E02371 Japan GAAP
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 経営成績に関する説明
当社グループは中期経営計画「RISE TO GROWTH 2026」の初年度となる当期において、重点戦略7Flagsに基づいた各種施策を推進しております。当第1四半期連結累計期間は、持続的な成長力を高めるため、新しい働き方やその働き方を実装するオフィス空間などに対する付加価値提案、価値向上に重点を置いた営業活動の展開などにより、売上・利益の拡大を図ってまいりました。
なお、新中期経営計画と併せて、従来報告セグメントとしていた「IT・シェアリング事業」を再編し、報告セグメントを「ワークプレイス事業」と「設備機器・パブリック事業」の2セグメントに変更して記載しております。
(単位:百万円)
(ⅰ)売上高
前年同期比39億53百万円(10.7%)増収の409億18百万円となりました。
・ワークプレイス事業は、ハイブリッドな新しい働き方にあわせたリニューアル案件やオフィス移転などを中心に好調に推移しました。
・設備機器・パブリック事業は、前年同期に好調だった博物館、美術館の展示ケース等の公共施設向け設備における想定内での需要反動減はあるものの、研究施設向け設備における需要が好調に推移し、前年並みとなりました。
(ⅱ)売上総利益
前年同期と比較して16億24百万円(11.0%)増益の163億72百万円となりました。
・ワークプレイス事業は、原材料価格高騰の影響を見込みつつ、増収効果や提供価値の向上による利益率の改善により、大幅増益となりました。
・設備機器・パブリック事業は、原材料価格高騰の影響を見込みつつ、研究施設向け設備における需要拡大、販売強化による増収効果および利益率の改善により、前年並みとなりました。
(ⅲ)販売費及び一般管理費
人的資本投資の一環としての賃上げや専門人材の採用に加えて、DX推進のためのIT基盤強化等の将来の飛躍に向けた戦略的支出を計画通りに実行するとともに、構造改革プロジェクトによる物流費削減の継続等の販管費抑制の効果により、前年同期と比較して3億62百万円(3.6%)増の103億33百万円となりました。
(ⅳ)営業利益
以上の結果、営業利益は、前年同期比12億61百万円(26.4%)増益の60億39百万円となりました。
・ワークプレイス事業は、増収効果および提供価値の向上による利益率の改善により、大幅増益となりました。
・設備機器・パブリック事業は、研究施設向け設備の増収効果および提供価値の向上による利益率の改善により、大幅増益となりました。
(ⅴ)営業外収益
前年同期に為替差益があったこと等により、前年同期と比較して47百万円(37.8%)減少し78百万円となりました。
(ⅵ)営業外費用
借入金増加に伴う支払利息の増加等により、前年同期と比較して22百万円(28.7%)増加し1億2百万円となりました。
(ⅶ)経常利益
以上の結果、経常利益は前年同期と比較して11億91百万円(24.7%)増加し60億15百万円となりました。
(ⅷ)特別利益
前年同期と比較して同水準の0百万円となりました。
(ⅸ)特別損失
前年同期に固定資産除却損があったこと等により、前年同期と比較して10百万円(51.5%)減少し10百万円となりました。
(ⅹ)親会社株主に帰属する四半期純利益
以上の結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年同期と比較して8億4百万円(24.4%)増加し41億1百万円となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
(単位:百万円)
(2) 財政状態の状況
(単位:百万円)
(資産の部)
総資産は、好調な受注を背景とした受取手形、売掛金及び契約資産、電子記録債権の増加等により、前連結会計年度末に比べて100億22百万円増加し、1,274億59百万円となりました。
(負債の部)
負債合計は、自己株式取得のための短期借入金が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べて191億61百万円増加し、815億98百万円となりました。
(純資産の部)
純資産は、新株予約権の行使により資本金及び資本剰余金がそれぞれ増加したものの、自己株式の取得により、前連結会計年度末に比べて91億39百万円減少し、458億60百万円となりました。なお、自己資本比率は前連結会計年度末から10.9ポイント減少し35.9%となりました。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針(会社法施行規則第118条第3号本文に規定されるものをいい、以下「基本方針」という。)を定めており、その内容等は次のとおりであります。
