売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E02608 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営成績の状況

当第3四半期における医療用医薬品市場は、前年同期に大流行した新型コロナウイルス感染症の関連製品の売上が大幅に減少した一方で、がん治療薬やスペシャリティ医薬品などの新薬が引き続き伸長したことに加え、インフルエンザの流行拡大に伴う治療薬の売上増等の影響もあり、プラス成長となりました。医療用医薬品の供給状況については、ジェネリック医薬品を中心とした解熱鎮痛剤や鎮咳薬・去痰薬等の出荷調整が依然継続しております。

このような状況のもと、当社グループは2023年からの3カ年を期間とする中期経営計画2023-2025「次代を創る」を新たに策定し、(1)事業変革、(2)成長投資・収益性向上、(3)サステナビリティ経営、(4)資本効率の改善と株主還元の向上、の4つを基本方針として掲げ、積極的なアライアンスやDXの推進などにより持続的成長と企業価値向上のための具体的施策を推進しております。

事業変革においては、「卸売事業の変革」の大きなテーマである医薬と検査薬の融合を推進すべく、医薬MSと検査薬MSによる共同プロモーション等を推進しました。事業所の統廃合については地域事情に応じた最適な体制の構築を進めており、当会計期間においては2023年10月に北陸東邦株式会社の敦賀営業所を福井営業所に統合しました。また、業務効率化とCO2削減に貢献する配送回数の見直しもお得意先のご理解を得ながら積極的に進めております。

2023年9月に資本業務提携を行った株式会社MICINとは、6つの分科会から構成されるプロジェクトチームを両社で立ち上げ、具体的な協業の検討を開始しております。また、サステナビリティの推進については、CO2排出量削減目標の達成に向けて、物流センターや事業所において再生可能エネルギー由来の電力プランへの切り替えやEV車の導入を進めております。

さらに、投資案件の財務的視点、事業戦略視点での妥当性や収益性、成長性、リスク等を検証することで規律ある投資を実行するための「投資委員会」と、当社グループの重要な経営戦略や事業戦略等を検討するための「経営戦略委員会」を取締役会の諮問機関として設置することを決定いたしました。

2023年12月には、世田谷区代沢と千代田区丸の内に分散していた本社機能を東京ミッドタウン八重洲に移転・集約しました。経営効率の向上や迅速な意思決定、コミュニケーションの創出による職場の活性化、取引先とのコミュニケーションの質向上などに加え、賃借料などの固定性経費の削減を図ることを目的としております。

当第3四半期の連結業績は、売上高1,119,549百万円(前年同期比5.6%増)、営業利益11,581百万円(前年同期比3.7%増)、経常利益13,618百万円(前年同期比1.4%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益13,470百万円(前年同期比41.3%増)となりました。

なお、第1四半期連結会計期間より、従来営業外収益として計上していた情報提供料収入等を売上高に含めることといたしました。この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の情報提供料収入等についても売上高に組替えを行っております。

 

セグメントの業績の概略は以下のとおりです。

医薬品卸売事業においては、新型コロナウイルス感染症の感染縮小に伴い、治療薬や検査試薬などの関連製品の売上が前年同期に比べ大きく減少した一方で、がん治療薬やインフルエンザ製品等の売上が伸長しました。また、スペシャリティ医薬品をはじめとする、取扱卸を限定する製品の売上が引き続き順調に拡大したほか、一部の製薬メーカーによる流通体制の変更が売上に寄与しました。医療機関との価格交渉においては個々の製品価値と流通コストに見合った単品単価交渉に継続して努め、顧客支援システムについてはENIFvoiceSPの導入、ENIFからFutureENIFへの切り替えの推進、病院なびホームページサービスの提案強化等に取り組みました。

これらの取り組みの結果、当第3四半期の医薬品卸売事業の売上高は1,081,258百万円(前年同期比5.7%増)、セグメント利益(営業利益)は11,758百万円(前年同期比25.1%増)となりました。

調剤薬局事業においては、デジタル化への対応を進めるため、処方箋送信機能と電子お薬手帳を備えたポータルアプリ「共創未来 薬局けんこうナビ」の提供を開始しました。また、株式会社ファーマみらいでは、ウィルポート株式会社が開発・運用している宅配ボックス「まいどうもポスト」を薬局内に設置し、当日受渡しができなかった医薬品を患者様のご都合に合わせて受け取れるサービスを試験運用しております。当第3四半期の業績は患者様の受診抑制の回復に伴い処方箋応需枚数が増加した一方で、地域支援体制加算の経過措置が終了したことなどにより技術料が減少し、売上高は70,364百万円(前年同期比2.2%増)、セグメント利益(営業利益)は1,446百万円(前年同期比16.8%減)となりました。

医薬品製造販売事業においては、自社で構築した独自の検証システムに基づく徹底した品質管理と、計画的な生産体制の構築により、高品質・高付加価値な医薬品の安定供給に取り組みました。また、共創未来ファーマ株式会社が販売するジェネリック医薬品が200床以上の大病院において1,000軒を超える採用をいただくまでになりました。当第3四半期の業績は売上高7,984百万円(前年同期比7.3%増)、セグメント利益686百万円(前年同期比4.1%減)となりました。

その他周辺事業においては、売上高は4,440百万円(前年同期比10.1%減)、セグメント利益(営業利益)は258百万円(前年同期比42.3%減)となりました。

(注)セグメントの売上高には、セグメント間の内部売上高を含んでおります。

 

 

(2)財政状態の状況

(資産)

流動資産は、前連結会計年度末に比べて17.7%増加し、627,887百万円となりました。これは、現金及び預金が42,677百万円、受取手形及び売掛金が42,205百万円、商品及び製品が3,233百万円それぞれ増加したこと等によります。

固定資産は、前連結会計年度末に比べて2.6%減少し、176,986百万円となりました。これは、有形固定資産が1,659百万円減少したこと等によります。

この結果、資産合計は、前連結会計年度末に比べて12.5%増加し、804,873百万円となりました。

(負債)

流動負債は、前連結会計年度末に比べて15.5%増加し、508,471百万円となりました。これは、支払手形及び買掛金が88,758百万円増加し、1年内償還予定の社債が20,003百万円減少したこと等によります。

固定負債は、前連結会計年度末に比べて63.7%増加し、52,697百万円となりました。これは、社債が22,098百万円増加したこと等によります。

この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて18.8%増加し、561,169百万円となりました。

(純資産)

純資産合計は、前連結会計年度末に比べて0.3%増加し、243,703百万円となりました。これは、利益剰余金が11,259百万円増加した一方、自己株式が9,384百万円増加したこと等によります。

 

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(4)研究開発活動

当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は401百万円であります。

なお、当第3四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(5)主要な設備

前連結会計年度末において計画中であった設備投資については、以下の通り完了しております。

・提出会社の本社移転のための内装工事           2023年12月

・九州東邦㈱の豊前営業所移転のための建物及び設備     2023年6月