中央化学株式会社

上場廃止 (2023/03/16) 株式等売渡請求による取得 化学プラスチックスタンダード

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E02429 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当第3四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの新規感染者数が増加する状況下でも特別な行動制限は課されず、各種イベントの開催、外食、旅行、娯楽施設の利用者が増加する等により、個人消費は対面型サービスで回復の兆しを見せるなど、底堅く推移しております。一方、ロシアによるウクライナ侵攻は未だ終息の糸口も見えず、高騰する資源価格に加え、足許では円安、消費者物価の上昇等、不透明感が増している状況です。

当食品包装容器業界におきましては、イベント・行楽向け需要が回復しつつある一方、行動制限の緩和により巣籠り需要が減少に転じたことで、スーパーマーケット向けやテイクアウト・フードデリバリー向けの出荷は低調に推移しました。

一方、ウクライナ情勢の長期化や急激な円安の進行に伴う原油などの輸入資源価格の高騰は、一部落ち着きを見せ始めてはいますが、当社が使用する原材料の価格は依然として高止まりし、電力料や物流費等はいまだ上昇が続いております。

そのような状況の中、当社は各種原材料の見直しや、歩留改善、部品規格数の集約等による原価低減策など、あらゆる領域でコスト削減に取り組んでいますが、自助努力だけでコスト上昇分を吸収することは極めて困難な状況にあることから、一昨年の11月に続き、昨年5月にも再度販売価格改定を発表し、お客様へご理解頂くことに努めて参りました。

世界的に環境意識が高まる中、わが国では昨年4月より「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」が施行されましたが、当社では具体的な取り組み・行動として、環境配慮型素材・製品の開発・拡充、リサイクルの一層の推進に注力しております。

中国では、政府によるゼロコロナ政策が継続される中、工場所在地でのロックダウン等があり、また年末には一転してゼロコロナ政策が緩和されたことにより一気に感染が拡がりましたが、現地従業員の献身的な働きによりこれらの厳しい状況を乗り越え、製品供給を滞りなく進めることにより、食のインフラを支えるエッセンシャルワーカーとしての責務を果たしました。市場競争力強化に加え、環境面にも配慮した新素材・新製品の開発への取り組みを強化しています。

こうした活動の結果、当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高が37,983百万円(前年同四半期比3.8%増)、営業利益697百万円(前年同四半期比43.9%減)、経常利益506百万円(前年同四半期比60.4%減)、親会社株主に帰属する四半期純損益は固定資産減損損失770百万円等もあり275百万円の損失(前年同四半期は957百万円の利益)となりました。

 

所在地別セグメントの業績は次のとおりであります。

(日本)

環境配慮、ライフスタイルの変容、デジタル化の加速等、ウィズコロナ下で社会構造が劇的に変化しつつある中、当社として「変革、挑戦、開発」をスローガンに掲げ、以下施策を推進しております。

・環境配慮型素材・製品への注力

「C-APG」(リサイクルPETを原料とする)、「TALFA」(天然素材タルクを主原料とし石油由来プラスチック使用量を削減する)、「MAPKA」(紙を主原料とし石油由来プラスチック使用量を削減する)、「バイオCT」「バイオCF」(植物由来原料を使用したバイオマスプラスチックを含有する)の5素材を、CО2排出削減等に寄与する戦略素材と位置付け、新製品投入・品揃えの拡充を進めてまいりました。また、独自の発泡素材や薄肉化・トップシール化により軽量化を実現できる製品を拡販し、プラスチック使用量を減らす取り組みを強化しております。

・食品ロス削減に貢献するロングライフ容器の拡販

SDGsへの取り組みとして大変重要な課題の一つである食品ロス削減に寄与する製品として、ロングライフ容器「Ever Value」シリーズの提案・販売促進、及び拡大する冷凍食品市場への取り組みの強化を進めました。

・開発機能の強化

「環境」と「機能」を切り口に、市場ニーズの変化に迅速に対応すべく、市場開発・研究開発陣容を拡充すると共に、マーケティングを含めて社内横連携を強化しております。

・店頭回収及びリサイクルの強化

使用済みプラスチック食品容器を小売店の店頭などで自主的に回収し、ケミカルリサイクル・マテリアルリサイクル・サーマルリサイクルの3つの手法で、地域に合ったリサイクルに取り組んでいます。

この結果、当セグメントの売上高は32,232百万円(前年同四半期比5.4%増)、営業利益は770百万円(前年同四半期比33.6%減)となりました。

 

(アジア)

中国では、環境規制が日本以上に具体化されており、当社は中国での新素材・新製品の開発・拡充を加速しております。生分解性製品・紙製品の自社製造をスタートすると共に、木製カトラリー、パルプモールド等、新たな事業に参画し、中国における総合食品容器企業への変容を目指しております。

また、巨大市場、成長市場中国での市場シェア向上と、日本本社との連携強化を通じた企業価値向上に取り組んでまいります。

この結果、当セグメントの売上高は6,670百万円(前年同四半期比1.2%減)、営業利益は353百万円(前年同四半期比26.6%減)となりました。

 

当第3四半期連結会計期間末の財政状態は次のとおりであります。

 

当第3四半期連結会計期間末における総資産は、建物及び構築物の減少467百万円や機械装置及び運搬具の減少337百万円、建設仮勘定の減少242百万円等があった一方、受取手形、売掛金及び契約資産の増加2,946百万円や現金及び預金の増加1,202百万円等により、前連結会計年度末に比べ3,141百万円増加し40,488百万円となりました。

負債は、長期借入金の減少1,071百万円等があった一方、短期借入金の増加2,000百万円や支払手形及び買掛金の増加1,813百万円等により、前連結会計年度末に比べ3,401百万円増加し30,217百万円となりました。

純資産は、親会社株主に帰属する四半期純損失275百万円等により、前連結会計年度末に比べ260百万円減少し10,271百万円となり、自己資本比率は25.4%となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は、4,425百万円となり前連結会計年度末に比べ1,196百万円の増加となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動による資金の増加は、1,840百万円(前年同四半期は842百万円の増加)となりました。これは、売上債権の増加による支出2,954百万円や税金等調整前四半期純損失247百万円等があった一方、仕入債務の増加による収入2,536百万円や減価償却費1,376百万円等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動による資金の減少は、587百万円(前年同四半期は211百万円の減少)となりました。これは、固定資産の取得による支出403百万円や有価証券の増加による支出210百万円等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動による資金の減少は、69百万円(前年同四半期は688百万円の減少)となりました。これは、短期借入金の純増加額2,000百万円があった一方、長期借入金の返済による支出1,437百万円やリース債務の返済による支出632百万円によるものであります。

 

 

(3)事業上および財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、当連結会社の事業上及び財務上の対処すべき課題に、重要な変更および新たに生じた課題はありません。

 

(4)研究開発活動

当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は、348百万円であります。

なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。