Ⅰ.基本方針の内容
当社は、2008年2月18日開催の当社取締役会において基本方針を定めるとともに、2008年3月28日開催の当社第58回定時株主総会において、当社の企業価値・株主共同の利益を確保し、向上させることを目的として、当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)を導入いたしました。その有効期限の満了に合わせ、株主の皆様に継続のご承認をいただき、直近では、2023年3月23日開催の当社第73回定時株主総会にて承認されております(以下、最新の変更後の対応策を「本プラン」といいます。)。基本方針の内容は以下の通りとなります。
当社は、その株式を上場し自由な取引を認める以上、支配権の移転を伴う当社株式の大量取得提案に応じるか否かの判断は、最終的には株主の皆様の意思に委ねられるべきものと考えております。また、当社は大量取得行為であっても、当社の企業価値・株主共同の利益に資するものであれば、これを否定するものではありません。
しかしながら、大量取得提案の中には、①買付目的や買付後の経営方針等に鑑み、企業価値・株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、②株主の皆様に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、③対象会社の取締役会や株主の皆様が大量取得行為の条件等について検討し、あるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないもの等、対象会社の企業価値・株主共同の利益を毀損するものも少なくありません。
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業価値の源泉を十分に理解し、当社の企業価値・株主共同の利益の継続的な確保・向上に資する者であるべきであり、当社の企業価値・株主共同の利益を毀損するおそれのある大量取得提案を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として、適当ではないと考えます。したがって、このような者による大量取得行為に対しては必要かつ相当な手段を採ることにより、当社の企業価値・株主共同の利益を確保する必要があると考えます。
Ⅱ.基本方針の実現に資する取組みの概要
1.企業価値の源泉について
当社は、1890年に伊藤喜商店として大阪で創業後、大正、昭和、平成、令和と続く時代の変遷の中で、着実な足どりで日本経済の歴史とともに歩み、日本のオフィスの発展に大きな役割を果たしてきました。その間、1950年には製造部門が分離独立するなど時代に合った経営を行い発展してまいりましたが、2005年6月に新たな企業価値の創造に向けて、製販統合を行い、半世紀余ぶりにひとつの企業としての歴史を刻み始めました。
当社は、CS(顧客満足度)とES(従業員満足度)の両立を目指した事業活動に注力し、さらに企業としての社会的責任を最大限果たすことが存在意義であり、企業価値の源泉であると認識しております。ミッションステートメント「明日の『働く』を、デザインする。」のもと、オフィスをはじめとする様々な環境における課題解決に貢献し、新たな価値を生み出すことを目指してまいります。
2.企業価値向上のための取組みについて
当社は、製販統合時に中期経営計画「2008年ビジョン」を策定以降、これまで計9回の中期経営計画を策定し、経営努力を継続することにより、当社の企業価値向上に邁進してまいりました。
2021年に発表した中期経営計画「RISE ITOKI 2023」(ライズ イトーキ 2023)では、連結売上高 1,330億円、営業利益60億円とする目標を掲げ、着実な事業成長を実現しました。この間、当社をとりまく事業環境では、ハイブリッドワーク(※)に対する企業や働く人々の関心がコロナ禍を経て高まり、また人的資本投資が注目されることで、オフィスの在り方が経営課題の一つと言われるようになってきております。
このような環境変化を好機と捉え、さらなる事業成長を実現するため、2024年2月に、2024年から2026年までの3ヶ年の中期経営計画「RISE TO GROWTH 2026」(ライズ トゥ グロース 2026)を発表いたしました。当中期経営計画においては、「持続的な成長力を高める」ことをテーマとし、重点戦略「7 Flags」およびESG戦略を掲げています。これら戦略の下に展開される施策の実現を通じて、2026年に売上高1,500億円、営業利益140億円、ROE15%の達成を目指します。また、事業成長により得た利益は中長期視点での戦略投資として活用するとともに、ステークホルダーの皆様へ計画的に還元してまいります。
(※)出社型オフィスワークとテレワークを組み合わせた働き方
