売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E33381 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当第3四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

財政状態及び経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間における世界経済は、インフレの長期化とそれに対する金融引き締めが継続するとともに、ウクライナ紛争の長期化、中国経済回復の鈍化等による景気押し下げ要因により、今後の経済見通しは不透明な状況が続いております。

このような状況の下、当社グループは食を扱うグローバルカンパニーとして、様々な事業環境の変化に対応しながら、安全かつ安定的な商品の供給に努めてまいりました。当社グループの主たる事業は、日本食をはじめとするアジア食品・食材を、北米中心に欧州、中国、東南アジア、豪州等で販売する「アジア食グローバル事業」並びに青果物等の国内販売、及び輸出・三国間貿易を行う「農水産商社事業」であります。また、海外のブランド食品や自社で企画・開発したシーズン商品、キャラクター商品を日本の輸入食品店・生活雑貨店等に販売する事業や、ナチュラルサプリメントの製造・販売事業も行っております。さらに、食の業界が抱える様々な課題に対するソリューションを発掘・提供する企業への進化を目指し、「食」と「ヘルスケア」等が融合する新たな領域での事業展開や、食の世界に携わる事業者に対するデジタル技術を活用したソリューションの提供等を進めております。

アジア食グローバル事業は、主力である北米地域の持続的かつ安定的な収益実現のための構造改革と、成長戦略の一つである北米以外の地域における営業基盤の拡充を積極的に推進してまいりました。農水産商社事業では、主力の卸売市場向け、量販店、中・外食産業等向けの販売拡大を進める一方、国産青果物の輸出、三国間貿易、中国国内卸売事業等、海外販路の開拓に取り組んでまいりました。

これらの結果、当第3四半期連結累計期間における業績は、売上高2,235億98百万円(前年同期比10.5%増)、営業利益88億11百万円(前年同期比5.9%増)、経常利益99億41百万円(前年同期比14.6%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益66億93百万円(前年同期比17.8%増)となりました。

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。なお、セグメントの売上高につきましては、外部顧客への売上高を記載しております。

 

[セグメント別業績の概況]

① アジア食グローバル事業

アジア食グローバル事業の当第3四半期連結累計期間における業績は、売上高1,745億89百万円(前年同期比10.6%増)、営業利益106億34百万円(前年同期比10.1%増)となりました。

北米地域においては、堅調な販売状況のもと、売上高はレストラン向け、グローサリー向けともに前年同期比で増加いたしました。大手グローサリーチェーンへの販売拡大、ナショナルブランドからプライベートブランドへの切り替え促進、シェアの確保に重点を置く営業施策等が奏功いたしました。

利益面では、適切な価格転嫁等による利益率維持に努めましたが、人材確保を目的とした給与水準の調整や広範にわたる物価上昇等による費用の増加により、前年同期比では利益率が低下いたしました。

北米以外の地域については、欧州地域では、インフレや利上げ継続による個人消費の低迷が見られるものの、チェーンレストラン向けを中心に売上高は前年同期比で増加いたしました。なお、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項 (重要な後発事象)」に記載のとおり、当社はイタリアに本社を置くUniontrade S.p.A.の全株式及びUni Logistic S.r.l.の全持分を2023年10月31日付で取得し、連結子会社化しております。アジア・オセアニア地域では、欧米同様にインフレの継続等による経済成長の鈍化も見られましたが、適切な価格転嫁に加え、チェーンレストラン向け売上が堅調に推移したことにより、前年同期比で増収となりました。

 

② 農水産商社事業

農水産商社事業の当第3四半期連結累計期間における業績は、売上高462億78百万円(前年同期比10.0%増)、営業損失4億30百万円(前年同期は6億43百万円の営業損失)となりました。

売上高については、輸入青果及び冷凍加工食材が比較的順調な出荷を実現できたこと等により、前年同期比で増収となりました。

利益面については、輸入青果において数量優先の販売施策のため相場の引き下げ等を行ったものの、輸入青果及び冷凍加工食材にて価格転嫁等に努めたこと等により、前年同期比で増益となりました。

 

③ その他事業

その他事業の当第3四半期連結累計期間における業績は、売上高27億30百万円(前年同期比11.0%増)、営業損失2億17百万円(前年同期は2億27百万円の営業損失)となりました。

主力の輸入食品販売事業では、第1四半期は最大商戦であるバレンタイン・イベントの成功により、売上高・利益ともに順調に伸ばすことができたことに加え、第2四半期以降で日常的な輸入ブランド商品が円安やインフレの影響を受けるも堅調に推移するとともに、サプリメント事業では主力の医療販路、ECを中心に堅調に売上高を伸ばしました。その他、手術後や病後者向けの食品提供事業等の新規事業開発に係る費用が先行して発生いたしましたが、その他事業全体としては、増収増益となりました。

 

(資産)

当第3四半期連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ302億48百万円増加し、2,094億70百万円となりました。主な要因は次のとおりであります。

当第3四半期連結会計期間末における流動資産合計は、1,777億9百万円(前連結会計年度末比266億78百万円増加)となりました。流動資産の増加は、現金及び預金の増加213億37百万円、棚卸資産の増加27億53百万円があったことによるものであります。

当第3四半期連結会計期間末における固定資産合計は、317億61百万円(前連結会計年度末比35億69百万円増加)となりました。固定資産の増加は、リース資産(純額)の増加16億60百万円、建設仮勘定を含むその他(純額)の増加9億23百万円、ソフトウエアの増加5億2百万円があったことによるものであります。

 

(負債)

当第3四半期連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ179億14百万円増加し、1,250億73百万円となりました。主な要因は次のとおりであります。

当第3四半期連結会計期間末における流動負債合計は、394億49百万円(前連結会計年度末比58億35百万円増加)となりました。流動負債の増加は、短期借入金の減少9億82百万円があったものの、支払手形及び買掛金の増加31億54百万円、1年内返済予定の長期借入金の増加29億19百万円があったことによるものであります。

当第3四半期連結会計期間末における固定負債合計は、856億24百万円(前連結会計年度末比120億78百万円増加)となりました。固定負債の増加は、長期借入金の増加99億95百万円、リース債務の増加16億5百万円があったことによるものであります。

 

(純資産)

当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ123億33百万円増加し、843億97百万円となりました。純資産の増加は、主に為替換算調整勘定の増加86億60百万円、利益剰余金の増加44億68百万円があったことによるものであります。