売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E02585 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 なお、前第3四半期連結会計期間において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、前第1四半期連結累計期間に係る各数値については、暫定的な会計処理の確定の内容を反映させております。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

① 経営成績

 当第1四半期連結累計期間(2023年12月1日~2024年2月29日)における我が国経済は、経済活動のコロナ禍からの正常化が進み、雇用・所得環境が改善するなかで、各種政策の効果もあって、回復の兆しを見せ始めている一方、原材料価格やエネルギーコストの高騰、長期的な円安傾向が加わり、物価上昇が止まらないなど、先行き不透明な状況となっております。

 このような状況のもと、当社グループでは、2030年11月期に向けた中長期ビジョン及び2026年11月期に向けた中期経営計画を推進し、更なる成長と企業価値の向上を目指す事業の運営を行ってまいりました。

 当第1四半期連結累計期間では、スペラファーマ株式会社(ファインケミカル事業)において開発受託が好調であったこと、マルマンH&B株式会社(HBC・食品事業)において自社企画の化粧品の販売が好調だったこと、岩城製薬株式会社(医薬事業)において医療用医薬品や医療機関専売化粧品新製品の販売が好調だったこと、また、東京化工機株式会社(化学品事業)において、受注件数が増加したことなどにより、売上高・営業利益ともに伸長いたしました。

 以上により、当第1四半期連結累計期間の売上高は134億2千6百万円(前年同期比5.0%増)、営業利益は4億5千4百万円(前年同期は9千2百万円の営業損失)、経常利益は4億8千万円(同6千4百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する四半期純利益は2億4千9百万円(同2億6百万円の親会社株主に帰属する四半期純損失)となりました。

 

 次にセグメントの概況につきご報告申し上げます。

 

ファインケミカル事業

 医薬品原料部門のスペラネクサス株式会社では、商社機能においてジェネリック医薬品向け原料や新薬向け中間体の販売に注力し、販売数量・販売価格ともに前年同期より向上したことにより、売上高は好調に推移いたしました。製造機能においては高薬理活性原薬製造設備の開発・受託案件の獲得に注力し一定の成果を上げましたが、一部の自社製造製品の販売数量が低下いたしました。

 CDMO部門のスペラファーマ株式会社では、大手新薬メーカーやベンチャー企業への営業活動を継続し、新規顧客の獲得に注力いたしました。また、受託案件の利益率向上を実現したほか、治験薬製造オペレーションの更なる効率化と専門的人材の増員による受託キャパシティの拡大を行った結果、売上高は前年同期を上回り好調に推移いたしました。また、JITSUBO株式会社では、海外のグローバルメガファーマなどを含むペプチド・核酸領域に存在感を持つ新薬メーカーに対する中分子原薬のプロセス開発案件の獲得に注力し、受注を増やしたほか、ペプチド基幹原料であるTagの販売に向けての体制構築を推進いたしました。岩城製薬佐倉工場株式会社では、受託案件の計画変更により生産量は減少しましたが、引き続き製造受託品の安定供給に注力するとともに、小集団活動などを通した製品品質及びオペレーション効率の継続的改善に取り組んでおります。その結果、CDMO部門全体では売上高・営業利益ともに前年同期を上回りました。

 以上により、当事業全体の売上高は55億1千2百万円(前年同期比20.6%増)、営業利益は7千5百万円(前年同期比194.9%増)となりました。

 

HBC・食品事業

 食品原料部門においては、売上高は低調に推移いたしました。しかしながら、消費者の健康意識の高まりに伴い、引き続き一般加工食品向け機能性食品原料の取引が拡大しております。また、加工食品・機能性食品の原料検索プラットフォームである「i-Platto(アイプラット)」の提供を前期下期より開始しており、多様化する顧客ニーズに迅速かつ的確に対応する機能を強化いたしました。

 化粧品原料部門においては、売上高は堅調に推移いたしました。しかしながら、前期より強化しておりますインサイドセールス組織による顧客対応力と、営業の効率化による成果が見え始めております。

 化粧品通販部門のアプロス株式会社においては、既存顧客のレスポンスの改善の兆しがあり、売上高は安定的に推移いたしました。引き続きターゲットを絞った効果的な販売促進施策を進めてまいります。マルマンH&B株式会社では、自社企画の健康食品や輸入化粧品の販売が堅調に推移いたしました。また、自社企画の化粧品「ピュレア」の販売が引き続き好調に推移いたしました。

 株式会社アインズラボでは、主要顧客の集まる東京地区での営業を強化した結果、受注が前年を上回り堅調に推移いたしました。

 なお、一般用医薬品等の卸売事業からの撤退により、売上高が大幅に減少しておりますが、不採算事業であったため、営業損益が改善しております。

 以上により、当事業全体の売上高は29億8千万円(前年同期比29.3%減)、営業利益は9千3百万円(前年同期は4千1百万円の営業損失)となりました。

 

