売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E38017 


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当第2四半期連結累計期間の末日現在において判断したものです。

当社は、日本工営の単独親会社として2023年7月3日付で単独株式移転により設立され、新たに第1四半期連結累計期間より要約四半期連結財務諸表を作成していますが、従前の日本工営の連結グループの範囲から実質的な変更がないため、日本工営の2023年6月期第2四半期連結累計期間(自 2022年7月1日 至 2022年12月31日)および同連結会計年度末(2023年6月30日)を比較情報として用いています。なお、比較に際して当社子会社である株式会社エル・コーエイをコンサルティング事業セグメントからその他とする調整を行っています。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

① 経営成績の状況

当第2四半期連結累計期間(2023年7月1日から2023年12月31日まで)におけるわが国経済は、一部に足踏みもみられましたが、緩やかに回復しています。今後も、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあり緩やかに回復が続く見込みである一方、世界的な金融引締めに伴う影響や中国経済の先行き懸念など、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっています。また、中東地域を巡る情勢や金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要があります。

当社グループを取り巻く経営環境は、日本を含む各国にて社会経済活動が正常化する一方、ロシアによるウクライナ侵攻を契機とする世界的なエネルギー危機と食料危機、またインフレの進行や為替変動に加えて中東地域における紛争等、国際情勢における不確実性が高まっています。コンサルティング事業では、国内市場は引き続き国土強靭化に向けた公共事業予算が確保され、特に大規模災害対策や予防保全型インフラメンテナンス等の市場拡大と防衛関連インフラ事業の拡大が期待されます。また、海外市場は日本政府による「インフラシステム海外展開戦略2025」を軸にODA予算が強化され、紛争・被災地域における復興支援が必要となっています。そしてPPP(Public Private Partnership)、民間資本によるインフラ開発も増加傾向にあります。一方、インフレや為替変動、国際情勢の不安定な状況は継続すると見ています。都市空間事業では、国内および欧米諸国においてESG投資を呼び込むサステナブルな都市構造の再構築のニーズが高まる一方、開発途上国においては交通関連施設や周辺基盤の整備を含む都市開発事業のニーズが旺盛です。エネルギー事業では、国内における老朽化した既設設備の更新需要は堅調と見込まれます。2050年カーボンニュートラル目標に向け、再生可能エネルギーへのシフトという流れは変わらないものの、世界的なエネルギーコストの上昇による政策変更に対しても機敏に対応する必要があります。

こうした市場環境のもと、当社グループは「ID&E グローバル戦略 2030」の第1ステップとなる2021年7月から2024年6月までをグループ強靭化に取り組む変革期と位置付け、中期経営計画「Building Resilience 2024」に基づく3つの強靭化策を実行しています。

1つ目の強靭化策としては、これまでの5事業を3つのドメイン(コンサルティング、都市空間、エネルギー)に再編し、事業軸を強化します。2つ目の強靭化策では、純粋持株会社体制への移行によるガバナンスの強化と地域統括体制の整備によるマトリクス経営(各事業が地域ごとに相互に連携を図る経営)の実現を目指します。3つ目の強靭化策としては、ID&Eグループとしてのブランドと品質の確立に向け、技術開発および人財育成を強化します。また、そのための基盤として「Well-being経営」を推進しています。

以上の結果、当社グループの当第2四半期連結累計期間の業績は、受注高は主にコンサルティング事業が好調に推移し前年同期比11.7%増の65,919百万円、売上収益は主にエネルギー事業が順調に進捗し前年同期比16.1%増の67,835百万円となりました。営業利益は、コンサルティング事業の増益が寄与して前年同期比75.3%増の2,165百万円となりました。それに伴い親会社の所有者に帰属する四半期利益は313百万円(前年同期は1,054百万円の損失)となりました。

 

また、当第2四半期連結累計期間の売上収益67,835百万円は、通期予想売上収益156,000百万円に対して43.5%(前年同期は40.3%)の達成率となりました。これは当社グループの営業形態として、下期に進捗する業務の割合が大きく、売上収益計上に季節変動が生じるためです。

当社グループのセグメント別の業績は次のとおりです。

 

[コンサルティング事業]

コンサルティング事業では、日本工営を中心に、各事業分野でのシェア向上に加えて、流域治水・気候変動・SDGs・再生可能エネルギー・マルチハザードといった分野横断的な共創事業の推進、マネジメント事業の展開や民間セクターの拡大等に取り組みました。

