売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS




E37740 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当中間会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

① 経営成績の分析

 当社は、製造プロセスを化石資源由来の「熱と圧力」から電気由来の「マイクロ波」に置き換えることで、「省エネルギー」・「高効率」・「コンパクト」な環境対応型プロセスのグローバルスタンダード化を目指しています。これを実現する為に、技術プラットフォームを用いて幅広い顧客や業界が抱える課題に対してソリューションとして提供します。当社の戦略としては、このマイクロ波技術のソリューション提供(提携事業)を中核としつつ、新規事業の創出を両輪とした成長戦略を展開します。具体的な成長戦略は以下の通りです。

A 提携事業の深化

 当社がこれまでに取り組んできた、炭素繊維製造、鉱山プロセス、ケミカルリサイクルなどの事業領域における開発案件を提携先と共に着実にPhase3(実機導入)に持って行き、社会実装を進めます。実機導入による大型収益を目指すとともに、技術・装置の標準化を進めることで長期的な粗利率の改善・リードタイム短縮化を目指します。具体的な技術標準化施策としては、鉱山プロセス新規標準実証装置への開発投資、既存標準ベンチ装置のアップグレードなどを想定しています。

 また、マイクロ波装置のスケールアップに伴い発振器コストが増加し納期も長期化しており、提携事業における利益を圧迫していたことから、2026年6月期より内製化に向けた開発を進め、コストダウンを目指します。

B 新規事業探索

 戦略仮説の立案と仮説検証のサイクルを回しながら新規事業の探索を行い、2030年までに継続収益の獲得を目指します。具体的には、(i)マイクロ波の他分野への展開(例:半導体材料領域)、当社の事業開発・ラボ・エンジニアリングの一貫した機能を活用した、(ⅱ)マイクロ波以外の新規ソリューションの既存顧客への提供、小規模M&Aを想定しています。

 

 上記の戦略の下で、当中間会計期間においては、以下の事業進捗を発表しました。

A 提携事業の深化:

(マイクロ波発振器の内製化プロジェクトを本格始動)

 公益財団法人横浜企業経営支援財団が運営している横浜新技術創造館リーディングベンチャープラザ(横浜市鶴見区)内に新たな研究拠点「横浜ラボ」を開設し、マイクロ波発振器の内製化を目指すプロジェクトの拠点として2025年7月1日から稼働を開始しました。

 長年マイクロ波装置分野に従事してきた技術者を迎え、横浜ラボでは発振器の設計、試作、検証までを一貫して行い、実用化に向けた開発を本格化させます。今後の展望としては、2026年度末までにマイクロ波発振器の試作機完成を予定し、その後は本社ラボ・大阪事業所及び各プロジェクトへの供給を開始します。さらに、量産体制が整い次第、外部販売も視野に入れています。

(アクリル樹脂リサイクル材がHondaの新型軽乗用EVに採用)

 三菱ケミカル株式会社と共同で開発を進めるマイクロ波を利用した熱分解リサイクル技術により再生したアクリル樹脂リサイクル材が、本田技研工業株式会社の新型軽乗用EV用ドアバイザーに採用されました。自動車用品におけるアクリル樹脂リサイクル材の採用は業界初(ホンダアクセス調べ)となります。

 当社は2021年より使用済み自動車から回収したアクリル原料を対象に、マイクロ波を用いたケミカルリサイクル(CR)技術の確立に取り組んできました。CRの実用化を通じ、自動車リサイクルにおける再生材利用の拡大を推進し、持続可能なモビリティ社会の実現への貢献を目指すとともに、本件を含むCR事業を重点領域として拡大し、マイクロ波プロセスの社会実装を加速します。

(低炭素リチウム鉱石製錬技術のパイロット実証試験を開始)

 三井物産株式会社と共同で開発を進めるマイクロ波を用いた低炭素リチウム鉱石製錬技術におけるパイロット機が完成し、実証試験を開始しました。

 カーボンニュートラル社会の実現に向けて、モビリティの電動化が一段と進む中で、電気自動車の電池に使われるリチウムは、世界各国で重要鉱物として指定されるなど、経済安全保障の観点からも安定した供給網の確立が求められています。リチウム鉱石の処理は化石燃料の燃焼熱を用いるため、製錬工程から排出される多量のCO2を削減することが大きな課題となっており、低環境負荷で製造される低炭素リチウムのニーズが高まる見通しです。

