売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E00858 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

①経営成績の状況

 当第3四半期連結累計期間における世界経済は、新型コロナウイルス感染症による経済活動への影響からは回復し持ち直してきていますが、ウクライナ情勢の長期化や物価上昇、インフレ抑制のための金融引締めなどにより景気の減速感が強まりました。日本経済は、新型コロナウイルス感染症が感染症法上の5類への移行に伴う制限緩和などにより個人消費などが持ち直し、緩やかな回復基調となりましたが、物価上昇や海外需要の生産・輸出への影響、金融資本市場の変動などから先行き不透明な状況となりました。

 国内発泡プラスチック業界におきましては、物価上昇による影響があり、水産・農業分野向けなどでは需要の回復は足踏み状態となりましたが、自動車分野向けでは半導体などの部品供給不足の緩和もあり回復傾向となりました。

 このような状況のもと当社グループは、中期経営計画「Change for Growth」の基本コンセプトである「経済価値だけでなく、顧客や社会の課題解決などの社会的価値へと提供価値を拡大」及び「経営基盤の強化」に向け変革戦略を推進し、資本収益性や成長性の向上、環境対応型製品やプラスチック資源循環でのサステナビリティ経営など、更なる企業価値向上に取り組んでおります。

 当社グループの経営成績は、海外での販売増加や製品価格改定などにより売上高は前年同期を上回りました。営業利益は、売上の増加やコスト削減などから前年同期を上回りました。

 これらの結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は、102,437百万円(前年同期比3.4%増)となりました。利益面では、営業利益は6,426百万円(同177.5%増)、経常利益は6,855百万円(同148.1%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は5,386百万円(同155.3%増)となりました。

 

 セグメントごとの経営成績を示すと、次のとおりであります。

 

(押出事業)

 食品容器用の発泡ポリスチレンシート「スチレンペーパー」を中心とした生活資材製品は、食品トレー向け分野に加え、広告宣伝用ディスプレイ材「ミラボード」の販売も減少したことから売上は減少しました。

 産業用包装材やフラットパネルディスプレイ向けの発泡ポリエチレンシート「ミラマット」を中心とした産業資材製品は、付加価値の高い製品の販売は回復傾向にあるものの、想定に比べ需要回復は鈍く減少し、汎用製品も減少したことから売上は減少しました。

 発泡ポリスチレン押出ボード「ミラフォーム」を中心とした建築土木資材製品は、土木分野向けの販売は前年同期並みでしたが、建築・住宅分野向けは増加し、製品価格改定や付加価値の高い製品の販売が増加したこともあり売上は増加しました。

 押出事業全体としては、販売は減少しましたが、製品価格改定などから売上は前年同期並みでした。利益面では、ユーティリティコスト高騰の影響はありましたが、付加価値の高い製品の販売増加やコスト削減により増益となりました。

 これらの結果、押出事業の売上高は32,219百万円(前年同期比0.7%増)、営業利益は1,947百万円(同21.9%増)となりました。

 

(ビーズ事業)

 世界各国で製造販売している発泡ポリプロピレン「ピーブロック」を中心とした高機能材製品は、非自動車分野が好調に推移したことなどから販売が増加し売上は増加しました。

 地域ごとの販売数量概況は、国内では、自動車分野は増加しましたが、ハイブリッド成形品「FOAMCORE」などは減少し前年同期並みでした。北米では、自動車分野が減少しましたが通い函などが好調に推移し増加しました。南米では、自動車分野は増加しました。欧州では、自動車分野は減少しましたがHVAC向けが好調に推移し増加しました。中国では、自動車分野は回復傾向となりましたが包装材分野が好調であった前年同期からは減少しました。台湾では、包装材分野は減少しました。東南アジアでは、包装材分野減少の影響はありましたが前年同期並みでした。

 発泡性ポリスチレン「スチロダイア」を中心とした発泡性ビーズ製品は、水産・農業分野などでの需要の影響により販売が減少したことから売上は減少しました。

 ビーズ事業全体としては、販売は減少しましたが高機能材製品の販売増加や製品価格改定により売上は増加しました。利益面では、ユーティリティコストや人件費高騰の影響はありましたが、売上の増加やコスト削減により増益となりました。

 これらの結果、ビーズ事業の売上高は65,873百万円(前年同期比6.1%増)、営業利益は5,275百万円(同297.7%増)となりました。

 

(その他)

 一般包材は、国内では、自動車部品輸送関連等の需要の影響により売上は減少しました。中国では、各種部品関連の需要が低調に推移したことにより売上は減少しました。

 これらの結果、その他の売上高は4,345百万円(前年同期比12.8%減)、営業利益は52百万円(同65.7%減)となりました。

 

②財政状態の状況

 当第3四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ8,897百万円増加し153,425百万円となりました。流動資産は、6,086百万円増加し79,909百万円となりました。増加の主な要因は、受取手形及び売掛金が3,605百万円、電子記録債権が2,310百万円増加したことなどによるものです。固定資産は、2,810百万円増加し73,516百万円となりました。増加の主な要因は、機械装置及び運搬具(純額)が2,086百万円増加したことなどによるものです。

 当第3四半期連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ4,940百万円増加し53,345百万円となりました。流動負債は、5,058百万円増加し41,502百万円となりました。増加の主な要因は、支払手形及び買掛金が1,954百万円、短期借入金が2,497百万円増加したことなどによるものです。固定負債は、117百万円減少し11,843百万円となりました。

 これらの結果、当第3四半期連結会計期間末の純資産合計は100,080百万円、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ1.3ポイント減少し62.2%となりました。

 

③キャッシュ・フローの状況

 キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、増加要因である税金等調整前四半期純利益6,895百万円、減価償却費5,550百万円、仕入債務の増加額1,859百万円などに対し、減少要因である売上債権の増加額4,271百万円、法人税等の支払額762百万円などにより、差引き9,894百万円の収入(前年同期比5,702百万円増)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得による支出4,508百万円などにより、5,380百万円の支出(同325百万円増)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の純増加額2,360百万円、長期借入れによる収入2,500百万円に対し、長期借入金の返済による支出3,620百万円、自己株式の取得による支出6,041百万円、配当金の支払額1,490百万円などにより、差引き6,762百万円の支出(前年同期は802百万円の収入)となりました。

 

 これらの結果、当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ841百万円減少し、13,855百万円となりました。

(2)経営方針・経営戦略等

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(4)研究開発活動

 当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は1,762百万円であります。