売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS




E03762 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

当中間会計期間のわが国経済は、概ね堅調に推移しました。4~6月期の国内総生産(GDP)は名目で年換算600兆円を上回り、また実質の前期比伸び率は2023年4~6月期と同水準となりました。景気ウォッチャー調査のDIも現状判断・先行き判断とも5月を底に回復傾向となり、先行き判断は8月に5カ月ぶりに50台に回復しました。法人企業景気予測調査の貴社の景況判断BSIでは、企業の規模や業種を問わず10~12月の見通しが7~9月の現状判断より改善しました。

米国経済も4~6月期の実質GDPが3.0%成長を示すなど堅調な状況となりましたが、非農業部門雇用者数の増加ペースが鈍化傾向にあることに加え、失業率が5月以降4%台に上昇し雇用の減速感が強まりました。さらに雇用統計の年次改定により今年3月時点の雇用者数が81.8万人程度下方修正される見込みとなり、雇用の悪化が予想以上に強まっている可能性が浮上しました。こうした状況の中、物価上昇率が減速傾向にあることから、米連邦準備制度理事会(FRB)は9月のFOMCで政策金利の誘導目標を0.5ポイント引き下げる決定をしました。欧州経済については引き続き停滞色が強く、欧州中央銀行は6月と9月に、イングランド銀行は8月に利下げを実施しました。

当中間会計期間の国内株式市場は、日米金利動向を睨みながら6月まで日経平均株価が概ね38,000円~39,000円のボックス圏で推移しましたが、その後は9月まで急騰・急落が目立つ波乱相場となりました。米早期利下げへの期待を追い風に、日経平均株価は7月11日に42,224円02銭の史上最高値を記録しましたが、半導体領域での米中の対立激化や米景気悪化への懸念、日銀の利上げ観測などから8月5日に日経平均株価は下落幅4,451円28銭、下落率12.4%を記録し、下落幅で史上最大、下落率でも史上2番目の急落となりました。その後も米景気の先行きや日銀の金融政策を巡って荒い値動きが続く中、米当局の大幅利下げによる米経済のソフトランディング(軟着陸)期待から投資家心理が好転し、9月27日には日経平均株価が40,000円台の回復を視野に入れる水準まで戻りましたが、自民党総裁選で金融所得課税の強化に意欲を示していた石破茂氏が勝利したことから、9月30日の日経平均株価は過去5番目の大幅安となりました。こうした状況を受けて、当中間会計期間の日経平均株価は2024年3月末と比べ6.1%安い37,919円55銭で取引を終了しました。

このような環境下、当中間会計期間の業績は、営業収益が72億12百万円(前年同期比 3.2%増)と増加し、営業収益より金融費用25百万円(同 9.2%減)を控除した純営業収益は、71億87百万円(同 3.2%増)と増加しました。また、販売費・一般管理費は60億89百万円(同 2.8%増)となり、その結果、営業利益は10億98百万円(同 5.4%増)、経常利益は13億60百万円(同 6.8%増)となりました。特別利益が30百万円(前年同期実績 2億37百万円)、税金費用が2億82百万円(前年同期比 38.5%減)となったことから、中間純利益は11億8百万円(同 6.0%増)となりました。

 

 

主な比較・分析は以下のとおりであります。

 

① 流動資産

中間会計期間の「流動資産」は、前事業年度に比べ33億5百万円増加し、577億51百万円となりました。これは、「預託金」が14億32百万円、「トレーディング商品」が6億91百万円減少する一方、「現金・預金」が53億45百万円増加したことなどによるものです。

 

② 固定資産

中間会計期間の「固定資産」は、前事業年度に比べ9億44百万円減少し、186億42百万円となりました。これは、「投資有価証券」が8億3百万円、「長期差入保証金」が62百万円、「有形固定資産」が43百万円減少したことなどによるものです。

 

