2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 経営成績及び財政状態の状況
① 経営成績の状況
当中間連結会計期間における我が国経済は、雇用・所得環境の改善が続くなか緩やかに回復いたしましたが、米国の通商政策が国内景気に及ぼす影響が懸念されるなど、不透明な状況で推移いたしました。
当社グループの属する情報・通信サービス産業については、デジタルトランスフォーメーション(DX)の加速や生成AI技術の発展、人手不足を補うための生産性向上やセキュリティリスクの増大など社会課題への対応を背景に、高水準の設備投資意欲が継続しており、マーケットは引き続き拡大いたしました。
このような環境のもと、当社グループは2032年に向けた長期ビジョン(ありたい姿)を「Growth Navigator(成長をナビゲートし、ともに創りあげる集団)」と定め、お客さまの成長を先導する存在として選ばれ続ける企業であるべく、その達成に向けた3か年の中期経営計画「Transformation 2026」に取り組んでおります。「成長領域へのリソースシフト」により稼ぐ力を高めることを主軸に、「資本コストを意識した経営」や「人的資本の強化」なども一体的に進めることで、さらなる企業価値向上の実現を目指しています。
当中間連結会計期間では、「成長領域のリソースシフト」とプライシングマネジメントへの積極的な取り組みが奏功し、売上高の拡大、収益性の改善ともに引き続き成果を上げることができました。その結果、売上高43,437百万円(前年同期比3.8%増)、営業利益2,489百万円(同78.6%増)、経常利益2,593百万円(同74.3%増)、親会社株主に帰属する中間純利益1,817百万円(同75.3%増)と増収、大幅増益となり、営業利益、経常利益は過去最高益を更新いたしました。
なお、当社グループは事業区分が単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
また、当中間連結会計期間におけるビジネスモデル別の業績は次のとおりであります。
〔ビジネスモデル別実績〕
機器 :売上高は、製造業向けサーバ導入やストレージ等の拡大を中心に14,796百万円(前年同期比3.8%増)と伸長いたしました。受注高は、官公庁向けの大型機器の導入案件を獲得したこと等により、25,857百万円(同34.5%増)と大幅に増加いたしました。
開発・構築:売上高は、ネットワークやコンタクトセンター向けの構築案件が伸長したこと等により、7,230百万円(前年同期比11.4%増)と前年同期を大幅に上回りました。受注高は、大型のネットワーク構築案件を複数受注したこともあり、9,105百万円(同15.6%増)と大幅に増加いたしました。
サービス :売上高は、クラウドサービス利用料等のストック型ビジネスの契約額が増加し、21,411百万円(前年同期比1.5%増)と伸長いたしました。受注高は一部の取引における受注計上時期の変更や一部保守契約の満了により、21,010百万円(同5.3%減)と一時的に減少いたしましたが、通期では影響はございません。
当中間連結会計期間におけるビジネスモデル別の販売実績及び受注実績を示すと、次のとおりであります。
① 販売実績 (単位:百万円)
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2025年3月期 中間連結 会計期間
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2026年3月期 中間連結会計期間
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前年同期比
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機器
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14,249
|
14,796
|
546
|
103.8
|
%
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開発・構築
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6,490
|
7,230
|
739
|
111.4
|
%
|
サービス
|
21,102
|
21,411
|
308
|
101.5
|
%
|
合計
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41,842
|
43,437
|
1,594
|
103.8
|
%
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② 受注高 (単位:百万円)
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2025年3月期 中間連結 会計期間
|
2026年3月期 中間連結会計期間
|
|
前年同期比
|
機器
|
19,231
|
25,857
|
6,626
|
134.5
|
%
|
開発・構築
|
7,876
|
9,105
|
1,229
|
115.6
|
%
|
サービス
|
22,175
|
21,010
|
△1,165
|
94.7
|
%
|
合計
|
49,283
|
55,973
|
6,690
|
113.6
|
%
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③ 受注残高 (単位:百万円)
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2025年3月期 中間連結 会計期間
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2026年3月期 中間連結会計期間
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|
前年同期比
|
機器
|
15,550
|
21,452
|
5,902
|
138.0
|
%
|
開発・構築
|
4,870
|
6,327
|
1,457
|
129.9
|
%
|
サービス
|
4,915
|
5,003
|
87
|
101.8
|
%
|
合計
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25,335
|
32,782
|
7,447
|
129.4
|
%
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② 財政状態の状況
当中間連結会計期間末における資産につきましては、前連結会計年度末と比較して369百万円減少し、79,693百万円となりました。この主な減少要因は、受取手形、売掛金及び契約資産の減少3,919百万円、投資有価証券の減少565百万円及びその他の無形固定資産の減少278百万円によるものであり、主な増加要因は、棚卸資産の増加4,367百万円によるものであります。
負債につきましては、前連結会計年度末と比較して1,076百万円減少し、34,357百万円となりました。この主な減少要因は、短期借入金の減少596百万円及びその他の流動負債の減少423百万円によるものであります。
