売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E03118 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社。以下同じ。)が判断したものです。

 

(1) 財政状態の状況

当第3四半期連結会計期間末における資産の残高は、前連結会計年度末から14億92百万円増加し、4,328億11百万円となりました。増加の主な原因は、受取手形及び売掛金が24億24百万円、商品が35億5百万円それぞれ増加したことによるものです。減少の主な原因は、マイナポイント事業による自社電子マネー付与相当額が国から入金されたことなどにより流動資産のその他が24億84百万円、固定資産の償却により有形固定資産のその他が16億61百万円それぞれ減少したことによるものです。

負債の残高は、前連結会計年度末から11億96百万円減少し、2,207億34百万円となりました。減少の主な原因は、短期借入金が49億19百万円、長期借入金が35億53百万円それぞれ減少したことによるものです。増加の主な原因は、支払手形及び買掛金が74億82百万円増加したことによるものです。

純資産の残高は、利益剰余金が24億65百万円増加したことなどにより2,120億77百万円となり、前連結会計年度末から26億88百万円増加しました。

 

 

(2) 経営成績の状況

第3四半期連結累計期間(2023年3月1日~2023年11月30日)におけるわが国の経済状況は、経済活動の正常化により回復基調が続くものの、物価高などによる個人消費の減少や企業による設備投資の抑制などにより、7-9月期の実質GDP成長率が前期比年率2.9%減となるなど、3四半期ぶりのマイナス成長となりました。食料品や衣料品に加え、自動車などの消費も減少したことで、7-9月期の個人消費は前期比で0.2%減少しました。また、10月の実質賃金が19か月連続減少の前期比2.3%減となるなど、くらしや事業を取り巻く環境は厳しい状況が続いています。

このような環境下において、当社は、「お客さまと従業員の『圧倒的な安心とワクワク』を実現する」を経営ビジョンに掲げ、「現場主義」「従業員満足」「シナジー創出」を経営方針とし、引き続きお客さま及び従業員の安全・安心の確保に注力するとともに、変化するお客さまと動向の行動に対して柔軟かつ迅速に対応する、最も地域に貢献する企業集団を目指しています。引き続き当社は、人口減少、業態を超えた同質化競争、消費の成熟化など従前からの課題と、物価高によるコスト増などの新たな課題へ対応すべく挑戦を続けます。そのような認識のもと、当社は、シナジー創出を更に推し進め、企業価値の最大化を図るべく、当社を存続会社、株式会社フジ・リテイリング及びマックスバリュ西日本株式会社を消滅会社とする統合新会社を、2024年3月1日に設立すべく準備を進めています。

 

 

株式会社フジ・リテイリングは、地域との繋がりを大切にし、お客さまのくらしを支え、「この街に、あってよかった。」と思っていただける店舗づくりを目指すとともに、現場主義を徹底し、お客さまの視点に立って主体的に行動できる企業文化の構築を進めています。店舗では、「最新基準の店舗づくり」を掲げ、愛媛県と広島県を重点エリアと定め、新規出店を進めるとともに、安全と安心が確保された快適なお買物環境の追求、デジタル化の推進、多様化するニーズへの対応など店頭の利便性と競争力向上を目指す既存店の活性化にも取り組んでいます。新規出店は、3月にラクア緑井(みどりい)(広島市安佐南区)がグランドオープン、9月にフジ志津川(しつかわ)店(愛媛県東温市)、11月に子会社である株式会社ニチエーから営業を譲受したフジ福山三吉(ふくやまみよし)店(広島県福山市)と建て替えを行っていたフジ今治(いまばり)店(愛媛県今治市)をオープンしました。既存店は、前四半期までに4店舗において改装による活性化を行うとともに、冷蔵ケースや什器の更新など、店頭の不具合解消にも積極的に取り組みました。

食料品は、競争力の維持・向上を図るべく、お客さまの生活防衛意識の高まりへの対応として価格対応を推し進め、また、地元の素材、味付け、メニュー提案など、新たな価値を商品に付加し提供するなど、店頭における独自化や差別化に取り組みました。さらに、マックスバリュ西日本株式会社と商品の共同開発を行うなど、統合シナジーの創出にも取り組んでいます。

さらなる事業の拡大に取り組む移動スーパーは、前四半期までの3店舗に加えて、10月にフジグラン岩国(いわくに)(山口県岩国市)、11月にフジグラン高知(こうち)(高知県高知市)で新たにサービスを開始し、6県48店舗を拠点に84台の専用車両で展開しています。