③ 流動負債

中間会計期間の「流動負債」は、前事業年度に比べ43億49百万円増加し、302億10百万円となりました。これは、「未払法人税等」が8億37百万円、「その他の流動負債」が3億51百万円減少する一方、「預り金」が50億90百万円、「従業員株式給付引当金」が4億24百万円増加したことなどによるものです。

 

④ 固定負債及び特別法上の準備金

中間会計期間の「固定負債」及び「特別法上の準備金」は、前事業年度に比べ8億72百万円減少し、44億71百万円となりました。これは、「従業員株式給付引当金」が流動負債への振替えにより3億73百万円、「繰延税金負債」が2億99百万円、「退職給付引当金」が1億48百万円減少したことなどによるものです。

 

⑤ 純資産

中間会計期間の「純資産」は、前事業年度に比べ11億15百万円減少し、417億11百万円となりました。これは、「中間純利益」で11億8百万円、「自己株式の処分」で11百万円増加する一方、「剰余金の配当」で9億11百万円、「自己株式の取得」で8億5百万円、「その他有価証券評価差額金」で5億18百万円減少したことによるものです。

 

⑥ 受入手数料

当中間会計期間の「受入手数料」の合計は、65億43百万円(前年同期比 9.0%増)となりました。

 

(委託手数料)      

「委託手数料」は、26億37百万円(同 0.2%減)となりました。これは、主に米国株の委託手数料が10億86百万円(同 41.6%増)と増加する一方、日本株の委託手数料が15億33百万円(同 17.7%減)と減少したことにより、株券の委託手数料が26億20百万円(同 0.4%減)となったことによるものです。また、受益証券の委託手数料は17百万円(同 69.0%増)となりました。

 

(引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料)

「引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料」は、21百万円(同 133.3%増)となりました。

 

 

(募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料、その他の受入手数料)

主に投資信託の販売手数料で構成される「募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料」は、13億97百万円(同 3.7%減)となりました。これは、米国の持続的な成長企業の株式に投資をする投資信託や、米国を中心に世界の金融商品取引所に上場されている優良企業の株式に投資をする投資信託、主として日本を含む世界各国の取引所等に上場している半導体関連企業の株式に投資をする投資信託の販売に注力しましたが、8月から9月にかけて株式市場が不安定な状況となり、この間の販売額が落ち込んだことによるものです。また、「その他の受入手数料」は、投資信託の代行手数料やファンドラップ手数料の増加等により24億86百万円(同 30.7%増)となりました。

 

⑦ トレーディング損益

中間会計期間の「トレーディング損益」は、株券等が米国株式の売買高の減少により4億64百万円(前年同期比 37.3%減)、債券・為替等は31百万円(同 66.1%減)となり、合計で4億96百万円(同 40.5%減)となりました。

 

⑧ 金融収支

中間会計期間の「金融収益」は、受取利息の増加等により1億60百万円(前年同期比 15.1%増)、「金融費用」は信用取引費用の減少等により25百万円(同 9.2%減)で差引収支は1億34百万円(同 21.3%増)の利益となりました。

 

⑨ 販売費・一般管理費

中間会計期間の「販売費・一般管理費」は、「不動産費」、「事務委託費」等が増加したことから、60億89百万円(前年同期比 2.8%増)となりました。

 

⑩ 特別損益

当中間会計期間の「特別利益」は「投資有価証券売却益」が30百万円(前年同期実績 2億24百万円)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当中間会計期間における現金及び現金同等物は、前事業年度末に比べ53億45百万円増加し、333億57百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

中間会計期間における「営業活動によるキャッシュ・フロー」は70億91百万円の増加となりました。これは「法人税等の支払額」で11億82百万円減少する一方、「預り金及び受入保証金の増減額」で51億66百万円、「顧客分別金信託の増減額」で16億98百万円、「税引前中間純利益」で13億91百万円増加したことなどが要因です。なおこれは、前中間会計期間の「営業活動によるキャッシュ・フロー」58億34百万円の増加と比較すると12億56百万円の増加となっております。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

