売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E04044 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の5類移行による経済活動の正常化や雇用・所得環境の改善により緩やかな持ち直しの動きが続きました。一方で、海外景気の下振れリスクが我が国経済に影響を及ぼす可能性や物価上昇など不透明要因も見られました。

住宅業界においては、住宅価格の高止まりによる購入者マインドの低下が生じ、分譲戸建住宅の着工件数は、令和4年11月以降前年同月を下回る状況が継続しています。住宅着工の悪化を踏まえ、政府は住宅建設分野の景気判断を見直し、直近では弱含みへと引き下げを行いました。住宅着工件数が全国的に低調に推移する中、当社販売エリアでは、首都圏に比べ北関東で減少が顕著に現れました。

このような状況の中、当社グループにおきましては、「新築住宅販売事業の持続的な成長に向けた事業基盤の強化と事業エリアの拡大」、「住宅ストック事業の規模拡大、新築住宅販売事業との相乗効果の最大化」及び「サステナビリティ(ESG)課題への対応強化」を基本方針とする第三次中期経営計画(令和4年3月期~令和6年3月期)の下、企業価値の向上に取り組んでまいりました。

主力事業の新築住宅販売においては、首都圏における事業規模拡大と、ZEH住宅、長期優良住宅の供給拡大による商品力強化に努めました。その結果、首都圏エリアでは販売棟数が伸長したものの、北関東エリアにおいては市場環境の悪化の影響を受け、コロナ特需が見られた前年同期と比べ販売棟数が減少しました。また、需要の鈍化に伴い競合が激化し、利益確保においても厳しい状況が続きました。

以上の結果、当第3四半期連結累計期間の経営成績は、売上高は375億2百万円(前年同期比7.8%減)、営業利益は7億81百万円(前年同期比69.8%減)、経常利益は5億86百万円(前年同期比75.9%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は3億14百万円(前年同期比81.2%減)となりました。

 

 セグメントごとの経営成績は次のとおりです。

①不動産販売

新築住宅販売では、全棟ZEH住宅の『つくば松代Ⅱ (つくば市、全103区画)』『柏の葉キャンパスLiwie(柏市、全40区画)』など『ソラタウン』シリーズと全棟が長期優良住宅認定の『みずのいろ、澪桜の空 流山・運河(流山市、全28区画)』などが好調に推移する中、当四半期には東京都清瀬市に全棟が長期優良住宅となる『~朧oboro~秋津(全11区画)』や住む人の多様性に応えることをコンセプトとした『彩りの杜 小山市羽川11期(全31区画)』の販売を開始するなど、首都圏における事業拡大と北関東における需要の掘り起こしに取り組みました。商品面においては、ZEH住宅や長期優良住宅の供給拡大とともに、日中における太陽光発電の余剰電力を活用する『おひさまエコキュート』の設置を推進するなど、家計と環境に配慮した商品供給に努めました。

これらの取り組みにより、首都圏エリアにおいては、前年同期と比較して販売棟数が増加したものの、北関東エリアでは、分譲価格の高騰による影響等から厳しい受注状況で推移し、当第3四半期連結累計期間における新築販売棟数は、前年同期比129棟減の923棟となりました。

中古住宅販売では、仕入価格とリフォーム費用が高騰したことで、中古住宅販売価格は前年同期に比べ上昇しました。加えて、需要の低迷と大手ビルダーに新築ローコスト住宅の価格見直しの動きが顕著となるなど、厳しい受注環境が続きました。このような状況の中、当第3四半期連結累計期間の販売棟数は前年同期比7棟減の92棟となりました。

以上の結果、当第3四半期連結累計期間における不動産販売セグメントの売上高は349億28百万円(前年同期比6.5%減)、セグメント利益は1億72百万円(前年同期比91.3%減)となりました。

 

②建築材料販売

建築材料販売では、新設住宅(木造)着工戸数は、当四半期末まで21か月連続で前年同月比減少となり、主力のプレカット材の受注環境は厳しい状況が続きました。一方で、木材価格は、住宅需要の低迷を反映して、昨年の夏場をピークに下げ基調が続きました。

このような状況の中、埼玉県エリアでの受注拡大を目的に開拓営業とプレカット材以外の建材受注の強化に注力しましたが、需要の低迷と受注競争の激化の影響により前年同期に比べ減収減益となりました。

以上の結果、当第3四半期連結累計期間における建築材料販売セグメントの売上高は22億42百万円(前年同期比28.0%減)、セグメント利益は2億24百万円(前年同期比40.8%減)となりました。

 

③不動産賃貸

不動産賃貸では、賃貸オフィス等が一部物件で大規模修繕を実施したものの高稼働率で推移したこと、及び前期の第4四半期に取得したサンビレッジ沼南(千葉県柏市、全173戸)が業績に寄与したことで、増収となりました。また、パーキング事業では、経済社会活動の正常化に伴い時間貸駐車場の稼働率が上昇したことに加えて、本年度6月に取得した時間貸駐車場63台(栃木県小金井駅前)の稼働開始により、前年同期を上回る業績となりました。以上の結果、当第3四半期連結累計期間における不動産賃貸セグメントの売上高は3億31百万円(前年同期比48.3%増)、セグメント利益は1億69百万円(前年同期比32.8%増)となりました。

 

(2) 財政状態の分析

当第3四半期連結会計期間末における連結総資産は、前連結会計年度末に比べ31億88百万円増加し、758億33百万円となりました。主な要因は、不動産販売事業のエリア拡大等に伴う分譲用地の取得や分譲住宅販売ペースの鈍化等により棚卸資産が増加したことによるものです。

負債は、前連結会計年度末に比べ45億55百万円増加し、510億4百万円となりました。主な要因は、棚卸資産の増加に伴い、借入金が増加したことによるものです。

純資産は、前連結会計年度末に比べ13億66百万円減少して248億29百万円となりました。これは、親会社株主に帰属する四半期純利益の獲得があったものの、株主配当金の支払いや自己株式の取得による減少があったことによるものです。

 

(3) 研究開発活動

 当第3四半期連結累計期間において、当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 なお、研究開発費として特に計上すべき金額はありません。