売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E01118 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

 
a.経営成績

当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響による行動制限の解除に伴い経済活動の正常化が進み、緩やかな回復傾向にあります。一方で、国際情勢に起因するエネルギー価格や原材料価格の高騰、為替相場の変動等により消費者物価は上昇し、依然として先行きの不透明な状況が続いております。

靴業界におきましても、原材料価格、商品仕入原価の高騰等により厳しい経営環境が続くなか、外出機会の増加等により需要は回復基調となったものの、商品価格の上昇に伴い、高付加価値商品と値ごろ感のある商品への消費の二極化傾向が顕著となりました。

このような環境のなか、当社グループは3ヵ年の中期経営計画(2023年度から2025年度)に基づき、抜本的な構造改革による収益性の改善とデジタルデータの利活用による顧客経験価値の高いビジネスモデルの構築を重点課題に掲げ、ブランドごとのコンセプトやペルソナを明確にし、お客さまのニーズやライフスタイルの変化に適切かつ迅速に対応した商品・サービス等を提供することで、実店舗とEコマースのどちらでも、お客さまとの価値共創やお買い物ができる環境整備に取り組んでまいりました。

商品・販促面につきましては、猛暑や暖冬の影響により季節商材の需要期が大きく変化しているなか、販促施策や商品MDサイクルの見直しを図っております。

売上高につきましては、秋冬商戦は9月から11月の気温が例年に比べ高めに推移し、ブーツ等季節商材の初動が遅れましたが、直営小売店舗や都市型の百貨店業態を中心に、外出機会の増加やインバウンド需要の復調もあり、当社が得意とする、高品質・高付加価値や快適性・デザイン性を追求した、比較的季節に左右されない商品の販売が堅調に推移いたしました。しかしながら、靴卸売事業における郊外型店舗や量販業態等では、消費者物価上昇に伴う低価格・節約志向等もみられ、中・高価格帯の当社商品の取り扱いが減少、苦戦したこともあり、全体の売上高は前年同四半期比で、2.3%の増収に留まりました。

利益面につきましては、原材料価格、商品仕入原価の高騰等により一部商品の価格改定を行うとともに、展開アイテムの適正化及び在庫効率改善施策を実施し、値引額や滞留在庫品は減少したものの、事業活動の正常化に伴う販売費及び一般管理費の増加等により営業利益、経常利益ともに前年実績を下回りました。

また、前年は第1四半期連結会計期間においてグループ通算制度移行に伴い、法人税等調整額197百万円(益)の計上があったことから、親会社株主に帰属する四半期純利益は前年実績と比較して大幅に減少しております。

以上の結果、当第3四半期連結累計期間の業績につきましては、売上高は16,508百万円 (前年同四半期比 2.3%増) 、営業利益は89百万円 (前年同四半期比33.3%減) 、経常利益は178百万円 (前年同四半期比36.4%減) 、親会社株主に帰属する四半期純利益は101百万円 (前年同四半期比77.9%減) の計上となりました。

 

 

セグメントごとの経営成績を示すと、次のとおりであります。

 

① 靴小売事業

靴小売事業では、WEBコンテンツを介したコーディネート・商品提案や需要期の販促提案、SNSを活用したお客さまとの情報共有等、オムニチャネル化の推進による顧客接点の拡大と顧客経験価値の向上に注力いたしました。

国内直営小売店の売上高は、主力の「リーガルシューズ店」では、実需期に合わせた販促キャンペーンや展開商品の見直し等により、10月から12月 (第3四半期) の売上高は前年同期間比で 7.2%の増収となりました。例年に比べ気温が高めに推移したことにより、ブーツ等季節商材の需要は減少傾向にあるものの、コロナ禍を契機とした価値観の変化等により、安心感のあるベーシックな定番商品が見直されるとともに、良いものを長く使いたい品質重視の傾向が高まっており、高品質、高付加価値な商品の需要は高く、季節に左右されないON・OFF兼用等汎用性の高い革靴の販売が好調に推移したこともあり、第3四半期連結累計期間における売上高は、前年同四半期比で 5.0%の増収となりました。

また、「アウトレット店」につきましても、インバウンド需要の回復、各種イベントや行楽等外出機会の増加もあり、前年同四半期比で 6.7%の増収となりましたが、ECサイトである「リーガルオンラインショップ」につきましては、対面型サービスの復調に伴い実店舗への集客が増加したこと等により、前年同四半期比で 1.7%の増収に留まりました。

サステナビリティへの取組みとしまして、小売店舗内に有料の「シューケアサービスコーナー」の設置を積極的に行っており、当第3四半期連結累計期間のシューケアサービスの受注件数 (施術数) は、前年同四半期比で10.5%の増加、靴販売足数に対する受注件数の割合は29.1%となりました。(国内直営小売店実績)

お客さまが購入後の靴を適切なメンテナンスやケアにより長くご愛用いただけるようサポートしております。(直営小売店109店舗設置済)