中間会計期間における「投資活動によるキャッシュ・フロー」は0百万円の増加となりました。これは「有形固定資産の取得による支出」で51百万円、「投資有価証券の取得による支出」で31百万円、「無形固定資産の取得による支出」で16百万円、「敷金の差入による支出」で12百万円減少する一方、「投資有価証券の売却による収入」で1億14百万円増加したことなどが要因です。なおこれは、前中間会計期間の「投資活動によるキャッシュ・フロー」7億26百万円の増加と比較すると7億25百万円の減少となっております。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

中間会計期間における「財務活動によるキャッシュ・フロー」は17億17百万円の減少となりました。これは「配当金の支払額」で9億6百万円、「自己株式の取得による支出」で8億5百万円減少したことなどが要因です。なおこれは、前中間会計期間の「財務活動によるキャッシュ・フロー」12億99百万円の減少と比較すると4億17百万円の減少となっております。

 

(3) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当中間会計期間において、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定に重要な変更はありません。

 

(4) 経営方針・経営戦略等及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当中間会計期間において、経営方針等について重要な変更又は新たに定めたものはありません。

 

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当中間会計期間において、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更又は新たに生じたものはありません。

 

(6) 財務及び事業方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針

該当事項はありません。

 

(7) 研究開発活動

該当事項はありません。

 

(8) 従業員数

当中間会計期間において、従業員数の著しい変動はありません。

 

 

(9) 主要な設備

当中間会計期間において、主要な設備の著しい変動及び主要な設備の前事業年度末における計画の著しい変更はありません。

 

(10) 経営成績に重要な影響を与える要因についての分析

当社は対面及びインターネットの二つのチャネルを展開しており、対面ではフロー収益として、株式委託手数料、投資信託の販売手数料、外国株式等のトレーディング収益、またストック収益として、投資信託の代行手数料、ファンドラップ手数料を主な収益源としております。株式委託手数料及び外国株式のトレーディング収益は、日本及び米国の株式市況に大きく影響を受けます。また、外国株式は為替の影響も受け、円安(円高)になると円ベースの価格が上昇(下落)いたします。投資信託は運用する資産や手法により様々な要因で基準価額が上下しますが、基準価額が上昇すると販売が伸びる傾向があるとともに、預り残高が増加することで代行手数料も増加いたします。また、ファンドラップは値動きの異なる複数のファンドを効果的に組み合わせた国際分散投資を行い、ポートフォリオ全体のリスク低減と安定したリターンの追及を図っていますが、為替の影響を受けやすく、円安(円高)になると時価評価額が上昇(下落)する傾向があります。そのため、時価評価額に応じて算出するファンドラップ手数料は増減しますが、お客さまの国際分散投資ニーズの高まりを受け、残高は順調に伸びております。なお、インターネット取引については、開設口座数が少数であるため、収益全体に占める割合は少額であります。

費用面では、販売費・一般管理費は固定的な費用が大部分を占めておりますが、「人件費」に含まれる賞与は経営成績によって増減いたします。

 

(11) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当中間会計期間の現金・預金残高は333億57百万円となっており、日常の運転資金としては十分な額を有しております。また、当社は日本銀行に当座預金を開設する金融機関として、万一の場合でも資金決済が滞ることのないよう、非常時に備えた資金を有しておくことが必要であると考えております。さらに、非常時に備え「資金流動性危機対応マニュアル」を策定している他、定期的に資金流動性のストレスチェックテストを実施し、経営会議に報告しております。

現在、信用取引借入金及び有価証券貸借取引受入金を除く借入金は27億50百万円あり、自己資金で返済することは可能ですが、安定的な資金調達を図るため銀行等との関係を重視し、借入を継続しております。また、現在借入実績のない銀行等に対しても借入枠を確保するよう努めております。

当社が保有する現預金については、事業運営、成長投資及び株主還元等を使途として、当社の財務の安全性及び企業価値の向上の観点から適切に配分してまいります。