売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E03068 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中における将来に関する事項は、当第3四半期の末日現在において当社グループが判断したものです。

(1)  経営成績の分析

当第3四半期におけるわが国経済は、民間消費、設備投資など国内需要を中心に緩やかに成長してきました。新型コロナウイルス感染症が「5類感染症」へ移行したことから社会・経済活動の正常化が一段と進展し、コロナ禍で落ち込んだ対面型サービス消費やオケージョン需要の本格的な回復がみられました。一方、生活必需品の値上げが高水準で推移するとともに、実質賃金のマイナス継続による消費者の実質購買力の低下が重石となりつつあり、小売業界の動向は依然として見通しにくい状況が継続しています。

このような状況の下、当社グループは、経営理念「社員が誇りと喜びを感じ、地域とお客さまの生活に貢献し続ける」に基づき、「暮らしやすく、人口が増えるまちづくり」に長期的視点で取り組むことを掲げ、第二次中期経営計画にて定めた戦略を推進してきました。2021年4月に策定した第二次中期経営計画は、公表後、新型コロナウイルス感染症拡大による人流動向への影響の長期化、並びに急激なエネルギーコストの高騰や消費者物価の急上昇は、想定を大きく上回って変化してきました。こうした急激な環境変化に対し、最適な対応を実施するため、戦略および計画数値をアップデートしました。

成長戦略では、出店計画を絞り込み、既存店活性化投資とM&A・アライアンスによる新たな事業領域の拡大へと振り向ける投資アロケーションの変更を行い、オーガニック成長+インオーガニックな成長による長期ビジョン実現を目指すとしており、これらにスピーディーに対応するための組織体制強化を図ることで、一段と推進力を高めました。

5月には、株式会社マルヨシセンターとの資本業務提携契約に基づき、四国地域における商品仕入や物流及びシステム統合の実施を決定しました。これにより、2024年2月を目途に四国地域における業務プロセスの効率化、コスト削減を実現するとともに、迅速かつ正確な物流・配送体制を整備することで、お客さまへのサービス品質を高めてまいります。

また、「サステナビリティ基本方針」に基づき、環境KPI達成に向けた取り組みを着実に進めてきました。なお、その状況等の詳細につきましては弊社サステナビリティサイトをご参照ください。

サステナビリティサイト

https://www.izumi.co.jp/sustainability/

 

主力の小売事業においては、新型コロナウイルス感染症の「5類感染症」への移行に伴い、消費者の社会・経済活動が活発化する強い動きがみられました。このような状況の下、外出・旅行・季節歳時などのオケージョン消費への回帰に対して、お客様の個々の消費行動の変化に即対応した品揃え・サービス提供態勢に大きく舵を切って事業を推進しました。一方、電気料金、食料品・日用品を中心とした値上がりに対し、高付加価値の商品・サービス提供に努めるとともに、値ごろ感を重視した品揃えを強化することで、二極分化する消費嗜好に対応してきました。また、仕入れ条件を見直すとともに、商品ロス管理を徹底することで売上原価の低減に努めました。また、高止まりする電力料金などの費用低減を図るべく、全社的取り組みとして電力使用量の削減を図る一方で、新規出店ならびに、消費の回復局面入りにより投資効果を得やすくなったことを踏まえ、既存店のリニューアル投資を強力に推進してきました。

これらの結果、当第3四半期の経営成績は、以下のとおりとなりました。

 

 

前第3四半期

 (2022年3月2022年11月)

当第3四半期
 (2023年3月2023年11月)

増減(金額)

増減(率)

営業収益

333,922百万円

344,819百万円

10,897百万円

3.3%

 

(内  売上高)

(294,625百万円)

(303,500百万円)

(8,875百万円)

(3.0%)

 

(内  営業収入)

(39,296百万円)

(41,319百万円)

(2,022百万円)

(5.1%)

営業利益

22,198百万円

21,836百万円

△361百万円

△1.6%

経常利益

22,496百万円

22,325百万円

△171百万円

△0.8%

親会社株主に帰属する四半期純利益

15,264百万円

14,525百万円

△738百万円

△4.8%

 

 

 

経営成績の主な増減要因

①営業収益及び売上総利益

営業収益は前年同期比10,897百万円3.3%)増加し、344,819百万円となりました。これは、主に新型コロナウイルス感染症の「5類感染症」への移行に伴い、消費抑制意識の緩和がみられ、大型商業施設の来店客数が増加したこと等によるものです。

売上総利益は、102,216百万円前年同期比4,166百万円増)となりました。営業収益対比では29.6%と前年同期に比べて0.2ポイント上昇しました。

 