純資産につきましては、前連結会計年度末と比較して706百万円増加し、45,336百万円となり、自己資本比率は56.3%(前連結会計年度末は55.2%)となりました。この主な増加要因は、親会社株主に帰属する中間純利益1,817百万円の計上に伴う利益剰余金の増加によるものであり、主な減少要因は、剰余金の配当1,013百万円に伴う利益剰余金の減少によるものであります。
(2) キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間におけるキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが1,037百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローが778百万円の収入、財務活動によるキャッシュ・フローが1,839百万円の支出となりました。
この結果、現金及び現金同等物は前連結会計年度末に比較し23百万円減少し、38,680百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは1,037百万円の収入(前年同期は556百万円の支出)となりました。
この主な収入の要因は、売上債権の減少額3,836百万円、税金等調整前中間純利益の計上2,645百万円であり、主な支出の要因は、棚卸資産の増加額4,367百万円、投資有価証券売却益1,009百万円であります。
前期との比較では、1,593万円収入が増加しております。この主な増加要因は、仕入債務の増加2,308百万円(当期は303百万円の増加に対して、前期は2,005百万円の減少)、税金等調整前中間純利益の増加1,132百万円(当期は2,645百万円の計上に対して、前期は1,512百万円の計上)、法人税等の支払額の減少932百万円(当期は513百万円の支出に対して、前期は1,446百万円の支出)であり、主な減少要因は、棚卸資産の増加2,935百万円(当期は4,367百万円の増加に対して、前期は1,432百万円の増加)であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは778百万円の収入(前年同期は485百万円の支出)となりました。
この主な収入の要因は、投資有価証券の売却による収入1,274百万円であります。
前期との比較では、1,264百万円収入が増加しております。この主な増加要因は、投資有価証券の売却による収入の増加1,198百万円(当期は1,274百万円の収入に対して、前期は76百万円の収入)であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは1,839百万円の支出(前年同期は1,324百万円の支出、前年同期比38.9%増)となりました。
この主な支出の要因は、配当金の支払額1,013百万円、短期借入金の純減額596百万円であります。
前期との比較では、514百万円支出が増加しております。この主な増加要因は、短期借入金の純減額の増加596百万円(当期は596百万円の減少に対して、前期は計上なし)であり、主な減少要因は、ファイナンス・リース債務の返済による支出の減少99百万円(当期は243百万円の支出に対して、前期は342百万円の支出)であります。
(3) 経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当中間連結会計期間において、新たに発生した事業上及び財務上の対処すべき課題はありません。
(5) 研究開発活動
当中間連結会計期間における当社グループ全体の研究開発費の総額は67百万円であります。
なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6) 経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす様々なリスクの中で、重要なリスクとして認識しているものは以下に記載の通りであります。これらのリスクに対して、モニタリングとリスクの低減に努めておりますが、全てのリスクを完全に回避するものではありません。
リスク分類
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リスク概要
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対応策
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事業環境・事業戦略等に関するリスク
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・事業環境に関するリスク 情報サービス業界においては、急速な技術革新に伴うDX対応といったお客さまニーズの変化や異業種からの新規参入等による競争激化など、迅速な対応が常に求められております。当社グループがこれらへの対応に遅れ、お客さまに提供している技術やノウハウ等の競争力が低下した場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。
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最新の技術動向や高度化するお客さまのニーズを的確に把握することに努め、成長する領域に注力することで競争力の強化を図っております。また、当社グループの総合力によりお客さまの課題を解決することで、競合他社との差別化を図るとともに、提供するソリューションの陳腐化を防ぎ、競争優位性の向上に取り組んでおります。
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・特定取引先への依存に関するリスク 当社グループは、富士通株式会社と経営上の重要な契約を締結し、お客さまに製品・サービス提供をしております。同社の経営方針の変更等により製品・サービスの提供方法や仕入条件の変更等が行われた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
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富士通株式会社との連携を密にして、同社の経営方針、パートナー戦略、動向変化等に適宜必要な対応を講じるよう努めております。また、同社への依存度を低減させるために、競争力のある仕入先との取引拡大や取扱い製品・サービスラインナップの拡充及びAI、IoT、クラウド型コンタクトセンターといった成長分野における独自ビジネスの拡販等を通じて、環境変化に強い事業基盤の構築に取り組んでおります。
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・ソフトウエア資産に関するリスク 業務の効率化や有効なコミュニケーションツールなど、課題を解決するために開発したソフトウエア等を無形固定資産として維持管理しております。しかしながら、急速な環境変化や技術革新により新たなサービスが普及することでソフトウエアが陳腐化し、収益性が大きく低下する場合、資産価値について見直す必要があります。状況によっては減損の対象となり、業績に影響を及ぼす可能性があります。
