売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E04222 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社並びに持分法適用子会社)が判断したものであります。

(1)財政状態及び経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症(以下「感染症」という。)の行動制限解除の下、経済活動の持ち直しの動きがみられたものの、世界的な情勢不安、円安の進行等に伴う原材料価格上昇、物価高騰の影響など、依然として景気の先行き不透明な状態が続いております。

当第3四半期連結累計期間の経営成績は、タクシー・バス事業で移動需要の順調な回復と不動産再生事業の増収を主要因として、売上高は70,756百万円(前年同四半期比8.0%増)、営業利益は2,109百万円(同54.8%増)、経常利益は2,802百万円(同22.4%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は1,482百万円(同16.1%増)となりました。

なお、当社グループの不動産分譲事業では、顧客のニーズに合わせて第4四半期連結会計期間に竣工する物件の割合が高いため、第4四半期連結会計期間の売上高は他の四半期連結会計期間の売上高と比べ、高くなる傾向にあります。

セグメントの経営成績は、次のとおりであります。

①タクシー事業

タクシー業界においては、感染症拡大抑止に伴う外出自粛や訪日外国人等の利用減少が、全国的に乗務員の離職を招き、都市部や観光地においてタクシーの局地的な供給不足が生じています。

当社グループにおいては、引き続き「ママサポートタクシー」(78地域、累計登録者数493千人、利用回数はのべ1,183千回、うち陣痛時利用39千回)、「子どもサポートタクシー」、「No.1タクシーネットワーク」(提携及び商流サービス利用を含め744社)など、サービス展開を全国の営業所にて推進しております。路線バス廃止や交通不便地区での移動困難者の外出を支援する「おでかけ乗合タクシー」(71市町村295路線)、「救援事業・便利屋タクシー」、「お墓参りサポートタクシー」、低濃度オゾン発生装置の全車搭載など、他社との差別化を図っております。また、脱炭素社会への取り組み「全国タクシーEV化プロジェクト」において、タクシー車両のEV化及び配車システムでの運用効率化に係る開発・実証により、全国で持続可能な環境配慮型タクシー事業の実現を推進しております。乗務員募集・採用では国土交通省「女性ドライバー応援企業」、「働きやすい職場認証制度」のPRと「女性会議」の開催、事業所内保育所や近隣保育施設との業務提携、若年者の採用優遇制度「夢チャレ」、事業所見学会・タクシー運転体験会の実施、インターネット、ホームページ、テレビCM等の活用により女性乗務員や若年層の採用を進めることで、若返り及び定着を図っております。(括弧内の数値はいずれも2023年12月31日現在)

売上高は利用者の需要回復と運賃改定の進展により38,196百万円(前年同四半期比8.1%増)となり、国土交通省のコロナ対策の特例休車のほか、広範囲にわたる経費削減に取り組んだ結果、セグメント損失は222百万円(前年同四半期はセグメント損失494百万円)と改善しました。

タクシー認可台数は前連結会計年度末比19台増の8,174台ですが、このうちタクシー特措法に基づく特定地域内で稼働ができない状態(休車)の6台及びコロナ対策の特例休車405台が含まれており、稼働可能な台数は7,763台となっております。なお、認可台数に含まれていない預かり減車179台は、将来UD車等で復活が可能となっております。

②バス事業

バス業界においては、感染症拡大に伴う外出自粛、国内観光客及び訪日外国人の消失等の影響による団体旅行の利用減少が継続しておりましたが、回復傾向となっております。

当社グループの沖縄県内の路線バス部門では、交通系ICカード「OKICA」の運用、5市町村9路線でのコミュニティバスの運行、各種実証実験や需要に応じた新規路線の運行、沖縄県産品の販路拡大、地域活性化を目的とした那覇空港連絡バスでの貨客混載、「沖縄スマートシフトプロジェクト」ではMaaSアプリ「my route」内でバス1日乗車券やデジタルチケットを販売、「那覇バスターミナル」ではデジタル多言語案内板等による利用者の利便性向上に努めておりますが、感染症が完全終息していないこともあり、通勤・通学者の利用控えが継続しております。なお、脱炭素社会への取り組みとして沖縄県内初の小型EV路線バス2台、大型EV路線バス1台をそれぞれ那覇市内線で運行しております。

一方で、沖縄県内の貸切バス部門においては、バスガイド等で構成する音楽ユニット「うたばす」による営業活動に取り組むとともに、動画配信サイトでは沖縄のバス旅行の魅力を配信、繁忙期の運転手・バスガイド不足には、グループ会社や協力会社からの派遣受け入れにより対応しました。公共交通利用促進として「バスフェスタ」、「こどもみらいお仕事体験イベント」への出展、国土交通省「働きやすい職場認証制度」認証取得のPR、「ミニフェスタ」ではバスの運転体験会を開催するなど乗務員等の採用にも注力しております。