②販売費及び一般管理費並びに営業利益

販売費及び一般管理費については、主に人件費及び設備投資に伴う減価償却費が増加したこと等により、前年同期比6,550百万円5.7%)増加121,698百万円となりました。営業収益対比では35.3%となり前年同期に比べて0.8ポイント上昇しました。

これらの結果、営業利益は前年同期比361百万円1.6%)減少21,836百万円となり、営業収益対比は6.3%と前年同期に比べて0.3ポイント低下しました。

 

③営業外損益及び経常利益

営業外収益は、前年同期比72百万円8.1%)増加960百万円となりました。一方、営業外費用は、支払利息の減少などにより、前年同期比118百万円20.1%)減少471百万円となりました。

これらの結果、経常利益は前年同期比171百万円0.8%)減少22,325百万円となりました。営業収益対比は6.5%と前年同期に比べて0.2ポイント低下しました。

 

④特別損益、法人税等、非支配株主に帰属する四半期純利益及び親会社株主に帰属する四半期純利益

特別利益は、固定資産売却益等を計上し504百万円となりました(前年同期比34百万円の増加)。一方、特別損失は、建物取壊損失引当金繰入額422百万円及び減損損失356百万円等を計上し1,081百万円となりました(前年同期比747百万円の増加)。

法人税等は7,066百万円となりました(前年同期比105百万円の減少)。

非支配株主に帰属する四半期純利益は156百万円となりました(前年同期比39百万円の減少)。

これらの結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期比738百万円4.8%)減少14,525百万円となりました。営業収益対比は4.2%と前年同期に比べて0.4ポイント低下しました。

 

 

各セグメントの業績

■営業収益

 

前第3四半期
(2022年3月~2022年11月)

当第3四半期
(2023年3月~2023年11月)

増減(金額)

増減(率)

小売事業

321,968百万円

332,304百万円

10,335百万円

3.2%

小売周辺事業

30,221百万円

32,759百万円

2,538百万円

8.4%

その他

4,255百万円

4,268百万円

12百万円

0.3%

調整額

△22,524百万円

△24,513百万円

△1,989百万円

合計

333,922百万円

344,819百万円

10,897百万円

3.3%

 

■営業利益

 

前第3四半期
(2022年3月~2022年11月)

当第3四半期
(2023年3月~2023年11月)

増減(金額)

増減(率)

小売事業

18,718百万円

17,537百万円

△1,181百万円

△6.3%

小売周辺事業

3,177百万円

4,005百万円

828百万円

26.1%

その他

515百万円

555百万円

40百万円

7.9%

調整額

△212百万円

△262百万円

△49百万円

合計

22,198百万円

21,836百万円

△361百万円

△1.6%

 

 

①小売事業

主力の小売事業においては、新型コロナウイルス感染症の「5類感染症」への移行に伴い、消費者の抑制意識に一段の緩和がみられました。このような状況の下、外出・旅行・季節歳時などのオケージョン消費への回帰に対して、お客さまの個々の消費行動の変化に即対応した品揃え・サービス提供態勢に大きく舵を切って事業を推進しました。一方、電気料金、食料品・日用品を中心とした値上がりに対し、高付加価値の商品・サービス提供に努めるとともに、値ごろ感を重視した品揃えを強化することで、二極分化する消費嗜好に対応してきました。

商品面では、お客さまの多様なニーズに対応しさらに店舗付加価値を高めていくため、惣菜・生鮮加工品の自社製造ブランド「zehi(ぜひ)」に新たな4つのシリーズを立ち上げ、幅広いライフスタイルのお客さまにより魅力的で楽しい売場・商品の提供を開始し、食分野の充実を図りました。このたび、誕生から1周年を記念し、新たに「premium(プレミアム)」、「season(シーズン)」、「balance(バランス)」、「trend(トレンド)」を加え、上質志向・健康志向などお客さまの多様なニーズに対応する品揃えを拡充しました。なお、「zehi」の売上の一部をこども食堂支援のために寄付する取り組みやトレーの素材変更によるCO₂削減活動など、持続可能な社会の実現に貢献すべく取り組みました。また、株式会社アダストリアと協業し昨年立ち上げた衣料品のオリジナルブランド「SHUCA(シュカ)」では、30代~40代の女性をターゲットにした商品に加え、9月末からメンズ向け商品の販売を開始しました。

