売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E03772 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間(以下、当期)の日本経済は、緩やかな回復を辿りました。物価高の影響がみられるものの、個人消費は持ち直しが続きました。企業は良好な業績を背景にDX(デジタルトランスフォーメーション)への投資を進めています。一方、世界経済は金融引き締めの影響から一部地域に弱さがみられながらも底堅さを維持しています。

 

日本の株式市場は、日本経済がデフレを脱しつつあるとの見方や日本企業の株主価値向上への取り組みが好感されたことなどから7月上旬にかけて上昇傾向を維持しました。日経平均株価は7月3日に3万3,753円と1990年以来、およそ33年ぶりの水準まで回復しましたが、その後は一進一退となりました。米国の金融引き締めが長期化するとの見方から米長期金利が急上昇したほか、中東情勢や日銀による金融政策変更への警戒が高まり、日経平均株価は10月には3万1,000円を割り込む場面もありましたが、国内企業の良好な業績が株価の反発をもたらしました。米国でインフレ減速による利下げへの転換期待から長期金利が低下するなか、日米の金利差の縮小により12月下旬にかけて円高・ドル安が進み国内の輸出関連株の重荷となりました。しかし、12月の日銀金融政策決定会合後は日銀による早期のマイナス金利解除観測が薄れ、日経平均株価は3万3,464円で当期末を迎えました。

 

外国為替市場で、対ドルの円相場は期初1ドル=130円台でしたが、米長期金利の上昇から11月13日には一時1ドル=151円94銭をつけました。しかし、米利下げへの思惑が強まったことから11月中旬以降、米長期金利が低下に転じ、当期末は1ドル=141円台前半で終えました。

 

高い成長可能性を有する企業向けの市場である東証グロース市場で、東証グロース市場指数は6月21日に1,092まで上昇し、2022年4月の指数算出以来の高値をつけましたが、その後は下落を続け、891で当期末を迎えました。東証グロース市場250指数(旧東証マザーズ指数、2023年11月6日に名称変更)も6月21日に864と、およそ1年5カ月ぶりの高値をつけましたが、706で当期末を迎えました。

 

当期における東証プライム市場の一日平均売買代金は4兆311億円、スタンダード市場の一日平均売買代金は1,287億円、グロース市場の一日平均売買代金は1,519億円となりました。

 

当社は、このような環境下、お客様本位の「ストック型ビジネスモデル」の構築を目指し、中期経営計画「3・D」の目標である預り資産3兆円への拡大をするため、ファンドラップと投資信託によるストック型資産の倍増に取り組んでおります。

 

株式につきましては、低金利環境、インフレの下で安定性と配当に注目した資産株のご提案に加え、当社グループの強みであるリサーチ力を生かした中小型成長企業への投資のご提案をするなど、引き続きお客様の中長期における資産形成としての株式投資をお勧めして参りました。

 

いちよしファンドラップ「ドリーム・コレクション(愛称:ドリコレ)」につきましては、お客様の保守的な資産の中長期運用商品としてのニーズが引き続き拡がっており、当期末の残高は2,382億円(前年同期末比18.8%増)となりました。

 

投資信託(ラップを除く)につきましては、「いちよし・グローバル株式ファンド(愛称:いちばん星)」「ブラックロック世界好配当株式オープン(愛称:世界の息吹)」や「いちよし日本好配当株&Jリートファンド(愛称:明日葉(あしたば))」等、お客様のニーズに即した提案に努めて参りました。当期末の残高は、7,499億円(前年同期末比6.8%増)となりました。

 

グループのいちよしアセットマネジメントにおきましては、運用資産残高が引き続き増加し、当期末の運用資産残高は4,834億円(前年同期末比14.2%増)となりました。

 

以上の結果、当社グループの純営業収益は134億78百万円(前年同期比6.9%増)となりました。また、販売費・一般管理費は118億95百万円(同2.4%増)となり、差し引き営業利益は15億83百万円(同59.0%増)となりました。

