売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E02362 IFRS


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営成績の分析

当第3四半期連結累計期間における我が国経済は、一部に足踏みが見られますが、雇用環境の改善やサービス分野を中心とする個人消費の持ち直しもあり緩やかに回復しております。海外においては、米国では個人消費や住宅投資が増加し景気回復の動きが見られました。欧州では金融引き締めの影響もあり、消費や生産が弱含みで推移しております。中国では個人投資や設備投資が伸び悩み、景気は足踏みの動きが見られます。中東地域の情勢変化や不安定な中国経済に伴う下振れリスクは残り、依然として世界的に景気の先行きは不透明な状況が続いております。

 

このような状況の中、当第3四半期連結累計期間の売上収益は、エントリーモデルを中心としたデジタルピアノの需要の戻りが欧米市場で想定より遅れたことや、中国市場の市況低迷の長期化により、楽器の販売が伸び悩んだものの、法人向け音響機器の販売回復に加え、為替の円安による影響もあり前年同期に対し35億67百万円(1.1%)増加の3,417億88百万円となりました。

当第3四半期連結累計期間の損益については、事業利益は、楽器事業の売上減少と在庫削減のための生産調整などにより、前年同期に対し109億37百万円(28.2%)減少の277億98百万円、親会社の所有者に帰属する四半期利益は、製造戦略の見直しにより、中国のピアノフレーム製造工程に対する21億47百万円の減損損失を計上したことなどから、前年同期に対し92億85百万円(30.9%)減少の207億19百万円となりました。

(注)事業利益とは、売上総利益から販売費及び一般管理費を控除して算出した日本基準の営業利益に相当するものであります。

 

セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。

① 楽器事業

当第3四半期連結累計期間の売上収益は、前年同期に対し23億71百万円(1.0%)減少の2,280億62百万円となりました。アコースティックピアノは、中国での販売不振が響き減収となりました。電子楽器は、エントリーモデルの需要減により減収となりました。管弦打楽器は、日本、欧州での需要回復などにより売上を伸ばし増収となりました。

事業利益は、前年同期に対し100億32百万円(32.0%)減少の213億52百万円となりました。

 

② 音響機器事業

当第3四半期連結累計期間の売上収益は、前年同期に対し101億4百万円(13.3%)増加の862億45百万円となりました。個人向け事業は、市況の低迷が継続し減収となりました。法人向け事業は、業務用音響機器の需要回復と新商品効果により大幅な増収となりました。

事業利益は、前年同期に対し23億85百万円(139.5%)増加の40億94百万円となりました。 

 

③ その他の事業

当第3四半期連結累計期間の売上収益は、前年同期に対し41億65百万円(13.2%)減少の274億80百万円となりました。電子デバイスは増収となり、FA機器、ゴルフ用品は減収となりました。

事業利益は、前年同期に対し32億90百万円(58.3%)減少の23億52百万円となりました。

 

 

(2) 財政状態の分析

当第3四半期連結会計期間末の資産合計は、前期末の5,942億9百万円から329億91百万円(5.6%)増加し、6,272億円となりました。

流動資産は、前期末から68億45百万円(2.0%)増加し、3,535億30百万円となり、非流動資産は、261億45百万円(10.6%)増加し、2,736億69百万円となりました。流動資産では、為替変動、一部製品の販売不振等の影響により棚卸資産が増加しました。また、これに加え、有形固定資産の取得、自己株式の取得、配当金の支払い等により現金及び現金同等物が減少しました。非流動資産では、保有有価証券の時価上昇により金融資産が増加しました。また、設備投資により固定資産が増加しました。

当第3四半期連結会計期間末の負債合計は、前期末の1,362億65百万円から80億42百万円(5.9%)増加し、1,443億8百万円となりました。

流動負債は、前期末から21億72百万円(2.3%)増加し、972億75百万円となり、非流動負債は、58億70百万円(14.3%)増加し、470億32百万円となりました。非流動負債では、保有有価証券の時価変動に対して認識する繰延税金負債が増加しました。

 当第3四半期連結会計期間末の資本合計は、前期末の4,579億44百万円から249億48百万円(5.4%)増加し、4,828億92百万円となりました。四半期利益により利益剰余金が増加しました。また、為替変動の影響及び保有有価証券の時価上昇によりその他の資本の構成要素が増加しました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

 当第3四半期連結累計期間において現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、138億63百万円減少(前年同期は584億42百万円減少)し、期末残高は900億23百万円となりました。

 

① 営業活動によるキャッシュ・フロー

当第3四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、主として税引前四半期利益により、261億1百万円の収入(前年同期は主として税引前四半期利益に対し、棚卸資産が増加したことに加え、2022年3月期の投資有価証券の売却による法人所得税の支払いもあり、270億57百万円の支出)となりました。

 

② 投資活動によるキャッシュ・フロー

当第3四半期連結累計期間の投資活動によるキャッシュ・フローは、主として横浜シンフォステージ(神奈川県横浜市)及び本社新オフィス棟建設(静岡県浜松市)の投資を含む有形固定資産等の取得により、208億22百万円の支出(前年同期は主として有形固定資産の取得により77億16百万円の支出)となりました。

 

③ 財務活動によるキャッシュ・フロー

当第3四半期連結累計期間の財務活動によるキャッシュ・フローは、主として自己株式の取得、配当金の支払いにより、226億43百万円の支出(前年同期は主としてグループファイナンス拡大に伴う短期借入金の返済、配当金の支払いにより、252億86百万円の支出)となりました。

 

(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(5) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は、197億51百万円であります。

なお、当第3四半期連結累計期間における研究開発活動の状況に重要な変更はありません。