 本パイロット機は、リチウム鉱石を連続で煆焼処理し、CO2排出量の大幅な削減、及び熱効率改善による省エネルギー化を実現します。今後、年間約700t規模での試験を実施し、2030年頃の商業化を目指します。

B 新規事業探索

(低濃度貴金属回収事業を譲受)

 株式会社ディーピーエス(DPS)より低濃度貴金属回収事業を譲り受けることについて事業譲渡契約を締結しました。従来のマイクロ波技術のソリューション提供に加え、当該事業を取得し、当社の事業開発ノウハウ及び技術プラットフォームを横展開することで新規ソリューションを拡充する、多軸的な成長を目指します。

 DPSは、DualPore™と名付けた無機粒子を用いて、貴金属やレアメタルの回収に取り組んできた京大発ベンチャー企業であり、数ppm程度のパラジウムを始めとした低濃度貴金属の回収、再生利用に成功しています。顧客企業の排水ラインにDualPore™粒子カートリッジを設置して貴金属を回収し、金属精錬業者に販売するビジネスモデルです。今後、当社の事業開発・ラボ・エンジニアリングの一貫した機能をハンズオンで投入し、当社既存顧客へのクロスセル及び海外を含めた収益拡大を目指します。

 

 このように、既存の開発案件を着実に進めつつ、新領域の開発案件獲得にも積極的に取り組んだ結果、当中間会計期間末時点では、新規案件獲得数は通期計画25件に対して9件、契約済みの案件総数は通期計画64件に対して32件(うち14件は当中間会計期間に売上計上)となりました。

 以上の結果、当中間会計期間における経営成績は、売上高340,203千円(前年同期比4.6%の増加)、営業損失は576,514千円(前年同期は199,837千円の営業損失)、経常損失は583,832千円(前年同期は203,082千円の経常損失)、中間純損失は584,764千円(前年同期は204,507千円の中間純損失)となりました。

 また、当社は、マイクロ波化学関連事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

② 財政状態の分析

 総資産は1,495,622千円となり、前事業年度末に比べ628,916千円減少しました。これは主に、仕掛品が14,388千円増加したのに対し、現金及び預金が156,306千円、売掛金が466,623千円、機械及び装置が29,036千円それぞれ減少したことによるものであります。

 負債合計は1,003,936千円となり、前事業年度末に比べ56,595千円減少しました。これは主に、買掛金が96,573千円増加したのに対し、契約負債が48,178千円、流動負債その他に含まれる未払金が53,318千円、流動負債その他に含まれる未払消費税等が35,938千円それぞれ減少したことによるものであります。

 純資産は491,685千円となり、前事業年度末に比べ572,321千円減少しました。これは、資本金及び資本剰余金がそれぞれ1,681千円、新株予約権が9,080千円それぞれ増加したのに対し、利益剰余金が584,764千円減少したことによるものであります。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当中間会計期間における現金及び現金同等物は、前事業年度末に比べ156,306千円減少し、350,788千円となりました。

当中間会計期間の各キャッシュ・フローの概況は以下のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、92,791千円の支出(前年同期は49,853千円の収入)となりました。これは主に、売上債権の減少額466,623千円、仕入債務の増加額96,573千円を計上したのに対し、税引前中間純損失583,093千円、契約負債の減少額48,178千円を計上したことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、46,420千円の支出(前年同期は97,885千円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出17,886千円、無形固定資産の取得による支出15,544千円、資産除去債務の履行による支出13,800千円を計上したことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、17,095千円の支出(前年同期は20,031千円の収入)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出14,280千円、リース債務の返済による支出7,532千円を計上したことによるものであります。

 

(2)経営方針・経営戦略等

 当中間会計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当中間会計期間において、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(4)研究開発活動

 当中間会計期間における研究開発活動の金額は275,505千円であります。

 なお、当中間会計期間において、当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。