3.コーポレート・ガバナンスについて
当社は、企業倫理・遵法精神に基づき、コンプライアンスの徹底と経営の透明性、公正性を向上させ、また、積極的な情報開示に努めることで企業に対する信頼を高め、企業価値の向上を目指したコーポレート・ガバナンスの構築に取り組んでおります。
Ⅲ.本プランの内容(基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み)
1.本プランの継続の目的
本プランは、上記Ⅰ.に記載した基本方針に沿って、当社の企業価値・株主共同の利益を確保し、向上させる目的をもって継続されたものです。
本プランは、当社株式に対する大量取得提案が行われた際に、当該大量取得行為に応じるべきか否かを株主の皆様が判断し、あるいは当社取締役会が株主の皆様に代替案を提案するために、必要な時間及び情報を確保すると共に、株主の皆様のために大量買付者と協議・交渉等を行うこと等を可能とすることにより、当社の企業価値・株主共同の利益に反する大量取得行為を抑止することを目的としております。
当社取締役会は、引き続き基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための枠組みが必要であると判断し、2023年3月23日開催の当社第73回定時株主総会において株主の皆様のご承認をいただき、本プランを継続いたしております。
2.本プランの概要
本プランは買付者等が現れた場合に、買付者等に事前に情報提供を求める等、上記1.「本プランの継続の目的」を実現するための必要な手続を定めております。
買付者等が、本プランに定めた手続に従い、当該買付等が本プランに定める発動の要件に該当せず、当社取締役会において本プランを発動しない旨が決定された場合には、当該決定時以降、買付者等は当社株式の買付等を行うことができるものとされ、株主の皆様において買付等に応じるか否かをご判断いただくことになります。
一方、買付者等が本プランに定めた手続に従うことなく当社株式等の買付等を行う場合や、当該買付等が本プランに定める発動の要件を充たすような例外的な場合は、当社は、買付者等による権利行使は原則認められないとの行使条件及び当社が買付者等以外から当社株式と引換えに新株予約権を取得できる旨の取得条項が付された新株予約権を、当社取締役会等が別途定める割当期日における当社を除く全ての株主の皆様に対して、新株予約権無償割当ての方法で割り当てます。
本プランに従って新株予約権の無償割当てがなされ、その行使又は当社による取得に伴って買付者等以外の株主の皆様に当社株式が交付された場合には、買付者等の有する当社の議決権割合は最大50%まで希釈化される可能性があります。
当社は、本プランに従った新株予約権の無償割当ての実施、不実施又は取得等の判断については、取締役会の恣意性を排除するため、引き続き、当社経営陣から独立した委員による独立委員会を設置し、その客観的な判断を経るものとしております。また、当社取締役会は、これに加えて、本プラン所定の場合には株主の皆様の意思確認のため株主総会を招集し、新株予約権の無償割当て実施に関する株主の皆様の意思を確認することがあります。こうした手続の過程については、適宜株主の皆様に対して情報の公表又は開示を行い、その透明性を確保することとしております。
3.本プランの有効期間、廃止及び変更
本プランの有効期間は、2023年3月23日開催の当社第73回定時株主総会終結後3年以内に終結する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとします。
但し、有効期間の満了前であっても、当社株主総会において、もしくは当社株主総会で選任された取締役(当社取締役の任期は1年となっており、毎年の取締役の選任を通じ、株主の皆様のご意向を反映させることが可能です。)による取締役会において本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、本プランは当該決議に従い廃止されるものとします。
また、当社取締役会は、本プランの有効期間中であっても、本プランに関する法令、金融商品取引所規則等の新設又は改廃が行われ、かかる新設又は改廃を反映することが適切である場合、誤字脱字等の理由により字句の修正を行うことが適切である場合、又は当社株主の皆様に不利益を与えない場合等、2023年3月23日開催の当社第73回定時株主総会決議の趣旨に反しない場合には、独立委員会の承認を得た上で、本プランを修正し、又は変更する場合があります。
当社は、本プランが廃止、修正または変更された場合には、当該廃止、修正又は変更の事実、及び(修正または変更の場合には)修正、変更の内容その他の事項について、情報開示を速やかに行います。
Ⅳ.上記各取組みに対する当社取締役会の判断及びその理由