店舗面では、6月には旧『ゆめタウン祇園』の建て替えにより「ゆめテラス祇園(広島市安佐南区)」の2階食品館を先行オープン、11月には無印良品やフードコートなどを展開する3階フロアを加え、グランドオープンしました。「『日々の豊かさ、憩い、集い』を生み出せる地域の人々にとって誇らしい場所」をコンセプトに、日々の生活を支え、利便性を重視し、地域とのつながりを大切にする店舗を目指します。また、7月には大型商業施設「ゆめタウン飯塚(福岡県飯塚市)」を開業しました。コンセプトを「待ち遠しいMIRAIを創ろう」とし、地域の方々が集い、交流する開放的で明るい吹き抜けをはじめ、各フロアの特性に合わせたユニバーサルデザイン、飯塚市初のシネマコンプレックスや最新のデジタル技術を取り入れた次世代型テーマパークを導入し、新たな出会いと体験、地域の MIRAI が生まれる交流拠点を目指します。

一方、既存店では大規模リニューアルを実施しました。4月に「ゆめタウン行橋(福岡県行橋市)」において、「studio CLIP ゆめタウン行橋店」を開業しました。これは、昨年9月に株式会社アダストリアと締結した業務提携及び商品売買等に関する基本契約に基づくフランチャイズ第1号店であり、ライフスタイル分野の改革をさらに一歩前に進めました。11月には、「LECT(広島市西区)」を全館リニューアルしました。株式会社ハンズとのフランチャイズ2号店で、生活雑貨等を幅広く展開する「プラグスマーケット」、中四国地方初出店となる次世代型テーマパーク「リトルプラネット」等をオープンし、子育てファミリー世帯やMZ世代向けの商品・サービスをより一層充実させました。

これらの取り組みに対して販売動向は、お客様の個々の消費行動の変化に即対応した品揃え・サービス提供態勢の強化による諸施策の遂行に加え、外出・旅行・季節歳時などのオケージョン消費への回帰が追い風となり、大型商業施設「ゆめタウン」をはじめ各業態それぞれへの来店頻度の増加とともに販売動向は好調に推移しました。

春先には、コロナ禍において苦戦を強いられた直営ライフスタイル売場やアパレル・飲食専門店テナントへの集客回復により前年同期を大きく上回って販売が伸長しました。スポーツ・お出かけ需要の高まりからスニーカーやキャリーケースなどの半耐久消費財の買い替え需要とみられる動きもみられました。また、食料品では供給サイドによる国内販売価格の値上げが引き続き継続していることから、お客様の生活を守るため価格訴求型の商品を投入し販売は好調に推移しました。一方、高付加価値商品については、一層品質を高め相対的な値ごろ感を感じるとともに、幅広い選択肢に応えていくべく商品開発に努め、自社製造ブランド「zehi」の新商品や、生活スタイルの変化による時短・簡便・即食商品などが着実に支持されてきました。

夏場に入り、「5類」移行に伴う人流回復とともに好天にも恵まれ、直営ライフスタイルでは、衣料品やテナントのアパレル・飲食専門店が好調であったことに加え、生活雑貨においては日焼け止め等のシーズン化粧品などが大幅に伸長しました。また、夏祭りや花火大会などのイベント参加への需要が強まったことで浴衣や水着なども好調に推移しました。お盆期間には、台風の影響を受けたものの、都市部からの帰省されたお客さまの活発な動向により大型商業施設「ゆめタウン」への来店が増加し、お土産品、寿司・オードブル、フードコート・レストラン街などを中心に利用が増え、消費行動の変化に即対応した品揃え・サービス提供態勢に大きく舵を切った施策が販売に寄与しました。

秋口以降、記録的な残暑で気温低下が遅れたことから、直営ライフスタイル売場ではファッション衣料が伸び悩んだ一方、引き続き旺盛な外出需要により、靴・トラベル関連や化粧品、テナントでは飲食専門店は好調に推移しました。しかしながら、客数の減少や客単価の伸びに一服感がみられ、長期化するインフレに対して生活防衛的な消費者の行動もみられました。

これらの結果、当第3四半期における当社の既存店売上高(テナント専門店を含む)は前年同期比で3.9%増(「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号)等適用前の数値)、同様にテナント専門店を除く直営ベースでは2.9%増(同)となりました。

コスト面では、仕入れ条件を見直すとともに、商品ロス管理を徹底することで売上原価の低減に努めました。また、高止まりする電力料金などの費用低減を図るべく、全社的取り組みとして電力使用量の削減を図る一方で、新規出店ならびに、消費の回復局面入りにより投資効果を得やすくなったことを念頭に既存店のリニューアル投資を強力に推進してきました。

これらの結果、営業収益は332,304百万円(前年同期比3.2%増)、営業利益は17,537百万円(前年同期比6.3%減)となりました。

 

