売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E05407 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結累計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)財政状態に関する説明

(資産)

 流動資産は16,430百万円となり、前連結会計年度末に比べて1,014百万円の増加となりました。これは、販売用不動産が1,883百万円増加し、現金及び預金が976百万円減少したことなどによります。現金及び預金の比率が高い理由は、ADVANTAGE CLUB販売時に何らかの経済危機が発生し、不動産在庫リスクが発生する場合に備え、継続的に経営を維持できるよう保守的な財務運営によるものであります。但し、ADVANTAGE CLUB用の不動産仕入については、不動産の仕入決済時にADVANTAGE CLUBを組成するなど不動産在庫リスクを発生させない方針を継続しております。

 固定資産は6,141百万円となり、前連結会計年度末に比べて199百万円の減少となりました。これは、繰延税金資産が120百万円減少したことなどによります。

 これらにより資産合計は22,572百万円となり、前連結会計年度末に比べて814百万円の増加となりました。

(負債)

 流動負債は6,326百万円となり、前連結会計年度末に比べて1,184百万円の増加となりました。これは、短期借入金が1,925百万円増加し、未払金が506百万円、未払法人税等が434百万円、それぞれ減少したことなどによります。

 固定負債は7,445百万円となり、前連結会計年度末に比べて849百万円の減少となりました。これは、長期借入金が1,101百万円減少し、長期預り敷金保証金が292百万円増加したことなどによります。

 これらにより負債合計は13,772百万円となり、前連結会計年度末に比べて335百万円の増加となりました。

(純資産)

 純資産合計は8,799百万円となり、前連結会計年度末に比べて479百万円の増加となりました。これは、利益剰余金が親会社株主に帰属する四半期純利益により1,267百万円増加し、配当金の支払いにより899百万円減少したことなどによります。

 これらにより自己資本比率は38.7%(前連結会計年度末は38.0%)となりました。

 

(2)経営成績に関する説明

 当社グループは2022年からの3ヵ年を「拡大成長期」と位置付けた第三次中期経営計画を策定し、8つの「戦略的個別サービス」と「総合財産コンサルティングサービス」の両輪によるお客様サービスの品質向上と、量的拡大を実現する施策に取り組んでおります。

 当第3四半期連結累計期間においては、世界的なインフレの進行や金利の上昇、急激な為替の変動など、先行き不透明な状況が続いております。

 このような状況のもと、当社のお客様である個人資産家や企業オーナーの財産コンサルティングサービスのニーズ、とりわけ財産承継、事業承継、資産保全並びに資産運用ニーズは大幅に増大しております。

 金融機関等からのお客様の紹介は堅調に推移しており、お客様数は増加し続けております。既存のお客様のアカウントプラン(個社・個人別中長期コンサルティング計画)の年度実行に加え、新規のお客様のアカウントプランの策定および年度実行により当年度の財産コンサルティング収益の拡大と中長期的な財産コンサルティングの提案・受託を行ってまいりました。

 また、8つの「戦略的個別サービス」についての進捗は以下の通りでございます。

 ADVANTAGE CLUBについては、不動産の運用商品として長年にわたり信頼を得ており、積極的に組成をしており、募集開始からわずか数日で募集口数に到達している状態が続いております。不動産を裏付けとした運用商品のニーズはますます高まっていることから、今後も積極的に組成を行っていく方針です。

 STO事業においては、ADVANTAGE CLUBにつぐ第2の不動産を裏付けとした運用商品の柱と位置付けております。当第3四半期連結累計期間において、第1号案件となる渋谷区神宮前の案件を組成しました。STOもADVANTAGE CLUBと同様にニーズが高く、第2号案件の組成に向けて積極的に取り組んでまいります。

 購入コンサルティング事業においては、首都圏の不動産購入ニーズを持つ資産家に対して積極的に提案しており複数成約しております。特に当事業年度はADVANTAGE CLUBの連携を行っている地方銀行のお客様向けに提案を開始し、財産コンサルティングの受託に繋がっております。