1.基本方針の実現に資する取組み(上記Ⅱ.)について
当社は、上記Ⅱ.に記載の各施策は、基本方針に沿って当社の企業価値・株主共同の利益を継続的かつ持続的に確保、向上するための具体的方策として策定されたものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。
2.基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み(上記Ⅲ.)について
当社は、以下の理由から本プランについて当社の企業価値・株主共同の利益を損なうものではなく、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。
(a) 本プランが基本方針に沿うものであること
本プランは、当社株券等に対する買付等が行われる場合に、当該買付等に応じるべきか否かを株主の皆様が判断し、あるいは当社取締役会が株主の皆様に代替案を提案するために必要な情報や時間を確保し、または株主の皆様のために買付者等と協議・交渉等を行うことを可能とすることにより、当社の企業価値・株主共同の利益を確保することを目的として改定され更新されたものであり、基本方針に沿うものです。
(b) 買収防衛策に関する指針の要件を完全に充足していること
本プランは、経済産業省及び法務省が2005年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則(企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、事前開示・株主意思の原則、必要性・相当性確保の原則)を完全に充足しております。また、経済産業省に設置された企業価値研究会が2008年6月30日に発表した報告書「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」及び東京証券取引所が2021年6月11日に改訂した「コーポレートガバナンス・コード」の「原則1-5 いわゆる買収防衛策」の内容も踏まえたものとなっております。
(c) 株主意思を重視するものであること
本プランは、2023年3月23日開催の当社第73回定時株主総会において株主の皆様のご承認をいただき、継続されております。
また、本プランは、有効期間を約3年間とするいわゆるサンセット条項が設けられており、かつ、その有効期間の満了前であっても、当社の株主総会において本プランを廃止する旨の決議がなされた場合には、本プランは、その時点で廃止されることになります。その意味で、本プランの消長は、当社株主の皆様の意思に基づくこととなっております。
(d) 独立性の高い社外者の判断の重視と株主への情報提供
当社は、本プランの継続にあたり、取締役の恣意的判断を排除し、株主の皆様のために、本プランの発動及び廃止等の運用に際しての実質的な判断を客観的に行う機関として引き続き独立委員会を設置しております。
独立委員会は、独立委員会規則に従い、当該買付等が当社の企業価値・株主の共同利益を毀損するか否かなどの実質的な判断を行い、当社取締役会はその判断を最大限尊重して会社法上の機関としての決議を行うこととします。このように、独立委員会によって、当社取締役の恣意的行動を厳しく監視すると共に、その判断の概要については株主の皆様に公表することとされており、当社の企業価値・株主共同の利益に資する範囲で本プランの透明な運営が行われる仕組みが確保されております。
(e) 合理的な客観的要件の設定
本プランは、合理的かつ詳細な客観的要件が充足されなければ発動されないように設定されており、当社取締役会による恣意的な発動を防止するための仕組みを確保しているものといえます。
(f) デッドハンド型やスローハンド型買収防衛策ではないこと
本プランは、当社の株券等を大量に買い付けた者が指名し、株主総会で選任された取締役により、廃止することが可能であるため、デッドハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交替させてもなお、発動を阻止できない買収防衛策)ではありません。また、当社取締役の任期は1年であり、当社は取締役の期差任期制を採用していないため、本プランはスローハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の交替を一度に行うことができないため、その発動を阻止するために時間を要する買収防衛策)でもありません。
(4) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は6億7百万円です。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の重要な変更はありません。