衣料品及び住居関連品は、ライフスタイルやニーズの変化へ迅速に対応すべく商品構成の見直しやレイアウト変更などによる既存店の活性化に取り組んでいます。また、増加する旅行・外出需要への対応、季節品の販売に注力するとともに、「美と健康」をテーマとした商品の拡大も進めました。当第3四半期累計期間の売上高は前年同期実績を上回っているものの、9-11月においては、長引く残暑などの影響を受け、衣料品を中心に前年同期の実績を下回りました。テナント事業は、飲食店を中心に回復基調が続いており、ラクア緑井のグランドオープンも寄与したことで、堅調に推移しました。

9月から、お客さまに“納得価格”“付加価値”を感じていただける商品の提供を目的に、イオングループプライベートブランド「トップバリュ」の本格導入を開始しました。食料品500品目、衣料・住居関連品320品目、合計820品目の導入を年度計画として進めています。

以上の取り組みにより、売上高は堅調に推移しました(食料品売上高前年同期比4.7%増、衣料品同1.9%増、住居関連品同2.2%減、移動スーパー事業同31.4%増、テナント事業同6.6%増)。

販売費及び一般管理費は、物価上昇へ対応し従業員のモチベーション向上にも繋げるべく賃上げを実施した一方で、電気使用量削減取り組みや棚照明のLED化、冷蔵ケースの入替を進めたことで、光熱費は当初計画を下回りました。デジタル化の推進による業務の効率化、省力化による生産性向上、事務用品費や消耗品費などの節約などにも取り組んだものの、販売費及び一般管理費は前年同期を上回りました(販売費及び一般管理費前年同期比3.2%増、人件費同5.1%増、全社電気使用量同6.7%減、電気料金同9.8%減)。

同社は、循環型社会の実現に向け、マイバッグ・マイバスケットの利用促進によるレジ袋の削減や、食品トレーや牛乳パック、ペットボトルなどを店頭で回収することによるリサイクル推進に取り組んでいます。また、食品ロス削減の推進、地域社会との共生を目的に、愛媛県33店舗、高知県3店舗、徳島県4店舗、山口県5店舗、合計45店舗において、フードドライブ活動に取り組んでいます。さらに、自家消費型太陽光パネルの設置を進め現在までに38店舗への設置が完了したことで、年間約4,000tのCO2排出量削減に寄与する見込みであり、今後も設置店舗を増加させる計画です。あわせて、店舗屋上広告塔の常時消灯や店内照明の照度調整、日々の気温を考慮した空調温度の設定など省エネ対策を強化することで、脱炭素社会の実現に向けさらなる省エネ・再エネの推進と環境負荷の低減に取り組んでいます。

株式会社フジ・リテイリングの子会社において、コロナ禍で大きな影響を受けた、飲食業、総合フィットネスクラブ事業、一般旅行業は、経済活動の正常化や人流の活発化を受けて、業績の回復基調が続いています(飲食業営業収益前年同期比12.8%増、総合フィットネスクラブ事業同4.7%増、一般旅行業同51.1%増)。

 

 

マックスバリュ西日本株式会社は、「旬・鮮度」「豊富さ」「お求めやすい価格」「クリンリネス」「笑顔の接客」の徹底を基本とし、「地域密着」「生鮮強化」を軸にサプライチェーン改革を行うとともに、お客さまが安全に安心して楽しくお買物ができる店舗づくりに取り組んでいます。また、物価高騰が続く中、日常は節約し、ハレの日には出費を惜しまないという二極化する需要への対応にも注力しています。店舗では、兵庫県西部、岡山市、広島市、山口県、香川県及び山陰エリアを中心に、新規出店と既存店の活性化を進めています。新規出店は、10月にマルナカ中府(なかぶ)店(香川県丸亀市)をオープンしました。既存店では、10月にマルナカ白鳥(しろとり)店(香川県東かがわ市)、11月にマルナカスーパーセンター宇多津(うたづ)店(香川県綾歌郡宇多津町)、マルナカ北条(ほうじょう)店(愛媛県松山市)など前四半期までに実施した店舗と合わせ20店舗において、改装による活性化を行いました。一方で9月には、マックスバリュ古宮(こみや)店(兵庫県加古郡播磨町)、マックスバリュ小月(おづき)店(山口県下関市)の2店舗を閉店しました。より便利なお買物環境の実現を目指し、スマートフォンアプリ「iAEON(アイイオン)」によるお買い得情報の発信、アプリ決済の推進、専用端末でスキャンしながら買い回りができる「マイピレジ」の導入拡大、電子棚札の導入拡大など、デジタル活用も進めています。