医薬事業

 岩城製薬株式会社の医薬品部門では、2022年12月に発売したルリコナゾール軟膏・クリーム1%「イワキ」が順調に伸長したことに加え、昨年7月1日に帝人ファーマ株式会社より製造販売承認の承継を受けた先発品のボンアルファ®・ボンアルファ®ハイの販売が好調に推移いたしました。また、同業他社の一部製品が販売中止になったことを受け、ゲンタマイシン硫酸塩軟膏0.1%「イワキ」やピコスルファートナトリウム内用液0.75%「イワキ」などの販売が伸長いたしました。

 また、同社の美容医療部門では、医療機関専売化粧品であるNAVISION DRブランドの拡大に引き続き注力しており、主力の美白シリーズや日焼け止めシリーズの販売が好調に推移いたしました。

 以上により、当事業全体の売上高は23億9千9百万円(前年同期比21.1%増)、営業利益は1億8千2百万円(前年同期は9百万円の営業損失)となりました。

 

化学品事業

 表面処理薬品部門のメルテックス株式会社では、プリント基板市場、電子部品市場、半導体市場での需要が高まっている次世代の通信規格6Gを見据えた開発が進んでおります。

 そのような中、主に「微細配線形成用薬品」「受動部品向けめっき薬品」「半導体電極形成用薬品」の販売促進活動に注力いたしました。その結果、半導体製品の需要改善により回復が見込まれていましたが、本年1月1日に発生した「令和6年能登半島地震」の影響で一部取引先の半導体の生産ラインがストップし、売上高は一時低調となりました。

 しかしながら、売上高回復に向け国内有力半導体装置メーカーの協力のもと、薬液+装置によるトータルソリューション提案を進めております。また、変化が大きい自動車用途向けにおいては、新しいニーズにお応えすべく開発を進めております。

 表面処理設備部門の東京化工機株式会社では、工場拡張に伴う受注件数増加により、売上高は前年同期を上回り、好調に推移いたしました。

 今後も、引き続き顧客の要望を取り入れた新構造装置開発を進めてまいります。

 以上により、当事業全体の売上高は25億2千9百万円(前年同期比25.6%増)、営業利益は1億1千2百万円(前年同期は1億4百万円の営業損失)となりました。

 

その他事業

 その他事業では、「ソーシャルインパクト事業」と称し、石川県奥能登地域における社会課題解決を目的とした事業を企画運営するとともに、奥能登SDGs投資事業有限責任組合、TUAT1号投資事業有限責任組合を通じて投資した企業と協業して事業を推進しております。本事業の企画を行うアステナミネルヴァ株式会社を中心とし、地域資源を活かした商品の販売を行うAMトレーディング株式会社、人材事業を発起点として石川県内企業との連携を進めるイシカワズカン株式会社、大学と連携し循環型農業・畜産業を推進する株式会社PIXTURE(非連結子会社)、投資事業として本事業を加速させる奥能登SDGs投資事業有限責任組合、TUAT1号投資事業有限責任組合と、当社グループのソーシャルインパクト戦略を進める体制づくりを進めております。

 本年1月1日に発生した「令和6年能登半島地震」により、人的被害は無いものの、珠洲市内の倉庫からの撤退や在庫の廃棄等、軽微ではありますが影響がございました。今後につきましては、地域事業者再建・地域社会再建に向けた支援と珠洲オフィスをサステナビリティ拠点とした社会貢献活動を含む人的支援を行うことで、当社グループと地域が一緒に繁栄する地域社会の構築を目指していきます。

 当第1四半期連結累計期間におきましては、震災の現状確認や今後の対応検討、支援活動等により当初予定していた事業活動を十分に行うことは難しかったものの、現地決済型ふるさと納税サービス「ふるさとNOW」や石川県で展開する地元密着求人「イシカワズカン」が貢献し、売上高は前年同期を上回りました。また、奥能登の天然資源や伝統技術から生まれる素材を使ったナチュラルスキンケア商品の販売体制が整ってきており、今後業績に貢献してくるものと見込まれます。

 以上により、当事業全体の売上高は4百万円(前年同期比237.5%増)、営業損失は3千1百万円(前年同期は2千3百万円の営業損失)となりました。

 

② 財政状態

 当第1四半期連結会計期間末の財政状態につきましては、総資産659億1千2百万円(前連結会計年度末比13億4千2百万円減)、負債合計371億8千万円(同14億7千2百万円減)、純資産287億3千1百万円(同1億3千万円増)となりました。

 総資産の減少の主な理由は、現金及び預金の減少22億9百万円、電子記録債権の増加4億1千7百万円、原材料及び貯蔵品の増加3億6百万円等によるものです。負債合計の減少の主な理由は、電子記録債務の増加9千3百万円、短期借入金の減少7億5千4百万円、未払費用の減少2億3千3百万円、未払法人税等の減少3億8千8百万円、長期借入金の減少4億2千万円、繰延税金負債の増加1億3千6百万円等によるものです。純資産の増加の主な理由は、その他有価証券評価差額金の増加2億2千7百万円、利益剰余金の減少1億1千1百万円等によるものです。

 

(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(3) 研究開発活動

 当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費総額は2億4千9百万円であります。

 なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。