 

なお、当期末の預り資産は、2兆768億円(前期末比8.8%増)となりました。

 

また、当社が目指している「ストック型ビジネスモデル」への転換進捗状況を示す重要な経営指標の一つと位置付けておりますコストカバー率(投資信託の信託報酬やラップフィー等のいわゆる安定収益の販管費に対する比率)は、58.2%(前年同期比4.4ポイント増)となりました。

 

主な内訳につきましては以下のとおりです。

① 受入手数料

受入手数料の合計は131億65百万円(前年同期比7.0%増)となりました。

委託手数料:

株券の委託手数料は38億1百万円(前年同期比12.7%増)となりました。

このうち、中小型株式(東証スタンダード、東証グロース、名古屋メイン、名古屋ネクスト)の委託手数料は4億98百万円(同7.7%減)となり、株券委託手数料に占める中小型株式の割合は13.2%となりました。

 

募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料:

投資信託に係る手数料が19億66百万円(前年同期比1.7%減)となり、募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料の合計は19億85百万円(同2.4%減)となりました。

 

その他の受入手数料:

その他の受入手数料は、当社の受益証券残高に係る信託報酬が30億77百万円(前年同期比1.7%増)、いちよしアセットマネジメントの運用に係る信託報酬が16億円(同8.2%増)となり、これに当社のファンドラップに係るフィー等22億40百万円(同28.8%増)等を加え、合計73億11百万円(同10.0%増)となりました。

 

② トレーディング損益

株券等のトレーディング損益は、44百万円(前年同期比31.7%増)の利益となりました。債券・為替等のトレーディング損益は、11百万円(同19.2%減)の利益となりました。その結果、トレーディング損益合計は56百万円(同16.2%増)の利益となりました。

 

③ 金融収支

金融収益は、1億23百万円(前年同期比1.1%減)、金融費用は、26百万円(同4.8%増)となり、差し引き金融収支は97百万円(同2.6%減)となりました。

 

以上の結果、当期の純営業収益は134億78百万円(前年同期比6.9%増)となりました。

 

④ 販売費・一般管理費

販売費・一般管理費は、人件費の増加等により、118億95百万円(前年同期比2.4%増)となりました。

 

営業外損益

営業外収益が、受取保険金及び配当金23百万円等で56百万円、営業外費用が、投資事業組合運用損11百万円等で11百万円となり、差し引き45百万円(前年同期比14.4%減)の利益となりました。

 

以上の結果、当期の経常利益は16億28百万円(前年同期比55.3%増)となりました。

 

⑥ 特別損益

特別利益は受取補償金等で80百万円、特別損失は和解金等で12百万円となり、差し引き67百万円(前年同期比67百万円の増加)の利益となりました。

 

これらにより、税金等調整前四半期純利益は16億96百万円(前年同期比61.8%増)となりました。これに法人税、住民税及び事業税5億49百万円及び法人税等調整額33百万円を減算した結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は11億13百万円(同65.5%増)となりました。

 

(2)財政状態の状況

① 資産

前期末に比べて43億54百万円(10.2%)増加し、470億25百万円となりました。これは、現金・預金が68億3百万円増加したこと等によるものです。

 

② 負債

前期末に比べて43億28百万円(29.2%)増加し、191億72百万円となりました。これは、預り金が69億72百万円増加したこと等によるものです。

 

③ 純資産

前期末に比べて26百万円(0.1%)増加し、278億52百万円となりました。これは、親会社株主に帰属する四半期純利益11億13百万円を計上した一方で、配当金の支払い11億48百万円があったこと等によるものです。

 

この結果、自己資本比率は59.2%(前期末は65.2%)となりました。また、当社の自己資本規制比率は515.0%(前期末は505.8%)となりました。

 

 (3)事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

 (4)研究開発活動

該当事項はありません。

 

 (5)主要な設備

該当事項はありません。