以上の結果、受注高は国内が好調で前年同期比15.4%増の34,094百万円、売上収益は前年同期比3.7%増の34,107百万円となりました。営業利益は、資本参加先の株式上場に伴う評価益計上等により701百万円となりました。(前年同期は264百万円の損失)

 

[都市空間事業]

都市空間事業では、日本工営都市空間株式会社が要員確保や品質管理の徹底による生産体制の強化に、BDP HOLDINGS LIMITEDおよびその子会社(以下「BDP社」という。)が英国国内およびグループ間協業によるアジア市場開拓と北米市場における業務拡大に取り組みました。

以上の結果、受注高はBDP社が好調で前年同期比15.6%増の22,858百万円、売上収益は前年同期比16.7%増の19,143百万円となりました。営業利益は分社化に伴う管理費用計上方法の変更により前年同期比32.5%減の134百万円となりました。

 

[エネルギー事業]

エネルギー事業では、日本工営エナジーソリューションズ株式会社(2023年9月以前は、日本工営株式会社エネルギー事業統括本部)を中心に、蓄電池やアグリゲーション事業といったエネルギーマネジメント事業を本格展開させるとともに、既存の機電コンサルティング・エンジニアリング事業の体制強化と製造事業の安定化に取り組みました。

以上の結果、受注高は前年同期に大型受注があった反動および変電制御システム関連事業の受注減により前年同期比7.4%減の8,720百万円、売上収益は大型蓄電池事業や変電所緊急対策工事等の電力設備関連事業が好調で前年同期比63.4%増の14,019百万円となりました。営業利益は、前年同期に当社関連会社であったPT.ARKORA HYDRO株式の売却益および有価証券運用益の計上等が約20億円あった反動で前年同期比37.0%減の1,289百万円となりました。

 

② 財政状態の状況

当第2四半期連結会計期間末の資産合計は、203,166百万円となり、前連結会計年度末と比較して7,775百万円の増加となりました。これは、契約資産18,990百万円の増加等があったことが主な要因です。
 負債合計は、121,136百万円となり、前連結会計年度末と比較して9,528百万円の増加となりました。これは、借入金19,417百万円の増加等があったことが主な要因です。
 資本合計は、82,030百万円となり、前連結会計年度末と比較して1,753百万円の減少となりました。これは、利益剰余金1,569百万円の減少等があったことが主な要因です。
 以上の結果、親会社所有者帰属持分比率は39.0%となり前連結会計年度末と比較して2.4ポイント低下しました。

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当第2四半期連結累計期間末の現金及び現金同等物は、21,631百万円となり、前連結会計年度末に比べて10,047百万円減少しました。当第2四半期連結累計期間のキャッシュ・フローの状況と、前年同期に対するキャッシュ・フローの増減は、次のとおりです。

営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前四半期利益1,593百万円に減価償却費等の非資金項目や営業活動に係る債権・債務の加減を行った結果、23,153百万円の支出となり、前年同期に比べ1,991百万円の減少となりました。これは主に、契約資産が増加したほか、営業債務の支払増加等の要因によるものです。

投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産や無形資産の取得等を行った結果、3,242百万円の支出となり、前年同期に比べ1,273百万円の支出の減少となりました。これは主に、有形固定資産及び投資不動産の取得による支出が減少したことによるものです。

財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の借入れや返済等を行った結果、16,171百万円の収入となり、前年同期に比べ8,860百万円の減少となりました。これは主に、短期借入金の返済が進んだことによるものです。

 

(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題

  当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

 

(4) 従業員数

① 連結会社の状況

2023年12月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

コンサルティング事業

3,046

(1,473)

都市空間事業

2,207

(198)

エネルギー事業

710

(98)

その他

439

(131)

合計

6,402

(1,900)

 

(注) 1.従業員数は、当社グループから当社グループ外への出向者を除き、当社グループ外から当社グループへの出向者を含む就業人員です。

2.従業員数の(外書)は、当第2四半期連結累計期間における臨時従業員の平均雇用人員(パートタイマーは1日7.5時間換算)です。

3.臨時従業員には、期間契約社員、パートタイマーおよび非常勤の従業員を含み、派遣社員を除いています。

4.その他は、その他の事業および全社運営に係る従業員です。

 

② 提出会社の状況

2023年12月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

その他

16

(-)

合計

16

(-)

 

(注) 従業員数は、当社から他社への出向者を除き、他社から当社への出向者を含む就業人員です。

 

(5) 研究開発活動

当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は526百万円です。
 なお、当第2四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。