売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E05648 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当第3四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが第5類へ移行されたことに伴い経済社会活動の正常化が進展し、インバウンド消費や個人消費の持ち直しの結果、国内の経済活動は回復基調となりました。一方で、国際情勢不安、円安進行、物価上昇などが続いており、先行きは不透明な状況となっております。

このような経済環境の下、当社は、2021年5月に策定した「中期経営計画2023」(2021年度~2023年度)の実現に向けた取り組みを推進いたしました。「中期経営計画2023」につきましては、“ウェルビーイング領域におけるNo.1プラットフォーマーへ”を骨子とし、従来の事業ドメインを内包するウェルビーイング関連領域(*)において実効性のある課題解決策をSaaSにて展開し、既存事業の深掘りとドメイン拡大を進めることにより、同領域におけるソリューション提供のリーディングカンパニーを目指すことを基本方針としております。具体的には、(1) DXプラットフォームの展開、(2) BtoBtoE領域への進出、(3) 資本提携・オープンイノベーションの加速、(4) 人材育成強化・健康経営推進、(5) ITケイパビリティの強化を重点テーマとして各種施策を実施し、顧客企業の生産性向上を通じた「企業価値の向上」と「従業員の元気」の実現を経営ビジョンとした事業活動を展開いたします。

当第3四半期連結累計期間におきましては、「中期経営計画2023」のコア商品である「アドバンテッジ ウェルビーイング DXP」(**)を軸に顧客企業への複数サービス提供の総合提案営業を引き続き推進し、ウェルビーイング関連の事業領域の拡大に取り組みました。また、ストレスチェックサービスを主力事業として展開するここむ株式会社(第1四半期連結会計期間より連結子会社化)およびOKR(Objective & Key Results)という目標管理手法を活用した組織・個人のアラインメント強化ツールResily(リシリー)をクラウドで提供するResily株式会社(第2四半期連結会計期間より連結子会社化)との連携を図り、顧客基盤の拡大とエンゲージメント領域のソリューション強化など新たな事業機会を創出いたしました。

(*)当社事業における心身の健康、従業員の成長、リスクの予防と発生時の支援、両立支援、福利厚生、余暇支援、会社との一体感醸成等の業務領域

(**)ストレスチェック義務化対応プログラム「アドバンテッジ タフネス」による調査結果や健康診断結果など心身の健康データや、勤怠・休業等の人事労務情報を集約し、ダッシュボードでの見える化、データ分析、課題抽出、効果的なソリューションの提案を行うデータマネジメントプラットフォーム

 

当第3四半期連結累計期間の売上高につきましては、メンタリティマネジメント事業及び就業障がい支援事業が堅調に推移し、増収となったものの新規サービスの売上拡大が遅れるなど計画に対しては未達となりました。費用面につきましては、従業員の賃金アップに伴う人件費の増加、成長戦略に基づくシステム投資に伴うソフトウェア償却費など経費負担は増加いたしましたが、売上高が伸長したことにより増益となりました。

その結果、当第3四半期連結累計期間の売上高5,000百万円(前年同期比9.9%増)、営業利益は283百万円(前年同期比44.1%増)、経常利益は295百万円(前年同期比62.8%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は195百万円(前年同期比102.2%増)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は以下のとおりです。

 

(メンタリティマネジメント事業)

当事業におきましては、ストレスチェックやエンゲージメントサーベイを起点に組織改善までを担うワンストップサービス「アドバンテッジ タフネス」の新規顧客の獲得に注力いたしました。また、人事経営課題解決型プラットフォーム「アドバンテッジ ウェルビーイング DXP」、ならびに組織改善のPDCAを加速するパルスサーベイシステム「アドバンテッジpdCa(ピディカ)」の導入を推進いたしました。

当第3四半期連結累計期間の売上高につきましては、「アドバンテッジ タフネス」の新規契約の獲得が好調に推移したものの、採用適性検査インサイト・EQ(感情マネジメント力)向上研修関連サービスを始めとしてソリューション売上が低調となりました。また、企業の健康経営推進ニーズにより「健診管理システム」の新規導入が順調に推移し増収となりましたが、「産業医・保健師サービス」は新規の契約獲得が苦戦し前年同期に比べて伸びが鈍化いたしました。費用面につきましては、「アドバンテッジ タフネス」など既存サービスの改良や中期経営計画実現に向けた「アドバンテッジ ウェルビーイングDXP」の追加開発に伴うソフトウェア償却費の増加や新たに連結子会社となったここむ株式会社およびResily株式会社の人件費など経費負担が増加したため減益となりました。

これらの結果、メンタリティマネジメント事業の売上高は3,729百万円(前年同期比9.6%増)、セグメント利益は419百万円(前年同期比4.8%減)となりました。

 

(就業障がい者支援事業)

当事業におきましては、引き続き、新たな連携先との関係構築及び既存連携先との関係深化によるGLTD(Group Long Term Disability:団体長期障害所得補償保険)の新規顧客開拓に取り組みました。また、会社と傷病休のほか産休・育休・介護休業等により休業中の従業員を繋ぎ、人事部門の負担とリスクの軽減と休業者の復職や仕事の両立をサポートする休業者管理支援クラウドサービス「ADVANTAGE HARMONY(アドバンテッジハーモニー)」の営業活動を推進いたしました。

当第3四半期連結累計期間の売上高につきましては、GLTD販売が堅調に推移いたしました。「ADVANTAGE HARMONY(アドバンテッジハーモニー)」は新規契約が増加したものの導入時期の後ろ倒しもあり見込みを下回る推移となりました。費用面につきましては、システム投資によるソフトウェア償却費が増加いたしましたが、売上高が伸長したことにより増益となりました。

これらの結果、就業障がい者支援事業の売上高は1,051百万円(前年同期比14.7%増)、セグメント利益は216百万円(前年同期比130.9%増)となりました。

 

(リスクファイナンシング事業)

主に企業等に勤務する個人を対象として保険商品を販売している当事業におきましては、当第3四半期連結累計期間の売上高は前年同期比で減収となりました。費用面につきましては、効率的なオペレーション業務体制の維持によりコスト抑制に努めました。

これらの結果、リスクファイナンシング事業の売上高は219百万円(前年同期比4.5%減)、セグメント利益は161百万円(前年同期比9.4%減)となりました。

 

 

(2) 財政状態の分析

当第3四半期連結会計期間末の総資産は前連結会計年度末より351百万円増加し、6,312百万円となりました。流動資産は7百万円増加し、2,643百万円となりました。これは主に、売掛金及び保険代理店勘定が減少した一方で現金及び預金が増加したことによるものです。固定資産は344百万円増加し、3,669百万円となりました。これは主に、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得により発生したのれん及び事業用システム投資に伴い無形固定資産が増加したことによるものです。

当第3四半期連結会計期間末の負債は前連結会計年度末より321百万円増加し、2,642百万円となりました。流動負債は125百万円増加し、2,252百万円となりました。これは主に、未払金及び保険料預り金が減少した一方で前受収益が増加したことによるものです。固定負債は195百万円増加し、389百万円となりました。これは主に、取得した連結子会社の長期借入金によるものです。

当第3四半期連結会計期間末の純資産は前連結会計年度末より30百万円増加し、3,670百万円となりました。これは主に、利益剰余金が配当金の支払いによる減少があった一方で、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上により増加したことによるものです。

なお、保険会社に帰属する保険料で当社の口座に残高のあるものについては、保険代理店勘定及び保険料預り金として対照勘定処理を行っております。これらを除いた場合の自己資本比率は58.1%となります。

 

 

(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(4) 研究開発活動

該当事項はありません。