売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E03693 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績の分析

当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行や各種政策を背景に社会経済活動の正常化が進み、景気の緩やかな回復が継続しています。しかしながら、国際情勢の緊迫や世界的な高インフレを受けた金融引き締めの長期化に伴う世界経済の減速等、わが国の景気を押し下げるリスクは存在しており、これらが個人消費や金融市場へ与える影響については引き続き注視する必要があります。

日本国外においては国ごとに状況は異なりますが、当社が事業を展開しているタイ王国においては、世界経済の減速の影響等を受け経済成長率は鈍化しているものの、インバウンド需要及び個人消費の回復に伴い、緩やかに経済成長を続けております。また、フィリピン共和国においては、インバウンド需要の回復に伴い、今後も底堅い経済成長が期待されます。

国内のノンバンク業界においても、国内経済同様に今後の動向について注視する必要があるものの、資金需要は活況の動きを見せております。また、利息返還請求件数については減少傾向が続いておりますが、外部環境の変化等の影響を受けやすいことから、引き続き動向に留意する必要があります。

このような中、当社グループは、2023年3月期を初年度とする中期経営計画において、各ステークホルダーへの約束をビジョンとして掲げ、このビジョンの実現に向け3年間で取り組むことを中期方針として定めました。2023年9月には、マレーシアに設立した連結子会社「ACOM(M) SDN.BHD.」が個人向け融資事業を開始いたしました。引き続き外部環境の変化に柔軟に対応しつつ、ビジョンや中期方針に沿った営業活動を推進してまいります。

当第3四半期連結累計期間における営業収益は、営業貸付金の増加及び円安の為替影響により営業貸付金利息が増加したこと等を主因に、2,189億8千6百万円(前年同期比7.3%増)となりました。また、営業費用は、業容拡大に伴う貸倒関連費用の増加及び新規集客の強化に伴う広告宣伝費の増加等により、1,521億1千8百万円(前年同期比14.0%増)となりました。その結果、営業利益は668億6千7百万円(前年同期比5.3%減)、経常利益は670億1千3百万円(前年同期比5.3%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は417億1千7百万円(前年同期比5.9%減)となりました。

 

セグメントの業績は、次のとおりであります。

 

 ローン・クレジットカード事業

国内のローン事業においては、個人消費の回復の影響により新規貸付及び追加利用が増加し、当第3四半期連結会計期間末における当社の営業貸付金は、8,587億9百万円(前年同期末比7.9%増・前期末比5.9%増)となりました。また、クレジットカード事業においては、取扱高が増加したことを主因に、割賦売掛金は1,177億7千5百万円(前年同期末比18.6%増・前期末比13.7%増)となりました。

当第3四半期連結累計期間の業績においては、営業貸付金及び割賦売掛金の増加による営業貸付金利息及び包括信用購入あっせん収益の増加等により、営業収益が1,161億9千5百万円(前年同期比6.6%増)となりましたが、業容拡大に伴う貸倒関連費用の増加及び新規集客の強化に伴う広告宣伝費の増加等により営業費用が増加し、営業利益は317億4千3百万円(前年同期比7.2%減)となりました。

 

 信用保証事業

信用保証事業においては、ローン・クレジットカード事業と同様に個人消費の回復の影響により、当第3四半期連結会計期間末における当社及びエム・ユー信用保証株式会社の信用保証残高は合算で1兆2,518億4千5百万円(前年同期末比4.8%増・前期末比3.2%増)となりました。

当第3四半期連結累計期間の業績においては、信用保証残高の増加及び保証料率の上昇による保証料収入の増加を主因に、営業収益が524億4千7百万円(前年同期比6.9%増)となりましたが、業容拡大に伴う貸倒関連費用の増加を主因に営業費用が増加し、営業利益は176億8千5百万円(前年同期比10.4%減)となりました。

 

 海外金融事業

海外金融事業においては、個人消費の回復の動きに円安の為替影響も加わり、当第3四半期連結会計期間末におけるタイ王国のEASY BUY Public Company Limitedの営業貸付金は2,349億1千9百万円(前年同期末比9.9%増・前期末比9.1%増)となりました。

当第3四半期連結累計期間の業績においては、円安の為替影響を主因に、営業収益が458億2千2百万円(前年同期比10.2%増)となり、営業利益は180億2千3百万円(前年同期比15.5%増)となりました。

 

 債権管理回収事業

債権管理回収事業においては、サービサー市場の縮小傾向が続く中、既存取引先との関係強化や回収手法の高度化に注力するなど、営業力、回収力の強化に取り組んでまいりました。

当第3四半期連結累計期間の業績においては、買取債権回収高の増加に伴い、営業収益が43億6千9百万円(前年同期比4.3%増)となり、営業利益は11億7百万円(前年同期比5.8%増)となりました。

 

(2) 財政状態の分析

当第3四半期連結会計期間末における財政状態は、前連結会計年度末に比べ総資産は930億3千3百万円の増加、純資産は371億8千5百万円の増加となりました。資産、負債、純資産の増減状況は次のとおりであります。

 

(資産の部)

資産の部については、流動資産が1,003億8千6百万円の増加、固定資産が73億5千2百万円の減少となり、資産合計では930億3千3百万円の増加となりました。流動資産の主な増加内容は、営業貸付金(673億7千5百万円)、割賦売掛金(141億8千3百万円)などであります。なお、営業貸付金の増加要因には為替影響が含まれております。また、営業貸付金及び割賦売掛金の増加に伴い、貸倒引当金は75億4千万円の増加となりました。固定資産の主な減少内容は、利息返還損失引当金の取崩しなどによる繰延税金資産(88億6千3百万円)などであります。

 

(負債の部)

負債の部については、流動負債が570億7千9百万円の増加、固定負債が12億3千2百万円の減少となり、負債合計では558億4千7百万円の増加となりました。主な増減内容は、借入金・社債などの資金調達残高(766億1千2百万円)などの増加、利息返還損失引当金(206億3千6百万円)などの減少であります。

 

(純資産の部)

純資産の部については、利益剰余金の増加により、株主資本が244億8千4百万円の増加となりました。利益剰余金の増加内容は、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上(417億1千7百万円)による増加、配当金の支払い(172億3千2百万円)による減少であります。また、為替換算調整勘定の増加などによりその他の包括利益累計額が74億1千2百万円の増加、非支配株主持分が52億8千8百万円の増加となり、純資産合計では371億8千5百万円の増加となりました。この結果、自己資本比率は0.7ポイント減少し44.1%となりました。

 

(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、当連結会社の事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(4) 研究開発活動

該当事項はありません。