 土地有効活用コンサルティング事業においては、有効活用専門チームを組成し、地方銀行およびメガバンク2行との連携を昨年度から開始し、着実に案件を受託しております。

 ファミリーオフィスサービス事業においては、メガバンクおよび有力な地方銀行と連携し、非財産分野のコンサルティングを超巨大企業の同族オーナー向けに行っております。ファミリーガバナンスのコンサルティングをきっかけとして財産承継や事業承継のコンサルティング案件も受託しており、超富裕層へのコンサルティング案件に繋がっております。

 地域創生コンサルティング事業については、敦賀市敦賀駅西地区土地活用事業『TSURUGA POLT SQUARE「otta(オッタ)」』が一般財団法人都市みらい推進機構主催の「令和5年度 土地活用モデル大賞」において、国土交通大臣賞を受賞しました。当該受賞により、当社が手掛ける地域創生事業への問い合わせは増加しております。また、国土交通省や地方銀行と連携して共同セミナーを行うなど当社が手掛ける地域創生事業の普及活動に積極的に取り組んでおります。結果的に多くの自治体から案件の紹介を受け、過去最大級の案件の受託をする予定です。

 事業承継ファンド事業においては、第4四半期会計期間に2件の投資回収を予定しております。100を超えるM&Aブティックと連携しており、M&Aが成立せず縮小型のM&Aや廃業を選択肢に選ばざるをえない企業が増加していることから、多くの紹介案件を受けております。また、コロナ禍によるゼロゼロ融資の返済リスクの増大に伴い、過剰債務企業のリスクをヘッジするために地方銀行からの当該スキームを活用する問い合わせが増加しております。ニーズの拡大により、今後ますます投資の増加が見込まれると考えております。

 IFAによる金融商品運用サービスについては、グループ会社の㈱青山フィナンシャルサービスによる金融資産コンサルティングを積極的に行ったことから、預かり資産残高は約60億円に到達しました。従来、当社の財産コンサルティングは資産の半分程度を占める不動産に傾注しておりましたが、金融商品運用サービスの提供により、名実ともに総合財産コンサルティングを行える体制を整えることができました。特に円安に伴う海外分散投資意欲の高まりや、仕組債問題から発生する代替ニーズ、また、総合財産コンサルティングを行う上での金融資産のセカンドオピニオンを求める声が高まっております。さらには、M&A業界における最大手の(株)日本M&AセンターのM&A後のお客様に対する資産運用のコンサルティングを受託しており、それらに対応することにて預かり残高が増加しております。

 

 売上高につきましては、25,699百万円(前年同四半期は28,033百万円)となりました。不動産取引収益はADVANTAGE CLUB等の組成額が減少したことから、前年同四半期を下回る売上高となりました。一方、財産コンサルティング収益については、お客様数が増加しており、収益率の高い財産承継コンサルティングの売上が大幅に増加致しました。

 

 営業利益につきましては、1,821百万円(前年同四半期は1,665百万円)となりました。利益率の高い財産コンサルティング収益の増加により売上総利益は増加しました。費用面においては、積極的な採用活動を行ったことから人員が増加しており人件費が増加しております。

 

 経常利益につきましては、営業外収益201百万円(前年同四半期は94百万円)、営業外費用75百万円(前年同四半期は157百万円)を計上したことから1,947百万円(前年同四半期は1,602百万円)となりました。為替差益173百万円(前年同四半期は82百万円)を計上したことから営業外収益が増加しております。

 

 親会社株主に帰属する四半期純利益につきましては、1,267百万円(前年同四半期は1,064百万円)となりました。

 

 以上の結果、当社グループの当第3四半期連結累計期間の経営成績は、下表の通り、売上高25,699百万円(前年同四半期比8.3%減)、営業利益1,821百万円(同9.4%増)、経常利益1,947百万円(同21.5%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益1,267百万円(同19.1%増)となりました。

 

 

(単位:百万円)

 

2022年12月期

第3四半期

2023年12月期

第3四半期

前年同四半期比

2023年12月期

修正後通期業績予想

修正後業績予想に対する進捗率

2022年12月期

通期実績

売上高

28,033

25,699

▲8.3%

37,400

68.7%

35,952

営業利益

1,665

1,821

9.4%

3,300

55.2%

2,629

経常利益

1,602

1,947

21.5%

3,370

57.8%

2,499

親会社株主に帰属する四半期(当期)純利益

1,064

1,267

19.1%

2,040

62.1%

1,694

 