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技術革新や新たなニーズの変化に対応すべく、最新情報の把握や分析に取り組み、ソフトウエア等の改善を進めております。 また、こうした重要なソフトウエア投資の決定及び価値評価の見直しについては、予算委員会にて、定期的に市場動向、投下資本の回収実現性等を総合的に検討したうえで行っております。
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リスク分類
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リスク概要
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対応策
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外部環境等に関するリスク
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大地震等の自然災害や感染症の流行等が発生した場合、事務所等の物的損害や人的被害等の直接的な被害に加え、社会インフラの毀損、サプライチェーンの停滞、サービスの提供遅滞等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
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事業継続計画(BCP)を策定し、緊急事態発生時における災害対策本部設置体制の整備等によりリスク低減に努めております。 また、従業員の安全確認・確保のため、安否確認システムや緊急連絡網の導入を行うとともに、在宅勤務や分散勤務等の事業継続に向けた環境整備に努めております。
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情報セキュリティに関するリスク
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・情報紛失・漏洩に関するリスク 当社グループはお客さまの秘密情報や個人情報など様々な重要情報を取り扱っており、サイバー攻撃や不正アクセス等による情報の紛失、毀損、漏洩等が発生した場合には、当社グループへの損害賠償請求や社会的信用の失墜等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
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情報セキュリティ統括責任者を運営責任者とする情報管理体制を整備しております。また、情報セキュリティに関する全従業員研修やサイバーセキュリティ対策強化訓練の定期実施、情報セキュリティに関する遵守事項の全部門内での自己点検と内部監査による定期監査、ウイルス対策ソフト導入やソフトウエア更新による脆弱性解消等、さまざまなセキュリティ対策を講じることで安全性の確保に努めております。
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・提供システム等に対するサイバー攻撃に関するリスク 当社グループは多くのお客さまにシステムや通信インフラ等を提供しており、これらがサイバー攻撃により何らかのダメージを受けた場合には、当社グループへの損害賠償請求又は改修費用の負担の発生により業績に影響を及ぼす可能性があります。
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サイバー攻撃対策指図書やガイドライン等のセキュリティ対策指図書を制定するとともに、従業員研修やお客さまシステムでインシデントが発生した場合の対応訓練を定期的に実施するなど、さまざまなリスク低減策を講じております。
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信用リスク
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当社グループのお客さまに財務状況の悪化や経営破綻等が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
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与信管理規程に基づき、取引先ごとに回収条件・与信限度額を設定し、定期的に企業動向を調査し、与信額の見直しを行っております。 また、回収遅延や信用不安が発生した場合は、債権回収管理基準に基づき、個別に債権回収、条件変更、担保・督促等の債権保全策を講じ、貸倒れリスクの低減に努めております。
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リスク分類
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リスク概要
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対応策
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人材に関するリスク
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当社グループが求める優秀な人材の確保や育成が予定通りに進まない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
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新卒採用、キャリア採用の手法見直し、女性の積極採用などを強化するとともに、人材育成プログラムを通じたDX人材の育成、パフォーマンス重視型の人事制度への見直し、社内風土改革、健康経営優良法人の認定取得、えるぼし認定取得など様々な人的資本を高める施策を通じて労働環境の整備や自律的なキャリア支援を図り、従業員のエンゲージメント向上に努めております。
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開発・構築案件に関するリスク
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システム開発やネットワーク構築等に係る受注案件では、仕様確定に関する不備、プロジェクト体制の問題、技術的な検証不足等の様々な想定外の事象の発生により、プロジェクトが予定された範囲、予算、納期及び品質で実施できず追加対応に伴うコストが増大する場合があります。そのような事態が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
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商談に至る前の商談審査会や見積り作成時の見積審査会といった審査会を開催することにより、リスクの明確化と対応策の検討及び開発工程管理や成果物等の品質管理の徹底に努めております。 また、進行中のプロジェクトに関しても、状況把握のため、定期的な会議を開催することで、問題の早期発見・対策に取り組むとともに、プロジェクトから独立した部門がリスクの評価分析及びその結果に基づくプロジェクトの遂行に関する助言、勧告等を行っております。
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