バス事業全体では、沖縄県を中心に団体旅行やインバウンド需要の回復、大型イベントの再開など輸送人員が増加したこともあり、売上高は4,957百万円(前年同四半期比16.4%増)となり、国土交通省のコロナ対策の特例休車のほか、広範囲にわたる経費削減に取り組んだ結果、セグメント損失は248百万円(前年同四半期はセグメント損失595百万円)と改善しました。また、バス認可台数は、前連結会計年度末から5台減の679台となっております。

③不動産分譲事業

不動産分譲事業では、一部の物件で、実際のモデルルームを360°見ることができる3Dモデルルームの設置、オンラインシステムを利用した商談等も準備し、お客様のニーズに合った営業活動を行っております。

このような状況の下、マンション販売におきましては、北九州において「小倉片野」(39戸)、福岡において「博多グロウサイド」(104戸)、「新飯塚」(84戸)、大分において「大分田室町」(89戸)、長崎において「諫早駅」(84戸)、大阪において「長田」(99戸)、「東上野芝」(75戸)、東京において「練馬春日町」(39戸)、埼玉において「越谷蒲生」(36戸)の合計9棟649戸を新規販売するとともに、新規竣工引渡しは北九州において「下到津」(99戸)、宮崎において「大淀河畔」(130戸)、大阪において「泉大津東雲」(58戸)の3棟287戸となり、完成在庫の販売に注力した結果、売上高は14,793百万円(前年同四半期比15.0%増)となりました。

戸建住宅におきましても、「暮らしを潤す高品質な土地付住宅」をテーマにした第一ホーム㈱の「ユニエクセラン」シリーズを、北九州において「三萩野」(7区画)、福岡において「野芥」(1区画)、「三苫Ⅲ」(3区画)、「大佐野Ⅱ」(1区画)、「賀茂」(1区画)を新規販売するとともに、完成在庫の販売に取り組みましたが、売上高は1,743百万円(前年同四半期比17.2%減)となりました。

以上により、不動産分譲事業全体の売上高は、その他(プロジェクト用地売却等)1,109百万円を加えた17,647百万円(前年同四半期比1.5%増)、セグメント利益は713百万円(同27.4%減)となりました。

④不動産賃貸事業

不動産賃貸業界においては、感染症の影響により、企業のリモートワーク普及に伴うオフィスの縮小が続いており、加えて原材料価格・人件費等の高騰に伴う飲食店の減少が懸念されています。

当社グループでは、九州沖縄・中国・近畿・北陸・関東・東北・北海道の15道府県で、飲食ビルを中心に商業施設・オフィスビル・マンション・倉庫・駐車場等2,066戸の賃貸及び管理を行っております。飲食ビルテナントへの取組みとして、九州地区で当社グループタクシーとテナント内で利用が出来る「共通クーポン券」の販売を前年に引き続き実施し、飲食ビルの利用客増加、既存テナントの囲い込み及び新規入居の推進を図っており、今後も継続して営業支援に取り組むとともに、タクシー事業の拠点となる主要地域においてシナジー効果と営業エリアの拡大、パーキング事業との連携強化を進めることで、収益力の高い賃貸物件の購入を積極的に行い、賃料収入の向上に努めてまいります。

売上高につきましては、飲食ビル等の入居率の回復、新規賃貸物件の増加等により3,919百万円(前年同四半期比7.0%増)、セグメント利益は1,912百万円(同5.5%増)となりました。

⑤不動産再生事業

当社グループにおける不動産再生事業は、主に不動産担保融資に特化した金融事業より集まる不動産情報に、付加価値を高めマーケットにマッチした再生物件として販売しており、不動産市況や経済動向を見極めながら、積極的に展開しております。

売上高につきましては、長崎県西彼杵郡時津町の分譲マンションの引渡し、大分市のオフィスビル売却等による2,100百万円(前年同四半期比51.7%増)、セグメント利益は252百万円(同104.2%増)となりました。

⑥金融事業

当社グループにおける金融事業は不動産担保融資に特化しており、先行きの不透明感はあるものの、目先の堅調な不動産市場動向に支えられ、良質資産の積み上げに努めております。当連結会計年度に開設した大阪支店の不動産担保融資の新規貸付が寄与し、不動産担保ローンの融資残高は11,008百万円(前連結会計年度末比1,053百万円増)となりました。

売上高につきましては、不動産担保融資の新規貸付による期中平均融資残高が増加した結果、734百万円(前年同四半期比7.5%増)、セグメント利益は446百万円(同101.2%増)となりました。

 

⑦その他事業

その他事業は、自動車の点検・整備、LPGの販売、パーキング事業、マンション管理、船舶事業、介護事業のほか多岐にわたる事業を展開しております。

不採算事業を縮小する一方、既存事業の充実に注力した結果、売上高は3,199百万円(前年同四半期比14.4%増)となりました。セグメント損失は635百万円(前年同四半期はセグメント損失576百万円)となりました。

 

(2)経営方針・経営戦略等

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

(4)研究開発活動

該当事項はありません。