食料品は、行楽などの外出需要の高まりや残暑が続いたことにより、鍋物などの秋冬商材が伸び悩む一方で、菓子や飲料などの加工食品は伸長しました。地域の特色を活かした商品開発では、地元素材を使用した弁当や加工品などの開発に取り組むとともに、バイヤーが厳選した「バイヤー三ツ星」商品を全店に展開し、販売の強化に取り組んでいます。また、売上向上の施策として、トップバリュ商品の販売強化、火曜市の深耕、夕刻以降の出来立て商品の拡充、魚・肉惣菜、弁当の充実による即食対応などにも取り組み、売上高は堅調に推移しました(食料品売上高前年同期比2.4%増、衣料品同2.5%減、住居関連品同2.1%増)。

同社は、移動スーパーやEコマースをはじめとするノンストア事業の確立に向けた取り組みを進めています。移動スーパーは、9月にマックスバリュ菅生(すごう)店(兵庫県姫路市)、10月にマックスバリュ長府(ちょうふ)店(山口県下関市)、11月にマックスバリュ備前(びぜん)店(岡山県備前市)で新たにサービスを開始したことで、9県31店舗を拠点に41台の専用車両での展開となり、日常のお買物が困難な山間部や島しょ部の地域を中心に事業を拡大しています。また、デリバリーサービスの導入も進めており、マックスバリュエクスプレス北条(ほうじょう)店(兵庫県姫路市)、マックスバリュ大久保(おおくぼ)店(兵庫県明石市)など計4店舗でUberEats、マックスバリュ楽々園(らくらくえん)店(広島市佐伯区)、フォレオ広島東(ひろしまひがし)店(広島市東区)など計4店舗でWoltのサービスを開始しました。今後も移動スーパーやデリバリーサービスの展開拠点を拡大し、お客さまのご不便の解消と新たなニーズに対応し、便利で新しいサービスを提供していきます。

販売費及び一般管理費は、光熱費の削減に努め節電を徹底しました。また、2022年9月に稼働を始めた岡山総合プロセスセンター(岡山市南区)と、3月に稼働を始めた兵庫プロセスセンター(兵庫県姫路市)から店舗への供給拡大を進めており、店舗において、品ぞろえ拡充を進めつつ作業の軽減を推し進めることで、さらなる生産性の向上を図っています(販売費及び一般管理費前年同期比1.7%増、人件費同2.4%増、全社電気使用量同4.9%減、電気料金同4.0%減)。

同社は、地域を支援する目的で、事業エリアで活動する団体への寄附金贈呈や食育活動の支援を行っています。11月には「ほうふ幸せますWAON」(山口県防府市)の利用金額の一部を、寄附金として防府市へ贈呈し、小学校における環境教育教材の購入にご活用いただきました。また9月にザ・ビッグイオンタウン防府東(ほうふひがし)店、ザ・ビッグ大内(おおうち)店、10月にマックスバリュ今市(いまいち)店、11月にマックスバリュ観音寺駅南(かんおんじえきみなみ)店にて開催した食育体験学習会や店舗見学会を通じて健康推進をおこなう食育活動を実施しました。

また、持続可能な社会の実現に向けた環境保全の取り組みとして、10月には倉敷市沙美(さみ)海水浴場(岡山県倉敷市)にてプラスチックごみ等の清掃活動を実施すると共に、食品廃棄物の削減を目的とする活動として、11月に兵庫県相生市及び相生市社会福祉協議会と「フードバンク活動にかかる三者連携協定」を締結いたしました。当四半期末時点でのフードドライブの常設コーナーの設置は147店舗、フードバンク活動は339店舗となっています。地域の行政とともに、引き続き食品ロスの抑制に努めてまいります。

 

 

 

当第3四半期連結累計期間においては、営業収益は堅調に推移し増収となりました。賃上げの実施により上昇した人件費は未来への積極的な投資と捉える一方で、プロセスセンターの活用やデジタル化の推進などによる生産性の向上に取り組みました。販売費及び一般管理費は前年同期比29億94百万円増加したものの、営業収益の増加により、営業増益となりました。一方で、親会社株主に帰属する四半期純利益は、前期に投資有価証券売却益を特別利益に計上した影響により減益となりました。

以上の結果、当第3四半期連結累計期間の営業収益は5,949億96百万円(前年同期比3.0%増)、営業利益は72億63百万円(前年同期比36.0%増)、経常利益は89億68百万円(前年同期比31.2%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は50億70百万円(前年同期比18.7%減)となりました。

 

(連結業績)                               (単位:百万円)     

 

 

2023年2月期第3四半期

2024年2月期第3四半期

 

 

 

 前年同期比

 

 前年同期比

 

営業収益

577,882

144.2%増

594,996

3.0%増

 

営業利益

5,339

9.4%増

7,263

36.0%増

 

経常利益

6,837

1.2%減

8,968

31.2%増

 

親会社株主に帰属する四半期純利益

6,238

39.4%増

5,070

18.7%減

 

 

(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(4) 研究開発活動

該当事項はありません。