当第3四半期連結累計期間の店舗展開につきましては、7店舗を出店、3店舗を移転改装し、不採算店舗3店舗を閉店いたしました。(直営小売店の店舗数 117店舗、前連結会計年度末比 4店舗増)

この結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は10,156百万円 (前年同四半期比 3.5%増) 、営業利益は156百万円 (前年同四半期比22.7%減) となりました。

 

② 靴卸売事業

靴卸売事業では、取引先の減少・売場縮小等が進むなか、収益性の改善に向けた既存取引先への販売方法の見直しや新たな顧客創造としての新規取引先開拓に取り組んでまいりました。

業態別では、主力の百貨店業態につきましては、首都圏を中心に都市型店舗では、人流や各種イベントの増加、インバウンド需要の回復等により、比較的単価の高いビジネスシューズやカジュアルシューズの動向は回復基調で、昨年11月に実施した価格改定の効果もあり、売上足数は微減ながらも、売上高は堅調に推移いたしました。一方で地方の百貨店やショッピングモール、大型チェーン店等では店舗運営の効率化や消費者物価上昇の影響による低価格志向も見られ、当社商品の取り扱いが減少したことなどにより低調に推移いたしました。

また、各種企業向けOEM等の開発提案や新業態・業種への新規取引先開拓、同業他社やアパレル企業、インフルエンサーとのコラボレーションやセレクトショップとのイベント開催等を積極的に行い、新たな販路・顧客も徐々に増加しております。

今後も引き続き、展開アイテム数の適正化と効率化を図り、在庫効率の改善と販売・販促方法の見直しを行うことにより、収益性の改善に注力するとともに、ライフスタイルや取引先のニーズの変化に対応した商品提案を行ってまいります。

この結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は6,345百万円 (前年同四半期比 0.8%増) 、営業損失は80百万円 (前年同四半期は営業損失94百万円) となりました。

 

③ その他

報告セグメントに含まれない不動産賃貸料の収入など、その他事業の当第3四半期連結累計期間の売上高は103百万円 (前年同四半期比8.8%減) 、営業利益は3百万円 (前年同四半期比62.0%減) となりました。

 

 

b.財政状態

当第3四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ 623百万円減少し、26,876百万円となりました。

このうち、流動資産の残高は15,591百万円と、前連結会計年度末に比べ 1,546百万円減少しております。

これは、商品及び製品が 856百万円増加したものの、現金及び預金が 2,041百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が 349百万円減少したことなどが主な要因であります。

固定資産の残高は11,285百万円と、前連結会計年度末に比べ 922百万円増加しております。

これは、保有株式の株価上昇などにより投資有価証券が 1,164百万円増加したことなどが主な要因であります。

当第3四半期連結会計期間末における負債の部の合計は、前連結会計年度末に比べ 1,537百万円減少し、14,998百万円となりました。

このうち、流動負債の残高は12,626百万円と、前連結会計年度末に比べ 2,060百万円増加しております。

これは、支払手形及び買掛金が 876百万円減少したものの、2017年3月及び2021年3月に締結したシンジケートローンの返済期限が2024年4月末であるため、長期借入金からの振替等により短期借入金が 3,201百万円増加したことなどが主な要因であります。

固定負債の残高は 2,371百万円と、前連結会計年度末に比べ 3,598百万円減少しております。

これは、2017年3月及び2021年3月に締結したシンジケートローンの返済期限が2024年4月末であるため、短期借入金への振替等により長期借入金が 3,741百万円減少したことなどが主な要因であります。

当第3四半期連結会計期間末における純資産の部の合計は、11,878百万円と、前連結会計年度末に比べ 914百万円増加しております。

これは、保有株式の株価上昇などによりその他有価証券評価差額金が 937百万円増加したことなどが主な要因であります。

 

(2) 経営方針・経営戦略等

当第3四半期連結累計期間において、当社グループの経営方針・経営戦略等について、重要な変更はありません。

 

(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(4) 財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針

当第3四半期連結累計期間において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はありません。

 

(5) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は86百万円であります。

なお、当第3四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(6) 従業員数

当第3四半期連結累計期間において、従業員数に著しい変動はありません。

 

(7) 生産、商品仕入、受注及び販売の実績

当第3四半期連結累計期間において、生産、商品仕入、受注及び販売の実績に著しい増減はありません。

 

(8) 主要な設備

当第3四半期連結累計期間において、主要な設備の著しい変動はありません。

 

 

(9) 経営成績に重要な影響を与える要因

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は、「事業等のリスク」に記載したとおり、当第3四半期連結累計期間において重要な変更はありません。

 

(10) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループの事業資金については、自己資金、金融機関からの借入金により資金調達を行っております。金融機関からの借入金については長短期借入金やシンジケートローンなど、種々の調達方法を検討し対応しております。

当第3四半期連結会計期間末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は10,245百万円となっております。また、当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は 4,573百万円となっており、手元流動性は十分と認識しております。