②小売周辺事業

小売周辺事業では、新型コロナウイルス感染症の「5類感染症」への移行に伴い、小売事業の販売が好調に推移したことから関連する業務の取扱高・販売高が伸長しました。

金融事業の株式会社ゆめカードにおいては、電子マネー「ゆめか」及びクレジットカードのグループ小売事業店舗、外部加盟店での取扱高が拡大しました。また、これらの推進により、「ゆめか」の累計発行枚数は前期末における974万枚から当第3四半期末では1,014万枚となり、当社グループにおけるお客様とタッチポイントとしての基盤をより強固にしました。なお、前期に行ったこれらへの投資により減価償却費が増加したことなどで減益となりました。

施設管理事業の株式会社イズミテクノにおいては、同社が指定管理業務を受託する公共施設等の稼働状況、イベント開催などによる集客状況が前年同期に対して、それぞれプラスに転じたことで好調に推移し、増収増益となりました。

また、飲食事業のイズミ・フード・サービス株式会社においては、社会・経済活動の正常化が一段と進展し、営業収益はコロナ前を上回りました。主力業態のミスタードーナツ及びサーティワンアイスクリーム等での販売が引き続き伸長するとともに、主力直営業態の「お好み一番地」が回復途上ではあるものの大きな増益要因となりました。

これらの結果、営業収益は32,759百万円(前年同期比8.4%増)、営業利益は4,005百万円(前年同期比26.1%増)となりました。

 

③その他

卸売事業では、前年同期における円安の影響による売上原価コスト増の影響が一巡するとともに、主要顧客である小売事業の好調な販売により増収増益となりました。また、不動産賃貸事業では安定的な賃料収入を計上しました。

これらの結果、営業収益は4,268百万円(前年同期比0.3%増)、営業利益は555百万円(前年同期比7.9%増)となりました。

 

(2)  財政状態の分析

当第3四半期末における総資産、負債及び純資産の残高、前期末対比の増減額及び主な増減要因は以下のとおりです。

 

前期末
(2023年2月28日)

当第3四半期末
(2023年11月30日)

増減

総資産

478,541百万円

495,201百万円

16,659百万円

負債

200,437百万円

208,021百万円

7,584百万円

純資産

278,104百万円

287,179百万円

9,075百万円

 

 

総  資  産

・当第3四半期の設備投資額は21,595百万円であり、これは主に店舗新設に係る投資、既存店舗の活性化及びDX投資等によるものです。有形固定資産は、減価償却実施後で8,438百万円増加しました。

・受取手形、売掛金及び契約資産は、クレジット取扱高の増加等により7,386百万円増加しました。

 

負  債

・未払金は、店舗新設に係る設備未払金の増加等により4,664百万円増加しました。

・支払手形及び買掛金は、仕入単価の上昇等により3,471百万円増加しました。

短期借入金及び長期借入金は、2,126百万円減少しました。

 

純  資  産

・利益剰余金は、内部留保の上積みにより8,209百万円増加しました。

・これらの結果、自己資本比率は55.3%となり、前期末の55.4%に比べて0.1ポイント低下しました。

 

 

(3)  キャッシュ・フローの状況の分析

当第3四半期におけるキャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。

 

前第3四半期
(2022年3月2022年11月)

当第3四半期
(2023年3月2023年11月)

増減

営業活動によるキャッシュ・フロー

23,509百万円

23,448百万円

△60百万円

投資活動によるキャッシュ・フロー

△7,699百万円

△15,915百万円

△8,216百万円

財務活動によるキャッシュ・フロー

△19,313百万円

△8,454百万円

10,858百万円

 

 

営業活動によるキャッシュ・フロー

・主な収入項目は、税金等調整前四半期純利益21,748百万円、減価償却費12,267百万円、及び未収入金の減少等によるその他営業活動によるキャッシュ・フローの増加7,986百万円です。

・主な支出項目は、法人税等の支払額11,000百万円及び売上債権及び契約資産の増加額7,386百万円です。

 

投資活動によるキャッシュ・フロー

・主な支出項目は、有形固定資産の取得による支出15,823百万円です。これは主に、店舗新設に係る投資、既存店舗の活性化及びDX投資等によるものです。

 

財務活動によるキャッシュ・フロー

・主な収入項目は、短期借入金の増加額12,310百万円です。

・主な支出項目は、長期借入金の返済による支出14,936百万円及び配当金の支払額6,292百万円です。

以上の結果、現金及び現金同等物の残高は、前期末対比921百万円減少し、9,409百万円となりました。

 

(4)  経営方針・経営戦略等

当第3四半期において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(5)  優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(6)  研究開発活動

該当事項はありません。