年同期比106.0%)と増益となりましたが、連結調整額が△19億20百万円(主に棚卸資産に係る未実現利益の増加)となったことから、連結営業利益は29億80百万円(前年同期比60.9%)となりました。なお、未実現利益の増加は、前期末と当第1四半期連結会計期間末日の為替レートの差異や新学期商戦に向けた在庫積み増し等によるものです。

 

(2) 財政状態の状況

当第1四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末比58億8百万円増加し、1,722億77百万円となりました。

流動資産は、24億35百万円増加1,095億73百万円となり、固定資産は、33億73百万円増加627億3百万円となりました。

流動資産につきましては、「現金及び預金」が17億17百万円、「受取手形及び売掛金」が22億34百万円それぞれ増加したことによるものであります。

固定資産につきましては、有形固定資産が20億7百万円、「投資有価証券」が7億17百万円、「繰延税金資産」が5億47百万円それぞれ増加したことによるものであります。

負債は、前連結会計年度末比28億68百万円増加し、369億91百万円となりました。

流動負債は、30億4百万円増加345億72百万円となり、固定負債は、1億36百万円減少24億19百万円となりました。

流動負債につきましては、「短期借入金」が17億67百万円、「未払法人税等」が5億7百万円、「賞与引当金」が8億2百万円それぞれ増加したことによるものであります。

純資産は、前連結会計年度末比29億40百万円増加し、1,352億85百万円となりました。これにつきましては、「利益剰余金」が7億27百万円、「為替換算調整勘定」が17億円それぞれ増加したことによるものであります。

 

(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第1四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(4) 研究開発活動

当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は525百万円であります。