 当社グループは、財産コンサルティング事業のみの単一セグメントであります。売上高の区分別業績は次のとおりであります。

(単位:百万円)

 

2022年12月期

第3四半期

2023年12月期

第3四半期

財産コンサルティング

4,393

4,588

不動産取引

23,640

21,111

合計

28,033

25,699

 

① 財産コンサルティング

 当社グループは個人資産家および企業オーナーに対して財産承継及び事業承継コンサルティングを提供しております。また独自の商品を開発してお客様の財産運用及び財産管理のコンサルティングも手掛ける総合財産コンサルティングファームです。

 財産コンサルティングの売上高の内訳は次の通りであります。

(単位:百万円)

 

2022年12月期

第3四半期

2023年12月期

第3四半期

財産承継

1,952

2,871

事業承継

1,171

673

商品組成等

1,269

1,042

合計

4,393

4,588

 

財産承継につきましては、個人資産家に対して相続の事前・事後対策、保有不動産の有効活用、広大地活用、不動産の購入・売却に関するコンサルティングなどから得られる売上を計上しております。当第3四半期連結累計期間においては、既存のお客様の案件に加え、昨年来からご紹介頂いたお客様の案件が堅調に推移しております。

 

事業承継につきましては、企業オーナーに対して後継者決定支援、組織再編・財務改善・成長戦略支援、転廃業支援、M&A後の財産承継支援やM&A支援、事業承継ファンドを活用したコンサルティングなどから得られる売上を計上しております。当第3四半期連結累計期間においては、本業である同族への事業承継プランニングについては売上が624百万円(前年同四半期は606百万円)、M&Aの売上が40百万円(同387百万円)、事業承継ファンドの売上が8百万円(同177百万円)となりました。年度の顧客向けアカウントプランが財産承継コンサルティングに比較して下期に偏重しております。いずれのセグメントにおいても年度アカウントプランの早期のクロージングに努めてまいります。

 

商品組成等につきましては、当第3四半期連結累計期間においては、昨年度に比べADVANTAGE CLUBの組成額が下回っていること、また、当第3四半期連結累計期間までにADVANTAGE CLUBの解散がなかったことから減少しております。

 

 以上の結果、財産コンサルティングの売上高は4,588百万円(前年同四半期比4.4%増)となりました。また、財産コンサルティングの売上高、売上原価及び売上総利益は下表の通りです。

(単位:百万円)

 

2022年12月期

第3四半期

2023年12月期

第3四半期

売上高

4,393

4,588

売上原価

2,497

2,543

売上総利益

1,896

2,044

 

② 不動産取引

 当社グループは財産コンサルティングの一環として、顧客の資産運用ニーズへの対応を図る目的から、不動産を仕入れ、不動産に関連した商品の開発を行い当社顧客等への販売を行っております。

 不動産取引の売上高の内訳は次の通りであります。

(単位:百万円)

 

2022年12月期

第3四半期

2023年12月期

第3四半期

ADVANTAGE CLUB

21,602

15,871

STO

-

4,576

その他不動産取引

2,037

663

合計

23,640

21,111

 

ADVANTAGE CLUBにつきましては、当第3四半期連結累計期間においては5件組成し15,871百万円の売上を計上いたしました。ADVANTAGE CLUBは募集開始後、極めて短期間に申し込みが終了する状況が継続しており、多大なニーズがあることから今後も積極的な組成を行ってまいります。

STOにつきましては、第1号案件を組成したことにより売上を計上しております。

 

その他不動産取引につきましては、1棟ものの不動産の提供や不動産保有時の賃料収入等を計上しております。

 

 以上の結果、不動産取引の売上高は21,111百万円(前年同四半期比10.7%減)となりました。また、不動産取引の売上高、売上原価及び売上総利益は下表の通りです。

(単位:百万円)

 

2022年12月期

第3四半期

2023年12月期

第3四半期

売上高

23,640

21,111

売上原価

21,561

19,059

売上総利益

2,078

2,052