売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E00710 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

(1) 財政状態及び経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、経済活動の正常化に伴いインバウンド需要は一時コロナ禍前を上回る状況が発表されるなど、個人消費は緩やかな回復が続きましたが、原材料・エネルギー価格の高止まりや継続する物価上昇など設備投資や個人消費が下振れする懸念要素もあり、依然として不透明な状況が続いております。

こうした状況のもと、当社グループのディスクロージャー関連事業に関係が深い国内株式市場においては、国内景気の回復および業績好調な半導体関連株や円安を背景に輸出関連株の買いが膨らみ、2月下旬には日経平均株価が34年ぶりに最高値を更新するなど、30,000円台から39,000円台の水準で推移しました。

通訳・翻訳事業は、特に通訳事業における主たる事業領域である、大規模な国際会議やイベントの開催が対面やオンラインにより増えており、これに伴う通訳機会も大幅に回復してきております。

このような事業環境において、当社グループは情報開示充実への要請とWeb化、オンライン化、事業体のグローバル化への動きは今後も一層進展していくものと考えております。

企業価値の拡大を目指すお客様のニーズは多様化しており、当社グループはそれにお応えするべく、お客様の決算開示実務の一層の利便性向上を推進する統合型ビジネスレポートシステム「WizLabo(ウィズラボ)」をリリースし、導入社数の増加に注力してまいりました。また、コーポレートガバナンス・コード適用や東京証券取引所における2022年4月からの新市場区分への移行に伴い、積極性を増すステークホルダーとの対話や非財務情報開示の充実化への需要に対する製品やサービスの提供、「ネットで招集」や株主総会の動画配信(ライブ・オンデマンド)をはじめとする株主総会プロセスの電子化への対応にも取り組んでまいりました。

また、afterコロナにおいても一定規模でリモートワークや遠隔会議の環境は定着しております。通訳事業で普及している遠隔同時通訳プラットフォーム“interprefy”は、従来よりも安価で簡便な形での大規模なイベントの通訳や、海外での会議における通訳者の海外渡航を伴わない国内からの通訳を可能にしております。これは、これからの経済社会の変化において通訳事業が成長するための基盤の一つを構築するものになると捉えております。

 

その結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は20,860百万円(前年同四半期比1,202百万円増、同6.1%増)となりました。利益面については、営業利益は2,813百万円(同277百万円増、同10.9%増)、経常利益は2,912百万円(同224百万円増、同8.3%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は1,964百万円(同239百万円増、同13.9%増)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

なお、セグメントの業績数値は、セグメント間の内部売上高または振替高を相殺消去し記載しております。

(ディスクロージャー関連事業)

当セグメントにおきましては、統合型ビジネスレポートシステム「WizLabo」や統合報告書の売上が増加したことにより、売上高は14,547百万円(同886百万円増、同6.5%増)、セグメント利益は2,073百万円(同443百万円増、同27.2%増)となりました。

 

「ディスクロージャー関連事業」を製品区分別にご説明いたしますと、次のとおりであります。

なお、当セグメントにおいて売上区分の見直しを行い、従来「IR関連製品」及び「その他製品」に区分して
おりました「ディスクロージャー翻訳」及び「株主総会関連製品」を顧客へ提供する役務内容の変化に合わせて、「金融商品取引法関連製品」及び「会社法関連製品」に区分変更しており、前第3四半期連結累計期間の数
値を変更後の売上区分に組み替えております。

・金融商品取引法関連製品

統合型ビジネスレポートシステム「WizLabo」の導入顧客数の増加や、金融商品取引法関連文書の翻訳の売上が増加したことにより、売上高は6,097百万円(同366百万円増、同6.4%増)となりました。

・会社法関連製品

お得意様の多くが3月決算会社のため、株主総会関連製品の納品が5月から6月に集中します。株主総会招集通知の早期開示傾向の影響により、関連する売上が前連結会計年度の2023年5月に移行する傾向が見られ、売上高は2,988百万円(同87百万円減、同2.8%減)となりました。

