E02882 Japan GAAP
(1)経営成績の分析
当第3四半期累計期間における当社をとりまく環境は、米国においては、上半期までは堅調さを見せていた個人消費は、資産投資やレジャーが伸びる一方、生活用品や玩具等購入は消極化傾向で、安価品や値引き商材に消費が集中する様子が窺えます。
当社の米国向け輸出売上においては、消費者には一定の人気を保っている「Magna-Tiles」シリーズも、高額品は減少し手頃な価格のセットがセルアウトの中心に偏ってきています。また、ディストリビューターが当社以外の格安メーカーに注文をシフトしている状況から、当社の出荷数は今後継続的に減少していく流れにあります。さらに、前期はイレギュラーな出荷増であったため、期間対比で当期間売上も大きく減少となりました。
一方、日本国内経済の環境は、上半期に続き個人消費は物価高の影響を受け、家計の節約志向が強まる傾向にある中で、支出は玩具を含むモノ購入よりも飲食やレジャーなどへ流れ、特に当社のメイン商材である乳幼児玩具市場は低迷している様子が窺えます。
このような市場環境を受け、当社、国内販売では市場の減少並みの推移となりました。
他方、当期は自転車事業撤退に続き、お人形「ぽぽちゃんシリーズ」(ドール・メイキングトイカテゴリー)の製造終了を告知いたしましたところ、想定外の大きな反響をいただきました。ご愛顧くださいました消費者様からは、予想以上に温かいお言葉や御礼のお言葉を頂戴し、メディアからの取材依頼も現在も立て続いており、一時店頭在庫が欠品するなどセルアウトにまでつながりました。
経費では、再来期ローンチに向けた新事業開発投資約55百万円を含んでいるにも関わらず、当期は新発売商品の点数を絞りリソースを新事業開発に集約させたこと等で、広告費を主に経費全体で前年同期間を下回りました。
営業外収益及び特別利益では、前期発生した自転車リコールに伴う回収関連費用の保険補填9百万円の他、10月度に自転車事業譲渡契約に伴う事業譲渡益3百万円の計上等により、利益加算となりました。
以上の結果、当第3四半期累計期間の経営成績は、売上高43億92百万円(前年同期間比30.3%減)、営業利益3億93百万円(前年同期間比35.1%減)、経常利益は4億11百万円(前年同期間比31.0%減)、四半期純利益は2億87百万円(前年同期間比30.6%減)となりました。
前期通期報告にて説明いたしましたとおり、当社業績は収益性が徐々に悪化する状況が続いております。収益性悪化の本質的な原因は、当社の商品にはロングセラーカテゴリーが多く、それらの維持のために人的リソースを使い切ってしまっていたことにあると見ています。一つの商品カテゴリーを長く続けるほど競合品が出そろい、コモディティ化と価格競争が厳しくなり、維持することに年々大きなリソースがかかるようになりました。
根本的な状況打破のためには収益性の高い新事業、カテゴリーを新しく生み出すような大ヒットを作ることが肝要です。当社では、新事業を生み出すためのリソースをつくるため、まずは採算性が低く将来の成長を見込めない既存カテゴリーを順次終了させることを、積極的に行いました。
そうして生み出された人的リソースを新事業開発チームに最も多く割り当てつつ、新事業をスムーズに、スピーディに生み出せる新たな仕組みづくりを、中期的を見据えて現在行っています。直近ではパーパスのキーワード「子どもの好奇心」を起点に生まれた、8つの新事業チームが進行しており、2025年の春にその第一弾としてローンチし、「好奇心事業」を創造していく計画をしております。
一方、2025年の好奇心事業ローンチに向けて、当社の取り組みを広く認知していただくことが、商品ブランド育成にとって重要と考え、広報活動を積極的に行ってまいります。
前期、企業ブランド認知促進のため、広報チームを発足しました。「こどもSDGs」の活動がメディアの目に留まり、複数メディアに掲載されました。当期もSNSの活用やメディアへの継続的な広報活動を実施してまいります。
また、2023年4月13日に開催しました当社定時株主総会において、お子さま・お孫さま連れでの株主様ご参加を促し、「子どもまんなか株主総会」の第1回目を開催いたしました。その一部様子がこちらからご覧いただけます。(掲載記事2種)
PR TIMES STORY https://prtimes.jp/story/detail/qb6ovduOykB
X(旧Twitter) https://twitter.com/PRTIMES_TV/status/1648884197648478209
これら中期を見据えた施策を行いつつ、短期的な収益性改善策として、以下のような活動を継続的に行っております。
(1) ロングセラー商品の順次値上げ
(2) 現在ニーズのある商品を集中的にプロモーションし、お届けしていく活動
(3) 既存カテゴリーから、まだ接触できていないユーザーに刺さるような新商品の開発
これらの活用により、業績としては売上規模が縮小しつつも、円安が進む中、売上総利益は利益率改善が数値的にも表れてまいりました。
今後もこれらの活動を続けていく行きつつ、来期からはIR活動にも力を入れ、投資家の皆さまはじめ社会に向けて情報発信をさらに強化していく方針です。
(単位:千円)
当第3四半期会計期間末における資産合計は、前事業年度末から3億26百万円減少の26億88百万円となりました。資産の部では、流動資産が主に商品の減少等により、前事業年度末から2億88百万円減少の23億98百万円となり、固定資産では、主に有形固定資産の減少等により、前事業年度末から38百万円減少の2億90百万円となりました。
(負債)
負債では、流動負債で主に前受金の減少により、負債合計で前事業年度末から3億70百万円減少し、3億15百万円となりました。
(純資産)
純資産合計は、配当支払等の一方、四半期純利益計上により、前事業年度末より44百万円増加し、23億72百万円となり、結果、自己資本比率は88.3%となりました。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期累計期間において、当社の優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第3四半期累計期間の研究開発費の総額は、196,176千円です。