・IR関連製品

統合報告書の売上が増加したことにより、売上高は4,151百万円(同213百万円増、同5.4%増)となりました。

・その他製品

WEB関連、公告関連売上が増加したことや、企業の開示プロセス支援に係るシステム開発の受注などにより、売上高は1,309百万円(同393百万円増、同42.9%増)となりました。

 

なお、当セグメントの売上高はお得意様の決算期が3月に集中していることに伴い季節的変動があり、第1四半期および第4四半期の売上高が他の四半期に比べて多くなる傾向があります。

 

(通訳・翻訳事業)

当セグメントにおきましては、売上高は6,313百万円(同315百万円増、同5.3%増)となりました。

通訳事業では、コロナ禍で増加した社内会議需要が安定して推移したことに加えて、経済活動の正常化の戻りとともに、日本での国際会議やイベントも多く開催されました。また、海外出張や対面での会議も戻り、対面とオンラインの組み合わせによるハイブリッド型会議など様々な形式で受注件数が増え、売上が増加しました。

翻訳事業においては、企業活動の活発化から経営、広報関連の翻訳需要は増加しているものの、前年同四半期に比べ若干下回る結果となりました。

利益面では、売上増加に加え生産性向上などにより、セグメント利益は484百万円(同43百万円増、同9.9%増)となりました。

 

また、当第3四半期連結会計期間における財政状態の概況は次のとおりであります。

・資産

流動資産は、前連結会計年度末に比べて1,427百万円(7.3%)減少し、18,043百万円となりました。これは、現金及び預金が917百万円増加し、受取手形、売掛金及び契約資産が2,142百万円、仕掛品が190百万円それぞれ減少したことなどによります。

固定資産は、前連結会計年度末に比べて313百万円(2.2%)減少し、13,659百万円となりました。これは、ソフトウエア仮勘定が32百万円、繰延税金資産が150百万円それぞれ増加し、のれんが157百万円、顧客関連資産が82百万円、ソフトウエアが267百万円それぞれ減少したことなどによります。

この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて1,741百万円(5.2%)減少し、31,702百万円となりました。

・負債

流動負債は、前連結会計年度末に比べて2,849百万円(39.6%)減少し、4,339百万円となりました。これは、賞与引当金が532百万円増加し、買掛金が1,141百万円、未払費用が1,249百万円それぞれ減少したことなどによります。

固定負債は、前連結会計年度末に比べて80百万円6.9%)増加し、1,252百万円となりました。これは、繰延税金負債が28百万円、退職給付に係る負債が73百万円それぞれ増加し、長期借入金が21百万円減少したことなどによります。

この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて2,768百万円(33.1%)減少し、5,592百万円となりました。

 

・純資産

純資産合計は、前連結会計年度末に比べて1,027百万円(4.1%)増加し、26,109百万円となりました。これは、親会社株主に帰属する四半期純利益1,964百万円の計上による増加と剰余金の配当976百万円などによります。

 

(2) 経営方針・経営戦略等

当第3四半期連結累計期間において、当社グループの経営方針・経営戦略等に重要な変更はありません。

 

(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上および財務上の課題に重要な変更および新たに生じた課題はありません。

 

(4) 研究開発活動

該当事項はありません。

 

(5) 従業員数

当第3四半期連結累計期間において、連結会社又は提出会社の従業員数の著しい増減はありません。

 

(6) 生産、受注及び販売の実績

当第3四半期連結累計期間において、生産、受注及び販売実績の著しい変動はありません。

また、当社グループにおけるディスクロージャー関連事業の売上高については、お得意様の決算期が3月に集中していることに伴い季節的変動があり、第1四半期および第4四半期の売上高が他の四半期に比べて多くなる傾向があります。

 

(7) 主要な設備

当第3四半期連結累計期間において、主要な設備の著しい変動はありません。